「連覇の羽生結弦 また奇跡を起こした」(毎日新聞コラム)

この毎日新聞の記者さんのコラムにとても共感したので、転載しときます。

記者の目 平昌五輪 連覇の羽生結弦 また奇跡を起こした=福田智沙(東京運動部)(20180314 毎日新聞)

 平昌冬季五輪で、フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)の存在感は圧倒的だった。昨年11月に右足首を負傷し、約4カ月ぶりの実戦復帰となった五輪で、ショートプログラム(SP)、フリーとも魂のこもった演技を見せて金メダルを獲得。66年ぶりの連覇を果たした。この五輪は各種目に多くの好演技があって素晴らしかったが、フィギュアスケート担当記者として、やはり平昌は羽生の大会だったと思っている。

「やってくれる」 期待感抱かせ

 しびれた2日間だった。SPは多くの人の不安を見事に吹き飛ばし、完璧。体力が懸念された翌日のフリーもミスを最小限にとどめて執念で滑りきった。羽生は「漫画の主人公にしてはちょっとできすぎなくらいの設定がいろいろあって、人間としての人生を考えたらなんか変」と笑ったが、韓国入りから連覇を遂げるまでの7日間で心と体の状態をうまくコントロールし、奇跡を起こした。

 私はフリーで3本目の4回転ジャンプを決めた時に「勝った」と思った。執念を見たのはその後の、最後の3回転ルッツ。フリーの最後でルッツを跳ぶことにこだわってきた羽生は以前、そのルッツでよく転んでいた。だが、今回は痛めている右足でこらえて立ち、倒れなかった。「どんなことがあってもやる。絶対にやる。絶対死んでもやる。絶対に勝つ」。この五輪に懸ける思いが表れていた。

 他のスケーターの皆様には大変申し訳ないが、羽生がいる大会のほうが、何百倍も、何千倍も、何万倍も面白い。羽生は「何かをやってくれる」というわくわく感や期待感を抱かせてくれる。2015年のNHK杯。羽生がSPで4回転の本数を増やすと知った私は、SP、フリー、合計の世界歴代最高得点を更新して史上初めて合計300点を突破すると予感した。そして、それを実現してくれた。2週間後のグランプリ(GP)ファイナルも勢いそのままに、NHK杯で更新した世界歴代最高得点を再び塗り替えるだろうと思ったが、その通りになった。昨春の世界選手権はSPで首位と10・66点差の5位と大きく出遅れたが、フリーでジャンプを全部決めれば勝てると私は思った。実際に羽生は、見事なまでの完璧な演技で自らのフリーの世界歴代最高得点を更新して大逆転で優勝した。

 そして、今回の五輪。練習もままならず、実戦からも離れ、さすがに私も「連覇できるのだろうか」と悲観的でもあった。一方で、これまで幾度も奇跡を見せてくれたことから「彼ならやってくれる」という期待感もあった。

芸術の裏付けに、徹底された基礎

 右足首は痛み止めを飲むほどの重傷だったが、トーループとサルコウの2種類の4回転ジャンプを決めれば勝てると思ったし、勝つべきだと思っていた。羽生はジャンプやスピン、スケーティングなど一つ一つの技術が高く、質が良い。曲と振り付けもぴったりとはまっている。ただ滑ってジャンプを跳ぶスケーターも少なくないが、羽生は技と技の間のつなぎも複雑なステップなどを入れた濃い内容で、そこから跳ぶジャンプも演技の一部にしようとする。

 「芸術は正しい技術、徹底された基礎によって裏付けされたものであって、それが足りないと芸術にはならない。だからこそ、ジャンプ、ステップ、スピンをやる際、正しい技術を使い、芸術として見せることが一番大切」と考え、「もし羽生結弦が4回転半、もしくは5回転に挑むと決めた場合は、確実に表現の一部にします。僕のスタイルはそこ」と言う。それはフィギュアスケートの理想に近い。

 羽生は観客を味方につけられる。スケーターはリンクに入れば一人。誰も手をさしのべることができない。演技を完遂するには自らの力はもちろん、観客の後押しも必要になる。忘れられないのは12年、フランスのニースで行われた世界選手権での伝説のフリーだ。序盤は4回転トーループ、トリプルアクセル(3回転半)などを決めて順調だったものの、中盤のステップで突然、転ぶ。だが、体力が消耗するなか、間をあけずに跳んだトリプルアクセルからの連続ジャンプをはじめ、残るジャンプをすべて成功させ、終盤のステップで雄たけびをあげた。右足首をねんざしながらも気迫がこもった演技は、会場の雰囲気を一変させ、うねりを巻き起こした。順位もSP7位から3位に押し上げた。あのフリーでファンになった方は少なくないだろう。

 羽生はこれまで幾度となく会場を支配してきたが、平昌でもそうだった。そして「やってくれる」という期待に応えてくれた。今後のスケート人生は「楽しみながら、ということを考えたい」とは言いつつも、負けず嫌いな性格だから闘志は燃やしているだろう。最大の目標は4回転アクセル(4回転半)。羽生をよく知る人に言わせると、羽生はやれなくても「やります」「できます」と言うのだという。だから、ある日突然成功させてしまうかもしれない。

 史上最高のスケーターであり、さらに大きな夢に向かう羽生に「頑張れ」は言わない。十分に頑張っているのは伝わっている。



ひとつひとつの言葉に全面同意です。

芸術は正しい技術、徹底された基礎によって裏付けされたものであって、それが足りないと芸術にはならない。

日本の「表現力信仰」には、この「正しい技術」という部分が全く無視されております。日本では「表現力」「色気」「踊れる」という言葉は使っても、「芸術性」という言葉は、専門家もスケオタもほとんど使いません。そのせいか、結弦くんのこの言葉をちゃんと記事にしてくれてる日本のメディアがとても少ないのは残念なことです。

今、結弦くんのスケート哲学の継承者は、日本人ではなく、ロシアのエテリ組になっています。エテリ組は、結弦くんを本当によく研究している。そして、その門下生が女子フィギュア界を席捲しているのは、日本にとっては皮肉なことですね。そういえば、プルシェンコも今スケートアカデミーをしていますが、結弦くんの演技ビデオを教材にしてるとか言われていますね。お膝元に「生きた教科書」がいるというのに、日本は何をしているのでしょうか(笑)


あのフリーでファンになった方は少なくないだろう。

はい、私もその一人です(笑) あれで、ずっぽり羽生沼に落ちました。あれから6年。沼は深くなるばかりです。


他のスケーターの皆様には大変申し訳ないが、羽生がいる大会のほうが、何百倍も、何千倍も、何万倍も面白い。

羽生結弦がいるといないでは、大会の格も変わるし、なにより大会の空気が全く変わります。他のスケーターには悪いけれど、役者が違いすぎるのです。


そして、もう一人の主役の欠場も決まりましたね。

メドベージェワ欠場=フィギュア世界選手権(20180313 時事通信)

 ロシア・フィギュアスケート連盟は13日、女子で平昌五輪銀メダルのエフゲニア・メドベージェワが右足負傷のため、昨年まで2連覇していた世界選手権(21日開幕、イタリア・ミラノ)を欠場すると発表した。

 メドベージェワは右中足骨骨折で昨年12月のグランプリ・ファイナルとロシア選手権を欠場。今年1月の欧州選手権で復帰したが、リハビリ期間が足りず、2月の五輪では痛みが残っていた。五輪後に痛みが増し、ジャンプなど足に負担のかかる練習を4~8週間は制限するよう医師に勧められたとしている。



メドベもまだ治りきらないうちに強行出場していた。しかし、特筆すべきは、結弦くんにしろ、メドベにしろ、本来なら出場不可な怪我を抱えていても、本番では、あれだけの素晴らしい演技ができてしまうということ。それが、彼らが真の一流の証であり、プライドなのだなと感嘆しました。

結弦くんはもちろんですが、メドベも来シーズンに備えて、しっかり怪我を完治させてください。まだまだ、あなたの演技は見ていたいのです。どうかステイヘルシーで。

五輪直後の世選は上位陣の欠場が増えます。それはいつものことですが、やっぱり大会の格落ち感は否めないですね。ブログ「Luce Wald」の6番さんが、五輪金メダリストの欠場者をまとめてくれました。



個人での五輪金メダリストの12人中7人がWDということになります。
欠場者の数だけみれば4年前と同じです。
でも、4年前は、日本開催で、結弦くんの凱旋試合でもあったからすごく盛り上がったのよ。

しかも、しかもです! 結弦くん、メドベ、スイハン、テサモエ・・・4カテゴリの現ワールドチャンピオンが全員仲良くWDですよ! なんだろう・・・このドッちらけ感は・・・(汗) あああああ・・・全然盛り上がらんじゃないか! 

男子シングル以外は、優勝者がほぼ決まったようなもの。男子シングルは結弦くんのWDで、かえって優勝争いの行方がわからなくなりましたが、羽生結弦の存在感が大きすぎて、彼の欠場という喪失感はそんなことではとても埋められない。失礼ながら、スター女優が出演せず、大部屋女優だけのドラマを見ているような感じかと(他の男子スケーターのファンの皆さん、すみません)。もはや、私の注目は、宮原さんがメダルをとれるかどうかという1点だけに絞られてしまったわ・・・。

テサモエ以外の、結弦くん、メドベ、スイハンの3人(組)の欠場理由は怪我です。この3人(組)は出たかったはずです。無念でしょう。それだけ過酷な競技だということですよね。トップ選手ほど、高度な技で身体に無理を強います。結弦くんとメドベの欠場理由が同じ「右足のリハビリ」・・・メドベちゃん、そんなとこまで結弦くんをリスペクトしなくていいのよ・・・?


20180225メドベインスタ
2人とも、早く元気になってね!


参加しています。よろしければポチっと応援お願いします♪

人気ブログランキングへ

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/03/14 10:00 | テレビ番組・コラム(2017-2018)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

マツコ・デラックスの「バイキング」での見解と「スッキリ」の神特集について

結弦くんの国民栄誉賞授与について、「バイキング」でのマツコさんの発言が物議を醸していますね。
私は、この回の「バイキング」見ていませんが、ネット記事にもなってるので、だいたいの内容は把握できました。

「政治利用が過ぎてないか」マツコ・デラックスが国民栄誉賞授与に苦言(20180305 ライブドアニュース)

5日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で、マツコ・デラックスが国民栄誉賞について苦言を呈した。

羽生結弦は2014年のソチオリンピックに続き、今年2月に開催した平昌(ピョンチャン)オリンピックでも金メダルを獲得。男子シングルの世界では、実に66年ぶりとなるオリンピック連覇を成し遂げた。この快挙に対し、安倍晋三首相は、羽生に対する栄誉賞授与を検討するよう指示したという。

スタジオでは、MCの坂上忍がこの件について出演者に意見を求めた。すると、マツコは「羽生くんがもらうもらわないに関しては全く関係ない話よ」「それはおめでたい話だけど」と前置きした上で話し始める。「私が若かった頃に比べると、ちょっと国民栄誉賞の価値は下がったかな、というのはすごく感じる」と本音を吐露したのだ。

マツコは続けて、「(歌手の)美空ひばりさんだって、お亡くなりになってからじゃないともらえなかったんだよ?」と、かつての栄誉賞授与の基準の厳しさを挙げつつ、「これをこんなに連発してしまって。特に、安倍さんは(羽生が)大好きだからあげるの?」「ちょっと(栄誉賞の)価値を下げちゃってない?」と疑問を口にしたのだ。この指摘には坂上も「多分、マツコみたいに思ってる人多いと思うんですよ」と、その見解に賛同している。

その後、スポーツコンサルタントの春日良一氏が、「選手の栄誉というよりも、その選手の栄誉を政府がいただくみたいな感じでいっちゃってるから、それはちょっと問題かな」と、政府が羽生の快挙を利用するかのような構図を問題視していた。

マツコもその話に乗っかり、羽生に祝電を入れた安倍首相のところにもカメラが張り付いていたことを振り返りつつ、「根回し」が事前に済んでいたことを指摘。「国民栄誉賞だけじゃなくて、スポーツの政治利用がちょっと過ぎてはないかなとは感じるよね」と、苦言を呈していた。



羽生ファンから、マツコさんに対する失望の声が多く聞こえます。
でも、よく考えてみれば、「バイキング」はフジテレビです。
そして、フジは、「羽生結弦の国民栄誉賞授与」反対キャンペーンを張っている局です。

マツコさんは、毒舌&ご意見番キャラで売れっ子のタレントですが、本当に「局の求めるものを無視して、言いたい放題に発言する」人であれば、ここまでテレビ局から重宝されるはずがありません。局の求めるものに敏感で、忖度できるからこそ、ここまで売れっ子であるわけです。「ガッカリした」と言ってる方は、マツコさんを買いかぶりすぎていただけだと思います。

そして、もうひとつ。マツコさんが、伊藤みどりさんと浅田真央さんのファンであることを忘れてはいけないでしょう(別に、マツコさんをマオタ認定してるわけではありませんが)。
マツコさんは、「フィギュアスケート史上最高のプログラムは、浅田真央の”鐘”」だと断言されています。これは3~4年前の発言のようですから、その後変わっているかもしれませんが(たぶん、変わってないような気がします)。

もし、伊藤みどりさんや浅田真央さんに国民栄誉賞を授与されたとしたら・・・マツコさんは同じように「国民栄誉賞の価値は下がった」とか「連発しすぎ」だとか、おっしゃったでしょうか? おそらく、おっしゃらなかったと思います。たとえ、アスリートとしての実績が結弦くんよりはるかに劣っていたとしても・・・です。ただ、こんな私情ダダ漏れの「ドヤ意見」に惑わされる一般視聴者も中にはいるので、テレビのもつ印象操作というのは本当に怖いなと思います。

確かに、結弦くんの授与で、安倍内閣では7人目となりますが、安倍さんは在任期間が突出して長いので、日数で割れば、それほど多すぎるともいえないのです。



なお、国民栄誉賞については、2000年10月30日に授与された高橋尚子さんから、2009年1月1月23日の遠藤実さんまで、8年以上授与者がいませんでいした。小泉内閣(2001年4月26日~2006年9月26日)のときに国民栄誉賞を授与された人が一人もいなかったのが大きかったと思います。たぶん、小泉さんは、国民栄誉賞に興味がまったくなかったのでしょう。このあたりが、「国民栄誉賞はそのときの内閣の気分次第」とか「運が大きい」とか言われる所以かもしれませんが。

このツィートに同意です。結局、自分の”推し”に、結弦くんみたいになってほしいのに、現実はそうじゃないから、ストレスをためまくって、八つ当たりしているのでしょうね。哀れな人達です。



結弦くんは、五輪連覇や国民栄誉賞や国民的人気・・・それらによって、自分の発言力やフィールドが大きくなることを知っている。それらを利用して、これから復興のために役立てようとしているの。アンチは、震災を人気とりに利用してるというけど、まったく逆なのよ・・・。でも、アンチには理解できないでしょう。人間としての次元が違いすぎて。


さて・・・フジテレビとまったく正反対の番組作りをしてくれて、羽生ファンから株上昇中なのが日テレの「スッキリ」です。


20180308スッキリ
画像はツィッターよりお借りしました。


結弦くんが、被災者の一人として、これまで被災地に多くの寄付をしてくれたことを、けっこう尺をとって紹介してくれています。動画をUPしてくださっています。
→ https://youtu.be/_8Ds7YZWT6Q

私は、この回の「スッキリ」を見落としていたのでありがたい。
日テレは、やっぱり、他局より結弦くんに寄り添った番組作りをしてくれますね。


<追記>

ひとつ追加しときます。結弦くんの国民栄誉賞授与の反対意見として、「若すぎる」という意見がありますが、結弦くんは、ソチ五輪の金メダルで、紫綬褒章を受章されました。当時19歳。このときも、紫綬褒章としては、史上最年少の受章だったのですよ。以下、参考記事です。

ソースはこちら http://www.news24.jp/articles/2014/04/28/07250099.html

春の褒章発表 羽生結弦さんらに紫綬褒章(2014年4月28日 日テレニュース)

スポーツや芸術などで功績のあった人に贈られる春の褒章が決まり、ソチ五輪のフィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生結弦さんや、俳優の宮本信子さん、歌舞伎俳優の坂東玉三郎さんらが紫綬褒章を受章。19歳の羽生さんは今回、最年少の受章者となった。

 スポーツや芸術などの分野で功績のあった人に贈られる春の褒章が決まった。ソチオリンピックのフィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生結弦さん(19)が、紫綬(しじゅ)褒章を受章した。羽生さんは今回、最年少の受章者となった。

 羽生さん「これからさらに頑張っていって、さらなる好成績を残せるように、頑張っていかなきゃいけないなというふうに思っています」



参加しています。よろしければポチっと応援お願いします♪

人気ブログランキングへ

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/03/09 10:25 | テレビ番組・コラム(2017-2018)COMMENT(17)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦「嫌われたくない」の真意は? 

こんな記事がありました。意外と(?)良記事だと思います。

羽生結弦「嫌われたくない」の真意は? 相次いだ“嘘みたいな記事”と中傷(20180222 ウィジー)

 2014年のソチ五輪に続き、2018年平昌五輪でもフィギュアスケート男子で金メダルを獲得した羽生結弦選手(23)。フィギュアスケート男子の五輪連覇達成は、66年ぶりの快挙である。一夜明けた2月18日におこなわれた記者会見の最後に、羽生選手は印象的な言葉を残した。

 昨年11月に公式練習にて右足を負傷し、治療とリハビリを経て平昌五輪に臨んだ羽生選手。この三カ月間の心理状態について記者から質問を受け、羽生選手は次のように語った。
「3カ月間のメンタルに関しては、うーん……なんて言ってほしいですか?(笑)
うーんと、とくに自分の心から、自分の頭が先導で、ネガティブなことに引っ張られることはなかったですけど、環境、状況、状態、条件。そういったものから、外的要因からすごくネガティブな方向に引っ張られました」
「ほんとのほんとの気持ちは嫌われたくないってすごい思うし、色んな方に見られれば見られるほど、色んなことをしゃべればしゃべるほど嫌われるし(笑)、色んなこと書かれるし、なんか嘘みたいな記事が多分これからもっともっと出てくるんだろうなって思います。
ただ、僕がしゃべったこと、僕が作ってきた歴史、それは何一つ変わらないし、自分の中で今回は誇りを持って、本当に誇りを持って、オリンピックの金メダリストになれたと思ってるので、これからの人生、オリンピックの金メダリストとしてしっかり全うしたいと思います」

 羽生選手は2012年の世界選手権で銅メダルを獲得した際のインタビューで、「メディアは多くの方々に自分の声を届けていただける場だと思います」と語っており、メディアと良好な関係を築いていた。しかし2014年のソチ五輪で金メダルを獲得後は、マスメディアによる“アイドル扱い”が過熱し困惑することもあったという。本人はアイドルを名乗らず一人のアスリートとして立っていても、アイスショーや祝賀会への出演依頼は殺到する。羽生結弦は否応なしにアイドルとして、国民的スターとして扱われるようになった。

 2016年1月には、プライベートに関するデマ報道があった。女性週刊誌による羽生選手と元同級生女性の婚約スクープで、記者は女性に「羽生さんの子供を妊娠・中絶したんですよね」と無遠慮に問いただしたうえ、その女性の実名がネットでさらされる事態にまで発展。羽生選手は会見を開き、「火のないところに煙は立たないというけど、本当に火もないところ」と全面的に否定した。

 羽生選手はこのことについて、2016年7月に発売された著書『蒼い炎II-飛翔編-』(扶桑社)の中で、<1月初め、足は痛いし、身に覚えのない報道が出たりして人間不信みたいになっていたので、ショーで滑れることがすごく幸せだったんですね。スケートって自分の意思だけで出来る。そこには誰も介入できないから>と綴っている。
 “嘘みたいな記事”はプライベートな事柄についてだけではない。平昌五輪後に羽生選手が引退するという報道、そしてここ三カ月の右足の状態や、ブライアン・オーサーコーチとの関係についておかしな報道も少なくなかった。インターネットでエゴサーチをすれば、無責任な誹謗中傷の言葉にすぐたどり着く。

 ただでさえ噂は尾ひれをつけて遠くまで拡散していくもの。マスメディアによって自身の発言が歪曲されて伝えられ誤解を受けること、それが一般ネットユーザー間で拡散されていき誤った情報がさも真実のように受け止められることは、ただ迷惑なだけでなく、不愉快な苦痛を伴い、自尊心も傷つけられる。

 しかし、冒頭の会見で羽生結弦選手は、たとえ“嘘みたいな記事”が出たとしても、「僕がしゃべったこと、僕が作ってきた歴史、それは何一つ変わらない」と明言している。そこには弛まぬ努力を続けてきた自負と、自分自身、そしてトロントで支えてくれたチームへの信頼、スケートへの集中力がある。それでも彼が決して「傷つかない」わけではない、ひとりの人間であることを示す言葉だった。

 羽生選手が会見で発した「嫌われたくない」というフレーズは多くのファンに衝撃を与え、スポーツ報道のあり方に一石を投じている。勘違いしてはいけないのは、羽生選手が批判や注意を受け付けないわけでも、過剰なプレッシャーを拒絶しているわけでもないことだ。一切のネガティブな報道にNOを突きつけたりはしていない。過去の発言から拾えば、たとえば2011年のグランプリファイナル後、<厳しい意見を聞くとやはり、悔しさを感じますが、そんな意見があるからこそ「やらなければ!」と思います>と発奮。また金メダル獲得など上位入賞へのプレッシャーについても<“期待される”という感覚が好きです。プレッシャーではなく快感なんです>と発言している。

 向き合うべき言葉には対峙する。そのうえで他者の言葉に取り込まれない。ライバル選手のことを熱心に観察・分析する一方で「自分に集中」する。そのバランス感覚はまさに見習いたいがそうそう真似できない。だから羽生選手はスターなのだ、などと結論づけてはいけないと思うが、ネガティブな方向に引っ張られながらも、軸をぶれさせず競技をやりきった羽生選手の精神力はやはり称える以外にない。今後も現役続行を明言している羽生選手、まずは2月25日のエキシビションを楽しみに待ちたい。



女性週刊誌による羽生選手と元同級生女性の婚約スクープ・・・この一件は忘れもしません。そして、この週刊誌のガセ記事を執拗にテレビで流し続けたのはフジテレビでした。その後、結弦くんが、アイスショーの会見上で否定をしたときも、フジテレビは結弦くんの否定はスルー。その会見をテレビで流してくれたのは、テレ朝だけだったんじゃないかしら。

記者は女性に「羽生さんの子供を妊娠・中絶したんですよね」と無遠慮に問いただしたうえ、その女性の実名がネットでさらされる事態にまで発展。羽生選手は会見を開き、「火のないところに煙は立たないというけど、本当に火もないところ」と全面的に否定した。


女性セブンの記者、あんた、一回死になさい!!(怒)


人間というのは、どこまで品性下劣になれるのでしょうか。こんなのと結弦くんが同じ人類だということすら信じられません。「羽生さん」なんて気安く呼ばないでちょうだい。結弦くんが汚れるわ!!

この同級生以外でも、村上佳菜子さんとも付き合っていたが、村上さんの成績が落ちたから別れたとか書いてましたよね。ガセブン設定では、結弦くんはいったいどんだけ最低な男なんだよ・・・(怒)

菊池さんも”ないことないこと”書かれていたし、結弦くんは、自分だけじゃなく、自分の周囲にも迷惑をかけていると心を痛めたと思います。

僕がしゃべったこと、僕が作ってきた歴史、それは何一つ変わらない
自分の中で今回は誇りを持って、これからの人生、オリンピックの金メダリストとしてしっかり全うしたい
 

あなたを誹謗する人は一部だけ。あなたが日本中の、いや世界中の人達を幸せにしています。
心からあなたを誇りに思っている日本人の方が圧倒的に多いのです。
100人中100人に好かれるなんて無理なこと。でも、99人はあなたのことを好きなのです。
たった1人の例外なんて無視すればいいのです。
彼らは、ただ、あなたのことが妬ましいだけの、心の歪んだ人たちなのですから。


ところで、フィギュア競技は団体も含め5カテゴリありますが、平昌五輪はカナダの圧勝でした。

団体 金
ダンス 金
女子 銅
ペア 銅


アメリカは、団体とダンスの銅2つだけ。アメリカとしては、イマイチの結果だったと思います。
アメリカは、全カテゴリ中、金の可能性が唯一あったネイサンに賭けてたと思うんです。
五輪シーズンになって、ネイサンに急にスポンサーがつくようになったことをみても。
エキシビションは、ネイサンは出場予定でしたが、とりやめになったようです。
そういえば、エキシビションの練習にも姿を見せていませんでした。
インフルエンザに罹ったとか。ネイサン、平昌五輪は最後までついてなかったですね。

カナダは、男子だけメダルがゼロでしたが、カナダ拠点の2人がメダリストになったことで、カナダのコーチングメソッドの優秀さを誇示できたという点では、面目を保ったのではないでしょうか。

アンチが、結弦くんのことを「国産じゃない」と皮肉っているようです。カナダ拠点のことを言っているのでしょう。
チャンのライバルであった結弦くんに、惜し気もなくカナダの技術を与えてくれたオーサー、およびクリケットのスタッフには感謝しかありません。
オーサーと同じことを、日本のコーチがしたら、日本国内でどれだけ批判を浴びることか。
結弦くんは、国境を超えて、「一番になりたい」人を支援したいといっていました。
国籍に関係なく、自分を育ててくれたことへの恩返しをしたいのでしょう。
ファンとしては、引退後もそのままずっとクリケットにいて、コーチ修行をしてほしいな。

あんなに日本を愛する結弦くんに、日本よりカナダにずっといてほしい・・・と思うファンが多いのは悲しいことです。それもその理由が、結弦くんに少しでも傷ついてもらいたくない、幸せでいてほしいから・・・ということなのが。


20180222-042

これからも傷つくことがあるかもしれない。でも、ファンはずっとあなたの味方です。
私達は、あなたがずっと笑顔でいてくれることを心から祈っています。


参加してます。よろしければポチっとお願いします♪

人気ブログランキングへ

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/02/24 10:40 | テレビ番組・コラム(2017-2018)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

2/7放送Nスぺ感想&AERAのゆづ表紙の破壊力が凄まじすぎる

昨日放送された「NHKスペシャル」、TLを見る限り、ゆづファンは皆さん、不評を通りこして激オコですね。



―他の選手のことが気になるか?
逆に僕が何するかっていうことのほうが気になってるんじゃないですかね。みんなが気にすれば気にするほど僕は斜め上をいけるように常に努力していきたいなと思っています。



20180207NHKspecial03


45分間尺があったけど、収穫はこの2つくらいでしたね。1/3くらい他選手(といっても2人だが)の映像だったような気がします。番宣では、思わせぶりに結弦くんの可愛いガーナとか入れてたから、映像はもってるはずなのに、番組ではまったく使われず、羽生結弦特集なのに、他選手のステーキ食ってる映像が流されてる。そんなことに尺とるのなら、ガーナ流せたでしょ? 誰の特集なの? そんな需要のない食事シーンを流すくらいなら、結弦くんの卵かけご飯食ってるシーンでも流しなさいよ!(怒) 
 
「転倒シーンは見たくない」という声はNHKに届いてるはずなのに、3回も流し・・・本人が「撮らないで」というゼスチャーをしてるのに、遠目から隠し撮りしたバックヤードの映像を、「ほら、うちしかもってない映像だぜ!」とばかりに、ドヤ顔で延々と流し続ける。結弦くんは、そんな姿を流してほしくなかっただろうと思う。

中国杯の衝突場面、テレ朝はあるときから流さなくなりました。なのに、執拗にいつまでも流し続けるNHKのスタンスは異常です。まあ、これは他局もですがね。

本人は「逆に僕が何するかっていうことのほうが気になってるんじゃないですかね」といってるのに、若手の追い上げを気にして、ジャンプを無理した結果、NHK杯で怪我をしたような印象操作はとても失礼だと思います。4回転の数ばかり問題にしていますが、ソチ五輪でチャンとの勝敗を分けたのは、4回転ではなく、トリプルアクセルでした。アクセルの重要性は今も変わっていない。そして、ネイサンがアクセル苦手なのはスケオタなら知っています。

ネイサンの3Aは着氷してもGOEでマイナスつくことが多く、スケアメのフリーでは3Aは1本も決まらず、ファイナルも3A1本構成でした。まともに決まったときでも、わずかなGOEしかつきません。パトリック・チャンに似たタイプですが、チャンほどスケーティングがいいわけでも、つなぎが濃いわけでもない。そんな選手が勝とうとすれば、クワドの数を増やしてTES稼ぐしかないのです。そして、結弦くんの3Aは高いGOEがつくので、クワドの基礎点に相当します。でも、そういうことには一言も触れませんでしたね。誰のための特集なのでしょうか。

結弦くんがオータムでショート歴代最高得点を更新したこととか、ロステレではSPで出遅れたので2位になったが、フリーはクワドを4本決めたチェンに勝っていたこととか、結弦くんにとってポジティブな情報はすべてカットして、転倒シーンをはじめネガティブな情報ばかり集めて構成したような作りになっていたので、番組への期待値が高かっただけに、ファンの怒りも大きかったのだと思います。「番宣詐欺」とか「来シーズンはNHK杯にでなくていい。ロステレと中国でいい!」という怒りの声すらでていますね。


さて・・・2月10日発売のAERAですごいのきました。
TLで、失神者続出です(笑)

20180210aera01

20180210aera02

AERA (アエラ) 2018年 2/19 増大号【表紙:羽生結弦】[雑誌] ← アマゾンサイトへ

どんどん破壊力が増していますね・・・。ううっ、朝日新聞のくせに!!
競技終了後、北朝鮮に拉致されないか心配になってきたわ・・・(笑)


参加してます。よろしければポチっとお願いします♪

人気ブログランキングへ

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/02/08 13:40 | テレビ番組・コラム(2017-2018)COMMENT(23)TRACKBACK(0)  TOP

「日本の国宝」羽生結弦 ~野心的な運動能力×独自の芸術性

「THE ANSWER」でこんな記事がありました。
今日は、フィギュアスケートとバレエのもつ表現力について少し語ります。

羽生結弦、海外で“天才バレエダンサー”に例えられた「日本の国宝」の魅力とは(20180129 THE ANSWER)

アジア紙特集「氷人来る、ユヅの肖像」、伝説のバレエダンサー級の魅力とは

 平昌五輪で66年ぶりの連覇がかかるフィギュアスケートの羽生結弦(ANA)。右足首の故障でグランプリ(GP)ファイナル、全日本選手権を欠場し、復活を目指す絶対王者を海外メディアも「史上最も偉大な王者」と注目。「ニジンスキーの再来」と呼ばれた天才バレエダンサーと伝説のヘビー級ボクシング王者との「融合」と表現し、「日本の国宝」と称賛している。

「氷人来る、ユヅの肖像」と特集したのは、アジア紙「アジアタイムズ」電子版だった。

 1952年のオスロ五輪で成し遂げたアメリカの伝説的スケーター、ディック・バトン氏以来となる五輪連覇の偉業に挑む羽生について、記事では漂わせるオーラを紹介している。

「彼は無数に存在するファンの間ではシンプルに“ユヅ”と呼ばれる。彼はおそらく、史上最も偉大な男子フィギュアスケートのチャンピオンだろう。わずか23歳にして、ユヅル・ハニュウはルドルフ・ヌレエフの優雅さと魅力に、ロッキー・マルシアノの鋼鉄さと本質性を融合させたのだ」

 ヌレエフは旧ソ連出身のバレエダンサー。英国ロイヤル・バレエで活躍し、「ニジンスキーの再来」とも呼ばれた天才だ。マルシアノはボクシングヘビー級で史上唯一全勝で引退した伝説の王者。バレエ界とボクシング界のレジェンドの優雅さと強靭さを同時に備えているのが、羽生であると分析されている。

野心的な運動能力×独自の芸術性=「日本の国宝」羽生結弦

「野心的な運動能力と、バレエ的ですらある独自の芸術性を誇るスタイルこそが、彼を日本の国宝たらしめている。そして、冬季五輪で2連覇を果たす強力な本命としている」

 記事ではアスリート、そして、アーティストとして非凡な輝きを放つ23歳は平昌五輪の優勝候補だと分析。一方で、羽生は現在、苦境に立たされていることも紹介している。

「ミッション・インポッシブルをユヅルが達成したとすれば、これは氷上の歴史になるだろう。彼は右足首の靭帯と腱と骨を負傷し、1か月以上リンクに立てなかったという困難を覆してのことになる」

 こう伝えられている。羽生にとっては故障という本来はネガティブな出来事でさえも、すべては感動のクライマックスにつなげるための序章にすら思わせる。

 果たして、バトン氏以来の偉業は達成されるのか。ネイサン・チェン(米国)、宇野昌磨(トヨタ自動車)ら実力者ひしめく平昌で、羽生の戴冠の瞬間に、海外メディアも熱い視線を注いでいる。



こちらはロシアのバレエ団で活躍されている寺田翠さんのツイです。
一般の方からの質問に、寺田さんが答える形のツイですが、結弦くんに関する質問がありました。



ソチ五輪で金メダルをとった後、結弦くんが、インタビューで「バレエを習いたい」と言っていたことがありました。でも、その後、習ってるという話は聞かない。そんな暇がないのか?と思ったりしたけど、その必要性がないと気付いたのではないかな・・・と、寺田さんのツイを読んで思いました。

もともと所作が雑な人であれば、”欠点を改善する”という意味で、バレエを習うことも必要かもしれませんが、「どんな瞬間を写真で切り取られても”美しく”見えることを常に意識している」という結弦くんには必要ないものでしょう。ネイサンがバレエをしていたことは有名ですが、ネイサン自身が「自分に足りないものは表現面」(2016年のファイナルだったか?のプレカンで言っていました)と言ってることを思えば、確かにバレエの素養はフィギュアにはそれほど必要ないような気がします。寺田さんのいうように、「そういう部分はもともと持っている人っていうのが大きい」のではないでしょうか。

バレエはスポーツじゃなくて芸術と位置づけられるけど、そのバレエの芸術性も、実際は高度な技術の上に成り立っているもの(もっとも、”芸術”であるがゆえに、”一応スポーツ”のフィギュアより容姿が重視されますが)。
そういう意味では、織田さんの「羽生選手の美しさは、確固たる技術の上に成り立っている」という言葉は、フィギュア解説史上にずっと残したいくらいの名言だと思います。技術は表現を際立たせる武器になるけど、表現力だけでは技術をカバーしきれないのです。


フィギュアの表現力といえば、こんな番組がありますね。

2月4日 21:00~21:50 NHKBS1 スポーツ酒場 語り亭
「平昌五輪直前SP フィギュアスケート 表現力ってなんだ」


一応録画予約はしてるけど、あんまり期待できないだろうなあ(笑)


20180129_the_answer


よろしければポチっとお願いします♪

人気ブログランキングへ

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/01/29 12:05 | テレビ番組・コラム(2017-2018)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP