米国人コラム「羽生結弦は史上最高のフィギュアスケーターである」

アメリカ人のコラムです。2019年のスケカナ直後のもの。
目新しい情報はないですが、良記事だったので。



The Inside Edge: 羽生結弦は史上最高のフィギュアスケーターである

この日本のスケーターは、5年以上にわたって氷上を支配しており、その絶え間ない進歩は、すぐには衰えないことを証明しています。

文: Faith Bonds (2019年10月30日)

羽生結弦の謙虚で決意に満ちた表情の裏には、誰もが認めるフィギュアスケート界の王者がいる。

オリンピックで2度優勝し、世界記録を何度も保持しているこの日本人スケーターは、週末にブリティッシュ・コロンビア州ケロウナで開催されたスケート・カナダで魔法のようなパフォーマンスを披露しました。羽生は322.59点を獲得し、6つのスピンと2つのステップシークエンスのうち1つで最大の基礎点を獲得し、銀メダルのナム・グエン選手に60点の差をつけて勝利しました。

羽生はフリースケートでは4つの4回転、ショートでは2つの4回転を成功させ、1つを除くすべての4回転で良い得点を獲得しました。羽生は、技術的な演出のために芸術性を犠牲にすることはありませんでした。パワフルなスケーターは、2019年のグランプリデビューを飾った「アート・オン・アイス」を見事に再現し、カナダの観客の前で彼の特徴であるスピードと情熱を披露しました。

大会では絶対的な破壊力を発揮しましたが、完璧主義者の彼は、改善できるポイントを見つけ続けています。

「土曜日のフリースケートの後、国際スケート連盟(ISU)に『すべてのジャンプ、すべてのステップ、すべての要素をよりスムーズにしたい』と語りました。「もっと感動を与えたい」と。

いや、結弦、私たちを感動させましたよ。

羽生に匹敵するライバルは、アメリカのネイサン・チェンだけです。チェンは何度も羽生の記録を破りましたが、羽生が反撃してトップの座を奪い返しました。

しかし、今年の世界選手権では、20歳のチェンが、羽生の数々の技術的なミスを利用して、2年連続で世界タイトルを獲得しました。この敗戦は、羽生が人間であることを証明するものでした。しかし、チェンは羽生の王者ぶりを認めていました。

「ユヅが滑るたびに、彼は驚くべきこと、信じられないようなことをします。彼と一緒に滑ること、彼の後に滑ること、特に彼がどのようにハードルを設定しているかを知ることは、とても名誉なことです」とチェンは言います。「それに続くことができるのは素晴らしいことです」と。

今シーズンの羽生は、世界タイトル奪還に向けての旅が始まったばかりです。大会ごとの結果を比較することはできませんが、日本のスケーターはスケートカナダでの合計得点が、前週のスケートアメリカでのチェンの得点よりも約23.5点高くなっています。これは、12月のグランプリファイナルで羽生とチェンが対決した場合、羽生がクリーンな演技をすれば、チェンのクリーンな演技を上回るというシーズン序盤の予想を示しています。

また、羽生は今週末の演技構成点で10点満点中平均9.67点を記録しましたが、チェンはスケートアメリカで9.35点とやや低めの結果となりました。この差は、イベントに参加したジャッジの違いによるものかもしれませんが、羽生の芸術性とスケーティングスキルは、全般的にチェンよりも高い評価を受けていました。

このスケーターが圧倒的な強さを持つ理由は、細部への細心の注意です。彼にとって上達することは選択肢ではなく、技術的な難易度の高さ、スムーズなトランジション、観客との強いコネクトなど、一つ一つの演技が前回よりも強くなければならないのです。そのため、羽生は自分の記録を打ち破り、比類のない技術の武器に4回転を加え続けています。

羽生は、先月のオータム・インターナショナル・クラシックでの優勝後、「今シーズンは4回転アクセルをやりたい」と語っていました。

4回転アクセルが決まれば、羽生のこれまでの記録に新たな記録が加わることになります。羽生は3つの大会で、ショートプログラムで100点、フリースケーティングで200点、トータルで300点を突破した初めてのスケーターとなりました。また、世界で初めて4回転ループジャンプを成功させ、過去5シーズンにわたり世界ランキング1位に君臨しています。

羽生は、17歳のときに2012年の世界フィギュアスケート選手権で、3度の世界チャンピオンであるパトリック・チャンと3点差の銅メダルを獲得したのを皮切りに、世界的に活躍するようになりました。このメダルの後、彼は日本からカナダのトロントに移り、2014年のソチオリンピックに向けて、オリンピック銀メダリストのブライアン・オーサーの下でトレーニングすることを選択しました。

国際的なシーンではまだそれほどの影響力を持っていませんでしたが、羽生のとてつもない野心が、金メダルを目指す彼を後押ししました。私も含めて、多くのコーチやファン、評論家は、2014年はまだ彼がそのような高い目標を目指す時期ではないと考えていました。しかし、羽生は、ソチの表彰台に立つためには何でもやると考えていました。

羽生の長年の振付師であるデビッド・ウィルソンは、ジャパンタイムズのインタビューに答えて、次のように語っています。「羽生は私に信じられないような手紙を送ってきました。そこには『次のオリンピックまで待てない、今すぐオリンピックのチャンピオンになりたい。そして、そのためには何でもやる。どうか力を貸してほしい』と書いてありました」

ウィルソンの見事な振付と羽生の勝利への渇望が結びつき、「ロミオとジュリエット」に合わせたパワフルでユニークなフリースケートの象徴的なプログラムが生まれました。羽生はロシアで完璧な演技をすることはできませんでしたが、金メダル候補のチャンに勝つには十分な演技をしました。

羽生は、このオリンピックでの勝利以来、年々、ライバルを超えて成長してきました。羽生は、背中、頭、足、足首に大きな怪我を抱えながらも、シーズンごとに重要な場面で活躍し、記録を更新し続けています。

オリンピックで2つの金メダル、世界選手権で2つのタイトルを獲得した24歳のチャンピオンは、まだこのスポーツに足跡を残していないと感じています。

「自分のベストが何かはわからない。今までの経験を生かして、すべての試合に挑戦したいと思います」。

羽生が今後どのような結果を残そうとも、スケートファンが確信していることがあります。それは、羽生が直面する最大のライバルは、彼自身の野心だということです。



12月のグランプリファイナルで羽生とチェンが対決した場合、羽生がクリーンな演技をすれば、チェンのクリーンな演技を上回るというシーズン序盤の予想を示しています。

スケカナで、渋いながらも多少マトモに採点された。オータムでの意味不明の謎の下げ採点から、結弦くんも、あのスケカナで少し気分が浮上したようにみえました。今にして思えば、あのスケカナは、クリーンな演技同士であれば「羽生>ネイサン」にせざるえないだろうという、今のジャッジに一抹の希望を抱けた最後の大会となりました…(遠い目)。




ユヅは18歳のときに、ブライアンに、ソチと韓国のオリンピックでチャンピオンになりたいと言った。


ウィルソンを驚かせた「ソチで優勝するためならなんでもする」という熱烈な手紙。
早くからブライアンに伝えていた五輪二連覇への強い意志。

日本人は、あまり自己主張をしない民族で、外国人からもそうみられていると思います。日本から来た、誰よりも強い心をもった才能の塊のような少年。オーサーもウィルソンも、驚きとともに、この少年に無限の可能性を感じたに違いありません。

今…オーサーとウィルソンは、今のフィギュア界の惨状を、愛弟子の境遇を、どのように感じているのでしょうか…。


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2021/06/18 15:00 | コラム・雑誌記事COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

運動科学の権威が太鼓判「羽生はFS史上最高の天才」& 白井健三選手引退にみる「正しい基礎」の重要性

「運動科学」の権威である、運動科学総合研究所所長の高岡英夫氏の対談を紹介します。
時期はソチ五輪後の2014年7月です。大変興味深い内容です。



クラゴンの常識を圧倒的に覆す上達とパフォーマンスの謎に迫れ!(2014.07.09 掲載)

レーシングドライバーの方がアルペンスキーヤーより実力を証明しやすい

高岡:それは何ともいえないよ。

藤田:えっ、そうなんですか。

高岡:アルペンスキーも、選手に筋電計をつけたり、高性能GPSをつけてラインどりのデータをとるような実験例はあったけど、自動車レースのように、本番の競技中にそうしたデータどりをしたことはないはずだし、測定・収集しているデータも、モーターレーシングの数分の一もないでしょ。本番同士で比べれば、アルペンスキーの場合、せいぜいタイムしか計っていないわけだから、モーターレーシングに比べたら、データをとっていないのも同然ってことになるよね。

クラゴン:そっか~。

藤田:競技中のアルペンレーサーの足が、あるターンで何ミリずつストロークして、板と雪面のスリップ角がどれぐらいで、横G、加速G、減速Gがどれぐらいといったデータは、まったくとれていないわけですものね。本格的なレーシングカーなら、もっと詳しいデータまで収集できるデータロガーというシステムがありますから。

高岡:うん。だからアルペンスキーヤーはかわいそうなんだよ。

クラゴン:レーシングドライバーの方が、ある意味、実力を証明しやすくて恵まれているわけですね。

高岡:そう考えると、アルペンスキーは、モーターレーシングよりも、評価の点では、むしろフィギュアスケートに近いとすら言えるかもしれない。フィギュアスケートは、ソルトレイクシティオリンピックで、ジャッジに対するスキャンダル事件が起きた後、大改革を行って、採点を非常に細分化して、しかもそれを総合化していくシステムを作り上げていったでしょ。その改定された採点方法は、私から見ても、「よくここまで考えたな」と感心するほどだったからね。その結果、現代のフィギュアスケートは、かなり詳細にデータ化できるようになってきているんだよ。

クラゴン:それはじつに興味深い話です。

着氷から支持する構造だけを取り上げれば、羽生結弦はフィギュアスケート史上最高の天才

高岡:基礎点は「要素の入り方」、「回転数」、「レベル」によって算出されたり、各要素の出来栄えを、0をベースとし-3から+3の7段階で評価(GOE)したり、とてもよく考えられているからね。ただ、私だったら、センターの高さが上空何km、深さは何kmといった身体意識の部分まで、採点項目に加えるだろうから、まだまだ改善の余地はあるけどね(笑)。

クラゴン・藤田:はっはっはっは(笑)。

高岡:それはさすがにジョークだけどね(笑)。でも、軸なんかは面白くて、軸だけでジャンプを見ることができるよね。

クラゴン:たしかに!

高岡:軸がより理想に近い運動をした結果のジャンプであったとしても、きれいに着氷できない場合もあるでしょ。たとえば4回転ジャンプを試みたときに、単純にジャンプのエネルギーが足りなければ、3回転半で回転不足で着氷することになるよね。でも一方で、軸は少々乱れても、きれいに着氷してしまうケースもある。羽生結弦などは、そもそも軸が乱れない選手なんだけど、仮に乱れたとしても、軸が乱れたようには見えないのが彼のひとつの特徴なんだ。

クラゴン:へぇ~~。

高岡:歩いても、その場歩きをやっても、じつは同じことなんだけど、着氷からの力の支持、浮いているものは着氷・着地したときに、今度は体重が乗っていくわけだけど、そのときの身体の運動構造が、羽生結弦は抜群に優れているんだよね。簡単にいえば、普通の選手の身体はボールペンのようなもので、そのボールペンを中空から紙の上にポンとタッチして円を描くとしたら、羽生結弦は筆で円を描くような感じかな。

藤田:それはわかりやすい例えですね。

高岡:しかも、羽生結弦が筆だとしたら、その筆先の毛の部分が長くて柔らかく、ちょうどいい具合に腰がある感じなんだよ。そうした点は、非常に天才的な部分だね。その極めてすぐれた筆化した身体で、着氷から支持していく支持構造だけを取り上げると、羽生結弦は間違いなく、フィギュアスケート史上最高の天才だろうね。その点では、彼が目標としていたロシアのプルシェンコよりも上だと言えるよ。

羽生結弦の筆状の支持構造は、他の選手でも正しいトレーニングを取り組めば作り上げることが可能

クラゴン:羽生選手は、ものすごく天才的な選手なんですね。

高岡:たしかに天才的なんだけれども、その筆状の支持構造は、彼だけ専売特許ではなく、正しいトレーニングに取り組んでもらえば、他の選手にも作り上げることは可能だよ。少なくとも、私の指導を受ければ必ずできる。

藤田:そのための何か条件はあるのでしょうか。

高岡:条件は、まず身体が壊れていない選手であること。そして年齢がある程度まだ若いこと。さらに上達したい、身につけたいという意志と意思があること。

クラゴン:その二つの力は確かに大事ですね。

高岡:それからある程度の頭脳を持っていること。これも非常に重要で、わかりやすくいえば知能が普通以上じゃないと無理だろうな。

藤田:やっぱり、指導内容が理解できる知性がないと、話にならないわけですね。

高岡:うん。指導内容、そしてその意味が分からないとダメだろうし、記憶していくことだって欠かせないよね。さらに、本質力のトレーニングを積んでいったとき、それが具体力とどう結びついていったのかといったことを、フィードバックすることだって必要になる。羽生結弦は、そういう意味ですごく頭がよく、知能が高い選手だよね。ものすごく詳細にデータをとっているし、フィードバックもすごく正確なんだよね。 フィギュアスケートのような競技では、普通の選手だとデータなんて取れないからね。

クラゴン:そうなんですか。

高岡:そうだよ。だって、レーシングカーのように各種センサーを満載しているわけじゃないんだから。つまり、フィギュアの選手は、自分自身で要素化していって、それがどうだったかという評価まで、自分で下さなければならないわけだし。ただ、さっきも言ったように、今日のフィギュアの採点方法は、とても詳細になっているので、それも基本的データとして大いに活用し得るわけだけどね。



現代のフィギュアスケートは、かなり詳細にデータ化できるようになってきている

→ 結弦くんも自分の身体で実験してデータを集め、AIへの道筋を示しました。時間はかかってもAI化は可能なはずです。

指導内容、そしてその意味が分からないとダメだろうし、記憶していくことだって欠かせないよね。さらに、本質力のトレーニングを積んでいったとき、それが具体力とどう結びついていったのかといったことを、フィードバックすることだって必要になる。羽生結弦は、そういう意味ですごく頭がよく、知能が高い選手だよね。ものすごく詳細にデータをとっているし、フィードバックもすごく正確なんだよね。 フィギュアスケートのような競技では、普通の選手だとデータなんて取れないからね。

→ 高岡先生、すごい…。もう2014年の時点で、結弦くんが詳細にデータを集めて分析し正確にフィードバックしている選手だと見抜いてる。フィギュアスケート界の人でもないのに。羽生結弦の理解者が運動科学の権威にいたことが嬉しいな。


昨日、本郷理華さんと白井健三さんが引退を表明されました。
お疲れ様でした。第二の人生に幸あれ。


【解説】ケガの影響の他に、白井を苦しめたのは採点だった。リオ後に国際体操連盟が示した方針は、採点基準の基本への立ち返り。「腕、脚をまげる、脚を開く」、「着地では踵をそろえる」など、以前からあった出来栄えを示すEスコアの減点項目を厳格に適用することが重視された。その先に計画するAI採点につなぐためには、基準を再確認する必要があった。

白井の超高難度技は、この基準に照らせば減点対象が多くあった。跳躍する際に脚がそろわずに交差した形になる、着地では左右の脚が前後で下りることも。リオまでは難度の影で見過ごされていた部分で減点され、Eスコアで苦しんだ。結果、国内の代表争いでも後れを取っていった。

水鳥男子強化本部長は「一昔前には失敗しないと8点台はありえなかった。そういう固定観念、価値観も大きかった。それがだんだん解けていって、ルールブックに合わせるのが当たり前になっている」と現状を分析する。今でも成功者が続かない技もある「シライ」。難度が異様に高かったからこそ、目立った部分もあっただろう。「白井つぶし」の基準確認ではなかったが、結果的には競技人生を左右することになった。



リオ後に国際体操連盟が示した方針は、採点基準の基本への立ち返り。「腕、脚をまげる、脚を開く」、「着地では踵をそろえる」など、以前からあった出来栄えを示すEスコアの減点項目を厳格に適用することが重視された。その先に計画するAI採点につなぐためには、基準を再確認する必要があった。

体操がAI採点へ移行するプロセスとして、採点基準を「ルールブックに合わせる」ようになった。リオまでは高難度の技を繰り出せば、その「難度の影で見過ごされていた部分」がきちんと減点されるようになった。ルールに沿って採点するという当たり前のことに体操界がようやく乗り出した。白井さんは、その過渡期の犠牲者になってしまったということでしょう。

白井さんが生み出した「シライ」という名前がついた技は異様に高難度だった。ただ、内村さんのような「美しさ」に欠けた。ルールブックに沿って採点されたら減点される「穴」も大きかった。

AIで厳密に採点すれば、「新しい技」に挑戦する選手が減るかもしれない。しかし、だからといって、ルールを蔑ろにすれば、それは採点競技の崩壊を意味します。

フィギュアスケート界のジャッジングは絶賛崩壊中です。競技団体が自浄作用がないマフィアで「勝たせたい選手に勝たせるのがマイルール」である以上、よほどのことがない限り、AI導入やカメラ増設、ジャッジの身体検査の厳格化は望めないでしょう。


荒川さんの「フレンズプラス」という対談番組があります。引退した日野龍樹選手の回がありました。

「以前と違って、今の選手は練習しなければならないことが増えている」という日野くんの問いに対して、荒川さんはこう言ってました。

基礎がしっかりしていれば、その先にどう展開しようといけると思うけど、基礎がないと、やはり展開という段階でつまづいちゃうと思うので、基礎は何事に対しても、スケートだけではないですけど、大事だとは思いますね。

この荒川さんの回答は、至極ごもっともで、この「基礎」の有無が、採点の仕方が変わっても生き残れた内村さんと、生き残れなかった白井さん、二人の明暗を分けたのだと思います。

荒川さん、わかってんじゃん。それなら、もっとちゃんと副会長の仕事してよ…と思いますけれども、彼女は元々「ショー」大好き人間で、組織作りや後進の指導などには興味がない人。お飾りでいる今の状態が居心地いいんだろうとあきらめています。


それにしても、体操の真っ当さが羨ましい。同じ二連覇してる内村さんは「老害」扱いも「肩たたき」もされることなく、日本体操界のレジェンドとして相応の扱いをしてもらっている。なによりも、体操界が「公平公正に採点する」が一番のアスリートファーストだと理解している。どこまでも「アスリートは集金のための手駒(パトリックチャンより)」で、「組織ファースト」であるフィギュアスケート界には、とうてい期待できない未来です。


※ 高岡さんの対談の内容を貼り付けましたが、内容の貼り付けの順番に一部ミスがありました。ご指摘いただき気づいたので訂正しています(※訂正日時:6月17日16時47分)。サイトでなく、コピペを読まれた方は、今一度内容をご確認ください。すみません(汗)。


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2021/06/17 11:10 | コラム・雑誌記事COMMENT(13)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦が「絶対メディア王者」である理由 ~宮根・修造も絶賛する羽生結弦の言語化力

昨年末にUPされていた記事ですが、知りませんでした。
全日本の神演技に話題騒然、その後お正月に突入したから、見落としたか。



羽生結弦が「絶対メディア王者」である理由──進化が止まらない「言葉たち」の裏側(20211228)

「絶対王者」羽生結弦が帰ってきた。彼にとっては320日ぶりの実戦となった12月25〜26日の全日本選手権。今シーズンの初戦であり、しかもショートプログラムとフリーの両方で新しいプログラムに挑むというハードルがあったにもかかわらず、羽生は圧巻の演技を見せて優勝を果たした。オリンピック2連覇を遂げても、なおアスリートとしての進化を続けているかにみえた。

しかし、羽生が進化しているのはフィギュアスケートの演技だけではない。テレビカメラの前での振る舞いや、記者会見での言葉の選び方といったメディア対応の力に、いっそう磨きがかかっていた。

いや、「いっそう」などという形容では足りないだろう。最近のアスリートはおしなべてメディアとのつき合いが上手だが、もともと羽生のメディア対応力はそのなかでもずば抜けていた。その高い能力に、今大会ではすごみが加わったように思える。

羽生をそうさせた大きな要因は、いま世界を覆っている新型コロナウイルスの感染拡大であり、そのなかで羽生自らが闘ってきた道のりだった。

高すぎる「言葉力」

英語に「メディアジェニック(mediagenic)」という言葉がある。「メディア映えする」といった意味だが、以前から羽生はこのメディアジェニックな偏差値がとんでもなく高かった。

演技を終えた後の表情や視線、観客に向けての会釈などはもちろんのこと、採点を待つ「キス・アンド・クライ」での振る舞いや、テレビカメラを前にしたときの話の仕方など、羽生のあらゆる所作には多くの人を引きつけるものがあった。

けれども羽生のメディア力で最強なのは、おそらく彼の持つ言葉の力だろう。羽生には、その発言を集めた本が何冊も出ているくらい「名言」とされるものが多い。なかでも舌を巻くもののひとつは、2014年12月にグランプリファイナルで連覇した後の会見での言葉だ。

記者からの問いは「わが子を羽生選手のように育てたいというお母さんが多いのですが、どうしたら羽生選手のように育つと思いますか?」というもの。正面からは答えようのない困った質問だ。しかし羽生は巧みに論点をそらしつつ、こんな答えをしてみせた。

「僕は『僕』です。人間はひとりとして、同じ人はいない。十人十色です。僕にも悪いところはたくさんあります。でも悪いところだけではなくて、いいところを見つめていただければ、(子どもは)喜んで、もっと成長できるんじゃないかと思います」

「わが子を羽生選手のように育てたいというお母さんが多いのですが」という質問は、羽生を日本人のロールモデルとみなしている。その問いへの答えに、「僕にも悪いところはたくさんあります」という、自分を等身大に見せる表現がさらりと入っているところに「言葉力」のとんでもない高さが感じられる。

「世の中」を連発した裏側

そんな羽生のメディア対応力に、今大会は少しだけ違う様子が見えた。大会の直前から期間中を通じてテレビ画面から羽生の言葉を聞き続けていたが、彼が何度も繰り返して口にし、最も重く響いたのは、コロナ禍にからむ発言に聞かれた「世の中」という言葉だった。たとえば、こんな感じだ。

「最初はピアノ曲を探していたけど、ニュースや世の中の状況を見て、やっぱり明るい曲のほうがいいなと。こんなつらい状況でも、みなさんが自分のスケートを見てくださる。ちょっとでも明るい話題になればいいな」

──ショートプログラムを終えた後、この演技にロビー・ウィリアムスの躍動感のある曲「レット・ミー・エンターテイン・ユー」を選んだ理由を聞かれて。

「今この世の中、つらいこと苦しいこと……毎日テレビを見てて、つらいなとか、明るいニュースがないなとか思う方もいるかもしれません」

──フリーを終えた後のテレビインタビューで。

「世の中」という言葉を連発した裏には、並々ならぬ思いがあっただろう。羽生は、「世の中」に元気を与えるために演技の選曲や振り付けの哲学をどう考えたかまで語っている。いまアスリートは、ふつうに「(世の中に)元気を送りたい」「感動を届けたい」などと口にするが、それとはレベルが違うものだ。自分が何か決然とした行動を起こせば「世の中」に一石を投じられることを、今の羽生は知っている。

コロナ禍に対する徹底的なまでに慎重な姿勢は、今大会での発言だけではない。羽生は今シーズン、新型コロナの感染拡大を理由にグランプリ(GP)シリーズを欠場していた。ぜんそくを抱える自分の健康面へのリスク、移動による感染リスク、そして自分が動くことによって「多くの人たちが移動することになる」というリスクを考慮した判断だった。

「東京五輪ができていない」

今大会の羽生の言葉のなかでもとくに注目したいもののひとつは、東京オリンピックの開催の可否に触れたように聞こえるくだりだ。優勝を決めた後で合同取材に応じた羽生は、最初に「来年3月の世界選手権はめざすとして、その先、つまり北京五輪はどうするのか」という趣旨の質問をされた。羽生は「まずは世界選手権があるかどうかが最も大事なこと。GPを含め、どうなるか。その先はまだわかんないです」と答えた。

さらに彼にとっての北京五輪の位置づけを聞かれて、羽生はこう答えた。

「率直に言うと、東京(五輪)ができていない。僕の思いとしては五輪のことを考えている場合じゃない。スケーターのひとりとして言えば、競技の最終目標として開催してもらいたいし、出て優勝したい思いはもちろんある。ただ、東京すら開催されていない現実がある」

「東京(五輪)ができていない」という表現は、2020年に予定されながら1年延期となり、しかも21年の開催が確実視されていない東京五輪の現状への危惧を率直に表したものとも受け取れる。アスリートが社会的発言を控えがちな日本で、自国開催のオリンピックが成立するかどうかという点に率直に言及した著名な選手は、羽生くらいではないだろうか。

時代のメッセンジャーとして

今大会の羽生は、自らの影響力を認識して、とりわけコロナ禍にからむメッセージを発しようとしていたかにみえた。彼のメディアジェニックな能力の高さは、そうした意思によってさらに研ぎ澄まされた。

「絶対王者」と呼ばれつづけたスーパーアスリートは、まだ進化を続けている。同時に「絶対メディア王者」である羽生は、その面でも同じように進化している。いま世界を覆っている危機に反応し、それに応じて自らの演技を考えた。そして本人が意識するとしないとにかかわらず、メディアを通じて発する言葉にも今の世界を覆う危機への思いを色濃くにじませることになった。

そんな彼の姿は、もはやアスリートという枠にとどまらず、大切なメッセージを伝えるためにどこからかやって来た使者のようでさえあった。

羽生が自ら発する言葉に無自覚なはずはない。その証拠に今大会の優勝を決めた直後、羽生はこう語っている。

「暗い世の中、暗いトンネルの中、絶対いつかは光が射すと思うので。そういうものも自分の演技から、言葉たちから、感じていただけたらと思います」

そう、羽生にとって世の中とつながる手段は「演技」だけではない。「言葉たち」も大きな媒介なのだ。



以前にも紹介したけど、森田浩之さんはこんな記事も書いてます。


結弦くんの言葉の力については、修造さんも以前から絶賛している。
→ https://www.tokyoheadline.com/424253/

「彼の言葉選びは想像以上にすごい。アスリートの中ではダントツ」

「羽生さんの感性はほかにはないものなんですよ。感じたものを言語化するのはとても難しいことなのに、羽生さんはそれができる」



宮根さん、平昌五輪以降、結弦くんへの評価すごく高くなった。
5/31放送の「ミヤネ屋」にて。大坂選手の会見拒否にからめて。

宮根「(2019年の全日本後)番組でインタビューがあったんですけど、羽生選手悔しいだろうな、来てくれるかな、と思ってたら、来てくれたんですよ、羽生選手が。羽生選手が優勝した宇野選手をすごく讃えつつ、今なんで自分が2位になったのか、自分に足りないものはなになのか、これから自分はいったい何をしなきゃいけないんだと、明快に語るわけですね。そのときに、あ、この人はすごい人だなと、あらためて思ったんですよ」

杉山愛「「勝った時は誰でも気持ちよく会見を受けることができるけれど負けた時にどう受け止めるのか、選手の本当の哲学が見えるのは実はそういう時」



私も某アメリカ選手の好きになれないところのひとつはこゆとこかな。


エキシビ欠場の理由は一応インフルだったけど…まあ仮病だろう(笑) 怪我もないのに五輪のEXぶっちする選手は私も見たことない。今彼は負けた選手にもリスペクトをニコニコと語るけれど、それは、3年間連勝続きで気持ちに余裕があるからだ。彼のトップアスリートとしての品格は、先々負けることがあったとしたら、そのときにはっきりする。

パトリック・チャンは本当に脅威と思ってる選手は絶対誉めなかった。チャンが結弦くんを褒めたのは、平昌五輪後。平昌の結弦くんのショートを見たとき、チャンはソチ五輪の悔しさから解き放たれたと言っていた。「この選手に負けたのは仕方なかったのだとようやく納得できた」と。

チャンは正直者で、舌禍でにぎわす人だったけど、ネイサンは優等生売りしてるから建前しか言えない。それだけに本質が垣間見えたときガッカリ感がある。もう下手に好感度気にせずに、師匠のラファくらい開き直ってもいいのよ?(笑)


森田さんの3月11日のツィート。


3.11に寄せられたこのメッセージも、日本中に勇気を与えました。


このスポニチに寄せた長文の手書きのメッセージもそうだけど、彼はいつも難しい言葉を使わない。平易で、老若男女誰にもわかりやすく、誰の心にも届く言葉を選ぶ。そして、そういう言葉選びの姿勢にも、彼の「優しさ」「誠意」を感じるのです。

宮根さんも森田さんも修造さんも、そして記者さんたちも、「言葉」を使って仕事をしている人達。そんな彼らが一様に認める「羽生結弦の言葉の力」。これから、五輪シーズンに向かって、どんな「羽生結弦の名言」が飛び出すのか、演技だけではなく、そこにも目が離せません。


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2021/06/02 11:40 | コラム・雑誌記事COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

マッシさんがゆづの学術論文に言及!、TSLがハーシュのネイサン贔屓にチクリ&ハーシュ「チェンは史上最高のチャンピオン」、ほか

4月12日にいただいたコメントにレスいれました。よろしくお願いいたします。

さて…結弦くんの論文、話題になっていますね。

大学院非常勤講師の方。



アンチのヒステリーに反論してくださっている(笑)


マッシさんの羽生情報のキャッチの早さ。こっそり日本に住んでるんじゃなかろうか。


ジャンプの回転などを評価するには、人間の目だけでは誤差が大きすぎることは以前からわかっていました。これからの時代は、フィギュアスケートに応用されたハイテクと呼ばれることは必至です。"ある人 "が学位論文でこれ以上のことを説明してくれました。


TSLがハーシュのネイサン贔屓にチクり。
ネイサンはフィリップグラスのクラスをとってないと思うけど。休学中だしな。


以下、国別に関するハーシュの記事とツイ。


ネイサン・チェンは、北京五輪に向けて準備を進めています。
この記事では、コロナ禍でのスケートシーズンから得られた14のポイントを紹介します。 結論は?
チェンは今や、この時代における、そして史上最高のチャンピオンです。



以下、NBCのサイトに書いたハーシュの記事。ネイサンの部分だけ抜粋。

1. 2022年の男子シングルの金メダルは、アメリカのネイサン・チェンが最有力候補となっています。

チェンは、3年連続で世界タイトルを獲得し、個人総合優勝がない世界国別対抗戦で両プログラムを制してシーズンを終えました。彼は、2018年のオリンピックで5位になって以来、国内外の個人戦のライブイベント13回(+バーチャルイベント1回)で負けておらず、それらのイベントで13回のフリースケートすべてと13回のショートプログラムのうち11回を制しています。

それらの勝利の中には、2度のオリンピックチャンピオン(現役)である日本の羽生結弦選手に対する3つの勝利も含まれています。ワールドチームトロフィーでチェン選手に両プログラムで敗れた後のコメントを見ると、羽生選手は北京での競技にはあまり力を入れていないように見えますが、それは競技会で初の4回転アクセルを着地させるという、明らかに非現実的なクエストがあるからです。

2. また、一部の人はチェンを2018年のオリンピックチャンピオンと予想していましたが、羽生が平昌オリンピック前の2ヶ月間の大半を怪我で欠場したことや、2015年と2016年の世界チャンピオンであるハビエル・フェルナンデス(スペイン)の不安定さを考慮した希望的観測でした。

2017年にデビューしたシニアワールドでの6位という散々な成績を跳ね返し、(羽生選手が不在の)2017年グランプリファイナルで優勝したチェンは、ショートプログラムで失敗するまでは、オリンピックの銅メダルを狙う正当なチャンスがあるように思えました。

チェン選手は、メダルを獲得するために何をすべきかではなく、メダルに集中しすぎたことを認めています。このような過ちを繰り返すことはないだろう。

3. フィリップ・グラスの音楽に合わせたチェンのフリープログラムは、シェイ=リン・ボーンが振り付けを担当し、アカデミー賞に3回ノミネートされ、映画音楽でゴールデングローブ賞を受賞したマルチジャンルの著名な作曲家ということで注目を集めました(チェンは「トゥルーマン・ショー」のスコアの一部を使用しました)。グラスはインスタグラムの投稿でチェンを祝福し、「今シーズンの男子フィギュアスケートを支配した」と述べました。

イェール大学でグラスの音楽を学び、その一部をピアノで弾けるようになったチェンは、グラスを知的に理解するだけでなく、身体的にも理解していました。彼の解釈は、演技をするたびにニュアンスを増していった。



ハーシュが母校愛ゆえに、ことさらネイサンマンセーに走っているのはTSLの話からよくわかりました。この記事をみても、ハーシュのアドバイス通り、イエールでグラスのクラスをとって曲の解釈を深めた…ということにしたいようですが、ネイサンは休学しているし、そもそもクラスとるの乗り気じゃなかったようですね。ハーシュのアドバイスはスルーしたんじゃないでしょうかね。

この記事でも、結弦くんの4A挑戦を皮肉っています。「羽生は白鯨の船長」の次は「4Aは非現実的なクエスト」だと。

自分の演じるプログラムの曲解釈にもあまり興味がなさそうな(これはメキシコとスペインを混同していたSPでもわかります)ネイサンを、結弦くんと並べて「がり勉」認定しているハーシュですが、ネイサン自身が「あまり勉強は得意ではない」とインタで白状しています(漏れ聞こえてくるネイサンの成績もこの言葉を裏付けています)。IMGやアメリカがネイサンをイェール大の秀才だと持ち上げるのを尻目に、さらっと優秀な学術論文を発表した結弦くん。どちらがより優秀かわかりそうなものですが…ハーシュの御意見をぜひ聞いてみたいものです。


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2021/04/21 13:05 | コラム・雑誌記事COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

ゆづが卒論を早稲田の学術書に特別寄稿 !(女性自身記事より)

結弦くんの論文の内容についての女性自身の記事が話題になっています。



稚拙と7回指摘 羽生結弦が卒論で見せた判定悪用選手への怒り(2021/04/20 女性自身)

「北京五輪のことは僕はまだ考えられません。願わくばまずは東京五輪が開催できる現実のものになれば。まずはそれを願っています」

16日に行われた国別対抗選手権のフリープログラム後にこう語ったのは羽生結弦(26)。羽生は3連覇が期待される22年の北京五輪については言及を避け、目前に迫る東京五輪の成功を願っていた。

そんななか、羽生には“フィギュア界への願い”もあった。それは採点制度の改善だ。

昨年、早稲田大学人間科学部通信教育課程を約7年かけて卒業した羽生。在学中、研究者として打ち込んだのが、モーションキャプチャを活用し、フィギュアの動きをデジタルデータ化すること。

ゼミの担当教員で、卒業論文も指導した早稲田大学人間科学部人間情報科学科の西村昭治教授は、羽生が研究によって目指す“目標”について本誌でこう語っている。

《曖昧な部分もあるフィギュアの採点をAIを使ってクリアにする。この研究を続けていけば大がかりな装置も必要なく、普通のテレビカメラでもなんとかなるという可能性を示してくれました。これは本当にフィギュアスケートの歴史を変えるような研究になるのではないかと思います》(’20年12月1日・8日号)

そして本誌は今回、羽生が同学部の学術誌に特別寄稿するにあたり加筆・修正した卒論を独自で入手。論文で羽生は現状のフィギュア界の採点制度への疑念をこう綴っている。

《全ての選手の全ての要素に対して、ガイドラインに沿った評価ができるのだろうか。(中略)特にジャンプの離氷時の評価は非常に曖昧で、審判員の裁量に完全に委ねられているように感じる。実際に、インタビュー等で審判員の判断に苦言を呈している選手もいる》

羽生の怒りはそんな判定制度を“悪用”する選手やコーチにも向けられていた。

■「これは正しい技術ではなく、稚拙なジャンプ」

「論文でモーションキャプチャの精度を検証するため、羽生さんは自らを実験台に、アイスリンクで1回転ループや3回転半など6種類のジャンプを跳び、そのデータを測定。検証は見事成功し、論文でも『これは極めて優良なデータになったのではないかと感じる』と結果に自信をかせていたそうです」(大学関係者)

しかし、ループジャンプの検証ではこう綴っている。

《ループジャンプは右足で遠心力を利用しながらジャンプするが、飛び上がるまでに遅い、つまり、離氷せずに回転数を稼いでから離氷するようなジャンプを行うスケーターらがいる。これは正しい技術ではなく、稚拙なジャンプであるが、これを現ジャッジングシステムでは減点対象であると明記してあるのにもかかわらず、離氷を判定する基準がないため、これの適用がうまくできずにいた》

また、こうも綴っている。

《現審判員は1方向からしか見ることができないという物理的な制限があり、プログラムの振付師やスケーターのコーチによっては審判員の死角になるようにフリップジャンプ、ルッツジャンプを配置している》

採点制度の穴を利用した選手やコーチを「稚拙」と一刀両断した羽生。この言葉は論文中、7回も繰り返されていることからも、羽生の怒りの強さがうかがい知れる。

フィギュアスケート評論家の佐野稔さんは羽生が指摘する“稚拙なジャンプ”をこう解説する。

「いちばんわかりやすいのがアクセル。氷上で前向きにある程度回転してから跳ぶのですが、羽生選手は16分の1ほど。しかし、ひどい人は氷上で4分の1回転してから跳んでいます。跳ぶ前の回転においては明確な減点のルールがないのです」

■「技術的な判定は完全にできる」

’84年のサラエボ冬季五輪に出場し、現在は日本スケート連盟のナショナル審判員も務める元フィギュアスケート選手の小川勝さんも羽生の“告発”に理解を示す。

「羽生選手の演技は回転も完璧ですが、そうじゃない選手が大勢いるということ。回転不足の判定問題は、厳格なルールがなく、それを見抜けていない審判も多すぎます。グレーゾーンのジャンプをしている選手が多いのも事実です」

最大の目標である4回転半ジャンプ成功に向けて、試行錯誤を続けている羽生。今回の国別対抗選手権では挑戦しなかったが、その理由については「僕の気持ち優先よりも、みんなの力になれる演技をしたい」と語っていた。

しかし、あるフィギュア関係者はそこにも採点への懸念が影響している、と推測する。

「4回転半はまだ試合で誰も成功したことのない大技。仮に成功しても、“現状の採点制度ではきちんと評価されないのでは”という思いもあるのだと思います」

果たして、羽生が目指す採点改革が実現する日は来るのか。佐野さんは芸術性の評価などの難しさを指摘しつつもこう語る。

「今のテクニカルの部分をAIで正確にフェアに判定し、それをもとに人間が出来栄え点と構成点をジャッジすれば伝統も残ります」

羽生は論文終盤で改革の実現に向けて、こう訴えている。

《一人のジャンプだけではできないかもしれないが、ISUなどの機関が有力な国の連盟に強化選手を使って、少しずつデータをとることを義務付けしてAIを作ったらジャンプに関してだけではなく、ステップやスピンなどの技術的な判定は完全にできるように感じた。(中略)フィギュアスケートにおいてこのモーションキャプチャーは極めて有用であると考える》

羽生の“悲痛の叫び”がフィギュア界の公正な採点につながる日が来ることを願うばかりだ――。

「女性自身」2021年5月4日号 掲載





人間科学研究






AIで判定されたら、この完全に後ろ向きのアクセル(通称:バクセル)は淘汰される。


ネイサンは、跳び方をバクセルにしてから3Aが安定した。つまり、マトモなアクセルは跳べない。アクセルはSPでもFSでも絶対入れなくてはならないから、AIが導入されたら、ネイサンは終了する。ダブルアクセルならマトモな跳び方でも跳べるだろうが、さすがに男子で2Aは恥ずかしい。


西山くんは、早稲田の現役学生だから、論文読めるのかな?


高校生トリオの頃から知ってる日野くん。お疲れ様でした。



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2021/04/20 20:15 | コラム・雑誌記事COMMENT(7)TRACKBACK(0)  TOP