羽生結弦選手 平昌への道のり、そして平昌後(ANAインタビュー)

結弦くんのANAインタビューがきてます。
詳細はこちら → http://www.ana.co.jp/promotion/ready-for-take-off/yuzuru-hanyu/


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運命を受け入れ、力に変える王者の魂

4年に1度の国際大会が韓国平ピョン昌チャンで開催される2018年2月は2017-2018シーズン中のため、大舞台へ出場し表彰台を狙う選手にとって、今季はプレシーズンとして大事な一年を迎えたことになる。
フィギュアスケート男子シングル界を牽引し続けるトップスケーター、羽生結弦。昨季は左足甲のじん帯損傷というダメージを負ってシーズンを終え、治療とリハビリを経て氷上練習が再開できるようになったのは、6月中旬。例年であれば、春に短いオフを過ごしたのち、すぐに新プログラムの作成に取りかかり、夏場には9月10月から世界各国で行われる大会に向けてブラッシュアップしているに違いない。8月下旬の取材日、羽生選手は晴やかな表情でカメラの前に立ち、試合後の会見同様、滑らかに話し始めた。
「まだあまり詰めた練習はできていませんが、焦りはありません。プレシーズンですし、(ジャンプなど)難易度の高い技も磨きをかけて、完成させていきたいと思っているので、今季もテーマは『挑戦』です。氷上練習を始めた当初、左足に負担の少ないルッツやループを数多く跳んでいました。4回転ルッツに挑戦してみたい気持ちは少しありますが、プログラムに入れることは現段階では現実的ではないですね」

新技への取り組みやエレメンツのレベルアップなどを冷静に分析しながら、気負いを感じさせることもなく話す羽生選手だが、未曾有の大震災を経験しながらも日本人男子初の金メダリストに輝いた以降も、決して平坦な道を歩んではいなかった。激しい練習により身体が悲鳴を上げた時期があったり、2種類の4回転を跳ぶプログラムにチャレンジしたり、自身で叩きだした世界最高点を自らで破るなど、いくつもの壁を乗り越えながらさまざまな挑戦を重ねて成果を挙げてきた。それは王者の座にあぐらをかかず、己に起きたことをまっすぐに受け止め、思考し、より高みを目指して真摯に努力できる彼だからこそ、何事にも揺らぐことがないのだろう。事実、取材から40日後のシーズン初戦――ISU公認の国際大会で史上初となる4回転ループを成功させ、またひとつ壁をクリアしてみせた。

観客の心を沸き立たせたい新プログラム

「ショートプログラムはテンポが速く楽しめるような曲なので、格好良さだったり激しさだったりを感じていただければうれしいです。一転してフリースケーティングは、去年のようなキャラクターが定まっている感じではなく、情感あふれるピアノ曲。人それぞれ感じ方は違うでしょうが、心の底にある『何か』を喚起させたいですね。全く違う印象なので、一つの大会の中で、それぞれに違う一面をお見せできればいいと思っています」
取材時にはここまでの情報しか公開されなかったが、後日お披露目されたショートプログラムはロックスター・プリンスの代表曲『Let’s Go Crazy』を男らしく踊り、フリースケーティングでは久石譲氏のピアノ曲『ホープ&レガシー』の美しくドラマティックな旋律を抒情的に滑って、彼のコメントの意図をしっかりと表現していた。
楽し気に語った彼の脳内では、新しい顔を持つ羽生結弦が氷上を華麗に舞い、これまでに幾度となく味わった、会場全体がスタンディングオベーションでどよめくシーンが、すでにイメージされていたのかもしれない。

オンもオフも音にこだわる

4歳でスケートを始め、10歳から世界を転戦する華やかなキャリアをスタートさせた羽生選手。以来”旅”と言えば「遠征か練習」と話す。2012年にカナダ・トロントへ練習拠点を移し、日本とカナダを幾度となく行き来する道中で会得したことがあるそうだ。
「トロントまでのフライトは12時間くらいかかるので、長いフライトに慣れてきました。海外での大会へは必ず飛行機に乗るので、非常にいい経験が積めていると思います。試合へ行くときは時差ボケ対策のために、基本寝ることを心がけています。試合後のフライトで演技を振り返り、課題を探すこともありますが、ゲームなどをして、もう本当にリラックスしていることが多いです(笑)」
旅の友について尋ねると、ジュニア時代に話を聞いたときと同じように瞳を輝かせ、熱心に語ってくれた。
「旅の友はイヤホンですね。気分や聴く曲、シーンによって使い分けています。遮音性の高いものやフィット感で選ぶこともありますが、決め手は”音質”。繊細な音や抜ける音が聴こえるタイプや、疲れているときは温かみのある音質で聴けるイヤホンにするとか、ガンガン聴いてモチベーションを上げたいときにはクリアな音質にこだわったものにするとか! 常に5~6本、多いときは8本くらい持ち歩いていますね(笑)」
カメラマンが撮影した画像を見ながら、「イヤホンをしている写真って新鮮!うれしい!」と頬を緩める。そんな愛してやまない旅の友は、戦友でもあるようだ。
「プログラムの曲を日常でも聴き込んで、『ここにこういう音がある』とか、『ああいう音もあるんだ』というのを、身体の中で感じ取れるくらいにしていきます」
競技の特性上、振り付けをただ踊るだけでは豊かな表現力とは見なされず、高得点につながらない。音を取って音(曲)に合わせて踊り、難しいエレメンツをこなしながら、その曲の世界観を表現できなくては、トップ戦線を勝ち抜けないのだ。
しかし、イヤホンで細部の音にまでこだわる表現者=スケーターがいたとは驚いた。演技中にリンクで流れるときには聞こえないかもしれない音までをすくい上げ、羽生結弦ワールドを体現したいという高い意識の表れに、私には聞こえた。

巻き起こる「羽生旋風」平ピョン昌チャン、そしてその先へ

4年に1度しか獲ることのできない金メダルを手中に収めてもなお、世界のトップで戦い続けようとするスケーターは、近年では珍しい。休養を取り心身ともに休ませてから復帰するスケーターもいるが、年々複雑化するルール、4回転ジャンプを複数の種類のジャンプで跳ばなくてはいけないほど技のレベルが上がり、ジャンプだけではなく、表現力やエレメンツ間のつなぎにも工夫をしなければ、表彰台に上がることさえできない厳しい時代だ。下からの突き上げも激しさを増してきたが、それでも競うことをやめないアスリート――羽生選手に、モチベーションをキープする秘訣を尋ねた。
「”多面性”を持っているからだと思います。表現であったり、スケーティング技術であったり、ジャンプもスピンもステップも、本当にいろいろな面がそろっている競技なので。もちろん、僕の大きな武器としてエレメンツ一つひとつの質が高いことや、技のつなぎにスキがないことなどがありますが、たとえばエッジワークが巧みな選手のスケーティングなど見習いたいと感じるし、それぞれに素晴らしい技術を持っていて学べることがたくさんある。だから、トップを走るつらさはありますが、全てにおいて追いかけられている気はしません。むしろ、ここはもっと追いかけたいとか、ここは負けていないなとか、そんなことを感じながら自分を成長させられると思うことに対して全力で取り組み、もっと上手くなりたい、進化したいという気持ちが続いているのだと思います」
続けて、平昌大会での抱負をさらっと口にする。

「『絶対金メダル獲るぞ!』という気持ちはあります。それは、どの大会でも優勝したいと思うし、いい演技がしたいというのと同じこと。4年に1度の試合も、毎年行われる試合も同じ”試合”なので、『絶対金メダルを獲りたい』と思っています」
そうインタビューを締めくくった羽生選手が退出する際、もう一つだけ質問を投げかけてみた。二つ目の金メダルを手にしたあとは?
「どうしよう? いくつでもほしいですよね!」
満面の笑みと爽やかな一陣の風とともに、彼は取材現場をあとにした。奇しくもこの日は台風が関東を襲い、外は強風がビルに吹き付ける散々な天候で家路を急ぐ人々の足を速めていたが、それはまるで「羽生旋風」が今季も巻き起こり、フィギュア界を席巻することを予言しているようだった。



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想像していたより、結弦くんは、冷静・客観的に自分を見つめているようです。
ノーミスした羽生結弦に勝てるスケーターは誰もいない・・・そんなことは、みなわかっていること。
そして、羽生結弦の敵は、誰でもない、彼自身。だから、彼はいつも自分の中の”敵”と戦っている。
それは、誰か他人のライバルをみつけて目標にするより、ずっとつらく難しいことでしょう。
五輪まであと1年と4ヶ月・・・そこに向けて、しっかり心身をコントロールできますように。
それさえできれば、誰もあなたの敵ではありません。

平昌後どうするか・・・という質問への彼の答えに、彼の微妙な変化を感じます。
「平昌引退報道」があったとき、「平昌でやめると決めたわけじゃない。それくらいの覚悟でやるという決意宣言です」と、報道を否定していましたが、「さすがに二連覇したら引退するんじゃないか」という空気が、ファンの間にあったことは確かです。
もちろん、うかつなことを言ったら、また騒がれるのは学習しているでしょうから、今の段階で明確なことは言わないでしょう。実際、アスリートの引き際は、他の一流のアスリートをみても、そのときにならないとわからない・・・というのが本音だと思います。
彼の言葉を追っていると、そのときどきで平昌後の進退に関する心の揺れを感じることがありました。でも、彼も人間・・・それは、当然のことだと思います。

昨年のNHK杯のメダリスト会見で、彼はこんなことを言っていました。「まだここが平昌五輪でもないし、その次の五輪でもないですし、引退の試合でもないです。これからもっともっと頑張って良い演技を、点数ではなく、皆さんの心に残るような演技ができるように日々努力していきます」と。
そう・・・「その次の五輪でもないですし」という言葉が、発言の中に含まれるようになった。
クワドアクセルまで跳びたいんですよね」といっていたのは、四回転ループに成功したときのインタビューのときでしたでしょうか。ANAのインタビューでも、「クワドルッツを入れたい気持ちは少しあるが、今の段階では現実的じゃない」と言ってますね。ましてや、クワドアクセルとなると・・・挑戦するとすれば、平昌後しかありえません。では、現役を続けてやるのか、それとも引退してプロスケーターになってからやるつもりなのでしょうか。

昨年、日テレプラスの「フレンズ+α」に出演したとき、「クワドアクセルまでは跳びたい。ただ、怪我の心配があるから、現役のときは無理かもしれないけど」と、荒川静香さんに話していた結弦くん。このときは、「平昌引退」を前提とした発言のようにも受け取れたのですが・・・どうせ挑戦するなら、世界初の成功者として認定されたいのではないか・・・とも思います。ショーで成功させても、公式記録にはならない。点数という形で評価もされない。挑戦するためには、人はなんらかのモチベーションが必要なものです。

引退すれば、結弦くんはファンタジーオンアイスの正式な座長になって、プロスケーターに本腰を入れることができる。彼は素晴らしいプロスケーターになるのは間違いない。最近特にそう思うようになりました。彼の徹底してこだわりぬく性格を考えると、彼が座長になった暁には、FaOIがどんなすごいショーになるのか、楽しみで仕方がありません。彼なら、男子シングルの競技の世界を変えたように、ショーの世界でも必ず革命児になることができる。
それに・・・正直、あまりの怪我の多さに、もうこれ以上身体を酷使してほしくないという気持ちもあります。だから、寂しいけれど、平昌で引退でかまわない。ショーで彼を見ることはできるから・・・と思うようにしていたのですが、最近・・・激しさを増してきた男子シングルのクワド合戦に、彼がとても刺激を受けているのを感じるのですね。以前よりずっと。

アーティストタイプのスケーターは、比較的早く引退したがりますが、アスリートタイプのスケーターは、試合独特の高揚感が好きで、長く現役を続ける傾向があります。前者の典型が荒川静香さんで、後者の典型はプルシェンコでしょうか。そして、結弦くんは、その両方の資質を、フィギュア史上最高のクオリティで合わせもつ奇跡のようなスケーターなのですが・・・。

彼がどういう道を選ぶのか・・・意味深発言で、ファンはまたヤキモキさせられるのでしょう(笑)


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2016/11/02 08:30 | ゆづ語り(2016-2017)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦選手 「HERO'S 特集動画 後半」についての雑感

昨日記事にしたスポーツライフHERO'Sの後半についての雑感です。

ここで羽生結弦語録がとりあげられました。

期待される感覚が好き。
それはプレッシャーじゃなく
快感なんです。


この言葉自体はそんなに驚くことではありません。そういう子だから(笑)
むしろ、私が注目したのは、次の言葉。

立ち向かっていくときの快感っていうか
はっきり言ってドMだろうって話だけど



2年ほど前に、うちのブログ記事で「羽生結弦ドM説」について書いたことがあります。
→ 羽生結弦選手 NHK杯2014終了後のニュースまとめ  その部分を抜粋します。

「小学生以来のボロ負け」をして、負けず嫌いの炎に、大量の燃料が投下されたのがよくわかるインタでした。
あれだけの衝突事故を経験して、「逆境は嫌いじゃない」「これだけ乗り越える壁を作ってもらった。こんなに楽しいことはない」「まれな事件を体験できた。課題が浮かび上がったので、本当に幸せ者。なんて幸せなんだろう」といえる独特のメンタリティ。そういえば、今年の世界選手権のSPで出遅れたときも、「この位置(3位)にいる自分が許せない」とか言いながら、「久々にアドレナリンが沸き立った」と、喜んでいた(?)ような・・・(笑)

わずか19歳にして世界の頂点にたってしまい、そこに至るまでも、普通の19歳の何倍もの濃度の人生経験をしてきてるので、少々のことでは、彼を動揺させたり、興奮させたりすることはできないのかもしれません。浅田真央ちゃんが、某テレビ番組で「怖いものは?」という質問に、「怖いものは・・・あまりないです」と答えていました。そして、「一番緊張したこと」は「オリンピック」だったと。二人とも、十代半ばから、日本中の注目を浴び、世界の大舞台で重責を背負いながら勝負してきてるから、腹が据わっています。でも、その結弦くんも、今、ギリギリの崖っぷちに追い詰められて、世界選手権以来の興奮を覚えているような気がします。やっぱり、ドMだわ・・・(笑)

ソースは忘れましたが、2~3年前に、ある記事で、「ボロボロになるまで練習して、リンクに倒れて動けなくなるような状態でトリプルアクセル飛んだりすると、『おれって、すげー』と、快感!」みたいなこと言ってるのを読んだとき、思ったものでした。「この子は絶対ドMだ」と(笑) 彼のことを「ドS」だとか言う人もいるけれど、私は今でも「ドM」だという印象は変わっていません。ビールマンスピンも、無理に入れなくてもレベルをとれるだろうに、「腰がくだけ散ってもやる!」とか言ってたしな・・・(ソースは、「フィギュアスケート days plus 2012 winter」)。



これまで、世間では、なぜか「羽生結弦はドS」という見方が多く、すごく違和感がありました。
おそらく、彼の負けず嫌いな性格から、そうみられていたんだと思いますが・・・。
なので、結弦くん本人の口から、「僕はドM」とカミングアウトしてくれてうれしかった(笑)

彼自身が認めてないのに、あまりドM、ドMだというと、純朴な(?)ゆづファンからお叱りを受けそうだったので(笑)、最小限度にしか書かなかったけど、これで堂々と書けるかしら(笑)

だって、考えてもみてください。これまでの彼の言動を振りかえってみたら、どうみてもSじゃない。
Mじゃなかったら、2014年の中国杯、あんなにボロボロの状態で、リンクに上がりません。負けず嫌いとか、気性が激しいとかそれだけでは説明がつかない。あのときの彼は、まるでファントムの狂気が乗り移ったようでした。彼のスケーターとしての狂気とファントムの狂気がシンクロした、鬼気迫る本当に美しい演技だった。あの状態で、あの演技ができたのは、アドレナリンという麻薬で、彼自身が一種のトランス状態になっていたからじゃないかと・・・はい、立派なドMですね(笑)

今回もそう。リスフラン関節靱帯損傷は、選手生命にもかかわる重篤な故障です。
だいぶよくなってるとはいえ、まだ完治したわけじゃない。
私は、結弦くんの才能は一片も疑ってませんが、身体の管理能力については信じていません。
2ヶ月も氷に乗れなくて、ようやく練習を始めたばかり・・・なのに、フリーでクワド4本・・・。
「(クワド4本は)しんどいけど楽しい。燃えますね。」と、嬉しそうに笑ってましたよね。

まあ、こんなドMな結弦くんですが、スケートの神様からはとても愛されています。
だって・・・スケートの神様は、可愛い子ほどイジメちゃうドSだから(笑)
これでもか!ってくらい、結弦くんに試練を与え続けるけれど、最後は必ず守ってくれる。
そう信じてます。だって、結弦くんは、スケートの神様が創造した最高傑作なんですもの。
ただ・・・少しお手柔らかにと神様にお願いしたい。壊してしまったら元も子もないのですよと。


次の試合はノーミスする。じゃなかったら、羽生結弦じゃない。

はい、滅茶苦茶カッコよかったですよ。また惚れ直しですよ。とても、ついこの間、CMで「僕だけの枕、ムギュ!」ってやってたのと同じ人だとは思えません(笑) でも、その一方で・・・「この感じ、昨年のスケカナでチャンに負けたときのテンションと似てるな・・・ヤバイ、変なスイッチ入っちゃったよ・・・」と不安になる自分がいました。いや、怪我してなかったらいいんです。でも、2週間前にも捻挫したんでしょ? もう~、表彰式の後にジャンプ大会してる場合じゃないでしょ!
ああ、本当に胃が痛い。ファンは、弓弦羽神社に健康祈願に行くくらいしかできないけどさ・・・。

実際に快感に変えられた試合ってありましたか?」って質問に、「基本全部快感です」って答えてた結弦くん。私が見てて、「あ、結弦くん、エクスタシー感じてるな~」って強く思ったのは、2014年の中国杯フリーと2014年のSP3位で出遅れて逆転優勝したときのワールドかな。


努力はウソをつく。
でも無駄にはならない。


これもわかります。2014年の上月スポーツ大賞の授賞式で、彼はこんなことを言っていた。

スポーツはとても残酷だと思います。一番努力した者が必ず一番の結果を出せるものではありません。しかし、努力しなければ結果は決して残すことはできません。私たちは最高の結果を出すために感謝の気持ちを持ち続け、今後も日々精進してまいりたいと思っています。

努力をしたアスリートの中で、トップレベルの結果を残せるのはほんの一部の選手だけ。
でも、一流になれなかったとしても、努力したという事実は、第二の人生にも生きるはず。
羽生結弦は天才だけれど、人一倍努力家でもあることを、みな知っている。
だからこそ、彼の言葉はこんなに重いんですよね。


白神山地

衣装のイメージは白神山地じゃないかともいわれてますね。白神山地は「もののけ姫」の舞台。
久石譲さんは、「もののけ姫」の作曲者でもあります。そう考えるとつながってますね(笑)


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2016/10/04 08:20 | ゆづ語り(2016-2017)COMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦選手 SP&FS編曲予想動画 & 雑考

youtubeで、結弦くんのSPとFSの編曲予想動画があがってます。
特に「Hope&Legacy」の編曲予想は力作ですね。大変だったのではないかと思います。
SPとFSの動画をあげてくださった動画主様、ありがとうございます。


Yuzuru Hanyu-Hope&Legacy 編曲予想



プログラムの曲作りに携わっているのは、振付師だけではありません。
曲の編集どころか、曲選びすらすべて振付師におまかせ・・・というスケーターが多い中、結弦くんは、昨シーズンの「SEIMEI」あたりから、特に積極的に編集にも関わっているようです。
そして、実際に会場で観客の耳に届ける音源を作るのは、サウンドデザイナーです。

「フィギュアスケート Life vol.4」の中で、サウンドデザイナーの矢野桂一さんが、こんなことを言っています。「SEIMEI」誕生秘話です。

振付師のシェイリーン・ボーンのご主人も音楽編集をする人なのですが、今回は和の曲なので、「海外の人ではなく矢野さんにお願いしたい」と、彼自身からメールが来たんです。
羽生くんは音楽にとてもこだわりが強い選手で、この時も「陰陽師Ⅱのテーマと笛の部分は絶対に使ってほしい」ということは決まっていました。でも構成も何もわからないので、最初にジャンプをいくつか跳んで、スピンがあって、ステップがあって・・・と、彼の演技を思い浮かべて想定しながら作っていきました。


しかし、それでは終わらなかった。カナダの結弦くんから、「ここに太鼓の音を重ねてほしい」「この部分と部分のつなぎに少し間がほしい」「ここでイナバウアーをするので、シンバルか何かの音を入れてください」と、次から次へと修正依頼のメールがやってくる。結局、曲が固まるまでの1ヶ月間で、矢野さんは32バージョンの「SEIMEI」を作ったそうです。

羽生くんほど緻密な選手は珍しい。将来、音楽の編集をしたりすることはないでしょうけど、でも、やったらできるんじゃないか」という矢野さん。自分でも編集やりはじめたら煮詰まって、徹夜になっちゃったそうですから(結弦くん、ちゃんと寝ないとダメ! 城田さんにも言われてるでしょ!)、本当にとことん凝り性ですよね。引退して、ショーで自作のプログラムを滑るなんてことがあったら、曲の編集も喜々としてやりそう、確かに(笑)

矢野さんも、注文の多い結弦くん相手に大変だったと思いますが(笑)、それが世界最高点に結びついたのだから、サウンドデザイナー冥利に尽きるのではないでしょうか。
この「Hope&Legacy」も、和の曲なので、矢野さんが編集担当してる可能性が高いと思います。今度は、何通のメールのやりとりで出来上がったプログラムなのか、知りたいような気がします(笑)


「Let's Go Legacy」の音源合わせも完全版があがっています。

letsgocrazy 音源合わせ



ジャンプに注目がいきがちですが、それはあくまでも、彼の一部にすぎない。
フィギュアスケーターとしての彼の底知れなさはそんなもんじゃない。
オリンピックチャンピオンになってからの彼の進化には空恐ろしいものを感じます。

高橋大輔さんが、今季世界選手権の直前にこういう発言をしています。ソースはこちら

 羽生選手のジャンプは、いつも芸術だなと思って見てます。あの美しさはまねできない。跳躍の幅と高さがこれ以上ない比率で、軸も細い。体操の内村選手の回転がきれいといわれているけど、ああいうイメージです。僕もあんなジャンプを跳びたかったな。

 ただ、今はジャンプだけでない自分を作り上げようとしている。作品を1つのパッケージとして。ソチ五輪の頃はまだ粗さがあった。それがむしろショートプログラム(SP)の使用曲、エレキギターの「パリの散歩道」と合致していた。昨季からクラシックを使用したのは、丁寧に滑ろうとしているのかなと見てます。ステップやスケーティング、体の使い方はまだ磨けると見えているので、そこに伸びしろがあるし、それができれば文句の付けどころがない完璧なスケーターになると思う。


彼のこの発言はほぼそのとおりです。ソチまでの結弦くんは、まだ荒削りで、それが魅力にもなっていた。ニースロミオなんてその典型。そして、その少年っぽい粗さが、「パリの散歩道」にハマっていたのです。このあたり、バトルは見事だったと思います。
そして、ソチ以降、結弦くんの滑りは明らかに変わった。スケーティングも身体の使い方も、表現に格段に深みがでてきた。そう、”成熟”の域に入ってきたのです。

ゆづファンには評判のよくない高橋さんですが(私も好きではありませんが・・・笑)、実際のところ、彼はわかっているんです、”羽生結弦のすごさ”を。新旧エース報道される前から、彼の発言にそれは滲みでていました。わかっていないのは彼のファンだけです(笑)

彼がフィギュアスケートと出会っていなかったら・・・フィギュアの歴史は変わっていたと思います。
結弦くんの330点のせいで、平昌五輪後、採点ルールが変わると言われています。
1人の天才スケーターが、今の採点基準でほぼ満点に近い点数をだしてしまったからです。
なかなかステップでレベル4をださないのも、そこしか難癖つけて下げるポイントがないから?(笑)

「羽生結弦語録」の82ページに、こんな語録があります。

フィギュアスケートと出会ったことは 
運命だったのかなと 最近、思います。


彼をフィギュアスケートと出会わせてくれた運命の神様に、ファンからも心から感謝を。


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2016/09/21 10:55 | ゆづ語り(2016-2017)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コラム紹介 ~羽生結弦 12席分のトリプルアクセル~

今日、9月1日は、結弦くんのSPの振付をしてくれてるジェフリー・バトルの誕生日です。
ジェフ、34歳のお誕生日、おめでとうございます。いつまでもイケメンでいてください(笑)
そして、いつも、結弦くんに素敵なプログラムをありがとうございます。
今シーズンのプログラムもとても楽しみです。今後とも、結弦くんをよろしくお願いします<(_ _)>

さて、今日のスポニチアネックスに、こんな記事がありました。いい話だったので紹介します。

羽生結弦 12席分のトリプルアクセル (2016.9.1 スポニチアネックス)

 【長久保豊の撮ってもいい?話】羽生結弦選手が異質のアクセルを飛んだのは昨年11月、長野でのNHK杯のことだった。前日のSPで2位以下をぶっち切り、フリー当日の午前練習。全選手の曲かけ練習が終わりカメラマン席には弛緩した空気が漂っていた。他の選手たちから距離を置き、彼がトリプルアクセルを2回飛んだ。そして助走スピードを上げた3回目だった。恐ろしく飛距離の長いアクセルを飛んだ。1回転、2回転…。シャッター連射のすき間から彼が回転を途中で切り上げ着地したように見えた。

 「やめたよね?」。

 「うん途中で降りた」。

 失敗?カメラのモニターで確認してみると間違いなく3回転半回っている。

 そして4回目のアクセル。今度は恐ろしく高く飛び、派手にコケた。

 飛距離の長いジャンプと高さのあるジャンプ。単なるバリエーションだったのか、4回転半への挑戦の過程だったのか、それはわからない。

 先月27日、羽生選手がお茶の間に元気な姿を見せてくれた。4月の左足甲の負傷以来、断片的にしか伝わってこない彼の情報にやきもきしていたファンも多いはず。来月にはGPシリーズも開幕、新プログラムや衣装についての情報を求める声も日増しに高まっている。

 平昌五輪のプレシーズン。五輪で勝つための条件が見えてくる。フリーは「3種類、4本の4回転」時代となるのか、あるいはそれ以上か。金博洋選手には4回転ルッツがあり宇野昌磨選手もフリップを成功させた。五輪王者の3種類目の4回転に注目が集まるのは当然だ。

 練習やエキシビションで4回転ループの成功は何度も見た。昨年末の真駒内ではルッツにトライする姿も見た(開場前のリンクに機材を置きに行ったら、たまたま見えちゃったんです。ゴメン)。だがそれはすべて昨シーズンまでの話。

 ボクは17歳の彼を知っている。

 今や伝説となった2012年フランス・ニースでの世界フィギュア。

 その時、彼の足が傷ついていたことも知っている。

 「彼を止めろ。これ以上滑ったら靭(じん)帯やっちゃう(ボクはヒザの故障だと思っていた。だが後日、足首の捻挫だったと明らかになる)」。おそらく彼も耳元で同じことをささやかれていたのではないか。彼はそれを振り払うように吠え、カメラのファインダーに収まりきれない激しさで4分30秒を舞った。

 弾ける歓声の中で「あいつの足、壊れてたよね?」と言って泣き、「オレ、あいつを小さな頃から知ってるんだよ」と言って泣き、「あいつ、遠くへ行っちゃったよ」と言って泣く。そういうカメラマンたちの姿を知っている。

 今も彼の本質はあのころと変わっていないことを知っている。知っているから怖い。今シーズンに限って言えばライバルたちが4回転の種類や本数を増やそうと彼の絶対性は不変だ。だが彼は圧倒的なプログラムで勝とうとするだろう。彼はバンクーバー五輪のライサチェクにはなれない。

 負傷の不安やわれわれが抱える心配をも戦うモチベーションに変えてしまう人だから余計なことは言うまい。そして気の早い話だが平昌で滑り終わったら指を1本、すーっと天に向けて立ててもらいたい。ニースのときと同じように。そうしたらボクも泣いてしまうだろうな。(編集委員)

 ◆長久保 豊(ながくぼ・ゆたか)1962年生まれの54歳。都立両国高校から帯広畜産大学卒。写真部所属のカメラマンで、95年の東京写真記者協会賞グランプリをはじめ、計4度の受賞歴あり。フィギュアスケートの著名コーチと同姓でよく関係を疑われるが、全くの別人。



荒川静香さんとの対談で、結弦くんは「クワドアクセルまでは跳びたい。怪我の心配があるので、現役中には無理かもしれないけど」といった趣旨のことを言っていました。このコラムの長久保さんが意図されているとおり、結弦くんは、平昌までなら、昨年のショート2本、フリー3本のクワド構成で十分勝てるはずです。それを完璧にすれば、それだけでいい。あえてリスクをとる必要はない。でも、彼が「ライサチェックにはなれない」ことを、ファンは皆知っている。

だから・・・正直、怖い。今回、治療の長引く怪我をしたからなおさら。今シーズンの彼のプログラムはまだ発表されていません。さすがにクワドアクセルはないだろうけど、「ちょっと~!! あんた、病み上がりのくせに何やってくれてんのよ~~~!!」と叫びたくなるような鬼構成をもってきて、また心臓を絞られるような思いをさせられるんだろうなと(笑)  耐性ついてるつもりでも、想像の斜め上をいく子なので・・・本当に、ゆづファンってマゾでないとやってけない(笑)

平昌で滑り終わったら指を1本、すーっと天に向けて立ててもらいたい

長久保さんのこの言葉が、すべてのゆづファンの総意・・・といっても過言ではないと思います。

この夏のリオオリンピック・・・あらためて、オリンピックのすごさを感じました。
やはり、世界選手権とは違う。世界選手権はもちろん大事だけれど、その競技のファンでなければ、世選何連覇したとしても、世間の人は普通は知らない。世界中に放送されることもない。
5度世界女王になったにもかかわらず、ついにオリンピックチャンピオンとは無縁だったミシェル・クワンが、「可能だったら、 世選の金メダル5個とオリンピックの金メダル1個を交換したい」 ・・・と言ったのは有名な話ですが、やはりそれほど特別なものなのです。

そう・・・やはり、オリンピックなんです。ここ2大会、結弦くんは世界選手権を銀メダルに終わっていますが、2大会くらい、他の選手にくれてやってもいい(いや、それでも勝ってほしかったけど!)。大事なのは、平昌オリンピック。それは、私がいうまでもなく、彼が一番よくわかっていることでしょう。

私も、長久保さん同様、平昌のリンクで、天にむけて高々と指を上げるあなたの姿を見たいと・・・それだけを願っています。そう、”絶対王者”の名に相応しいのは、あなたしかいないのですから。


ゆづ新ロミジュリ
こんな可愛い顔して、心は戦士。ついていきます、どこまでも。ああ、救心がいりそうだわ・・・。


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2016/09/01 16:25 | ゆづ語り(2016-2017)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦選手 海が苦手なわけ(動画あり) & その理由を考察

8月29日に開催されたロッテのチョコびらきセレモニー、29日の夕方から30日の朝にかけて、可能な限りの情報番組を張っていました。その結果、私の張った網に引っ掛かったのは、「おはようコールABC」と「めざましテレビ」と「ビビット」の3番組だけ。そのうち、「おはよう」と「めざまし」はチラッと紹介するのみでしたが、今回は「ビビット」がいい仕事をしました。セレモニー終了後の単独インタビューを流してくれたのです。

イベントの中で、結弦くんは、「僕はあんまり海とかもいかないですし・・・むしろ海が得意な方ではないので・・・」と言ってます。では、なぜ海が苦手なのか?という理由を、ビビットのインタビュアーが直撃していました。その答えが・・・。

もともと泳げないんですよ。
だから、そういうことで海が苦手ということもありますし、
砂浜ではだしで歩いたりとか、すごい好きな方っているじゃないですか。
もう全然ダメなので・・・。氷上専門で水中はダメです。


なんと!! あの運動神経の塊のような結弦くんが、実はカナヅチ!!

でも、このインタビュー、私にとってとても意味のあるものでした。
実は「結弦くんははたして泳げるのだろうか?」と以前から疑問に思っていたからです。
その理由は、結弦くんの 体脂肪率が3% だからです! 
基本的に脂肪がないと人の身体は水に浮きません。
もちろん体脂肪だけの問題ではないですが、やはり一番大きいのはそこだと思うのです。


ここに「結弦くんが泳げない理由」が説明されてるかと思います。 → 水泳選手の筋肉、体脂肪率

陸上競技のトップ選手は、体脂肪率が10%以下という人がほとんどですが、水泳選手は、男子で8〜12%、女子で10〜16%とやや高めになっています。
実際、見た目でも、陸上競技のトップ選手の身体は、鋼のように研ぎ澄まされた印象ですが、水泳選手の身体にはうっすらと脂肪がついているのがわかります。
水泳選手の体脂肪率が高いのは、脂肪が少しついている方が浮きやすいからです。

筋肉の比重が1.1なのに対して、体脂肪の比重は0.9です。水の比重1.0より高いと沈み、低いと浮きます。もともと人間の体の大半は水分なので、誰でも水に浮きますが、体脂肪が少なすぎると浮きにくくはなります。
体脂肪率が数%の体操選手には、泳げない人が目立つように、水に浮くには少し脂肪のついている人の方が有利なのです。



また、こちらの記事にも同様のことが書かれていました。結弦くんの体脂肪率も書かれてます。 
→  ボクサーや力士の体脂肪率は?アスリート7人の公表数字を調査!

すべてのスポーツが体脂肪率が低い方が有利なわけではありません。例えばマラソンなどは、持久力・エネルギーを蓄えるために、ある程度の体脂肪は必要です。また、競泳やシンクロナイズドスイミングの選手は、水中や水上で動くスポーツにも、体脂肪が必要で、陸上で行うスポーツとは考え方が異なります。特にシンクロナイズドスイミングの場合は、体を水面から浮き上がらせることが必要ですが、体脂肪が多い方が少ない力で高く浮き上がることができます。


結弦くんは痩せてはいますが、アスリートなので、しっかり筋肉はついてます。そして筋肉は重い。
その上で、”体内の浮き輪”である脂肪がほとんどないのですから、そりゃ沈みますよね・・・。

ちなみに、リオ五輪で男子体操団体金メダルをとった期待の若手・白井選手も水泳は苦手だとか。上の記事にある「体脂肪率が数%の体操選手には、泳げない人が目立つ」というのは本当らしい。
7月5日付けの日刊スポーツの記事で、白井選手はこんなことを言ってます。

最も苦手な実技に水泳をあげた。「平泳ぎはいいんですが、クロールができないんです」。
100メートル泳ぎきるのが合格基準だというが「70メートルで疲れて止まっちゃう。先生も分かっていて、 いつでもプールから上がれる1番はじっこのコースを泳いでます」。


白井選手、全く泳げないわけではないとはいえ、彼の身体能力からすると意外ですよね。
まあ、でも、ほとんど弱点がないようにみえる結弦くんが「泳げない」なんて可愛いじゃないですか。
これで、「水泳まで得意」だったら、かえってイヤミかも(笑)
しかし、結弦くんの親友の指田さんは趣味が釣りで、「ゆづが引退したら一緒に釣りをしたい」と言ってましたが、これはかなりハードルが高そうだ(笑) でも、釣りはダメよ~。花の顔(かんばせ)が日焼けするから(笑)


では、最後に問題の結弦くんのインタビュー動画です。動画主様、ありがとうございます。

160830 直撃インタ 海が苦手な理由

160830 直撃インタ 海が苦手な理由 投稿者 YzRIKO


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2016/08/31 09:55 | ゆづ語り(2016-2017)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP