忖度? 指導? 「下で回る」を捨てたメディア、捨てなかったメディア

スポーツ報知の高木記者が一夜明け会見一問一答全文をあげてくださいました。





スポニチと同様、忠実に再現してくださっています。ありがとうございます。内容的にスポニチと被るのでこちらは転記しません。また、マガジンの山口さんが紙版で文字テロしてくださるでしょう。


さて・・・そんな中、Sportivaの記事で、TLがザワザワしていますね。


<スポニチ版>
自分がやってきている道が本当に正しいのか正しくないのかっていう風に迷ってはいたので。言ってみればなんですけど、ジャンプ跳ぶ前に凄い固まって静止状態から下で回りながらジャンプを跳ぶことが果たして正しいジャンプなのかどうか

<Sportiva版>
自分がやってきている道が本当に正しいのか正しくないのかというところで、少し迷っていたんです。ジャンプを跳ぶ前にすごい静止状態から跳ぶことが、果たして正しいジャンプなのかどうなのか……。

<スポニチ版>
4回転ルッツが本当に難しいのかと言われたら、やろうと思えばみんな跳べるのかもしれないですし。それはもうタイプによりけりですし。僕はどう頑張って練習しても下で回ることができないので。

<Sportiva版>
4回転ルッツが本当に難しいのかと言われれば、やろうと思えばみんな跳べるかもしれないけど、そこはもうタイプによりけりですし……。(省略)


「下で回る」という部分が、Sportivaでは、2ヶ所とも端折られています。1ヶ所ならたまたま…とも思えますが、2ヶ所となると意図的と思わざるえません。「静止状態から跳ぶ」方は端折られていないのに、どうして「下で回る」方は省かれたのでしょうか。

結弦くんは名指しはしていませんが、この発言をみたとき、一般的にスケオタの頭の中には、「静止状態から跳ぶ」方はネイサン(助走が長いのはネイサンだけではありませんが)、「下で回る(プレロテ)」方は日本二番手選手が頭に浮かんだようです。ジャンプの質のわりに高いGOEが出る代表格選手だからです。とはいえ、二番手選手の方はプレロテだけでなく、最近はどんどん入りの工夫を省略してきていますので、両方装備してると言えるかもしれません。なので、さすがに同じ括りにしたらネイサンに失礼だけどね。

二番手選手のプレロテフルブレは、海外では多くの専門家から指摘されていますが、日本ではそういった指摘をほとんど目にしません。テレビ番組で、結弦くんのジャンプと比較して、ライサチェックのジャンプをプレロテだと指摘し「ちょろまかしジャンプ」とまで言っていた佐野さんですら、二番手選手についてはスルーでした。想像ですが、暗黙の了解で、そこに触れることはタブー視されているのかなと思っています(ルール上はセーフだが、高いGOEとの整合性がとれなくなる)。また、結弦くん以外はほとんどの男子選手が「静止状態から」跳んでますので、そこには特段に忖度する必要がなかったのかもしれません。

スポニチと報知は忖度せずにそのまま掲載しました。報知も「下で回る」という部分を端折ってはいません。それだけに、Sportivaの記事が悪目立ちしてしまったように思います。折山さんは概ね悪いライターさんではないと思いますが、たまに「?」と感じる記事を書かれることがあります。今回もその典型で残念に思いました。

私は、毎年、年1回発行されるBL人気ランキング本の作品紹介記事を頼まれて何本か書いてます。一度だけ、記事を納品してだいぶたってから、編集プロダクションから「出版社からもっと作品を誉めてくれという要求があったので書き直してほしい」と言ってこられてびっくりしました。それまで何度も納品してましたが、そのときはじめて事前に出版社のチェックが入ることを知りました。フィギュア誌はもしかしたらスケ連あたりのチェックが入るのかもしれませんね。あるいは、指導されなくても、出版社の方で忖度しちゃってる可能性もありますけどね。ただ、それが透けてみえると…しらけちゃうのよね。

他のメディアは「下で回る」も「静止状態から跳ぶ」もスルーしていました。とりあげた新聞社は知り限りではスポニチと報知だけです。Sportivaもとりあげるのなら、中途半端なことをせずにすべて忠実に書くべきだった。それができないのなら、いっそほかのメディアのように完全にスルーしていた方がマシだったかもしれない。スポニチや報知と比較されて信頼を失っただけのような…。

信頼を築くのは時間がかかりますが、失うのは一瞬です。折山さんの記事の信憑性が、今後、読者から疑われるようなことがないといいのですが…。


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タグ : 2019-2020_season

2019/10/30 16:10 | グランプリシリーズCOMMENT(7)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

進むべき道

みずほさん いつもありがとうございます。

折山さんの記事には、時々引っ掛かってたのですが、何せ古参女性ライターがあんまりなので、気にしすぎかなと思ってきました。
錯覚ではなかったのが残念です。

今、フィギュアスケートは、スポーツなのか、(滅びようとしている)ショーなのかの大きな分かれ道に来ていますね。←今までもあったのかもしれませんが、注意してなかったので。。

世界中で愛される羽生結弦。
彼だけは幸せに生きて欲しい。

アリ・ザカリャンのインタ読み、更に失望しています。

No:11391 2019/10/30 16:57 | monaka #- URL [ 編集 ]

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No:11395 2019/10/31 06:21 | # [ 編集 ]

かえって悪目立ちよね(苦笑)

みずほさんこんにちは。
おっしゃる通りです。スポルティーバは、「下で回る」の文字を削除したことによって、かえってその言葉が浮き上がり悪目立ちしてしまった。

下手に削除して載せるくらいなら、最初から記事にしないほうがよっぽどいいのに。アホだわ(苦笑)
海外にも拡散されていますね。

結弦くんはオータムのあと、繋ぎを減らそうと考えたり、「下で回る」練習も試したけど自分には出来なかった。
高難度化の流れが増えて、全選手の健康を心配している…。
こんな事を現役選手に言わせるなんて。(引退控えてたハビエルも語ったけど。引退するから言えたのよ)

結弦くんは今回、スケカナで評価されていなかったら、ファンを引き連れて引退を決意したかもしれない…と感じました。
試合で一度は4アクセルを飛びたいでしょうけど。

スケカナの結果次第では、NHK杯で無理にでも飛んで辞めてたかもしれません。転倒すれば、軽トラックと衝突するくらいの衝撃だと言われてますが。

スポルティーバは、どこぞに忖度してファンからの信頼を失いかけてますね。本当、信頼を失うのは一瞬だよね。

そしてISUはエキシを無くして、おかしなアワードを開催したいとか(笑)
資金使うのそこじゃないよ!
リンクサイドのカメラを増やし、誤審を無くすこと。
ジャッジに報酬を支払い、ナショナルバイアスや接待になびかないようにする事が、まず先決だろうに( ̄^ ̄)

No:11396 2019/10/31 09:04 | てるこ #- URL [ 編集 ]

こんにちは
スケカナの羽生くんのオリジン観るたびに思います、唯一無二のスケーターだと。
オータムの採点は羽生くんのスケートを奪ってしまうくらいに羽生くんを傷つけていたのですね。
「下でまわるジャンプ」や長い助走からのジャンプに高い加点がつく、、正確な踏み切りで空中で回転し尚且つ難しい入りに ステップを入れてるジャンプの方が評価が低いとか納得できないです。そしてその事を一切報道せず母国選手よりアメリカ選手を称賛するマスコミに日本のフィギュア関係者たち。どこまで腐ってるのかと呆れるというか。
スポニチ、報知がカットしなかった事は少しでもマスメディアとして良心が残っているのか?
あまり期待していません(笑)
何で羽生くんは年々透明感がまして内側から輝いていくのかなの思うのですが人として生きざまが美しいからかなと。
職場の同僚がスケカナ観たらしく「見た目から別格だね」と話しかけられ嬉しかったです。フィギュアに興味ない人だから率直な意見が多いです。ネイサン選手は知らないし、後輩選手は
名前も思いだせず、紀平さんは何故か好きではないらしい。
ISU、日本スケ連、フィギュア界、マスコミを私は許す事ができない。なんの力もないけど羽生くんのためだけに応援し理不尽な事には傍観者ではいたくないと思います。

No:11397 2019/10/31 10:54 | あさみ #- URL [ 編集 ]

monaka 様

monakaさん、こんにちは。

>折山さんの記事には、時々引っ掛かってた

これまでも折山さんは変なフィルター入ってるなと思うことがときどきありました。同じ男性ライターなら松原さんの方が好きです。折山さんよりフラットです。よく書かれている媒体がNumberなのが惜しいですが。

>スポーツなのか、(滅びようとしている)ショーなのかの大きな分かれ道

試合のあとにエキシビションなんてショーをやる競技は他にないので、もともと興行よりのスポーツではありますが、ルールがわかりにくい、ルールがコロコロ変わる、採点は疑義だらけ…では人気はでませんわね。エンターテイメントとしてみても、昔より人の選択肢が増えて、競争相手が増えていますしねえ。

ショーとしての人気が欲しいのなら、ビジュアル実力を合わせもったスケーターを育成するしかないです。特に男子は、もって生まれた華と実力、両方あるのが結弦くんしかいないのですから、人気が一極集中するのは当たり前。ネイサンは絶望的に華がない。女子はロシアン頼みでしょうね。ただ、ロシア女子は寿命が短いから。トップを何年も張れないと個人人気は持続しません。結弦くんは10年もトップ張ってるんですからね。

>アリ・ザカリャンのインタ

あの人はプロモーターでしかないです。その意見を取り入れるISUがアホなんです。

コメント、どうもありがとう♪

No:11398 2019/10/31 12:16 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

てるこ 様

てるこさん、こんにちは。

>下手に削除して載せるくらいなら、最初から記事にしないほうがよっぽどいいのに

Numberの田村氏はそこに触れずに「羽生結弦らしい演技をした」ということに焦点を当てた無難な記事を書いてました。田村氏の方が賢いです(笑) 結弦くんの発言はとてもデリケートなもの。それを中途半端な覚悟で、恣意的に切り取った記事にするから突っ込まれまくるのです。

>こんな事を現役選手に言わせるなんて。

本当はOBOGが声をあげないとダメなのですけどね。日本のOBOGは役立たずばかりです。羽生ブームで恩恵うけて仕事あるけど、彼が引退後はどうするつもりかしら。

>本当、信頼を失うのは一瞬だよね。

スポルーティバは能登さんの写真が好きなだけに残念。正直なところ、マガジン以外は記事いらんから(笑)、他は写真だけでいいのよ。

>おかしなアワード

盛り上がらず、1回で終わっても驚きません。2016年にコーセー・チームチャレンジカップとかいうのができて、2年に1回開催される予定の新しい競技イベントだったけど、結局1回で消えましたからね。

コメント、どうもありがとう♪

No:11403 2019/11/01 01:27 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

あさみ 様

あさみさん、こんにちは。

>あまり期待していません

報知の高木さんは昨シーズン山口さんが不在のときせっせと会見全文をUPしてくださっていたので、まだ信用できる記者さんだと思います。マガジンにも寄稿されてましたしね。スポニチも長久保さんや神の新聞社なので、他に比べれば信用できるかと。ただ、そんなところですら、オータムの不可解採点についてはスルーでした。採点問題に疑義を唱えるのはタブーなんですかね。どこか一カ所でもいいからそこに切り込んでほしかったです。

>人として生きざまが美しいからかなと

造形的に美しいのは確かですが、あの透明感はまた別もの。内面から滲みでているものだと思います。ユーミンも「あんな透明な人は見たことない」って言ってましたよね。関西ローカルの上田アナも「あんな裏表のない人は見たことない」って言ってました。

>フィギュアに興味ない人だから率直な意見が多いです。

スケオタでない一般人の方が曇りのない目でみてます。スケオタは変なフィルター入ってしまってます。一般人との意識の乖離はすごく感じますね。私、つくづく自分はスケオタでないなと思いますもの(笑)

>ネイサン選手は知らない

まあアメリカですら知名度がほぼないくらいですから…。100人いても1人も知らないらしいし。

>後輩選手は名前も思いだせず

五輪は金以外は人の記憶には残らないです。その選手に特別な人気がない限り。真央さんですら、アンケートとったら、真央さんの銀より、荒川さんの金の方が「記憶に残った演技」としていつも上位にきますものね。

>紀平さんは何故か好きではないらしい

現状、エテリ星からの異星人軍団の襲来に対抗できる唯一の地球軍の戦士だと思うんですけど(笑)、報道量のわりには今ひとつブレイクしてない感じはします。やはりワールドメダルは欲しいところですね。

>傍観者ではいたくないと思います。

とりあえず、微力ながらブログで訴えていきたいとは思ってます。

コメント、どうもありがとう♪

No:11404 2019/11/01 11:43 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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