羽生結弦、王者の本能 「ゴールに到達した先は」

スポニチさんの合同会見完全版その2です。
密着ドキュメントといい、スポニチさんが山口さん化してる(笑)



羽生結弦、王者の本能「スケートやってて勝ちたいなって思ったんですよね、凄い」(20190920 スポニチ)

羽生結弦 合同取材(2)

 フィギュアスケート男子で14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)が今季初戦のオータム・クラシック(オークビル)を終え、合同取材に応じた。昨季の世界選手権では2位となり、再出発を切った今シーズン。勝利を渇望する絶対王者が語る今、そして未来への青写真とは――。反転攻勢をかける男の言葉は、次第に熱を帯びていった。

 ――3月の世界選手権では2位。ネーサン・チェン(米国)との点差を埋めるために考えたことは。

 「結局、ベースバリューを上げるしかないかなと思っています。やっぱりGOE取ってナンボだと思っているので。ただ、その中でやっぱりGOEの限界もありますし。うーん、そこにはやっぱり人の評価軸というものが存在するので。結局、難しいものを跳んでナンボなんだなという感じはしています」

 ――4回転5本の構成と言ったが、チェンに勝てる構成という意識か。

 「というよりも、自分ができ得る最大限の構成を常に考えているという感覚ですね。もちろん、あの世界選手権の構成が彼の全てではないですし。もっと上げようと思えば、いくらでも上がると思うので。その時に、彼が最大限にやってきた時に、やっぱり勝てる状態じゃないとダメだなとは思います」

 ――昨シーズン、4回転トーループー3回転半を入れるとなった時に、GOEがマイナスでもやりたいものはやりたいと言っていた。

 「ふふふ。だから、本当にやっぱり平昌五輪が終わってフワフワしてたんだなと思います。ただ、実際に4Tー3Aやってみて、しっかりきれいに決めたいっていう気持ちは強くありましたし。それで、最終的に先シーズン中にきれいに決められたというのは、自分の中でやっぱり、ずっとショーでもやってきてたんで。それを公式記録として初めて決めた人間になりたいという気持ちは強くあって。そこは納得できたというか、消化できたかなと思っています」

 ――そして、結局、勝ちにこだわるところに戻った。

 「そうですね。もちろん勝ちたいっていう気持ちは強くありますし。それで勝てればよかったですけど、そんなことも言っていられないなと思ったので。やっぱり武器としてのアクセルは早く手に入れなきゃいけないと思ってますし。その前の段階として、別に段階を踏もうとは思ってないですけど、まずはルッツを。だいぶ使える感覚ではあるので。順を追ってというか、その時々で必要か、必要じゃないか、やるべきか、やるべきじゃないかを踏まえた上で入れていけるようにはしたいなとは思います」

 ――ぶざまな自分にはなりたくない、と言っていたが。

 「だって、なんか、“あー、羽生結弦終わったな”みたいな感じで言われるのは絶対、嫌なんで。だから、今日も、何て言うんですかね。自分の中で頑張ったな、とは思ったんですけど。ああいう点数とか見ると、かっこ悪いなとか、すっごい思ってるんで。もう、本当に、もっと練習します」

 ――自身が思うぶざまな自分とは。

 「なんか毎年オータム・クラシックとスケートカナダは、ぶざまだなと思っています(苦笑い)。かっこ悪いなあと思ってやってますけど。でも、やっぱり自分は元からいい時と悪い時の差が凄い激しかったですし。いいものはいいって言えますし、悪いものは悪いって言うタイプなんで。自分自身に対しての評価が一番厳しいと思っているので。今回はまず悪かったなと凄い言えますし。やっぱり、うーん。あのSEIMEIとバラード第1番の時のノーミスした感覚は今でも追い求めてたりとか。あとはヘルシンキのワールドのホープ&レガシーの感覚を追い求めてたりとか。あの完璧だった自分をさらに超えたいっていう欲がもの凄くあって。それができた時にやっと、かっこよかったなと。かっこよかったなと言うのは変だけど、アスリートとしていい形だったなって思えるようにはなるんじゃないかなと思います。それ以外は全部、かっこ悪いです」

 ――やりたいことがいっぱいありそうだが、今シーズンというよりも、どんどんシーズンが過ぎていく感じがあるが。

 「まあ、やれることをやって、という感じですかね。とにかく、できることっていうのは、その時々で限られているので。それをやりつつ、結果としてそうなったらという感覚でいます。とにかく、まだ成長できる余地があるなと凄い感じながら練習しているので。一時期、厳しいなって思った時もあったんですけど。アクセルの壁があまりに分厚かったので、これ、できるようになるのかなと思ってたけど、意外とできそうだなって今なってきているんで。いろんなことを試しながら、いろんな情報を得ながら強くなれたらなと思います」

 ――「一時期」とはいつ、どんな壁だったのか。

 「やっぱり、去年のオータム前とかオータム後とかですかね。アクセルやってる場合じゃないなみたいになった時があって。やっぱりアクセルもほど遠かったので。ハーネスでは降りてたんですけど。ハーネスなしで回る気配がなかったので、ただ、やっと回り始めて。昨年の試合期間中はアクセルの練習なんてしてる場合ではなかったですし、もちろんケガもしていたので、世界選手権に合わせることでいっぱいいっぱいだったんですけど、フタをあけてみたらトレーニングになっていたのかなと思います」

 ――22年という話も出た。実際、どれくらい明確に22年を思っているか。

 「そこ聞きたいんですよね…。でも、なんか、自分の中では競技生活の延長線上にあるくらいですかね。本当に、とりあえず今のところ、猛烈に出たいとか、猛烈にそこで勝ちたいという気持ちでいるわけじゃなくて。とにかくアクセル跳びたいって。何だろう。アクセル跳べた上でのOriginを完璧にしたいっていう気持ちが一番強いです」

 ――今のゴールはアクセルを跳んでOriginを完璧にすることか。

 「まあ、それが3年間か、4年間になるかもしれないですけど(笑い)。とにかく体が壊れないように、というのを意識しながら徐々に徐々に、ですかね」

 ――ゴールに到達した先は。

 「うーん、なんか昔は考えていたんですけど。あまりにも環境が変わりすぎて。自分が思い描いていた環境とは、結構かけ離れていて。というのも、あまりにもいろんな方々に支えられすぎているっていうか。こうやってB級の試合だったかもしれないですけど、その中でB級だからといって手を抜く人がいるわけではないですし。やっぱりサポートメンバーの方々はもちろんなんですけど、試合のスタッフの方とか、セキュリティーの方とかも含めてなんですけど。凄いなんか、普通の選手ではあり得ない待遇をたぶんさせてもらっていると思うので。それに応えたいっていう気持ちが、うん、一番強いんですかね。自分がこうなりたいとか、ああなりたいとかってなんか…。本当は平昌オリンピック獲って、辞めて、1年間プロになって、しっかり稼いでってことを、小さい頃はずっと思っていたんですけど。うーん、何か…。もちろん平昌終わってアクセルやるか、みたいな感じで、なあなあな気持ちで始めてしまって。結果、今めちゃくちゃ勝負楽しいって思ってスケートやってるんですけど。今の自分の根底にあるのは、もちろんアクセルとか、Origin完成させたい、オトナル完成させたいっていう気持ちももちろんなんですけど、支えてもらっている方々に対して期待に応えられる演技をしたいっていうのが、強いかなと思っています。それがどこまで続くのか、分からないんですけど」

 ――世界選手権の時に「負けは死も同然」とも言った。勝利への欲は今、どれくらいあるのか。

 「今回の試合はあんまり勝つ負けるということは考えていなくて。割とノーミスしたい、とりあえずこの構成で完成させたいっていう気持ちが強くあったので。その点に関してはやっぱり、うん。達成できていないなっていう。ああ、もっとこうだったかな、ああだったかなっていう、なんだろう。課題を凄い感じている段階ですかね。とにかくなんか、うん…言葉にするのが凄い難しいんですけど。まあ、やっぱり世界選手権で本当に届かないなっていう感覚で負けて。なんていうかな。スケートやってて勝ちたいなって思ったんですよね、凄い。さっきも言ったように、平昌というか、平昌とも思ってなかったんですけど。とりあえず、なんか19歳でオリンピック出てみたいな、23歳でオリンピック出て両方とも優勝して、辞める!みたいな感じで、本当に幼稚園くらいの時から思っていたんで。だから、その後、あまり勝利への欲っていうのがなかったんです。ただまあ、去年のグランプリシリーズでやっぱり勝ちたいっていうのは思っていたとは思うんですけど。まあ世界選手権、実際にその差を、ノーミスしてたらどうなっているか分からないんですけどね。もちろんそうなんですけど、まあ実際の演技が実力だと思うので、その時点で実力の差を感じて負けたっていうのが、また何か…。凄い勝ちたいってなっています。だから、今回の試合はもちろんそれを抑えつつみたいなところはあったんですけど、それ関係なく今回は自分の演技を完成させたいみたいなところはあるんですけど。でも、やっぱり今の自分がスケートをやっている根底には、その支えてくださっている方々への期待への感謝、期待に応えたいみたいなところと、やっぱり、あの時、負けた悔しさが両方あって、うん。今シーズンは特に頑張れているのかなっていうのはあります」

 ――4回転アクセルのために生きているってどういう日々か。想像できない。

 「修行僧みたいな感じですね(笑い)。本当になんか、パパラッチの方とか来ても面白くないんだろうなって思って。だって、リンク行って、練習して、帰ってきて、ご飯食べて、トレーニングして、お風呂入って、寝るみたいな(笑い)」

 ――そんな中で、リンク以外に楽しみとかは見つかったか。

 「凄い悲しい人みたい…(笑い)。そうですね、特に外行かないですけど。外に行くことに対して楽しみを知らないので、小さい頃から。まあ別にそれに対していいなとか、悪いなっていうのは特にないんですけど。ただ、やっぱりファンタジー(・オン・アイス)の期間で、アーティストの方々と触れ合えるっていうのは、凄い自分にとって刺激ですし。うん、表現者として、こういうことがあるんだ、ああいうことがあるんだ、っていうのを学べる機会ですし。楽しさじゃなくなるかもしれないけど。そういう刺激があって凄い楽しかったなって思っています。だからまあ、それはもうファンタジーはファンタジーでその時に楽しんだって思っているので。もちろん、かなり削ったは削ったんですけど、足も。だけど、まあそれがオフシーズンに自分がたぶん、ある意味での心の休養みたいな。頭のリフレッシュみたいな感じにはなりましたし、今年は全然休養を取ってないんですけど、でも、凄いスケートに集中している日々ですね。まあ、ゲームは楽しいですけど(笑い)」

 ――今、右足首はどういう状態か。腱が少ないという話もあった。同じようなケガをしたらどうなるか。

 「どうなるんですかね。どうなるかはよく分かんないんですけど、簡単に捻挫するなとは思っています。ほんとに(昨年11月の)ロシアの時もそんなに腫れると思ってなかったんですけど、凄いなんか、パーンって腫れちゃって、本当に靴入るかなって思ったんですけど。うーん、何なんですかね。でも注意しながらやんなきゃいけないのは確かです。でも痛みとかは特に今ないので、右に関しても左に関しても。ただ古傷みたいな痛みはもちろんちょっとあるんですけど、朝起きたときとか。まあそれぐらいですかね。競技に支障はないかなと思います。ただ、ケガするリスクが人よりも明らかに高いよっていうのは思っています」

 ――ありがとうございました。

 「別に全然引退しないですからね、まだ!」

 ――ゲームは具体的に何をやっているか。

 「今はファイアーエムブレムをやっています。(ハードは?)スイッチです」

 ――アクセルを楽しみにしている。

 「きれいなの跳びますよ、僕。本当にきれいなの跳んでやるからな。見とけ世界っ!」(終わり)



今の自分の根底にあるのは、もちろんアクセルとか、Origin完成させたい、オトナル完成させたいっていう気持ちももちろんなんですけど、支えてもらっている方々に対して期待に応えられる演技をしたいっていうのが、強いかなと思っています。

関西ローカルのABCテレビで、ファンタジーオンアイス神戸公演が放送されましたが、その中に、ABCアナウンサーの喜多さん進行役で、「名物コンビ織田喜多が迫る令和の羽生結弦」という結弦くんと織田くんの対談があったのです。その対談のこの部分を思いだしました。書き起こします。

羽生「令和を前にして、やっぱり自分がすごく悔しい思いをしたというのもありましたし、今強くなりたいっていう気持ちがものすごく強くあるので、このアイスショーでも全力でトレーニングしつつ、全力で演技して、少しでもちょっと強くなったなって、羽生結弦ちょっと進化したなってところを、ここで見せたい。そしてまたその見せた後にも、もう一回進化して、もう一回強いのを見せたいなっていう、なんか貪欲な気持ちはあります」

織田「本当に、いつも、そのモチベーションの源ってどこから湧いてくるの」

羽生「僕って、人よりたぶんサポートしてくださる方がすごく多いんですよ。だから、そういう方達に、自分は結果で出すことが自分の仕事だと思っているので。自分の役割だと思っているので。その役割・使命みたいなものを果たしたい」



今の結弦くんのモチベーションは、アクセルやトリビュートプログラムの完成以上に、「支えてもらっている方々に対して期待に応えられる演技をしたい」なんですね。結弦くんらしいと思う。そして、この「支えてもらってる方々」の中には、もちろん多くのファンの存在も含まれているでしょう。

参考までに、合同取材(1)のこの部分を貼っておきますが・・・。

新しい衣装で出てたのでジャージーを脱いだ時に凄い歓声が起きたりとか。何もしてないのに歓声が起きたりとか、他の選手に迷惑じゃないかなと思うところもあるくらい凄く歓声をいただいたりする中で、やっぱり自分はそういう期待があるからこそ、いい演技をしなきゃなっていう活力にはなります

この「他の選手に迷惑じゃないかなと思うところもあるくらい凄く歓声をいただいたりする」部分だけ切り取って、「歓声が大きいと迷惑なんじゃない?」と考えるドアホ(多くはナリオタだろうけど)もいるようだけど、そういう人達は、そのあとの「自分はそういう期待があるからこそ、いい演技をしなきゃなっていう活力にはなります」という部分を無視してる。つーか、歓声大きくて嬉しくない奴なんているわけないだろーが。

羽生結弦という人は、周囲から自分がもらった分を何倍にもして返そうとする人。17歳で世界選手権銅メダルを獲得したときも、彼はこう言っていた。「なによりも、たくさんの人のパワーをもらってここまで出来た。3位という結果は、いろいろな方のおかげだと思います」。結弦くんの根源は、今も何も変わらない。ただ、17歳のときより、もらうパワーがけた違いに増えただけ。でも、だからこそ、彼は、すべてを手に入れた今も、フィギュア競技に情熱を持ち続けられるのだと思う。だから、羽生ファンは誰に遠慮することなく、200%のエネルギーで歓声を送ればいいのですよ。


20190920スポニチ


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2019/09/20 10:40 | チャレンジャーズシリーズCOMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦、取材に感謝の意 ~朝日・大西記者の”羽生結弦”像

スポニチの大和さんの頑張りは別次元としても、各メディアの記者さん、カメラマンさん、オータムへの意気込みは生半可なものではなかったように思います。朝日新聞の大西さんも、頻繁にツィッターで報告しておられました。

その中で、大西さんが取材された有料記事ですが、良い記事だったので貼っておきます(有料会員でないと全文は読めないので)。



羽生結弦、取材の場も理論武装? 「分析できました」(20190917 朝日新聞)

 「ありがとうございます。分析ができました」

 フィギュアスケートのオータム・クラシックで優勝した羽生結弦(ANA)が、ショートプログラム(SP)後の取材中、質問したスポーツ紙記者に感謝した。私はスポーツ記者になって8年目で、フィギュアスケート担当になって2季目。取材中に選手が質問に対して、感謝の意を述べたのはあまり記憶にない。

 どんなやりとりだったか。羽生はオータム・クラシックのSP、冒頭の4回転サルコーで転倒した。今年3月の世界選手権でも回転不足と判定されたジャンプで、記者に「サルコーに入る前に(世界選手権での失敗が)頭をよぎるのか」と聞かれた。

 羽生は「よぎるっていうか、無駄に意識するんですよね。考えすぎるっていうか、なんて言えばいいんですかね」と少し悩み、さらに続けた。「理論ですごい固めちゃうタイプなんで。それがもっと感覚的に跳べていたジャンプだったからこそ、今回はちょっと理論に引っ張られすぎていっちゃったかな。サルコーの場合、感覚でいきすぎていて、理論に入っていっちゃった瞬間に固まっちゃったという感じですかね」

 なぜ失敗したのか。演技後すぐにある取材ですら、自らの演技の反省の場に充てる。時間の経過とともに薄れる感覚を言語化し、頭の中で整理する。「そもそも、すごい理論武装している。感覚人間だからこそ、感覚に自信を持ちたい。だから、理論武装するんですよ。緊張した時にどうするか、負けた後にどうするか、悔しい後にどうするか。全部言葉にして、理論として固めて、感覚を確かめたい。そういうところが、また強さに変わってくると思う」と羽生は言う。

 記者にお礼まで伝えるのは羽生の人柄だろうが、一人のアスリートとして受ける演技直後の取材すら、練習の一環のように捉えることに驚いた。以前、羽生は「記事が自分の考えていたことのメモになり、学べる。財産であり、研究材料であり、自分を強くするもの」と語っている。失敗を指摘されてふてくされることなど、一切ない。すぐに切り替えて、前を向いてはっきりとした口調で報道陣に語り、それを糧にする。絶対王者たるゆえんを垣間見た。(大西史恭)



・「ありがとうございます。分析ができました」 取材中に選手が質問に対して、感謝の意を述べたのはあまり記憶にない
・演技直後の取材すら、練習の一環のように捉える
・失敗を指摘されてふてくされることなど、一切ない。すぐに切り替えて、前を向いてはっきりとした口調で報道陣に語り、それを糧にする


どんな些細なことでも、すべて学びにして、自分の糧にする。
絶対王者たるゆえんを垣間見た・・・五輪二連覇するアスリートが普通であるわけはない、結弦くんは、「人の3倍努力してる」と言った。いや、もしかしたらそれも謙遜で、もっとかもしれない。スケートを始めて20年。スケートへの情熱は衰えるどころか、年々増しているようにすら見える。

私は才能は一瞬のひらめきだと思っていた。
しかし今は、10年とか20年、30年を同じ姿勢で、
同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。


羽生善治さんの名言。結弦くんの数ある才能の中で、これが最たるものではないかと思っています。

記者さんてね、相手がどんなにすごいアスリートであっても、「頭は自分の方が賢い」というプライドをもってるらしいですよ。でも、結弦くんに関しては、おそらく大多数の記者さんが、その聡明さにも、尊敬の念を抱いているのではないかなと思います。ファンの欲目抜きに。


キーガンくんのセルフィ―きました♪
https://www.instagram.com/p/B2kMRYUpJBQ/?igshid=kyfjad6gel3g

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2019/09/19 17:00 | チャレンジャーズシリーズCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦、10年目の胸中「明確なゴールに向かって」 

スポニチさん、会見の完全版? 他メディアで報道されなかった部分もたくさん!
公式練習ドキュメントといい、大和さん、優秀すぎます(笑) しかも、このボリュームで、まだ1回目。スポニチさん、素晴らしすぎる。



羽生結弦、10年目の胸中「明確なゴールがある。その目標に向かって」(20190919 スポニチ)

羽生結弦 合同取材(1)

 フィギュアスケート男子で14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)が今季初戦のオータム・クラシック(オークビル)を終え、合同取材に応じた。いよいよ幕を開けた新シーズン。完成形を目指すショートプログラム「秋によせて」、フリー「Origin」や、静かに研ぎ澄ます超大技4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)、その先の未来まで――。シニア10年目に突入した男が、その胸中を語り尽くす。

 ――オータム・クラシックのフリーの演技を振り返って。

 「悪くはないかなと思ってるんですけど。結果としては、よくないので。もうちょっと頑張っていかないとなとは思います」

 ――練習ではループなどのタイミングが合わない様子もあった。

 「悪いところが全部出たなと思ったので。ショートも含めて、自分の力みすぎちゃうところだったり、逆にリラックスしすぎて力が抜けちゃうところだったりとか。全部悪いところが出ちゃったと思ったので。ある意味、いい集中状態をフリーではつくれたかなと思います」

 ――今季はフリーで4回転トーループ―3回転半は入れない予定か。

 「そうですね。やっぱりGOEでは、得点としてのうまみがあんまりないので。自分としては納得できた出来を昨シーズンできたので。まあ、いいかなと思っています。ただ、リカバリーとして使えるジャンプではあるので。アクセル―アクセルだったり、最終的にその構成を組んでいった時に、例えばアクセルが1回しか入らないような状態に最終的に構成としてなった場合は、アクセル―アクセルだとか、最後に持ってくることも可能なくらいの練習はしてきているので。それは頭の中に置きつつ、練習して、さらにトレーニングして、いい精度で、完成度で跳べるようにしたいなと思います」

 ――初戦を終え、今季戦っていくに向けて見えてきた課題は。

 「とりあえず試合としての演技っていうものを、あらためて本当に何回もやっているはずなんですけど、やっぱり毎回毎回気持ちっていうのは違いますし。特に自分にとっては、ノーミス以外は敗北みたいな感覚が常につきまとった状態で試合をやっているので。そういう意味では、また新たなプレッシャーと戦いながら試合できたと思っていますし。これからもまた試合ごとに違った緊張感であったり、体調だったり、そういったものが存在すると思うので。これまでの経験をうまく生かして、うまく対処しながら、いい演技を目指したいなと思います」

 ――どの大会でもたくさんのメディア、ファンの人に囲まれる。競技に集中するために意識していることは。

 「うーん。試合の時はやっぱりホテルから出る時もそうですし、部屋の中にいる時もそうですし、帰る時もそうなんですけど。凄く集中させてくださっているというか。ファンの方々も気を使って、演技の方に集中させていただいているので、そこは何も問題なくクリアできているのかなと思っていますし。あとは、もちろん今回は特に、新しい衣装で出てたのでジャージーを脱いだ時に凄い歓声が起きたりとか。何もしてないのに歓声が起きたりとか、他の選手に迷惑じゃないかなと思うところもあるくらい凄く歓声をいただいたりする中で、やっぱり自分はそういう期待があるからこそ、いい演技をしなきゃなっていう活力にはなりますし。もちろん、対外的っていう意味では、結果を出すこと、またいい演技をすることっていうのがファンの方には全てだと思うので、頑張りたいなと思っています」

 ――今季、昨シーズン入れていなかった新しいジャンプを入れる予定は。

 「後半4回転3本構成と、とりあえずグランプリシリーズ中にルッツを入れるか入れないかっていうのを考えながら練習したいなと思っています」

 ――後半4回転3本というのは具体的に何か。

 「サルコー、トー、トーかなと思っていますけど。あ、後半…。今は後半って言わないんですかね?後半で分かりますかね。とりあえず、そうですね、後ろ3つのジャンプ…。違うな、そっか、こう言えばいいのか。“4回転5本構成”と言えばいいんですか。5本でいけるようにしたいなっていう風に思って。そのトレーニングも積んでいます」

 ――(4回転)アクセルも今シーズン中に?

 「うーん。跳べれば。とにかく、その跳べるっていう感覚が自分の中で試合で跳べる、なのか。本当に練習で一発たまたま跳べる、という感覚なのか。いろいろあると思うんですけど、とりあえず試合で成功させることができるレベルに達して、それから完成度を上げていって、ちゃんとGOEを取れるというレベルまでしていかないと試合に入れることできないと思うので。そこは、ケガのリスクももちろんありますし。うまく試合と両立して、トレーニングをしていかないといけないなと思います」

 ――トーループの3連続は新しく練習していると思うが?

 「あれは1点でももぎとろうという風に思っているので。まあ、どこからでもいろんなジャンプを跳べるようにっていうことは、ちょっと心がけていろいろ練習しています」

 ――今季、新しいジャンプへの挑戦が多いが。

 「自分の中でOriginとオトナルはある意味、完成形っていうのが、自分が入れたいジャンプの構成、今の構成とその完成形で目指しているジャンプ構成とはやっぱり違うので。具体的に、まだ言わないですけど。だからこそ、いろんなジャンプの練習はしないといけないと思いますし、最終的にOriginとオトナルの完成形のためにも、難しいジャンプをもっとやっていかなきゃなという風に思っています」

 ――新しい挑戦への原動力は。

 「完成させたいのが一番ですかね。やっぱり。この2つのプログラムを。もちろん勝敗はあるんですけど、勝たせないと意味ないと思っているんですけど。その上で、やっぱり自分が求めるクオリティーの自分が求めるジャンプ構成でやりたいなという気持ちが強いです」

 ――4回転アクセルは今どの段階か。

 「とりあえず回ってこけてます。なので、あとは降りるだけかなとは思っているんですけど。まあ、回るだけでいっぱい、いっぱいのところはちょっとあるので。先ほども言ったように、試合とトレーニングの両立をさせなきゃいけないからこそ、その試合に集中すべき時はやっぱ試合に集中して。時間があったら、余裕があったらアクセルの練習をしてっていう形にはなってくるかなと思います」

 ――昨シーズンは、自分の中で「炎」がキーワードと話していた。今シーズンのモチベーションは何か。

 「最初からありますよ(笑い)。最初から別に、なんだろう、あんなフニャフニャした自分ではないなと思っていて。本当に明確なゴールが凄くあるので、その目標に向かって毎日練習したいなと思っていますし。モチベーションはあの世界選手権の悔しさというのはもちろんあるんですけど、このプログラムに対してすごい胸を張って終われる演技をしたい、というのが一番のモチベーションかなと思っています」

 ――プログラムの完成、アーティストの部分と、世界選手権でもう1度、頂点に立ちたいというアスリートとしての部分はどちらが強いか。

 「何かどっちも一緒だと思っているんですよね、僕は。僕はどっちかに寄りたいとは思ってないし。フィギュアスケートってそういうものじゃないと思っているので。ただ、芸術点がどうのこうの、技術点がどうのこうのという風潮は、やっぱり自分は一スケーターとして感じてはいるんですけど、それって結局、圧倒的な技術があってその上でプログラムは完成させられると思うので。やっぱり難しいことをやりつつ、その上でプログラムとして“やっぱりこのプログラムにはこういうジャンプが必要だよね。こういう難しさがあって、もっとワクワクしなきゃダメだよね。ドキドキしなきゃいけないよね”っていうものを感じた上での、プログラムの完成にしたいなと思っています」

 ――先日、4回転フリップも跳べていると言った。完成形はアクセルを含めて全部の4回転?

 「そこまではまだ考えてないですね(笑い)。フリップに関しては、跳びたいなとは思うことはあるんですけど、やっぱり明確じゃないので。自分のフリップに関しては。そんなに自信を持って、これが正しいフリップですって言えるフリップではないので。そこはちょっと分からないですね。ただ最終的にアクセルまで跳べて、自分にも余裕があって、公式の記録として全種跳べました、というのが欲しいなって思ったらフリップ入れます」

 ――競技をやっていると、そういう欲が出てくか?

 「もともとアクセルは跳びたいと思っていたので。ただ思ったよりも壁が分厚くて、苦戦はしたんですけど。してるんですけどまだ。でも、何か今は本当に4Aやるためにスケートやってるなって思うし。そのために生きてるなって思いますし。本当、何か、何て言うんですかね。自分の体のこととか、いろいろもちろん考えなきゃいけないんですけど、ケガがあまりにも多いので。その中で、やっぱり自分の体だからこそできるジャンプ。自分の演技の中だからこそ見えるジャンプというものを追求しながら、高難度を目指してやっていきたいなと思っています」

 ――本当に4A跳んだら辞めてしまうのか?

 「いや、分からないですよ。フリップやるかもしれないですし(笑い)」

 ――4Aも跳べるように頑張って、フリップも、さらには5回転というワードも出てきた。今、どういう気持ちでやっているのか。以前のベストな状態で(第一線を)引くという気持ちはどこに終着したのか。

 「ベストがどこなのか分からないんですよね。やればやる程、もっとこう出来るな、ああ出来るなっていうのは凄い感じますし。なんか、うーん。とにかく今を一生懸命、生きてるっていうか。今、一生懸命トレーニングしてて、今よりいい自分に。ベストって言い切れないかもしれないですけど、やっぱりベターな自分に毎回、毎回、更新できるようにというのは凄い考えてやってます」

 ――それが北京五輪の2022年になったら、その時はどうするのか。

 「そのままやってたら出ますし。そのまま…。多分あの、何て言うかな。負けるぐらいだったら辞めろって思ってるんで、自分は本当にはっきり言って。ぶざまな姿は絶対見せたくないので。やっぱりそれまでやってるんだったら、たぶん4Aを目指しながら、全種クワッドを目指しながらやっているんだと思いますし。今もその気持ちでやっぱり練習はしていますし。フリップはやる気ないけど(笑い)。でもやっぱり、うん。常に強い自分で。明言はできないですけど、常に強い自分でありつつ、その先にそれがあったら、みんなうれしいかなって思います。(笑い)。…下手くそだな、コメント。ごめんなさい。何年、インタビュー受けてるんだろう…。ありがとうございます」(続く)



長いインタですが、要点をまとめるとこんな感じでしょうか。

4回転トーループ―3回転半
→ 得点としてのうまみがあんまりないので入れない。ただリカバリー用として練習は続けている。

たくさんのメディア、ファンの人に囲まれる中で、競技に集中するために意識していること
→ ファンの方々も気を使って、演技の方に集中させていただいているので、そこは何も問題なくクリアできている。凄く歓声をいただいたりする中で、そういう期待があるからこそ、いい演技をしなきゃなっていう活力になっている。

昨シーズン入れていなかった新しいジャンプを入れる予定
→ “4回転5本構成”でいけるようにしたいと、そのトレーニングも積んでいる。後半は4回転3本構成。サルコー、トー、トーで。グランプリシリーズ中にルッツを入れるか入れないかっていうのを考えながら練習したい。

(4回転)アクセル
→ 試合で成功させることができるレベルに達して、それから完成度を上げていって、ちゃんとGOEを取れるというレベルまでしていかないと試合に入れることできない。ケガのリスクもあるので、うまく試合と両立して、トレーニングをしていかないといけない。(現段階は)とりあえず回ってこけている。あとは降りるだけ。

今シーズンのモチベーション
→ このプログラムに対してすごい胸を張って終われる演技をしたい、というのが一番のモチベーション。

アーティストの部分とアスリートとしての部分はどちらが強い
→ どっちかに寄りたいとは思ってない。圧倒的な技術があってその上でプログラムは完成させられると思う。

4回転フリップ
→ 自分のフリップに関しては、自信を持って、これが正しいフリップですって言えるフリップではない。最終的にアクセルまで跳べて、全種成功の公式記録が欲しいと思ったら入れる。

以前のベストな状態で(第一線を)引くという気持ちはどこに終着したのか
→ ベストがどこなのか分からない。ベターな自分に毎回、毎回、更新できるようにというのは凄い考えてやっている。

北京五輪
→ そのままやってたら出る。負けるぐらいだったら辞めろって思っている。明言はできないが、常に強い自分でありつつ、その先にそれがあったら、みんなうれしいかなと思う。



新しい衣装で出てたのでジャージーを脱いだ時に凄い歓声が起きたりとか。何もしてないのに歓声が起きたりとか、他の選手に迷惑じゃないかなと思うところもあるくらい凄く歓声をいただいたりする

結弦くんがこういうと、早速「やはり少しファンも自制した方がいいのでは…」みたいなこと言い出す風紀委員的羽生ファンがいるんだけど、こういう現象は仕方ないと思うの。だって、あの会場の圧倒的大多数が、羽生結弦を見にきているんだから。結弦くんが出てなかったら、普通チャレンジャーシリーズなんてガラガラよ。それに、他の選手も、結弦くんと一緒の試合を嫌がっていない。注目度が全然違うからね。

今年のカナダで開催される世界選手権の高額なチケット代をみても、ISUは明らかに結弦くんを 人寄せパンダ 扱いしてる(昨年満員御礼だったロステレは、今年チケット代値下げしたが売れていない)。「集客はよろしくね~。ま、いい演技しても遠慮なく下げさせてもらうけどさ!」ってのが、今のISUのスタンス(怒) 

集客に利用するだけ利用しておいて、集まったファンにだけ自制しろっていうのは、虫の良い話。プレゼントの投げ入れも、グチャグチャいうのなら、全面的に禁止すればいい。すぐに優等生ぶって「自制論」ぶちかます羽生ファンが、私は本当に嫌い。自分の推しがこれだけいいように利用されてるのに、なんでファンだけが大人しくしてなきゃいけないの。こういうこと言い出すの、日本のファンだけ。推しより、自分たちファンの対面の方が大事としか思えない。

海外のファンが、日本のファン以上に怒っているのは、結弦くんが、ISUが「使い捨ての集金マシーン」扱いしてるのが明らかだから。日本人は平和ボケしすぎている。日本人より、外国人の方が”性善説”を信じてないからね。

語学力の問題もあるから、声の上げ方は人それぞれ。私も、もどかしく思いながらも、こうやってブログで発信することしかできない。でも、少なくとも、声をあげてくれる人の邪魔はしてほしくないと思います。私は、CWWでの結弦くんの「声をあげてくれてありがとう」という言葉を、決して忘れていません。


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2019/09/19 10:25 | チャレンジャーズシリーズCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

「4Aは成功まであと一歩の段階」 ~羽生結弦が目指す「完成形」と4A

Numberから新着記事です。



「ぶざまな姿は絶対見せたくない」 羽生結弦が目指す「完成形」と4A。(20190918 NumberWeb)

 羽生結弦が氷上に姿を現すと、会場内は悲鳴に近い歓声に包まれた。

 9月12日からトロント郊外のオークビルで開催されたオータムクラシックで、羽生の新しいシーズンが開始。半年ぶりの試合とあって、観客も報道陣も、公式練習から彼のジャンプのひとつひとつ、細かい動作まで何ひとつ見逃すまいと目で追っている。

 プログラムは、SP「秋によせて」、フリー「オリジン」とも昨シーズンのものをキープすることを、前日の囲み取材で告白していた。

 怪我で中断された昨シーズン、羽生はこのプログラムを4試合でしか滑っていない。それで終わらせてしまうには、確かにあまりにも勿体無い作品だった。

「このプログラム自体を負けたままで終わらせられないなという気持ちがすごくあった。プルシェンコさんへのリスペクトの気持ちがすごくありますし。完成形として完成させた上で、本当に悔いなくこのプログラムを終えたい気持ちが一番強かったです」

「負けは死も同然」

「負けたままで」と本人が言ったのは、埼玉世界選手権で2位に終わったことだ。「負けは死も同然」とまで口にしたほど、羽生にとって悔しい結果だった。

 試合に出るからにはあくまで勝利にこだわる羽生だが、順位だけが大事なのではない。

「せっかく気持ちが入ったプログラムなので、完成させておふたりに良いものを見せてあげたいという気持ちもあります」

 おふたりとは、もちろん羽生が子供の頃から尊敬していたジョニー・ウィアーとエフゲニー・プルシェンコのことだ。

 SPはウィアー、フリーはプルシェンコに対するオマージュとして作ったプログラムであることは、昨シーズン本人が何度も語っていた。

羽生の求める「完成形」とは?

 だが羽生にとって、「完成形」というものは容易く手には入るものではないようだ。

「自分の中で『オリジン』と『オトナル(秋によせて)』は、自分が入れたいジャンプの構成、今の構成とその完成形で目指しているジャンプ構成とではやっぱり違うんです」

 そう告白した羽生。オータムクラシックではSPでは4サルコウと4トウループ、フリーでは4ループ、4サルコウ、そして2度の4トウループの4回転ジャンプをプログラムに組み込んだ。

「(目指すジャンプ構成とは)具体的にまだ言わないけど。だからこそ、いろんなジャンプの練習はしないといけないと思いますし、最終的に『オリジン』と『オトナル』の完成形のためにも、難しいジャンプをやっていかなきゃと思っています」

 この大会では入れなかった4ルッツ、そして苦手意識のあるフリップも4回転を練習では成功させたという。

「(フリーは)4回転5本でいけるようにしたい。それのトレーニングも積んでいます」

4アクセルと5回転トウループ

 もちろん、かねてから跳びたいと宣言している4アクセルの練習も、大会調整に入る3週間前まで行っていたという。

「とりあえず回ってこけてます。あとは降りるだけかなとは思っているんですけど。まぁ、回るだけでいっぱいいっぱいの所はちょっとあります」

 本人はそう語ったが、クリケットクラブのジャンプコーチ、ジスラン・ブリアンは、こう力説した。

「4アクセルは成功まであと一歩の段階まで来ている。回転はできているので、あとは降りるだけ。ただ4アクセルというのは、転べばスクールバスに衝突したくらいの衝撃があるジャンプ。多くのものが要求される、最高に難しいジャンプなことは間違いない」

ハーネスで降りた5回転トウループ。

 さらに羽生はその回転を強化するため、5回転トウループを練習していたことも告白。ブリアンコーチは、こう証言した。

「(ワイアーで吊った)ハーネスで5トウループを試してみて、彼は2度目の試みで成功させたんですよ。ハーネスを支えていたコーチは、自分は何も助けなかった、と言ってました」

 もっとも現時点でISUが設定している最高難易度のジャンプは4アクセルまで。たとえ試合で5回転ジャンプを成功しても、ポイントが設定されていないため無得点になる。次のISU総会は2020年6月にタイのプーケットで行われるが、おそらくそこで議題の1つに上げられるだろう。

GP前に見つけた課題。

 オータムクラシックで羽生は予想通り余裕で優勝したものの、その内容は本人の満足がいくものではなかった。

 SPでは4サルコウで珍しい転倒があり、フリーでは冒頭の4ループと4サルコウでステップアウト。また中盤で跳んだ4トウループが、2つとも回転不足の判定になったことはこれまでなかったことで、本人も驚きを隠せなかった。

 新しいジャンプの練習をはじめたことで、感覚が違ってきたということはあるのか、と聞かれると、羽生は「それはないと思っています」と即座に否定した。

「試合に向けての段階が良かったとしても、試合の準備だとかがうまくいかなかった試合だと思っている。せっかくグランプリの前に(課題を)見つけられているからこそ、いろいろ修正していきたいなと思っています」

 次の試合は、いよいよグランプリシリーズ。10月後半のスケートカナダになる。

「自分にとっては、ノーミス以外は敗北みたいな感覚が常につきまとった状態で試合をやっている。そういう意味ではまた、新たなプレッシャーと戦いながら試合できたらと思っています」

北京オリンピックも視野にと告白。

 2022年北京オリンピック出場への可能性を聞かれると、あっさりと「そのままやってたら出ます」と答え、こう続けた。

「負けるぐらいだったら辞めろっ、て思ってるんで自分は。本当にはっきり言って、ぶざまな姿は絶対見せたくない。それまでやってるんだったら、多分4アクセルを目指しながら、全種クワッドを目指しながらやっていると思います。今もその気持ちで練習はしていますし」

 今シーズンでシニア10年目になる、羽生結弦の新しい挑戦がまた始まった。



結弦くんが北京に言及したことで、中国は喜んでおります。


佐野さんは、4Aは5回転の仲間だと!


結弦くんも、「回って転んでる段階」だと言ってましたね。




 10月のGPシリーズから本格的なシーズンが始まる。「別に全然引退しないですからね、まだ」。そう力強く宣言した羽生は、最後に言った。「本当にきれいなの跳んでやるからな。見とけ、世界!」――。クワッドアクセルの軌道の先に、北京への道が広がっている。


今の完成度は40%くらいだと言ってるインタもありました。ファンタジーオンアイスの富山公演のときは20%くらいだと言ってましたから、少しずつ完成に近づいているのは間違いないでしょう。いずれにしても、「本当にきれいなの跳んでやるからな。見とけ、世界!」と宣言した限り、羽生結弦という人は必ず実現させるでしょう。有言実行の見本みたいな男ですから。

しかしながら、ジスランの「4アクセルというのは、転べばスクールバスに衝突したくらいの衝撃があるジャンプ」という言葉にはビビりました。FaOIの前に左足を捻挫したのも、4Aの練習でですよね。神様、どうか、どうか結弦くんの足をお守りください。


私も、感じていたことを、この方が代弁してくださってる。


まるで「引退勧告」のような不当な回転不足判定。普通なら心折れるところだけど(もうとるものとったし)、結弦くんの性格だと、反対に「引退してやらねーよ!」ってなるのよね。それが羽生結弦のすごさ。誰かが「ゆづは、ちょっとイッちゃってるとこがいいねん」って言ってたけど、まさに的を得てるわ。

今回は、あまりにショックで、多くのファンがこう思ったよね。私もそうだった。


今回は、これまでどんな仕打ちをうけても我慢していた羽生ファンの怒りを決定的に買ったと思う。でも、結弦くんが負けないというのなら、私達はついていくだけ。でも、声は上げなければダメ。こういうときは、大人しい上に英語難民が多い日本のファンより、海外のファンの方が頼りになる。声を上げたからといって、すぐに変わるものではないかもしれない。でも、沈黙は認めたことと同じ。黙っていても察してくれる…なんてことは通用しない。英語が得意な日本のファンや海外ファンの方達、どうか頑張ってください!!(英語難民なので、他力本願でごめんなさい…汗)


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2019/09/18 19:00 | チャレンジャーズシリーズCOMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

オータムのインスタにゆづ!& 羽生結弦が語った今シーズンと、その先

Skate oakvilleのインスタに、結弦くんのお写真きました!





プルさんも太鼓判を押す結弦くんのストイックさ。


ゆらさんが貼ってる記事と同じものですが、こちらが一番詳しい一問一答だと思います。


羽生結弦が語った今シーズンと、その先 「ぶざまな姿は見せたくない」(201909156 時事ドットコム)

 フィギュアスケート男子で五輪連覇の羽生結弦(24)=ANA=にとって、雪辱と挑戦の2019~20年シーズンが始まった。昨季世界選手権でネーサン・チェン(米国)に大差で敗れ、前人未踏のクワッドアクセル(4回転半)を含む全6種類の4回転ジャンプへの意欲を口にしてから約半年。14日までカナダのオークビルで行われた自身今季初戦のオータム・クラシックは合計279.05点で制したが、ショートプログラム(SP)、フリーとも4回転ジャンプが乱れた。

 今季はオフに恒例としてきたトロントでの練習公開を行わなかった。プログラム曲やジャンプ構成、新シーズンへの思いなどがベールに包まれ、オータム・クラシックでの「肉声」に注目が集まっていた。大会終了後の合同インタビューで語った発言から今季と、その先への思いが見えた。(時事ドットコム編集部)

【オータム・クラシックの羽生結弦】
◆9月12日、公式練習。4回転はループ、サルコー、トーループに加え、再び挑むルッツも着氷。プログラムは昨季から継続し、SPは「秋によせて」、フリーは「Origin」。4回転半の回転力を上げるため5回転サルコーにも取り組み、トーループと合わせて2種類の5回転を練習していることも明らかにした。◆同13日、SP。冒頭の4回転サルコーで転倒。トリプルアクセル(3回転半)はジャッジ7人のうち4人が出来栄え点(GOE)で5点満点を付け、4回転トーループ-3回転トーループもきれいに決めた。98.38点で1位。◆同14日、フリー。出だしに跳んだ4回転はループ、サルコーとも乱れた。中盤の4回転トーループは単発、連続ジャンプとも回転不足を取られ、3回転半から連続ジャンプで跳んだ3回転トーループも回転不足。180.67点でSPに続いて1位になり、合計279.05点で優勝した。

 -初戦を終えて見えた課題は。
 ノーミス以外は敗北みたいな感覚が常につきまとった状態で試合をしている。また新たなプレッシャーと戦いながら試合をできた。試合ごとに違った緊張感や、体調や、そういったものが存在すると思う。これまでの経験を生かして、うまく対処しながらいい演技を目指したい。

◇4回転半も今季跳べれば

 -今季、新しいジャンプは。
 (フリーは)後半に4回転を3本跳ぶ構成で。グランプリ・シリーズの間に、ルッツを入れるか入れないかを考えながら練習したい。(後半の4回転3本は)サルコー、トーループ、トーループかな。4回転5本でいけるようにはしたい。

 -4回転半も入れるか。
 跳べれば。跳べるという感覚が、試合で跳べる感覚なのか、練習で一発たまたま跳べるという感覚なのか。とりあえず試合で成功できるレベルに達して、それから完成度を上げていって、ちゃんとGOEを取れるレベルにまでしていかないと試合には入れられない。けがのリスクもある。試合と両立してトレーニングをしていかなくてはいけない。

 -4回転トーループからの3連続はフリップを跳ぶ新しい組み合わせも。
 1点でももぎ取ろうと思ってはいるので、どこからでもいろいろなジャンプを跳べるように心がけて練習している。

 -4回転トーループ-3回転半は入れないのか。
 得点としてのうまみがあまりない。納得する出来を昨シーズンできたので、まあいいかなと。リカバリーとして使えるジャンプではあるので、最終的にアクセルが1回しか入らないような状態になった場合は最後に持っていくことも可能なように。それを頭の中に置きつつ練習して、さらにいい精度、完成度で跳べるようにしたい。

 -新しいジャンプの挑戦が多い。
 今のジャンプ構成と、完成形で目指している構成は違う。具体的にはまだ言わないが、だからこそいろいろなジャンプの練習をしなくてはいけない。最終的に「Origin」と「秋によせて」の完成形のためにも、難しいジャンプをもっとやっていかなくてはいけない。

 -挑戦への原動力は。
 この二つのプログラムを完成させたいというのが一番。もちろん勝たないと意味がないが、その上で自分が求めるクオリティーの、自分が求めるジャンプ構成でやりたい。

◇修行僧みたいな日々

 -世界選手権でチェンに敗れた。あの点差を埋めるには。
 ベースバリュー(基礎点)を上げるしかない。やはりGOEを取ってなんぼ。GOEの限界もあるし、そこには人の評価軸も存在する。結局は難しいものを跳んでなんぼなんだなという感じ。

 -フリーで4回転5本。チェンに勝てる構成か。
 自分ができうる最大限の構成を常に考えている。もちろん世界選手権のジャンプ構成が彼(チェン)の全てではないし、もっと上げようと思えばいくらでも上がると思う。彼が最大限やってきたときに勝てる状態にしないとだめ。

 -昨季は4回転トーループ-3回転半を基礎点8割でもやった。
 平昌五輪が終わってすごくフワフワしていたんだなと思う。4回転トーループ-3回転半をやってみて、しっかりきれいに決めたい、公式記録として初めて決めた人間になりたいという気持ちが強くあった。そこは納得できたというか、消化できたかな。

 -勝ちにこだわる自分に戻った。
 そうですね。もちろん勝ちたいという気持ちは強い。やはり武器としての(クワッド)アクセルは早く手に入れなくてはいけない。その前の段階として、まずはルッツを。だいぶ使える感覚ではある。その時々で必要か、やるべきか、を踏まえて入れられるようにしたい。

 -4回転半はどの段階か。
 とりあえず、回って、こけている。回るだけでいっぱいいっぱいなところはまだ少しある。試合とトレーニングを両立させなくてはいけないからこそ、試合に集中すべきときは試合に集中して、時間と余裕があったらアクセルの練習をするという形。

 -フリップもやっている。アクセルも含め全種類の4回転を?
 そこまではまだ考えていない。フリップは跳びたいと思うことはあるが、自信を持って「これが正しいフリップです」と言えるようなフリップではないので、ちょっと分からない。最終的にアクセルまで跳べて、自分にも余裕があって、公式の記録として全種類(の4回転)を跳べましたというのがほしいと思ったらフリップを入れる。

 -欲は出てくる。
 アクセルの壁が思ったより分厚くて、まだ苦戦している。今は4A(4回転半)をやるためにスケートをやっているし、そのために生きている。本当は自分の体のことなどを考えなくてはいけない。けががあまりにも多いので。やはり自分の体だからこそできるジャンプ、自分の演技の中だから見えるジャンプというのを追求しながら、高い難易度を目指してやっていきたい。

 -4回転半のために生きている日々とは。
 まあ、修行僧みたいな感じ。だからパパラッチの方とかが来ても面白くないんだろうなと思う。リンクに行って、練習して、帰ってきて、ご飯を食べて、トレーニングして、お風呂に入って、寝る、みたいな。

◇ぶざまな姿は見せたくない

 -今季の、その先のシーズンも。
 やれることをやってという感じ。できることはその時々で限られるので、それをやりつつ、結果としてそうなったらという感覚でいる。まだ成長できる余地があると感じながら練習している。一時期、厳しいなと思ったときもあった。(クワッド)アクセルの壁があまりにも分厚かったので。できるようになるのかと思ったが、今は意外とできそう。いろいろ試しながら強くなれたらいい。

 -厳しいと思った時期はいつか。
 去年のオータム・クラシックの前後。(クワッド)アクセルをやっている場合ではない、となったときがあった。ハーネスでは降りていたが、ハーネスなしで回る気配がなかった。

-4回転半を決めたら辞めるか。

平昌五輪のメダル授与式で、金メダルを手に笑顔を見せる羽生結弦=2018年2月17日、韓国・平昌
 分からないですよ。フリップをやるかもしれない。

 -2022年北京五輪は。
 北京ね。そのままやっていたら出るし、負けるくらいだったら辞めろと思っている。ぶざまな姿は絶対に見せたくない。それまでやっているんだったら、4A(4回転半)を目指しながら全種類のクワッドとかを目指してやっているんだと思うし、今もその気持ちで練習している。明言はできないが、常に強い自分でありつつ、その先にそれがあったらみんなうれしいかなと思う。

 -ぶざまな自分は見せたくない。
 羽生結弦終わったな、みたいな感じで言われるのは絶対に嫌なので。だから今日(のフリー)も自分の中で頑張ったなとは思っていたが、やっぱりああいう点数とかを見ると、かっこ悪いなとすごく思っている。もっと練習します。

 -ぶざまな自分とは、どんな。
 自分自身への評価が一番厳しいと思っている。「SEIMEI」と「バラード第1番」のときのノーミスした感覚や、(17年)ヘルシンキ世界選手権の「ホープ・アンド・レガシー」の感覚を追い求めて、あの完璧だった自分をさらに超えたいという欲がものすごくある。それができたときにやっとアスリートとしていい形だったなと思えるのでは。それ以外は全部かっこ悪い。

 -北京五輪、どれくらい明確に。
 競技生活の延長線上にあるくらい。とりあえず今のところ、猛烈に出たいとか、そこで勝ちたいという気持ちでいるわけではなく、とにかく(クワッド)アクセルを跳びたい。アクセルを跳べた上で「Origin」を完璧にしたい。3年、4年とかかるかもしれないが。とにかく体が壊れないようにということを意識しながら、徐々に徐々にかな。

◇引退はしない、まだ

 -そのゴールに到達した先は。
 平昌五輪を取って、辞めて、1年間プロになってしっかり稼いで、みたいなことを小さい頃はずっと思っていた。平昌が終わって(クワッド)アクセルをやるかみたいな感じで、なあなあな気持ちで始めてしまって。結果として今はめちゃくちゃ勝負が楽しいと思ってスケートをしているが、今の自分の根底にあるのは、支えてもらっている方々の期待に応えられる演技をしたいというのが強い。それがどこまで続くのかは分からない。

 -勝利への欲は今どれくらい。
 世界選手権で(チェンに)本当に届かないなという感覚で負けて、勝ちたいなと思った。19歳と23歳で五輪に出て、両方とも優勝して辞めるみたいな感じで幼稚園くらいのときから本当に思っていた。だから、その後は、あまり勝利への欲がなかった。世界選手権で、その時点での実力差を感じて負けたことですごく勝ちたくなっている。

 -五輪3連覇を見たい。
 頑張ります。全然引退しないですからね、まだ。



パパラッチの方が来ても面白くないだろうと思う
結弦くんのこの言葉で、2018年のこの記事を思い出しました。
女性セブン系列の「NEWSポストセブン」の記事です。
→  http://bltraveler.blog63.fc2.com/blog-entry-2706.html

約1ヶ月くらい結弦くんに張り付いてたと言われています。しかし、結局クリケットと自宅の往復しか撮れなかった。朝日新聞の後藤さんのコラムにも「最近では、プライベートな時間や空間にいても、写真を撮られてしまうことを気に病んでいるとも聞く」と書かれていました。今は、セキュリティのしっかりしてる飛行機はともかく、新幹線などでの移動はしにくいのか、車移動になってますよね。それでも、パーキングエリアで休憩してるところを隠し撮りされたりする。病院に行ってる姿を撮られたこともありました。本人も「面白いもの撮れませんよ」というメッセージをだしてるので、もう追いかけまわさないであげてください。

平昌五輪を取って、辞めて、1年間プロになってしっかり稼いで、みたいなことを小さい頃はずっと思っていた・・・小さい頃は、プロスケーターをたった1年しかするつもりじゃなかったのか…。二連覇後にプロになるつもりだったのは知ってるけど、それは初耳かも。でも、どんなにしっかりライフプランをたてていても、モチベ―ションの持続は、環境、立場、人との出会いによって変わっていく。結弦くんも、二連覇した後、こんなにモチベーションが続くとは思っていなかったと思う。そして、今は引退後、プロスケーターを1年でやめるつもりはまったくないでしょう。

たとえば、ステファンは、26歳のとき、もうプロスケーターになっていたけど、「スケーターとして、年をとりすぎる前の、適当なところでやめる」って言ってたんですよ。「身体をちゃんと整えて、長い期間コンディションを保ち続けるのは楽じゃない」からって(フィギュアスケート Days Plus 2011-2012 男子シングル読本より)。でも、それから8年たった34歳の今は「これからも演じ続ける」とヤル気に満ちている。ことモチベーションについては、本人にも予測はつかないのだと思います。だから、結弦くんは引退した後も、プロで長く滑ってくれると思っています(そのためにも、どうか足を大事にしてね)。


AC2019 Skate oakville insta


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2019/09/17 10:15 | チャレンジャーズシリーズCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP