NHK報道記者のトロント公開練習レポ ~羽生結弦を見つめた3年間

関西は台風で大きな被害がでていますが、今度は北海道で地震・・・朝、ニュースをみてびっくりしました。

私の住んでるマンションも、隣の住戸の間の避難用パーテーションが破壊されました。パーテーション破損の被害がうちのマンションだけでも何十件もあるようで、被害をうけているのはうちのマンションだけではないし、復旧までには時間がかかりそうです。といっても、もっとはるかに甚大な被害を受けている人達は大勢います。それを思えば、この程度の被害ですんでまだよかったくらいかと。

北海道にお住まいの方達も、余震が心配ですね。午前3時頃といえば、熟睡してる頃。阪神淡路大震災のときも、就寝してるときですごく怖かったです。停電もいつまで続くか不安だと思います。これ以上の被害がありませんように。


さて・・・ツィッターでも話題になっています。NHKネットワーク報道部の松井記者のコラムです。


羽生結弦 ~王者のめざした夢 めざす夢~(20180905 NHK NEWS WEB)


20180905NHKNEWSWEB-1


フィギュアスケートの羽生結弦選手。ピョンチャンオリンピックの男子シングルでは、ケガを抱えたまま圧倒的な演技を披露して、2大会連続で金メダルを獲得し、国民栄誉賞も受賞しました。
常に厳しい勝負と向かいあい、勝つことを求められてきた羽生選手。オリンピックから半年がたった今、どのような気持ちでスケートと向き合っているのか。3年間、羽生選手を見つめてきた担当記者が取材しました。(ネットワーク報道部記者 松井晋太郎)


トロントに向かって

記録的な猛暑になったことしの日本。残暑も厳しい8月下旬、私は、カナダのトロントに向かいました。

トロントは、6年前、17歳だった羽生選手が練習拠点を移した場所です。世界の頂点という大きな夢を抱いた若者は、この場所で一気にその階段を駆け上がりました。

頂点を極めた羽生選手がピョンチャンオリンピック以降、どのようにスケートと向き合っているのか、私は、最後となる羽生選手の取材に大きな興味を持っていました。



20180905NHKNEWSWEB-2


真夏の球場からスケートリンクへ

プロ野球、巨人の担当記者だった私が、突然、フィギュアスケートを担当するように言われたのは3年前、2015年の夏でした。

フィギュアスケートは、私にとって最も縁遠い競技の1つで、実際に大会の会場に足を運んだこともありませんでした。

そんな私がフィギュアスケートの担当に、それも、すでにソチオリンピックで金メダルを獲得した羽生結弦選手の取材を命じられたのです。緊張で身震いすると同時に、正直、自分にできるかなあ、と不安になりました。

この時は、自分が羽生選手の取材に、のめり込むことになるとは想像もしていませんでした。


アクセルに魅せられて

初めて羽生選手に出会った時のことを覚えています。

番組出演で渋谷のNHKに来ていた羽生選手に時間を作ってもらい、あいさつをしました。私が名刺を差し出すと、20歳の羽生選手は「よろしくお願いします。まずは、ジャンプの種類と回転数ですね」と、さわやかな笑顔が印象的でした。

ジャンプの種類と回転数を覚えるのは、フィギュアスケート取材では基本中の基本ですが、「踏み切る足は右足か? 左足か?」「どのように助走したのか?」「スケートの刃のエッジはどちらに傾けた?」担当になってからは、何回も何回も羽生選手の映像を見返しました。



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羽生選手の試合を初めて実際に取材したのは、2015年11月、長野で行われたNHK杯でした。この時見た、高くアーチを描いたようなトリプルアクセルの華麗さは、今でもしっかりと脳裏に焼き付いています。

トリプルアクセルは、羽生選手が最も得意としている強力な得点源で、前に向かっての踏み切りから着氷までに3回転半する独特なジャンプです。羽生選手は、子どもの頃の指導者から「アクセルは王様のジャンプ」と教えられたそうです。


勝利への執念

羽生選手の魅力は、何と言っても強いことです。それも圧倒的にです。それは、アスリートとして人を引き付ける重要な要素だと思っています。

羽生選手のその強さの秘密は、勝つ事への執念と現状に満足しない向上心にあると思っています。これまでの取材の節々でその場面をかいま見てきました。



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ショートプログラムとフリーの合計で世界で初めて300点を越える完璧な演技をした2015年のNHK杯。
「今の自分の限界値だが、自分の最後までの限界値かと言われたらそんなことはない。もっとできると思う。限界とか、最強のプログラムだとか、そういうのってこの世に存在しないと思う」

2016年の9月。カナダでの国際大会で世界で初めて4回転ループを決めて優勝するも転倒などで点数が伸びなかった後。「プログラムを完成しきれなかったことがいちばん悔しい。次の試合で絶対にノーミスで演技します。それぐらい練習します。そうじゃないと、そうじゃないと羽生結弦じゃない」

2017年3月。フィンランドの世界選手権でフリーでみずからの世界最高得点を更新して逆転優勝した際。「ずっと自分の記録にとらわれていたので、やっと一歩踏み出せた。とにかくオリンピックで金メダルとりたいのでどんなすきもないスケートを作りあげないといけないと感じた」

ちなみに羽生選手は、4年前のソチオリンピック以降、9回も世界最高得点を更新し、ルール変更になった今となっては、永久に残る記録を持っていることになります。

最も印象深かったのがオリンピックシーズンとなった去年11月です。大阪でのNHK杯で挑戦の象徴と位置づけていた4回転ルッツの練習で転倒して右足首のじん帯を損傷した時。

診察を受けた病院で車いすに乗りながら「何とか試合に出られないか。痛み止めを飲んだら出られるかな」と最後まで試合への出場を諦めていませんでした。

医師の判断で欠場を余儀なくされて松葉づえ姿でインタビューに応じてくれた時、「非常に不甲斐ない。ケガをするということはまだ下手なところがある。もっともっと強い自分になりたい」。

私は少なくともこの3年間、羽生選手が勝った時、その成績に満足して浮かれるような言葉を聞いたことがありません。そして納得がいかなかった時や負けた時、まわりのせいにしたり弱音を吐いたりしたのを聞いたこともありません。常に自分と向き合って勝負にこだわり勝利に執念を燃やしていました。


涙の金メダルから半年 そして再始動



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羽生選手はオリンピック2大会連続で金メダルを獲得した直後、「こんなにも本気でうれしく、達成感のあった試合、演技は、今までなかった」と「達成感」という言葉を口にしました。

これまで常に高いレベルに挑戦し続ける羽生選手の姿を取材してきた私は、少し意外でした。

しかし、今回のトロントでの取材でその答えがわかったような気がします。羽生選手は、「今までは期待に応えないといけない、結果を残さないといけないというプレッシャーがすごくあったが勝つとか負けるとかに固執しすぎる必要は、ないのかなと思った」と話しました。

そして「これからは、本当に自分のために滑ってもいいのかなと思ったんです」と正直な気持ちを吐露したのです。

その言葉を聞いた時に思い出したのは、オリンピックでの羽生選手の演技でした。本来、挑戦しようとしていた最高難度のジャンプ構成をケガの影響で回避してジャンプの種類を抑え、勝負に徹して獲得したピョンチャンでの金メダル。



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思えば、羽生選手は金メダルや優勝という自分の夢を、誰かのために滑るという思いを重ねることで、常に結果を出してきました。

その羽生選手が初めて語った「自分のために滑る」という言葉に、私は、彼が使命感から解放され「究極の夢」を追いかけようとしているのかなと思ったのです。


羽生選手 その次の夢 …4回転半

「究極の夢」とは、何か。

それは、クワッドアクセル=4回転半ジャンプのことです。
3年前、私が羽生選手にのめり込んだトリプルアクセルから、さらに1回転。前人未到のクワッドアクセル。
まさに夢のジャンプで「氷上の王者」にふさわしいものにとなると信じています。

羽生選手は、子どもの頃に描いた金メダルという夢を信じて努力を重ねて実現させてもなお、叶いきってない夢を追いかけ、それを楽しみたいと話していました。



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いろいろなスポーツ選手を取材してきた私にとっても、その姿勢こそが羽生選手に魅力を感じる最大のものでした。

羽生選手を取材させてもらった3年間、金メダルという夢に向かって、勝負に挑む厳しい表情を常に見てきました。これからは、大好きなスケートを自分のために目いっぱい楽しんでほしいと思います。

トロントでの取材の最後に羽生選手に質問しました。
スケートをしていて楽しい時は、と。



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羽生選手は、「やっぱり練習している時です。まだまだできないことがありますがそれを含めて楽しいです」という答えが返ってきました。そこには、スケートを始めたばかりの少年のような笑顔の羽生選手がいました。

私はこの夏の異動でスポーツニュースの現場を離れることになりました。しかし、私にとってこの3年間は、フィギュアスケートという競技の奥深さ、ドラマ性、おもしろさを教えてもらっただけでなく、羽生選手とは何者なのかを考え続け、その姿勢にみずからの生き方をかえりみた贈り物のような3年間でもありました。

私は、羽生選手が自分のためにクワッドアクセルを跳び、そして、それが多くの人たちにとっての夢の実現になることを祈っています。



松井さんは、以前にもとてもいいコラムを書いてくださっていました。そのコラムはこちら → http://bltraveler.blog63.fc2.com/blog-entry-2501.html(2018年2月3日)

全文のせてます。元記事は期限切れで現在は削除されて見ることができません。うちが、ブログ記事でもない限り、リンクじゃなく、できるだけ全文掲載してるのは、これがあるからなんですよね。「あの記事、また読みたいな」と思っても、削除されてると悲しいので。

それにしても、マガジンの山口さん、朝日新聞の後藤さん、NHKの松井さん・・・いい記者さんほど、フィギュアの現場を離れてしまうという・・・。山口さんは自主退社ですが、後藤さんや松井さんは異動です。優秀な記者さんは、いつまでもフィギュアではもったいないと人事から思われてしまうのだろうか(汗) 

偏見なく、冷静に、個人の感情を交えずに、フィギュアを語れるのは、女性記者より、他競技畑からの男性記者の方が多いような気がします。女性記者でも、もちろんマトモで優秀な人もおりますが・・・そうでない記者やライターが多いのも確かで。こうやって、マトモな記者さんがどんどんいなくなってしまうと、フィギュアには、妄想と感情まみれのブログもどきのエッセイしか書けない女性記者やライターばかりになってしまうのではないかという恐怖を感じてしまいます(汗)

※松井さんのコラムに関する2月3日のブログ記事、リンク貼り間違えていましたので、貼り直しました(2018年9月6日 14時7分更新)


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2018/09/06 12:15 | 公開練習・新プロCOMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

長久保豊氏トロント公開練習レポ & ハビインタ「ユヅルとの友情について語る」

トロント公開練習ではロストバゲージで大変だったスポニチの長久保さん。公開練習のコラムきてます!





トロントで描いたORIGINの地図〜クリケットクラブ、サンダル紀行 (20180905 スポニチ)

 【長久保豊の撮ってもいい?話】仕事を終えてホテルのロビーで一人考え込む。「彼はまだ進化を止めない。あのステップは(振り付けの)シェイリーン・ボーンさんが鬼なのか?羽生さんが鬼なのか」。

 素足にサンダル、スウェットの上下だけでは肌寒さを感じるカナダ・トロントの午後である。

 8月30日、羽生結弦選手公開練習。前日、14時間の長旅に備えスウェット、サンダルで飛行機に乗り込んだまではよかったが靴、衣類一式を入れたカバンが勝手に旅に出た。商売道具のカメラはあるが問題はこの格好だ。選手に失礼だし、クリケットクラブという格式高い場所に出入りできる姿ではない。朝、ホテルのロビーで途方にくれているとお仲間のカメラマンたちがやってきて役に立たないことを言っては去って行く。「足を早く動かせば靴に見えますよ」(それこそ不審者だ)。「パンツ貸しましょうか」(じゃあ貸してくれって言ったらどうする。もじもじするオヤジ同士ってどうよ?。ジャパンスポーツの和田さんよ)。「サンダルはヤバイっす」とLINEで冷たく突き放す著名カメラマンT、もう1人の著名カメラマンNは時差ボケのポンコツ状態で他人に構っている場合じゃなかったらしい。まあ、あれこれ悩んでいても仕方がないのでクラブへ向かう。現地では出会う人たちに自分のスウェットを指差し「ロストバゲージ」と連呼していたのは言うまでもない。

 ここに来た目的の一つは新プログラムの地図を作ること。リンクのどの部分でジャンプやスピンが行われるのか? 印象的なステップは曲のどの部分か? フィニッシュの位置は?。記憶に刻まれた地図が詳細であればあるほど本番ではカメラマンに有利に働く。オータムクラシックから来年3月の世界選手権まで計6、7枚の1面写真をそこから想像していくのだ。

 70人近い報道陣が見守る中でリンクインした羽生選手は新フリープログラム「ORIGIN」をいくつかのパートに分けて披露してくれた。

 ヒザをつき右手を前方に出してから左手を天に伸ばす印象的なフィニッシュ。レッツゴー・クレイジーのズサーッと同じようにオータムクラシックではこのシーンを撮るためにジャッジ席の左斜め上(陸上トラックに例えれば4コーナー)にカメラマンが殺到するはずだ。そしてお宝写真の宝庫と言えそうなのが、後半の3A―2Tからコレオシークエンス、3Aとたたみ掛ける道程。それはまさしく羽生結弦絵巻というものだ。レイバック・イナバウアーを撮るなら第3コーナー、ハイドロブレーディングを撮るなら撮影位置は第2コーナーのリンクサイドと地図に記した。

 冒頭の「彼は進化を止めない」の言葉を感じたのは体のライン出し。以前から美しかったが今季はある種の妖しさをも纏った。音を抱く強さ、音に包まれる柔らかさの対比。それを一番表現できるであろう撮影ポジションは赤丸でグリグリと印をつけたが…内緒だ。

 「ORIGIN」。ファンたちは息をするのを忘れるか、過呼吸で心臓がバクバクなっちゃうのが必至。彼の演技で泣き笑うシーズンがまた始まる。

 一連の取材を終えスタッフと談笑する羽生選手の横を通り過ぎた。思い切り早く足を動かしたからサンダルとはバレてなかったに違いない。そんなことを考えていたらフロントの人が呼びに来た。「ミスター、荷物が届きましたよ」。

 遅いって…。(写真部長)

▼長久保豊(ながくぼ・ゆたか)1962年生まれ。空港からのバス。運転手さんから「シルバーか?」と聞かれ「ゴールドだ」と答えそうになった56歳。羽生さんのことではなかったらしい。



「サンダルはヤバイっす」とLINEで冷たく突き放す著名カメラマンT・・・これ、田中さんね(笑)
もう1人の著名カメラマンNは時差ボケのポンコツ状態で他人に構っている場合じゃなかったらしい・・・能登さん、年々時差ぼけがひどくなるってつぶやいてました(笑)

あのステップは(振り付けの)シェイリーン・ボーンさんが鬼なのか?羽生さんが鬼なのか・・・ジェフが振り付けたバラード一番のステップも鬼ステップでしたね。ジェフが「これは絶対無理だよ」と言ったことでも、結弦くんはやってしまうらしいです(たとえば、イーグルからイーグルの四回転サルコウなど)。振付師達も、どんな難しい振付を与えても結弦くんがこなしてしまうので、じゃあ、もっと難しいものを・・・となっていくんじゃないかしら。だから、本当の鬼は結弦くんだと思う(笑)


ハビの話題です。ハビは今季で引退します。おそらく、来年のユーロが引退試合に。



そして、ゆづハビが好きなオリンピックチャンネルさんより、ハビのインタです。結弦くんについて語ってます。日本語訳は自分用で、だいたいの感じなので、参考程度に。



Javier Fernandez opens up about friendship with Yuzuru Hanyu

Yuzuru is a mystery, and he will always be a mystery, because he likes it like that.
He does already a lot of interviews and the people can have a follow up of what he's doing or how he is.
He's a good guy, pretty relaxed when he has to be relaxed,and when he has to be powerful,then he's powerful.
It's good train with him, just because you can see the power that he has and all the effort that he puts into the ice every day.
To be training with a partner like that it makes you try to improve.
That it really hard to say. If Yuzuru is around still and he's in good shape, he has a good chance to be on the podium,

ハビエル・フェルナンデス、羽生結弦との友情を語る

ユヅルはミステリーだ。これからもいつもミステリーだろうし、本人がそうであることが好きなんだ。
彼はすでにインタビューをたくさん受けてるし、彼が何をしていてどんな調子なのか、後からみんな知ることができる。
彼は良いヤツだ。リラックスすべきときは、リラックスしていて、パワフルにならなきゃいけない時はそうなる。
彼と一緒に練習することはいいこと。毎日、ユヅルがどれだけのパワーと努力を氷上に注いでいるかを見ることができるから。
そういう練習パートナーと一緒だと、もっとよくなろうと思うんだ。
北京について語るのは難しい。もしユヅルが現役を続けていて、体調がよければ、表彰台に上がる可能性は高い。



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2018/09/05 14:25 | 公開練習・新プロCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

羽生選手 新採点法と旧採点法でのジャンプ得点の比較をしてみた

結弦くんの今シーズンのジャンプ構成をもとに、新採点と旧採点での、ジャンプの得点について比較をしてみます。今後フレキシブルに変更される可能性もありますが、今のところはこれですね。

羽生結弦2018-2019ジャンプ構成


新ルールのジャンプについての主な変更点は以下のとおり。

1.男子フリーのジャンプの数が、8個から7個に減る。
2.4回転ジャンプの基礎点が下がる。
3.GOE段階が7段階から11段階になる。
4.FSでの同種類のクワドリピートは1回までに制限。
5.ジャンプボーナスはSPでは「最後の1本」、FSでは「最後の3本」に制限。


新採点法の基礎点とGOEです。

2018-2019基礎点4
2018-2019基礎点5


<新採点法でのショートプログラムの羽生結弦のジャンプの得点>

ショートのジャンプ基礎点 → 32.77
最大GOEがついた場合の得点 → 32.77+15.7(最大GOE)=48.47



<旧採点法でのショートプログラムのジャンプの得点> 

※参考資料:歴史的記録(112.72)となった2017年のオータムクラシックのショートプログラムのプロトコル

AC2017-SP.jpg

ショート歴代最高点をマークしたときのジャンプの得点(基礎点+GOE) →44.71


<新採点法でのフリープログラムの羽生結弦のジャンプの得点>

フリーのジャンプ基礎点 → 73.56
最大GOEがついた場合 → 73.56+35.2(最大GEO)=108.76



<旧採点法でのフリープログラムのジャンプの得点>

※参考資料:歴史的記録(223.20)となった2017年の世界選手権のフリープログラムのプロトコル

WC2017-FS.png

フリー歴代最高点をマークしたときのジャンプの得点(基礎点+GOE) → 104.64


スピンやステップなど、他の要素もありますが、ジャンプだけに絞って考えてみます。

ショートは後半ボーナスが最後の1本になったとはいえ、本数が減ったわけではないので、GOEの拡大で、歴史的記録を上回る得点がだすことは可能ではないでしょうか。2017年のオータムクラシックでだした得点は、ジャンプのGOEは、3.0、3.0、2.8で、ほぼ満点に近いものでした。旧採点での満点は44.91ですが、新採点で満点をだせば、48.47。満点は無理にしても、オータムのジャンプの得点44.71を上回ることは、結弦くんのジャンプの質なら、そして適性に採点されれば、それほど難しくないと思います。

ただ、フリーは、ジャンプの本数が多い。四回転ジャンプの基礎点を下げたことや、ジャンプを1本減らしたこと、さらに後半ボーナスが3本しかない(旧採点では5本)ことで、あくまでもジャンプ要素だけでみた場合・・・ですが、旧採点法での歴史的記録を上回る得点をだすのはなかなかハードルが高いような気がします。

なお、ザッと計算してみましたが、計算はあまり得意ではありません。間違いがあったらご指摘くださいね(汗)


勝敗や得点にこだわらないと本人は言っておりますが、クワドアクセルは別にしても、今設定している構成でノーミスで滑れば、羽生結弦に勝てる選手は他にはいないでしょうし、また新採点法でのレコードを更新していくことになるでしょう。今は悟りを開いた菩薩のようなことをいっても、いざ本番になれば、やはり負けず嫌いの本性がでてくるような気がします(笑) ただ、重圧がなくなったのはいいこと。楽しんで滑れるのは素晴らしいこと。思いっきり楽しんで、いいシーズンにしてほしいですね。


素敵なMAD動画です。ありがとうございます。

【MAD】羽生結弦~原点origin~



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2018/09/04 14:25 | 公開練習・新プロCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

公開練習2018MAD動画/2018年8月の読書メーター

ゆづマミ様が、共同インタビューをまとめた動画をあげてくださっているので、こちらも。

【羽生結弦】新プロ発表会見2018 ゆづコメント完全版



では、8月の読書メーターを貼っておきます。

8月は、最近の私のわりにはBL本多め。15冊のうち6冊がBL。「恋するシロクマ」は、雄のシロクマが雄のアザラシに恋する話ですが、BLではなく、一応一般コミックです(笑)

「フィギュアスケート男子ファンブック Quadruple Axel 2018」に掲載されていた、城田さんの「羽生結弦、オリンピック2連覇への軌跡」がよかった。それ以外では、松岡修造さんの「弱さをさらけだす勇気」と週刊女性自身の「シリーズ人間」の菊池さんの記事かな。AERAの7/23号に掲載されてた、後藤さんの記事も悪くなかったです。


8月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:1346
ナイス数:93

月刊スカパー! 8月号月刊スカパー! 8月号感想
チャンネルNECOで「呪怨」シリーズ。テレ朝2でFaOI金沢公演とH&Fの放送。スパドラでクリマイ11シーズン始まる。FOXはLAW&ORDER性犯罪捜査班19と9.1.1.LA救命最前線を引き続き
読了日:08月01日 著者:
AERA (アエラ) 2018年 7/23 号 [雑誌]AERA (アエラ) 2018年 7/23 号 [雑誌]感想
★★★☆☆ 図書館本。後藤さんの「羽生選手がくれたもの」4ページが目当て。この記事は短いが良かった。FaOI幕張公演の写真も素敵だった。身体の弱く長時間の練習ができなかった羽生選手が短時間でも効果があがる練習方法を自らあみだし、それが怪我を抱えながらの1ヶ月の練習で金メダルに繋がった。長時間労働や長時間練習がまだ幅を利かせている日本において、新しい流れを体現したと。震災も怪我もバッシングもすべての逆境を成功の糧にした羽生選手の逞しさ。すべての人の手本になると思うのはファンの欲目ではないはず
読了日:08月05日 著者:
婦人画報 2018年 5月号婦人画報 2018年 5月号感想
★★★☆☆ 図書館本。「羽生選手 金メダルの裏側」目当て。中谷ひろみさんの文は羽生選手へのリスペクトが感じらえてとてもよかった。平昌五輪の現地取材のレポートは臨場感があった。海外フォトグラファーのコメントを交えた「金メダルの裏側」も、日本の記者の書いたものより好感がもてた。8ページだが、せっかくの特集なのでもう少しページを割いてくれたらもっと嬉しかった
読了日:08月05日 著者:
PROMISING :DEADLOCK season2 (キャラ文庫)PROMISING :DEADLOCK season2 (キャラ文庫)感想
小説★★★★★ 挿絵★★★★★ ロブ&ヨシュア編。1作だけのつもりで映画に出演することにしたヨシュア。撮影も終盤になった頃、周囲から俳優転向を勧められる。ロブと出会い幸せを知って人間的に成長した結果、ヨシュアは俳優にやりがいを感じられるようになった。しかし、それはロブといる時間が減ることを意味する。愛する人が遠くに行ってしまうような寂しさを押し殺して、ヨシュアが自分が本当に望む道を選ぶよう背中を押したロブに拍手。とにもかくにもデッドロックファミリーがみな幸せそうでなによりでした
読了日:08月06日 著者:英田サキ
弱さをさらけだす勇気弱さをさらけだす勇気感想
★★★★☆ 図書館本。修造さんの自己啓発本。修造さんらしい暑苦しさ一杯の本(笑) 修造さんが羽生選手をどう語ってるか興味あったが、ほぼ序章部分だけで20ページほど。しかし、修造さん自身や他のアスリートのくだりにも羽生選手がオーバーラップする部分が多々あるので、彼との共通点を見つけながら読むと、ゆづファンも全体的に楽しめると思う(私はそういう読み方をしたら面白かった)。吉田選手の父・栄勝さんの「金メダルはスーパーじゃ売ってない」は名言。色々なアスリートを取り上げてるがフィギュアでは羽生選手以外は宮原選手のみ
読了日:08月15日 著者:松岡 修造
HARD TIME: DEADLOCK外伝 (キャラ文庫)HARD TIME: DEADLOCK外伝 (キャラ文庫)感想
小説★★★★☆ 挿絵★★★★★ 単行本既読。シリーズのサイズを揃えたくて購入。キャラのこの商法はいい加減辞めてほしい(怒) 本編はすでに感想をあげてるので、書き下ろし番外編の感想を。「ブラック・ティアーズ」の続編を脱稿した徹夜明けのルイスとちょうど非番で家にいたダグのイチャイチャ編。皮肉屋だが実は繊細で臆病なルイスと献身的で優しい大型犬のようなダグはとてもお似合いのカップルだと思う。濃いキャラらしいダグのお姉さんも見たいし、この二人のちゃんとした新作が読みたいところ。ロブヨシュア編の次はぜひ!
読了日:08月18日 著者:英田 サキ
フィギュアスケート男子ファンブック Quadruple Axel 2018 奇跡の五輪シーズン総集編 (別冊 山と溪谷)フィギュアスケート男子ファンブック Quadruple Axel 2018 奇跡の五輪シーズン総集編 (別冊 山と溪谷)感想
★★★★☆ 図書館本。羽生選手は表紙以外では31ページ。五輪レポート、CWW、凱旋パレード、FaOIなど。CWWのレポは折山さん。産経新聞の田中さんの五輪レポートはなかなかよかった。それ以外では、佐野さんの平昌解説の羽生選手について書かれた部分を読み、バンクーバー組3人の対談、ジュニアの須本選手と三宅選手のページ、山本×日野対談などをざっと目を通した。草太くん、須本くん、壷井くん、佐藤駿くんは羽生ファンだね。ファンだと滑りが似てくるので、そういう意味で頑張ってほしいところ
読了日:08月18日 著者: 
フィギュアスケートLife Vol.14 (扶桑社ムック)フィギュアスケートLife Vol.14 (扶桑社ムック)感想
★★★☆☆ 図書館本。表紙・目次合わせて27ページほどが羽生成分。凱旋パレードとCWWが中心。Lifeはいつも写真のセレクトがいい。女性編集者だからか、女性ファンのツボを心得ていると思う。CWWの記事は内容が詳しく書かれている。CSで放送を見れなかった人にはいいのではないかと。それ以外ではミヤケン×草太対談と解散したかなクリのインタを読んだ。村元さんが「海外でトレーニングするのは本当にお金がかかるので大変」と言っているが、解散により木下のサポートを外れて大丈夫なのだろうか。全体的に読むところは少なかった
読了日:08月19日 著者:
週刊女性自身 2018年 8/21・28 合併号 [雑誌]週刊女性自身 2018年 8/21・28 合併号 [雑誌]感想
★★★☆☆ 菊池晃さんの「シリーズ人間」目当てで。7ページ。女性週刊誌の記事としてはよかった。他には「デパ地下グルメ指名買い最新リスト」かな。それ以外ではこれといった記事はなかったです
読了日:08月20日 著者:
女王と仕立て屋 (ディアプラス・コミックス)女王と仕立て屋 (ディアプラス・コミックス)感想
★★★☆☆ インテリアデザイナー(23,4歳)×仕立て屋(37歳)。受攻逆だと思っていた。オッサン受は嫌いじゃないがこのカップルは萌えなかった。恋愛展開が早すぎて、男同士(ゲイ同士ならわかるが、少なくとも仕立て屋はバツ一なのでノンケだと思う)でなんで友情を超えるほど盛り上がったのか不明なのと、二人の、特に年長の仕立て屋の過去部分があまり描かれてないせいか、キャラクターの掘り下げがベリ子さんのわりに物足りなく感じた
読了日:08月22日 著者:スカーレット・ベリ子
俺は頼り方がわかりません (1) (ビーボーイコミックスデラックス)俺は頼り方がわかりません (1) (ビーボーイコミックスデラックス)感想
★★★★☆ 「部活の後輩に~」のスピンオフ。これまで読んだ腰乃作品の中では「部活の後輩」が一番好きなので、このスピンオフは嬉しい。守屋の親友・牧野が主役。牧野・守屋・吉武ともに今は社会人。就活に失敗して2年ニートだった牧野は田舎の小学校教師に仕事が決まるが、そこでホモの清宮と出会い窮地を救われる。出会い頭からホモバレした清宮とノンケの牧野が微妙な距離間を保ちつつ自然に友人になっていく。器用で他人に頼ることを知らなかった牧野の無自覚・無防備に清宮を翻弄する天然ぶりが楽しい
読了日:08月27日 著者:腰乃
俺は頼り方がわかりません (2) (ビーボーイコミックスデラックス)俺は頼り方がわかりません (2) (ビーボーイコミックスデラックス)感想
★★★★☆ 牧野の二大コンプレックス、ニートとイ●ポ。片方は田舎の小学校教師の職を得て解決。この2巻では冬眠状態だった息子も完治?と思いきや、清宮と一緒でないと完勃ちしても不発弾になる事態に・・・なぜ?という疑問から、清宮の気持ちを無視してどんどん脱線した思考になっていく牧野。牧野のキャラが「部活の後輩~」のときと激変してるような(笑) こんなオトボケ天然キャラだったのか? 過去にノンケに振られたトラウマのある清宮が不憫になったが、とりあえずハピエンでよかった。素股止まりで終わったが、続編あるのかしら? 
読了日:08月28日 著者:腰乃
月刊スカパー! 9月号月刊スカパー! 9月号感想
9月は契約チャンネルの変更はなく、FOX、スパドラ、テレ朝2、AXN海外、NECOのままかな。無料の日のチャンネルが以前より少なくなってるが、ミュージック系は今でも継続されてるので、わりとねらい目。9月の自分的目玉はFaOI神戸、静岡、新作フィギペディア
読了日:08月28日 著者:
恋するシロクマ (4) (MFコミックス ジーンシリーズ)恋するシロクマ (4) (MFコミックス ジーンシリーズ)感想
★★★★☆ シャチさんにキャシーさんと仲間が増え、シロクマさんと愉快な仲間たち状態に。シャチさんの悲しい過去が明らかに。彼は雌ペンギンと恋をしたが、自分の仲間に彼女を食われてしまったのだ。捕食者と被捕食者の悲しい恋に経験から、シャチさんはアザラシくんを諦めるように諭す。シロクマさんはいったんはアザラシくんから離れようとするが・・・。基本コメディなんだけど、その中に自然のシビアさとかシリアスな部分もきっちり描かれてる。シロクマさんのラブソングには大笑い(笑) とにかく4匹の今後が気になる。表紙裏も必読!
読了日:08月29日 著者:ころも
ファインダーの鼓動 初回限定版 (ビーボーイコミックス)ファインダーの鼓動 初回限定版 (ビーボーイコミックス)感想
★★★★☆ シリーズ9巻目。前の巻からだいぶ空いてるので内容を忘れてしまった(汗) 麻見の部下の須藤の裏切りから始まった裏社会のゴタゴタは、ロシアンマフィアやロシアの反政府勢力や香港の飛龍までもが入り乱れ、実に慌ただしい展開に。それにしてもミハイルと飛龍が・・・か。この組合せはありそうでないかと思ったいたが。飛龍の屈折した麻見への愛情にミハイルが付け込んだ感じだけど、手をだしてはならない禁断の果実を食べてしまったのでは(笑) 小冊子は本編とはうってかわってほのぼのしてた
読了日:08月29日 著者:やまね あやの

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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/09/03 11:20 | 公開練習・新プロCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

新プロ「秋によせて」を示唆する羽生語録を探してみる ~古いスケート誌より

結弦くんの新しいショートプログラム、過去にジョニーが演じていた「秋によせて」と発表されました。ジョニーはアメリカの選手でありながら、ロシアテイストの強いスケーターであることはよく知られています。ジョニーの「秋によせて」は、タチアナ・タラソワさんの振付なんですね。10数年を経ての結弦くんによる再演は、「ノッテステラータ」と同様、タラソワ先生にとっても、素敵なプレゼントになるのではないでしょうか。

「ニジンスキーに捧ぐ」は、CWWや今年のFaOIで、プルさんが散々演じていましたので、そこにヒントがあったか・・・と納得するのですが、では、「秋によせて」を選ぶヒントって、どこかにあったか?・・・ということで、過去の今年の新プロを示唆する羽生語録をいくつか。添付してる写真は、私のもってるスケート誌資料から撮りました。


「フィギュアスケート 日本男子ファンブック Cutting Edge 2009」
発行:スキージャーナル 
発行年月:2008年11月



CE2099


憧れているふたりのスケーターーーージョニー・ウィアー選手とプルシェンコ選手なんですけどーーそのふたりを足して2で割ったような選手になりたいです。プルシェンコ選手の、ミスをしないところ、ジャンプが確実なところ。お客さんに見せる部分はすごく見せる、そういうところ。そしてジョニー・ウィアー選手の流れるスケーティングと、やわらかい表現。いつかは、そのすべてを持ち合わせた選手になりたいです!

ジョニーとプルシェンコを足して2で割ったようなスケーターになりたい・・・という羽生少年(取材時13~14歳頃)の言葉は、まるで今季のショートとフリーのプログラムを示唆していたかのようです。結弦くんは、プルさんの絶対王者としての強さやオーラに憧れていた。そして、ジョニーは、結弦くんのスケーターとしての美意識に大きく影響を与えたのです。

フィギュアスケートのようなスポーツで、強くなるために必要なもの。そのひとつは、「憧れの気持ち」なのだと、羽生結弦と話をしていて思った。憧れの、あの人のように。憧れの、あの舞台で。遠い遠い夢も、「憧れの気持ち」が強ければ、きっとひとつひとつ叶っていく。(P96より)

今となっては、このライターさんの結びの言葉が、「予言者ですか?」ってほど当たってる(笑)


「蒼い炎」
発行:扶養社
発行年月:2012年4月


この曲、好きだな、と思うものは多いんですよ。たとえば、ジョニーが滑った「秋によせて」(04-05年フリープログラム)。(中略) 他にも好きな曲はたくさんあって、 自分もプログラムに使ってみたいな、と思うこともあります。(P130より抜粋)

「蒼い炎」にも、好きな曲の中で、一番にあげてるのが「秋によせて」でした。「自分もプログラムに使ってみたいな、と思うこともあります」と、ここでも今季のショートプログラムにつながる言葉がありました。


「フィギュアスケート 日本男子ファンブック Cutting Edge 2011」
発行:スキージャーナル
発行年月:2011年3月発行



CE2011


Q6:今、いちばん注目しているフィギュアスケート選手は?
エフゲニー・プルシェンコ選手、ジョニー・ウィアー選手

Q7:今まで見たプログラムの中で「いいな!」と思ったものは?
プルシェンコ選手の「ニジンスキー」、ジョニー選手の「秋によせて」


選手へのパーソナルクエッションコーナーです。当時15~16歳くらいでしょうか。
ここにもヒントがありましたね。というか、結弦くん、過去の語録の伏線、回収しまくってない?(笑)


「ワールド・フィギュアスケート 49」
発行:新書館
発行年月:2011年9月


この号には、結弦くんとジョニーの対談が掲載されています。その中での結弦くんのこの言葉に注目。

羽生 ぼくはジョニーの「秋によせて」がとても印象に残っているんです。自分が目指すスケートにぴったりはまった、と言うのでしょうか。きれいだし、身体から音が出ている感じがしました。(P28より)

ここにも、「秋によせて」がでてきました。そして、「秋によせて」が、自分の目指すスケートにぴったりはまったと。「身体から音が出ている感じ」とは、誰でもない、今、羽生結弦がそう評価されているのですよね。

そして、この対談の中で、ジョニーが結弦くんのことを「長い手足を持つ彼の体型はまるでバレエ・ダンサーのようで、僕から見ると完璧なプロポーション」だと言ってます。そのジョニーも、若い頃は、クラシックダンサーのようなボディラインと言われていました。


「フィギュアスケート 日本男子ファンブック Cutting Edge 2011 Plus」
発行:スキージャーナル
発行年月:2011年8月発行


ところで、そのジョニーですが、結弦くんの「音」「音楽」との親和性について、こんなことを言っていました。まだ結弦くんが15~16歳くらいの頃です。

実は、もう数年前からユヅルのことを知っていて、みんなに「いい選手がいるよ」って言って回っていたんですよ。だから彼がジュニアチャンピオンになった時は、とっても自慢だったんです。彼は日本だけでなく、世界のフィギュアスケート界にとっても、輝かしい新星。

ユヅルは、ジャンプにしてもスピンにしても、素晴らしく才能に恵まれたスケーターです。でも僕がもっとも感心することは、彼がとても若いのに、あの年齢ですでに音楽を「感じて」いることですね。これは、とても稀な才能じゃないかな? スケーターを見る人が、「彼はあの指先からつま先まで、音楽を感じている!」なんて思うことは、とても驚くべきことなんです。

(中略)

そして、ユヅルが僕のことを憧れのスケーターだと言ってくれてること・・・聞きましたよ(笑) とても光栄に思っています。ちょっと前まで自分が若い世代に影響を与えるなんて、全く想像していませんでしたし、若い選手たちの目に自分がどう映るかなど。考えてもみなかったから! でも確かにユヅルには・・・僕が自分の中にあると思うもの、同じものを彼の中にたくさん感じるような気がします。(P94より)


結弦くんの「音楽を感じる」才能を、ジョニーはこの頃からすでに見抜いていました。そして、それは稀有な才能だと。ジョニーがスケート界に残したものに結弦くんがインスピレーションを感じ、それを継承していってくれる・・・結弦くんが今シーズンのプログラムに「秋によせて」を選んだことは、ジョニーにとっても、本当に嬉しい出来事だろうなと思います。


で、ちょっとおもしろいと思ったのが、これ。

「フィギュアスケート 日本男子ファンブック Cutting Edge 2012」
発行:スキージャーナル
発行年月:2012年1月発行



CE2012


Q3:ヒーローまたはアイドル
プルシェンコ、松岡修造さん、ジョニー


なぜか、プルさんとジョニーに挟まって、松岡さんの名前が!(笑) まだ、16歳くらい。修造さんと今ほどは親しくない頃だと思います。でも、結弦くんは、この頃から、松岡さんのこと好きだったんだ。そうか、どこか似た者同士的なシンパシーを感じていたのだろうか。どっちも熱い男だしな!(笑)


で・・・その修造さんですが、ちょうど同じ頃、結弦くんについて、こんなことを言ってるんです。

「フィギュアスケート 2012-2013シーズンオフィシャルガイドブック」
発行:朝日新聞出版
発行年月:2012年10月


羽生さんは、表現力がすごい。高橋さんのような天才型とはまた違う。一つひとつの手の動きを見ているだけで魅力的ですよね。ロシアの男子選手が見せるような表現ができる、今までにない日本選手なんだと思います。(P66より)

ジョニーは、ロシアの重鎮・タラソワから「秋によせて」というプログラムをもらった。その「秋によせて」を見た結弦くんは、これこそ「自分の目指すスケート」だと思った。そして、ジョニーを手本にした、結弦くんの「やわらかな表現」を見た修造さんは、それが「ロシアの男子選手が見せるような表現」だと感じたわけです。タラソワから、ジョニーへ、そして結弦くんへ繋がっていった宝石。これぞ、「Continues」であり、「Legacy」なのですね。

松岡さん、フィギュアスケートは門外漢のはず。そう考えると、修造さんの、この洞察力。お世辞抜きですごいと思います(笑) 専門外のことでも、一生懸命勉強して、選手に寄り添って、理解しようとする・・・そういう姿勢が、今の修造さんのスポーツキャスターとしての成功に繋がっているのでしょう。


「フィギュアスケート Days Plus 2010-2011 男子シングル読本
発行:ダイエックス出版
発行年月:2010年11月


プルシェンコのインタビューが掲載されています。結弦くんについて語っていました。

ー話は変わりますが、日本の若いスケーターたちは見ましたか?

プル:ユヅル!(羽生結弦選手)」

ーイエス、ユヅル。あなたの目から見た彼はいかがですか?

プル:僕はユヅルと一緒に練習したよ。彼はとてもキレイな4回転を跳んでいました。彼はとても良いスケーターです。いつか彼と同じ試合に出て、彼が僕を打ち負かす時が来たら・・・。その時僕は、彼にこう言おうと思っています。『Time is yours』。これからは君の時代だよってね。彼はとても良い。そして強い。今彼はまだ15歳で。あと3、4年もしたら競技者として素晴らしい時を迎えるでしょう。2014年の五輪までには、きっとさらに素晴らしい選手になっていると僕は感じています。


プルさんも、予言者ですね(笑) ソチ五輪で、結弦くんは団体戦でプルシェンコに勝ち、個人戦で金メダルをとりました。表彰式が、若き新皇帝の戴冠式のように見えたものです。プルシェンコからバトンを受け取った新皇帝は、フィギュアスケート帝国に大きな変革をもたらしながら、今や歴代最高の皇帝と言われています。でも、プルさんは、結弦くんにとって、今も絶対的な「神」です。今季のふたつのプログラムは、二人の神をあがめる皇帝の、宗教的儀式のような趣すら感じます。


古いスケート誌の資料を久しぶりに見てみましたが、あらためて思ったのは「羽生結弦の語る言葉に無意味なものはない」ということでした。少年時代に語った言葉は、今に必ず繋がっているのです。


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2018/09/02 13:35 | 公開練習・新プロCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP