「羽生結弦の今季フリー」について考えてみる

今シーズンのプログラムについての記事がでてますので、あげときます。
まず、2017年6月20日付けのSportivaの記事から。文は折山淑美さん。

羽生結弦は新SPを連発。アイスショーから見るスケーターたちの来季

 6月16日から3日間にわたって行なわれた新潟公演で、今年の全日程が終了したアイスショー、『ファンタジー・オン・アイス』。全公演を通じて来シーズンのショートプログラム(SP)『バラード第1番ト短調』を演じた羽生結弦は、最初の幕張公演の最終日以来、なかなかノーミスの演技ができていなかった。

 気合い十分で臨んだ新潟公演は、初日のオープニングで登場直後に軸がしっかりした4回転トーループを決めるなど、幸先のいいスタートを切った。しかし2日目の演技では、最初の4回転ループは着氷を少し乱すだけにとどめ、後半に入ってからのトリプルアクセルもきれいに決めたものの、その後の連続ジャンプでセカンドの3回転トーループ着氷時に転倒。演技後に苦笑いを浮かべながら両手を合わせ、観客に謝る仕草を見せた。
 だが、そこで終わらないのが羽生結弦。最終日は演技前から観客を大いに沸かせた。これまで、場内アナウンスと共に薄暗いリンクに登場する際には3回転ループを跳んでいたところを、この日はいきなり4回転ループを決めたのだ。その瞬間、彼の登場に拍手を送っていた観客からは悲鳴のような歓声が上がった。
 曲がかかった本番では、最初のループこそパンクして2回転になってしまったが、その後のスピンから気持ちを入れ直してトリプルアクセルを大きくフワッと決め、2日目に失敗した4回転ループからの連続ジャンプもきれいに着氷。感情のこもったステップシークエンスは、昨シーズンのSP『レッツゴー・クレイジー』を彷彿とさせるような鋭さと力があり、最後はスピードのあるコンビネーションスピンで締めて、納得の表情で演技を終えた。

 羽生は、2014年ソチ五輪の翌シーズンから2シーズン使っていた、バラード第1番を再びSPに選んだ理由を、「この3年間があった今だからこそできる、バラード第1番をやりたいなと考えたんです。僕は、歌手のライブのように1回1回違う演技ができるタイプだと思うので、そういう違いを大事にする演技をしたい」と明かしている。
 昨シーズン、『レッツゴー・クレイジー』では一度もノーミスの演技ができず、シーズン最後の世界国別対抗戦では、「完全に苦手意識が生まれ始めていると思う」と話していた。昨シーズンのSPは夏場の練習であらかた完成したこともあり、自分の理想の演技と実際の演技とのギャップに苦しむ1年になってしまったのかもしれない。
 そのため、新シーズンのSP『バラード第1番ト短調』は、昨シーズンのフリー『ホープ&レガシー』のように、あえてコンセプトを作らず「その時の自分が思うがまま、感じるがままの演技をしたい」と羽生は語る。目の前にある要素に集中して演技を重ねることで、自分の感情をあるがままに出し切れるような滑りを目指していくようだ。
 ファンタジー・オン・アイスでは、会場ごとにリンクのサイズや氷のコンディションを見て跳ぶ位置を選んでいたジャンプも、これから競技サイズの広いリンクでの練習を積み重ねることで、ショーバージョンから競技バージョンへと進化させていくだろう。アイスショーでの演技は、羽生のさらなる飛躍を大いに期待させるものだった。



こちらは、2017年6月20日付けのベースボールマガジン社の記事です。文は山口真一さん。

注目集まる、羽生結弦の今季フリー。トロントでの公開練習が待ちきれない!

 開幕が約8カ月後に迫った韓国・平昌オリンピック。日本代表候補選手が続々と今季のプログラムを発表している中、依然としてベールに包まれているのが羽生結弦の「フリー」だ。
 ショートプログラム(SP)については、5月26日にスタートしたアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」の初日、幕張公演で『バラード第1番』を披露。2014-2015シーズン、さらには翌2015-2016シーズンにおいて羽生自身が使用したピアノ曲で、15年12月のGPファイナルで110.96点の世界最高をマークした、羽生結弦史の中でも輝かしい位置づけにある「相棒」だ。
 しかも、単なるリバイバルではなく、今回は冒頭に4回転ループを持ってきた。後半にはトリプルアクセル、さらに4-3の連続トーループ。110.95点をマークした時は4回転サルコー、4-3のトーループ、トリプルアクセルの順だったから、難易度はより増している。幕張公演初日はループでパンクしたが、やはり冒頭のジャンプがカギを握りそうだ。

 ANA城田憲監督いわく、オリンピックシーズンの今季は「4年間で一番いい作品をやるべき」。となると、フリーはヘルシンキで世界記録を書き換えた『ホープ&レガシー』なのか…と妄想してしまうが、6月19日現在、詳細は明らかになっていない。
 ここで楽屋話をすると、「ファンタジー・オン・アイス」初日の時点で、報道陣の間では「神戸公演で新しいフリーがお披露目されるのでは」という未確認情報が流れていた。アイスショーのほとんどは、報道公開される公演はただ1度。しかも、その多くは公演初日の第1回公演(昼夜公演の場合は昼の部)というのが相場になっており、そのためアイスショーの事務局には「神戸公演を取材させてほしい」という報道陣からの希望が伝えられていた。結局、それはかなわなかったが、神戸、新潟と続いた公演で、羽生は結局、フリーを公開することはなかった。

 7月7~9日の「ドリーム・オン・アイス」(新横浜)は、6月19日時点で羽生の出演はアナウンスされていない。こうなると、俄然注目度が増すのが、8月上旬に予定されているカナダ・トロントでの公開練習だ。私たち「フィギュアスケート・マガジン」編集部も取材の準備を進めているが、クリケットのリンクに今季のフリーの曲が流れてくる瞬間を想像しただけで胸が高鳴ってくる(曲かけがあるかどうかは今の時点でわからないが)。
 早く見たい、知りたいという欲求は確かにあるものの、頭の中であれこれ空想するのもスケートファンの喜びであり、特権。ファンの間では「今季のフリーはこの曲がいい」という幸福な議論も展開されているようだ。ともあれ、羽生が与えてくれたワクワクとともに、8月の取材を指折り数えることにしよう。



フリーはどうするか。城田さんの「4年間で一番いい作品をやるべき」がフリーでも・・・となると、ホプレガよりSEIMEIのような気もします。6月4日に晴明神社にお参りに行ったのは、もしかして・・・という感じも(笑) 過去プロの復活なら、シェイリーンで、ウィルソンという噂はガセということになりますが、プログラムの再演については、こんな記事も過去にありました。


羽生異例の再演誓う 思い入れあるプログラム(2015.3.30 日刊スポーツ)

【上海(中国)29日=阿部健吾】ソチ五輪金メダリストの羽生結弦(20=ANA)が異例の「再演」を誓った。銀メダルを獲得した世界選手権の会場で行われたエキシビションに参加。ショートプログラム(SP)がショパン「バラード第1番」、フリーは「オペラ座の怪人」を演じたが、度重なるケガの影響で難易度を落とさざるを得なかった。思い入れのあるプログラムへの心残りに、「いつかまたやりたい」と口にした。

 苦難のシーズンで、踊り続けたプログラムのことを聞かれた時だった。羽生は内に秘めた思いを明かした。「(来季の)可能性はいまのところは少ないかなと思うんですけど、いつかまたやりたい」。2季連続ではなく、あえて「いつか」。あまり前例がない、時間を置いてからの再挑戦に意欲をみせた。
 どちらも思い入れたっぷりの演目だった。SPは、挑戦したことがなかったクラシックのピアノ曲。五輪王者で迎える新シーズンに新境地を開くため、リクエストした。3拍子で強弱を付けた滑りが難解だったが、向上心をうずかせた。
 フリーは本来はソチ五輪シーズンで使用したかった「オペラ座の怪人」。王道すぎて振付師の同意が得られずに断念したが、ボーカル曲が解禁された今季、満を持して投入した。もともとミュージカル曲を滑るのは得意で、自分に合う自信もあったのだろう。
 ところが、11月の中国杯の激突事故に始まり、昨年末には腹部の手術、1月末には右足首の重度の捻挫を負った。シーズンを通し、体調に合わせてレベルを落とすしかなかった。もともと4回転をSPでは後半に、フリーでは3本を組み込む高難度の演目だったが、「このコンディションで何ができるかを常に考えて、考えて」過ごさないといけなかった。
 「宿題ですね」。完成形を滑りきれば、どちらも間違いなく世界最高点が出る。その潜在力を知り、こだわりがあるからこそ、これで終わりにできない。実際、初の世界選手権で3位となりメダルを獲得した11~12年シーズンのフリー「ロミオとジュリエット」を、ソチ五輪シーズンに再び使用。演技構成のレベルを上げた内容で、金メダルをつかみ取った経験がある。
 「(後半の4回転には)挑戦したい。楽しみにしながら頑張りたい。今季の経験を踏まえて、また1歩進化できるのではないかな」。もしかしたら、18年平昌五輪シーズンに再演なんてことがあるかもしれない。



ここで、結弦くんは、「バラード一番」と「オペラ座の怪人」は思い入れのあるプログラムなので、「またいつかやりたい」と答えています。「バラード一番」は、2015-2016シーズンも続行となりましたが、今回、1シーズンをおいて再演となりました。このときの気持ちが変わっていなければ、「オペラ座の怪人」復活の可能性もあるのかなと思ったりします。その場合は、必ずしもシェイリーンとは限らず、ウィルソンの可能性もあるかもしれません。元々、クリケットにきたとき、ウィルソンに「オペラ座の怪人をやりたい」と希望したが、ウィルソンが「先シーズンにチャンがやってるからダメ。まだ早い」と却下されたといういきさつがあります。万が一、「オペラ座の怪人」ならば・・・「そのときは幻となったウィルソンプロ」を見てみたい気もします(笑)
ソチ五輪で金メダルをとったとき、「ロミオとジュリエットはとても思い入れのあるプログラムなので、いつかまたやりたい」と言っていたような気がしますが、年齢的にはロミオよりファントムの方がいいのかな。もっとも、ビジュアル的には今もロミオの方が近いかもしれませんが。

結弦くんは、自分のプログラムのテーマをとても大事にするスケーターです。ソチ五輪の「ロミオとジュリエット」は、2011-2012シーズンの「ロミオとジュリエット」とは音源も振付も全く違いましたが、同じモチーフを選んだ。さらに、「白鳥」というテーマも、彼にとっては特別なもの。2010-2011シーズンのショートプログラムで、2016-2017シーズンのEXプログラムで使用しました。
「バラード一番」は言うまでもありません。ならば、フリーも、過去プロの再演、あるいは、音源や振付を変えて同じテーマのものをもってくる可能性はけっこう高いような気がしてます。そして、ここ数年、公開練習のときに、新プロが「ジャジャーン!」と発表されています。

トップシークレットでしょうが、フリープログラムはもう決まってますよね。ということで、城田さんの「4年間で一番いい作品をやるべき」という方針と、結弦くんの「いつかまたやりたい」という言葉から、勝手に予測。まあ、当たらないだろうけど(笑)

1. SEIMEI(シェイリーン) 40%
2. オペラ座の怪人(シェイリーンかウィルソン) 40%
3. 全くの新プロ(シェイリーンかウィルソン) 20%


で、その発表時期ですが、過去の公開練習と新プロの発表時期はこんな感じ。

2017年 8月上旬トロント(予定)
2016年 現地時間9/13(火)に公開練習で日本時間9/14(水)に第一報
(深夜2:42にWorld Figure Skating の速報ツイ)


2015年 現地時間8/6(木)に公開練習で日本時間8/7に第一報
2014年 現地時間8/7(木)に公開練習で日本時間8/8に第一報
2013年 仙台で8/30に公開練習ソチフリーのロミジュリ披露


情報は、宙さんのツイより。
https://twitter.com/tyugaeri/status/877290544421978112
https://twitter.com/tyugaeri/status/877290584519565313


FaOI2017_in_Niigata-18


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2017/06/21 10:40 | クリケット・プログラム・CS(2016-2017)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦とデヴィッド・ウィルソン その1 ~再タッグの可能性は?~

ソチ五輪の「ロミオとジュリエット」以降、結弦くんはウィルソンと仕事をしていません。
しかし、2016-2017シーズン、EXプログラムで久々にウィルソンの作品を演じました。
さすがウィルソン・・・と羽生ファンを唸らせましたが、その彼について少し語りたいと思います。

もう20日以上前ですが、女性自身にこんな記事が掲載されました。

羽生結弦 パートナーと決別…五輪連覇のため下した苦渋の決断(2017.4.29 女性自身)

「ショートプログラム(SP)に苦手意識が……」と語ったのは、羽生結弦(22)。4月20日の世界国別対抗戦でのことだ。フリープログラム(FP)では1位を獲得したた、SPではミスを連発。世界選手権でもFPで223点超えを記録したが、SP時点では5位発進だった。

そんな異変のなか、彼はある“変革”を進めていた。ひそかにパートナーを変更していたのだ。これまではSPがジェフリー・バトル氏(34)、FPはシェイリーン・ボーン氏(41)が振り付けを担当してきた。特にボーン氏が今年の世界選手権で手掛けたFP『Hope & Legacy』は、前述のとおり世界最高得点を叩き出した。だがフィギュア関係者が明かす。

「羽生選手はこのチームを解散し、新たな振付師たちと金メダルを狙うそうです。SPはバトル氏が続投ですが、FPはデビット・ウィルソン氏(50)の起用が決定的だといいます」

そんな突然の解散劇に、関係者からも疑問の声が上がっているという。だがパートナー変更は、羽生にとっても“苦渋の決断”だったようだ。

「実は、ボーン氏は振付師としてのキャリアがまだまだ浅いんです。彼女は必死に勉強して面白いプログラムを提案してくれるし、一緒にリンクへ上がって演技指導もしてくれます。しかし五輪ではそうした意欲的なプログラムよりも、重厚感のある王道モノが好まれる傾向にあるのです」(前出・フィギュア関係者)

その点、ウィルソン氏は前回のソチ五輪でも羽生選手のFPを担当。『ロミオとジュリエット』を手掛け、金メダルに導いた人物だ。

「彼は振付師として最高ランクと評価されており、勝つための方法を熟知している。羽生選手はかなり悩んだ末、『平昌五輪でさらなる究極演技を見せつけるため、もう一度“最強タッグ”を組まなければならない!』と決断したそうです」(前出・フィギュア関係者)

ソチ以来4年ぶりにカリスマ振付師と夢の再現を目指すことになった羽生。実は、彼はソチ五輪の前にも“コーチ変更”という苦渋の決断を下している。

「幼いころから教えてくれた阿部奈々美氏(47)と別れ、ブライアン・オーサー氏(55)に指導を仰いだのです。たしかに現状を変えることは、リスクでもあります。しかし羽生選手は『現状に甘んじていてはダメだ!』という思いがある。そんな彼だから、トラウマがある今こそ攻めの姿勢を貫いているのでしょう」(別のフィギュア関係者)



五輪シーズンになると、ウィルソンプロが増えるという人がいます。ソチ五輪でも、男子シングルの金と銀はウィルソンの振付だったし、女子シングル銀もウィルソンプロでした。やはり、勝負のシーズンは、信頼と実績のウィルソンに・・・ということでしょうか。ボーンが世界最高得点のプログラムを生み出し、超一流の振付師の仲間入りをしたといっても、もし振付師のランクというものがあるとすれば、ウィルソンの方が、ボーンよりランクは上ではあるでしょう。

しかし、「チーム・ブライアン 300点伝説」(P103)の中で、オーサーは、この記事と真逆のことを言っているのです。「ジェフとシェイ、この2人以外と組むのは難しい」と。

ユヅルの場合、ショートの振付師ジェフリー・バトルと、このシェイ=リーンの2人との相性がとてもいいことがすでにわかっていました。むしろ、この2人以外と組むのは難しいでしょう。ユヅルには、彼独特のジャンプへの助走と構えのタイミングがあり、そのユヅルにとって快適なタイミングをとても重要視しています。ステップからの四回転だとしても、そのステップのスピードやカーブの角度は、結弦の中で理想が確立されています。こういったトップ選手ならではの”こだわり”を共有できる振付師でなければなりません。

振付師には、自身が芸術家肌で、選手の動きよりも振付師としてのインスピレーションを優先するタイプがいます。そのほうが最終的には芸術的な作品に仕上がるケースがあるのは事実です。しかしユヅルの場合は、彼自身が自分の感性を大切にしていますから、自分が自然に呼吸をし、音楽に気持ちを乗せて滑る必要があります。そういう意味で、シェイ=リーンは、ユヅルの動きを理解できますし、ユヅルもシェイ=リーンが試す動きを理解できるので、最高のコラボレーションが生まれるのです。



この「自身が芸術家肌で、選手の動きよりも振付師としてのインスピレーションを優先するタイプ」というのは、ウィルソンのような振付師のこと。ウィルソンが手掛けた、2016-2017シーズンのEXプログラム「ノッテ・ステラータ」の格調高さをみると、オーサーが「そのほうが最終的には芸術的な作品に仕上がるケースがある」という意味がよくわかります。事実、結弦くんは、「自分の魅力を表現しきれた曲」として「ノッテ・ステラータ」をあげています。


羽生結弦、66年ぶり五輪連覇に「プレッシャーは感じなくはない。でも楽しい」(2017.4.5 スポーツ報知)

 世界選手権での逆転Vから3日。注目が集まる平昌五輪イヤーの来季のプログラム曲について「まだ決めていない」としたが、ベスト・オブ・ユヅのプログラム完成へ熟考を重ねていく。
 「来季は本当に慎重に考えなくてはいけない。いろんな曲を聴いて、ジャンプやステップやスピンを合わせたうえで、どれが一番自分の魅力を引き出すか。勝負の年になるので、自分の魅力、曲の魅力が確実に出るものじゃないといけない」

 今季はショートプログラム(SP)の「レッツ・ゴー・クレイジー」で新境地を開拓した。羽生自身が考える羽生の魅力を表現しきれた曲は、ジャンプを2本に絞り、表現に特化した今季エキシビションの「ノッテ・ステラータ(星降る夜)」と、ソチ五輪SPの「パリの散歩道」。「たくさんのみなさんの胸の中に残っていると思う。そういったものにしたい」と話した。

 今季のフリーは4回転4本の構成に挑んだ。「シーズンが終わったらいろんなジャンプを試してみたい」とし、フリーでの4回転5本も視野に入れているが慎重な姿勢は崩さない。「これ以上(スケート界の)レベルが上がるというのは考えられない。世界選手権の延長線上に平昌五輪のシーズンがあるのかなという感じ」。完成度を突き詰めていくことにも重点を置く。



結弦くんは、2015-2016シーズンの終わりに、好きなプログラムをあげてました。たしか、「旧ロミジュリ」と「バラード一番」と「SEIMEI」、あと「Sing Sing Sing」じゃなかったかしら? 今シーズンの「ホプレガ」も、自ら選んだ曲。お気に入りのプログラムのひとつになったと思います。でも、「好きなプログラム」と「自身が考える羽生の魅力を表現しきれた曲」・・・この二つの質問と回答の違いでわかったこと・・・それは、彼にとって、その両者は別ものなのだということです。
 
ここ3シーズンは、彼は「好きなプログラム」を選んできた。自分で曲を選び、ときには曲の編集にすら関わった。でも、五輪シーズンは、「自分の魅力を最大限に引き出せるプログラム」をぶつけてくるでしょう。五輪連覇のための「勝負プロ」として。

シェイ=リーンの振付でフリーの世界最高得点を3度も塗り替えているし、オーサーの言葉からも、振付師の変更の可能性は低いと思う。それでも、万が一変えるとすれば、女性自身の記事のとおり、ウィルソン一択でしょう。ジェフとウィルソンとのタッグでソチで金メダルをとっている。縁起を担ぐ可能性もまったくゼロとは言い切れない。3年ぶりにウィルソンにプログラムを発注したこと自体、五輪シーズンに向けて、振付師変更の試金石だった・・・という可能性も否定しきれない。

ネックがあるとすれば・・・ウィルソンみたいな芸術家肌の振付師は、自分のプログラムの構想やイメージを、選手が勝手に変えることを嫌います。ローリーもそういうタイプですね。でも、ジェフやシェイ=リーンは、そのあたりが柔軟。そして、結弦くんはわりと変えちゃうタイプです。だから、オーサーは、バトルとシェイ=リーンとの相性がいいといってるのだと思います。「ノッテ・ステラータ」も、シーズンを追うごとに微妙に変わっていったけれど、たぶん、初演がウィルソンのイメージに一番近かったのではないかなあと思うので(笑)  あともうひとつは、この3年ほどのブランクでしょうか。相手のことを熟知している方が、よい作品ができるのは確かですから。

この女性自身の記事は、立ち読みしましたが、結弦くんのすぐあとに浅田真央さんの記事も載っていました。ろくに取材をせずに妄想だけで書いたような記事だったので、それを考えあわせると、結弦くんのパートナー変更の記事も信ぴょう性は低いと思います(笑) 個人的には、このままシェイ=リーン続行が濃厚だろうと思ってますけど、ここしばらく一緒に仕事をしていなかった結弦くんに、エキシビションにも関わらず、あれだけの力作を提供したことを考えると、ウィルソンにも多少色気があるのかな・・・と思わないでもありません(笑)

今日はこのへんで・・・。「その2」は、「デヴィッド・ウィルソン 羽生結弦を語る」です。


2017worldex
このプログラムは、影まで美しかったですね・・・。


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2017/05/20 09:20 | クリケット・プログラム・CS(2016-2017)COMMENT(10)TRACKBACK(0)  TOP

ホプレガ解析動画スローモーション版&ゆづ近影

結弦くんをブログでとりあげるようになってもう5年がたちますが、つくづくすごいと思うのは、もうとっくにシーズンは終わっているというのに、結弦くん関連の情報がまったく途切れないことです。それどころか、情報を追いきれないくらいあふれている。以前なら、この時期、多少は一服できたんですけどね(笑) 

それにしても・・・です。普通なら、オリンピック金メダルフィーバーは、最初の1年は盛り上がっても、3年もたてば落ち着くもの。それが、年々人気過熱、さらに世界規模で人気がますます拡大していくってどういうことよ。アイスショー、幸い、今年も希望の全公演分とれたけれど、「年々とりにくくなってる、ソチ五輪後のオフシーズンよりとれない!」という嘆きの声をよくききます。

新潟公演も、神戸の一般販売終了後、ソッコー完売したそうです。日本のみならず、世界規模の人気が一極集中してる状態・・・そりゃ、面白くない人もいるだろう。「出る釘」を嫌う日本では特に。「打ってやろう、引き抜いてやろう」という、妬みと嫉みの憎悪の対象になりやすい存在ではあるかも。人気と比例して、アンチも増える。マイケル・ジャクソンのこの言葉が、今の結弦くんそのものなのかもね。「世に光をもたらす人」の尊さを、理解しようとしない人達は常に存在する。



さて・・・以前、ゴールデンスケートの羽生スレッド削除事件について記事にしたことがあります。
この事件も、羽生ファンに、羽生アンチが難癖つけてきたのがそもそもの発端でした。
→ GSの羽生ファンスレッド削除事件と新フォーラム誕生の件(訂正版)

スレッド削除事件のもともとの発端となった「ホプレガ解析動画」を制作した多国籍ファンチームが、世界中の多くのファンからのリクエストと激励に応えて、解析動画のスローモーション版を製作してくれたそうです。
世界中の羽生ファンが国境を越えてコラボし、その知識とスキルを結集して制作した力作第2弾。
世界中の羽生ファンの愛の結晶ですね。日本人ファンとして、心から敬意を表します。
デニステン選手の妨害事件の折も、検証動画をあげてくれたのは、海外のファンでした。
あらためて、羽生結弦は、もう日本だけじゃない、世界の宝なのだと、再確認します。

動画への世界からの反応についても、こちらでで詳しく紹介してくださっています。
記事はこちら ↓ 「惑星ハニューへようこそ!」様、ありがとうございます。
多国籍ファンチーム制作動画第2弾「ヘルシンキH&L解析動画スローモーション版」

この言葉が心から嬉しい。

羽生結弦は世界の誇りです 
Yuzuru Hanyu is the pride of the world.



H&L解析動画スローモーション版



結弦くんの近影です。

20170512 ペイジさんと

クリケットのペイジさんと。ペイジさんは84年よりコーチ業されてて、専門はスピン・コレオ・ジャンプなど。ダブルピースの笑顔がうれしいですね。ペイジさん、ありがとうございます!


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2017/05/14 11:10 | クリケット・プログラム・CS(2016-2017)COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦選手 クリケット最新画像きました! 最新のチャンピオンプレートも♪

現在、結弦くんは無事クリケットに戻っているようです。
結弦くんの最新画像がインスタにUPされました♪

ソース https://www.instagram.com/p/BTw5_iBhH8Y/
20170507-1

20170507-2


ワールドチャンピオンプレートも更新され、結弦くんの名前の下、2014に加え、2017という数字がつけ加えられました。こうして、チャンピオンプレートを見ると、あらためてワールド優勝の実感がわいてきて感無量。
それにしても、1965年のペトラ・ブルカ選手の後、オーサーが育てたキム・ヨナがチャンピオンになる2009年まで、クリケットはずいぶん長くチャンピオンを輩出できなかったわけで、オーサーの加入によって、クリケットは大きく変わったんですね。

2ショット写真、いい笑顔ですね。元気そうでなによりです。いい練習ができていますように。


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2017/05/07 10:55 | クリケット・プログラム・CS(2016-2017)COMMENT(10)TRACKBACK(0)  TOP

クリケットの母・トレイシー・ウィルソン 羽生結弦を語る

昨年の2月頃にUPされた古い動画ですが、クリケットの母・トレイシーが、結弦くんについて語っています。まだ知らない方のために紹介します。以前から紹介したいと思いつつ、のびのびになっていましたが、今年の世界選手権を迎える前に・・・と思いました。


Tracy Wilson Talks to TSL about Working with Yuzuru Hanyu & Yuna Kim



動画サイトのコメント欄で、翻訳をしてくださっています。
結弦くんに関する部分だけお借りしました。注目ポイントを太字にします。
翻訳の全部を読みたい方はこちらまで。

D=デイヴィッド T=トレイシー・ウィルソン J=ジェニー

D: 氷上とオフアイスの羽生選手について語って下さい。

T: 熟練した選手ですが、学ぶ姿勢を崩さない謙虚な心の持主。若くて面白く、よく笑い、真っ先に他の選手を祝福し応援します。ストロークのクラスでは自分を極限に追い込んで練習。リンクから上がる際、氷に触れ一礼し感謝を表し、他のスケーターには敬意を払います。何年前か、進路の邪魔をした選手がいました。その選手は確か音楽をかけていました。二人とも足を止め、その選手が怒鳴り始めたので止めに入りましたが、なぜか先に謝ったのはユヅ。「すみません、すみません」と頭を下げて。相手は歳下でした。国の異なるスケーター達にとって良いお手本です。ユヅとハビエルはトレーニング仲間ですが、二人ともとても紳士。他のスケーターに親切で模範的。皆の心が温まり、力になります。弱肉強食ではなく、お互いを見守り学び合っています。ユヅが氷に乗ると、あっと言う間にリンクを周りバーンと3Aを跳び、お早うみんな!そんな風に素晴らしい。可能性というものに気付かせてくれます。

J: 今季は超越した凄さでフィギュアスケート界のレベルをひとつ上げましたね。一つ気付いたことですが、内反足気味なのかラインが伸び切っていません。つま先を伸ばすよう練習中に助言したりなさることは?

T: 勿論あります。ユヅはラインやエッジワークの美しいスケーターです。より大事なのは、プログラムに何を入れたいか。4回転を一つだけ、3Aを二つ、あとは3回転の構成なら、もっと身体のラインを見せられるでしょう。でも何もかも入れるとなると、肉体的、感情的、精神的疲労が激しい。体をリラックスさせるパートが必要になります。世選にまでにラインを改善したいと思っています。元々ラインは美しいし、ジャンプを全て飛んだ上でそれを付け加える能力もあるので。今の所、後半に備えて合間合間に体をリラックスさせていますが。4回転がもう一つと3A二つがありますからね。

J: 今季は3回転のミスが少なくなり、プログラム終盤でさほど息切れをしていませんね。以前は最後に失神しそうなほどでしたが。この二点について今季、どんなトレーニングを?

T: トレーニングは質が重要。完璧なトレーニングが選手を作ります。何も考えずに練習するのはだめ。その意味や要点に注意することです。プログラム中にジャンプ以外の事を考える暇はありません。プログラム外の練習を確立すべき。3回転の準備運動も、ただのウォームアップではなく、フリーレッグ、頭や身体の位置、ストロークなど、細かい部分を意識すること。その上でプログラムに組込む。リンクで下を向いて練習しているスケーターは、競技になると急に頭を上げますが、それって違いますね。ウォーミングアップとFSで突然パターンが変わるようではだめ。トレーニングの質とはこういうことです。
結弦に何をしろと言う必要はあまり無いですね。自発的に来ます。スケートカナダの後、こう言って来ました。3Lz+3Tと4回転は良くないと思う。FSで冒頭に4回転を二つ跳ぶのは慣れているので、それを[SPで]やりたい、と。驚いたけどOKしました。こんな具合です。ユヅは自分自身を知り抜いています。


D: ジョシュア・ファリスやガブリエラ・パパダキスの件で今季は脳震盪が話題です。昨季は中国杯で羽生が未曾有の衝突事故で脳震盪を起こしましたね。脳震盪について学ぶことが多いですが、あの時、出場したのは今振り返ると正しかったと思いますか?

T: 出場許可を受けたと聞いています。ブライアン(オーサー)は無理しないよう言い渡していました。でもアスリートはやはりアスリートですから。バックステージでテストを受けた後、滑走許可が下りました。ブライアンが少しでも疑問を感じていれば結弦が氷上に立つことはありませんでした。話し合いがあり検討され、筋が通っていた。日本語を話し通訳できるトレーナーもいたので、ブライアンはよしと判断したのでしょう。ブライアンをよく知っている私の答えはイエスです。出場して正解でした。

J: 自己最高の演技を二度続けた後、全日本で少し調子が落ちましたね。どのスケーターにもどうしても体の調子が少し落ちる時があります。コーチとして、どのように調子を上げますか?昨季の世選の悔しさは、どれほど今季の力になっていますか?

T: あの悔しさが今季の原動力になっています。それとスケートカナダで味わった悔しさですね。悔しさをエネルギーにする、それがチャンピオンです。「あー僕はダメだ…」とはならない。ユヅは私を見て「悔やしい」と言いました。「何ですって?」と聞き返すと「悔やしいです。どうやったら…」。そんな時、ブライアンはやり手ですよ。歴戦のスケーターとしてコーチとして、選手にかけるべき言葉を見つける才能があります。スケーターはそれぞれ違うのでバランスの良いトレーニングプランを立て、その選手に合った大まかなプランを紙に書き出します。基本的にこれに従いますが、選手が疲れている場合は休ませます。結弦の場合、身体の管理が肝心。健康を保つよう彼も我々も心がけています。怪我のリスクを最小限にするため。世選に向け安定したトレーニングができるよう最低5週間は欲しいですね。基本的に完全を目指すことなく取りかかります。これは世選でも競争でもなく単なるトレーニングであり、消化することが目的、標準的にこなせばいい、とね。

D: 羽生はエキシビションで素晴らしい4Loを見せています。プログラムに入れる所まで行っていますか?世選で見られますか?

T: わかりません。結弦次第ですね。今、日本にいますが、来週、こちらへ戻ると思います。彼次第ですが、今年、競技に入れるかは疑問ですね。でも彼の4Loは美しいですよ。入れるならプログラム冒頭ですね。世選に入れることになれば、教えますよ。連絡しますね。


太字で書いたところが、今回注目してほしいところです。練習中、他の選手に進路を邪魔されても、先に謝ったのは結弦くんの方だったと。謙虚な心の持ち主で、とても紳士だといっています。これは、世界選手権前の2016年2月にUPされたインタなので、テン選手との練習妨害トラブルについて、トレイシーに何らかの他意はありません。あの事件を意識して、弁護してるわけでもない。そのまま、トレイシーが感じたままの『羽生結弦評』だと思います。

2016年の世界選手権、私はいまだに見返すことができません。
いろいろな意味で辛いワールドでした。
たぶん、そういうゆづファンは私だけではないと思います。

テン選手とのトラブル。アンチが鬼の首をとったように結弦くんを叩くのは予想範囲内だけど。
一番ショックだったのは、自称ゆづファンにすら、結弦くんに味方する声が意外に少なかったこと。
(当時、『羽生結弦選手 テン選手との練習妨害トラブル まとめ(検証動画あり)』という記事にしました。興味のある方は、記事タイトルから飛んでください)
ショートで10点以上の点差をつけてトップに立ちながら、フリーで逆転されてしまったこと。
その原因が重篤な怪我であることが判明したこと。

2ヶ月も氷上練習ができず、アイスショーすら全休という非常事態。
焦る気持ちの中、なにかと支えてくれたのは、トレイシーだったとか。
多くの弟子を抱え細かい部分まではフォローしきれないだろうオーサー。
その隙間を、トレイシーが埋めてくれてるのかもしれません。

こんなツイを見かけました。



『羽生結弦』という存在の重さ、世界のどこでもなく、日本のフィギュアスケート界に生まれてきてくれたことの意味の重大さを、日本のスケート界やメディアはあまりわかっていないようですが、ちゃんと理解してくれる人はいます。
彼が日本人でなくてもファンになっていただろうし、日本以外の他の国の選手だったら、もっと敬意を払った扱いをしてもらえたのではないかと思いますが(笑)、それでも、日本に生まれてきてくれてありがとうと・・・それはファンの総意だと思います。

昨年の辛いワールドを、今年のワールドは素晴らしい結果で上書きしてくれると信じています。



日本だけじゃない、世界中のファンがあなたの優勝を願っています。
ファンの応援が、あなたの力になりますように・・・心から祈っています。

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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2017/03/23 12:10 | クリケット・プログラム・CS(2016-2017)COMMENT(16)TRACKBACK(0)  TOP

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