羽生結弦とマイケル・ジャクソン、そして世阿弥と巫女舞

宗教学者の山折哲雄さんのコラムについてツィッターでつぶやいてる人がいたので、とりあげてみます。私が過去に書いた記事とも少し関連しているので。

朝日新聞の山折さんのコラム。有料記事なのでべた貼りします。



(生老病死)羽生選手、マイケル、そして能 山折哲雄(20190413 朝日新聞デジタル)

 昨年2月、フィギュアスケートの羽生結弦選手が平昌五輪で男子として66年ぶりの連覇をはたした。直前まで怪我(けが)で練習を中断し、4回転ジャンプを軸にする演技が危ぶまれたが、五輪前の1月4日にニューヨーク・タイムズに次のような記事がのった。

 「かつてない優れたフィギュアスケーター、羽生結弦は、ウィニー・ザ・プーに囲まれた氷上のマイケル・ジャクソンだ」

 評したのは、ジェレ・ロングマン氏。私はこの人物について何もしらない。けれどもマイケルの名が出てきて、私の妄想がかきたてられた。「ウィニー・ザ・プー」は、演技のあと、羽生ファンがリンクに投げ入れるクマのぬいぐるみのこと。

 マイケルは1958年、米国インディアナ州に生まれた黒人ロック歌手。兄たち4人と結成した「ジャクソン5」のリードボーカルとして活躍し、世界的なスーパースターの階段をかけのぼった。天性の歌のうまさとリズム感のあるダンスで観客の目を奪い、人間業とは思えない「ムーンウォーク」に度肝を抜かれたものだ。踊りに熱中するときは、全身ほとんど精巧な自動機械と化し、寸分の狂いも生じない。かつてチャプリンがみせた「殺人狂時代」のようなスリルを再現してくれた。

 私が思いだしたのが、中世ヨーロッパに流行した「ダンス・マカーブル(骸骨の踊り)」だった。死の思想が深まり、「死を想(おも)え」の警鐘が打ち鳴らされたころだ。大げさなと言われそうだが、マイケルのムーンウォークとダンス・マカーブルに共通していたのは、踊り手の肢体をかぎりなく「死体」に近づけること、自動機械的な身体につくり変えることだったように思う。

 マイケルの一挙手一投足を見ているうち、次に眼前に浮かび上がってきたのが、わが中世の能舞台の光景、世阿弥の夢幻能の世界だ。そこに登場するシテの多くは亡者の霊である。亡者の身もだえする姿態を演ずるのに、死=霊の領域に近づいていかなければならない。平昌五輪決勝の最終場面、羽生選手がフリーの演技に滑りだしたとき、笛が鳴り、映画「陰陽師」の和楽器の音楽が流れた。そのとき彼は、マイケルとともに能役者シテの運命を生きていたのかもしれない。 (宗教学者)



山折さんが、同じテーマで、別の媒体で書かれたものです。


山折さんは、これ以外にも平昌五輪直後、2018年5月6日(日)、京都新聞の「天眼」というコラム欄で同じテーマで書いておられます。よほど、羽生結弦とマイケルジャクソン、はては世阿弥との繋がりにこだわりをおもちだったのでしょう。



山折さんが引用している、五輪前の1月4日のニューヨーク・タイムズの記事というのはこれ。


過去記事で、このニューヨークタイムズの記事について書いてるので、興味があればどうぞ。
→ ハビ「ゆづは回復してる」&NYタイムズ「ユヅルは氷上のマイケルジャクソン」


英紙インディペンデントも「氷上のマイケル・ジャクソン」と絶賛。







山折氏の説を別にしても、世阿弥の芸能観は、結弦くんのフィギュア観に通じるものを感じます。

舞は音の力で舞う」…「天と地と」では18バージョン、「SEIMEI」では33バージョンの編曲をしたという矢野さん。矢野さんは「音楽も大事にして、ストーリーを作って、それを実現させる」という、自分の理想を実現させてくれた…とおっしゃっています。実際、結弦くん本人も「自分にとってフィギュアスケートはイコール音楽だ」と言ってましたね。だから、音楽がBGMになるなんてことは、彼の美意識が許さないのです。

舞の美は気品ある舞姿と柔らかな所作」…「天と地と」において、結弦くんはこの境地に達したと感じました。元々バレエダンサーが揃って絶賛する所作の美しさをもつ結弦くんですが、「天と地と」でさらに進化したと思います。

舞姿の美しさ…という点で、注目したい記事があります。
女性自身 2021年2月2日号」に、結弦くんの小さな記事が載っていました。そこに、早稲田の西村教授のこんな言葉が。

新プログラムに、ある”日本の伝統”を取り入れているのではないか、と教えてくれたのは、羽生の大学時代の指導教授である、早稲田大学人間科学部人間情報科学科の西村昭治教授だ。

「羽生さんから”巫女舞に興味があって、詳しく見学させてもらった”という話を聞いたことがあります。大学入学前後のころの話だったと思います」

巫女舞とは、神道で神事の際に奉納される舞だ。

「巫女がぐるぐる回転して舞台をあちこち移動しながら舞う様子にフィギュアスケートと通じるものを感じたのかもしれません。自分のフィギュアスケートにオリジナリティを出すために、それを前の『SEIMEI』や今回の『天と地と』の表現に取り入れたんじゃないかと思うんです」(西村教授)



これは新情報ではないでしょうか。まだ十代のころに巫女舞に興味をもち、詳しく見学させてもらったというのは。つまり、ソチ五輪前から、「SEIMEI」や「天と地と」が生まれる伏線はあった。そして、能楽師の野村萬斎さんにあれだけ心酔していた理由もそれならわかる。彼は、かなり前から、「フィギュアに『和』」を取り入れる」ことに並々ならぬ関心があったわけです。

とすれば、特にスケオタでもない宗教学者の山折さんが、平昌五輪の演技をみて、そしてNYタイムズの記事を読んで、そこから「世阿弥」に繋げたのは慧眼だったといえるのではないでしょうか。

それにしても、羽生結弦という人は、フィギュアスケートのためならば、どこまで貪欲になれる人なのだろう。表現者としてどこまで極めようとしているのか。

羽生結弦がなぜ世界中の人々を熱狂させるのか。その答えがここにある。

「フィギュアスケートだけが人生のすべてじゃないさ」と逃げ道を作り、演技の質と釣り合わない採点に甘えて向上心を忘れたスケーターが、勝利だけをいくら積み重ねさせても、それで人の心を動かせるはずはないのです。


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2021/01/26 09:20 | コラム・雑誌記事COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

女性自身の記事への反響 & ゆづが過去に語っていた「科学的研究の必要性」

女性自身の結弦くんの記事に、色々な業界の人達が反応しています。
特に、早稲田以外の大学の先生までがほめてくださっているのは嬉しいですね。


早稲田の向後教授。早稲田にとって本当に誇らしい卒業生でしょう。



上智大学の教授。


法政大学の教授。






東大出の塾の先生。


所沢市議会議員さん。


ヤフーに寄せられたコメントより


なかのかおり ジャーナリスト(福祉・医療・労働)、早稲田大研究所招聘研究員

通信は、通常の学部より卒業するのが難しいと言われます。羽生選手が世界の舞台で戦いながら時間をかけて卒業したニュースは、コロナ禍の学生や、学び直したい社会人を勇気づけるでしょう。

体験からくる関心や疑問を、アカデミックな手法で形にしたことで、指導者、研究者としても、様々な世界が開けると思います。

コロナ禍に、オンライン授業が普及し、大学に通えない学生や、保護者の不満を取材しました。羽生選手のように、やりたいことが明確なら、遠隔教育も素晴らしい選択肢になりますね。学生のうちに強い動機を見つけるのは大変ですが…。社会人のリカレント教育を進めるヒントにもなると思います。



24HTV

西村教授は、記事の中でこう言ってましたね。

やっぱり自分が納得しないと気が済まないみたいで、抑えめの課題を出しても私が言った3倍はやるんです。だから、羽生さんに『そんなにやらなくていいよ。もっとゆるく、ゆるく』と言うのが私の仕事になっていましたね」

本当に、彼はいつも手を抜かない。24時間テレビで「俺は3倍やる」と言っていたのは、スケートだけじゃなかった。


平昌後の外国特派員協会での会見にて、結弦くんの言葉。

フィギュアスケートはまだまだ科学的に研究されているものが少ないし、研究していたとしても個人であったり、自分もその一人であるけど、自分のためだけに…ということが多い。自分が2連覇したことも含め、国として研究機関として、フィギュアスケートが、より研究されることを祈っている

芸術がものすごく必要である競技がゆえに、技術的なものが発達しすぎると、どうしても、その技術にふさわしい芸術が足りないということ、よくフィギュアスケートでは言われます。ただ、芸術、バレーとか、例えば、ミュージカルとかもそうですけれども、芸術の言うのは、あきらかに、正しい技術、徹底された基礎に裏付けされた表現力、芸術であって、それが足りないと、芸術にはならないと、僕は思っています。だからこそ、僕は、ジャンプをやる際、ステップをやる際、スピンをやる際、すべてにおいて、正しい技術を使い、そして、それを芸術として見せることが、一番大切な事だと思っている


フィギュアスケートの発展に、正しい技術の継承はかかせません。しかし、ちょろまかしても高得点がもらえるとしたら、選手は苦労して正しい技術を身につけようとはしないでしょう。正しい技術を蔑ろにすることは、フィギュアスケートのスポーツとしての地位を低下させ、フィギュアスケートの芸術性をも毀損し、さらに、採点の不透明さは、長い目でみればファン離れを引き起こすことでしょう。結弦くんは、フィギュアスケートの発展のためには、もっと科学的に研究されるべきだと思っていた。彼は人任せにせず、自らそれに着手していたのです。


中国にある日本大使館も、結弦くんの卒業をお祝いしてくれてるのね。
羽生下げツィートした在ボストン日本領事館とは大違いだわ(笑)


早稲田大学の卒業証書も手に入れた。事業も学業も収穫を受ける。こんなに優秀なアイドルはどうやって修練できるのか?羽生結弦の自伝「蒼の炎」はスケートの発足からジュニア、シニアまで、成長について、各大会の道のりを記載した。「日本国駐中国大使館」をフォローして、このweiboをRTすると、3名のラッキーフォロワーは「蒼の炎」をもらえる!11月23日に抽選結果発表!


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2020/11/18 08:15 | コラム・雑誌記事COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

「卒論は3万字」「フィギュアの歴史変える研究」~教授が語る凄すぎるゆづの研究

明日発売の女性自身の記事が、1日早くネット記事で掲載されました。
女性自身のくせに、ちゃんと取材しているようです。
内容は、結弦くんの学生生活や、研究の内容について触れられています。

羽生結弦「卒論は3万字」ゼミ教授語った凄すぎ大学生活7年(2020/11/17 女性自身)

「入学時は今ほど有名になられる前でした。でも数年たったら“国民栄誉賞を”なんて言われる人間になっていったので。これは無理難題な課題を出してスケートがうまくいかないってことになったら大変だと。むちゃをさせたらいけないなぁと思いましたね(笑)」

穏やかな口調で羽生結弦(25)の大学時代を話してくれたのは、早稲田大学人間科学部人間情報科学科の西村昭治教授。

羽生は、'13年に入学した早稲田大学の人間科学部通信教育課程を7年半かけて今年9月に卒業。在学中は五輪で2度の金メダルを獲得し、数々の世界大会で優勝するなど、フィギュア選手として輝かしい活躍を見せてきた。

西村教授は、そんな羽生が所属したゼミの指導教員で、卒業論文まで研究を見守ってきた人物だ。初めて羽生と顔を合わせたのは'12年の秋のことだという。

「大学入学前にパソコンを使ってスカイプで面接を行ったんです。そのときから“この人はただスケートだけをやればいいとは思ってないんだな”という印象でしたね。たとえば、彼は帰国すると積極的に日本の伝統芸能を見学していたようです。フィギュアだけでなく、それに関連するさまざまなことに興味を持っていたんです。

少し話しただけでも“勉強したい、研究したい”という彼の熱意がひしひしと伝わってきました」(以下、「」内は西村教授)

当初から、広い視野としっかりした考えを持って勉学に励む覚悟があったようだ。本人がインタビューで、大学進学について次のように語っていたこともある。

《陸上や野球はすごく科学的にも証明されていることが多いのに対し、スケートは、これだけ人気になってもまだまだ解明されていない部分が多いように感じます。だからこそ、自分で考えなきゃいけないし、それゆえの面白さもある。スケーターとしての視点の幅を広げたいというのが、大学進学を決めたきっかけです》('14年1月1日の産経新聞)

■「抑えめの課題を出しても3倍はやる」

在学中は、オフの日にまとめて授業をオンデマンド受講し、遠征の移動の飛行機の中でレポートを書く日々が続いていたという。そして、'16年ごろから西村教授のゼミへ所属。

「カナダにいる羽生さんとは時差の関係もあり、基本的に毎週月曜日に、研究の進捗報告を彼にメールしてもらい、私がフィードバックを返信するというかたちを繰り返して、授業を進めていきました。ほとんど個別指導でしたね」

羽生はどんな内容の研究に取り組んでいたのだろうか。卒業論文は、「フィギュアスケートにおけるモーションキャプチャ技術の活用と将来展望」というものだが……。

「モーションキャプチャといって、体中や指先に30本くらいのセンサーをつけ、動きを3Dで記録したり分析する技術があるんです」

羽生は研究のために、自らの体にセンサーをつけてジャンプを跳び、デジタルデータ化したという。

「これはなかなか1人で設定するのは大変で。でも、『仙台まで行って手伝おうか?』と私が言っても、『いやいや、なんとか自分でやります』と。彼はすぐに機械の使い方を理解して、使いこなせるようになっていましたね。私だったら、“そんなにセンサーをつけて1人でデータをとるなんて嫌だな”と思うのですが、彼はしっかり1人でやっていたから、すごい人だなぁと思いました。

やっぱり自分が納得しないと気が済まないみたいで、抑えめの課題を出しても私が言った3倍はやるんです。だから、羽生さんに『そんなにやらなくていいよ。もっとゆるく、ゆるく』と言うのが私の仕事になっていましたね。

彼の卒論も文字数にして3万字ほど。平均的な学生の倍はあります。完璧を目指している人なので、本当は10万字くらいは書きたかったんじゃないかと思いますね」

常に努力を惜しまない、実に羽生らしいエピソード。選手としてだけでなく、研究者としての姿勢も“超一流”レベルといえそうだ。

「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載



教授驚かせた羽生結弦のAI卒論「フィギュアの歴史変える研究」(2020/11/17 女性自身)

「モーションキャプチャといって、体中や指先に30本くらいのセンサーをつけ、動きを3Dで記録したり分析する技術があるんです」

教え子である羽生結弦(25)の大学時代とその研究について語ってくれたのは、早稲田大学人間科学部人間情報科学科の西村昭治教授。

羽生は、'13年に入学した早稲田大学の人間科学部通信教育課程を7年半かけて今年9月に卒業した。'16年ごろからは西村教授のゼミへ所属。その卒業論文は、「フィギュアスケートにおけるモーションキャプチャ技術の活用と将来展望」というもの。

羽生が書いた卒論の文字数は3万字で、これは平均的な学生の倍はあるという。そこまで研究に入れ込めたのは、確たる動機があったからのようだ。

まず一つは、自分の競技に生かしたいという思い。

「“いいと思ったときと悪いと思ったときではどこがどう違うのか、自分の滑っているときの感覚的なものを数値化してみたい”と。どうなると失敗で、どう兆候が表れるのか、モーションキャプチャで調べようという話になりました」以下、「」内は西村教授)

そして、もう一つの動機は“フィギュア界の発展のために”。

「私の研究室は“遠隔教育”というのが一つの研究テーマなんです。たとえば踊りやスポーツなんかは言葉だけで伝えるのは難しいですよね。それらをインターネットなどを通じて教えていく仕組みを作れないかという研究です。

羽生さん自身もカナダに移住していますが、フィギュア選手は優秀な指導者の近くに引っ越すことが多いですよね。ですが、遠隔である程度、教えたり教わったりできれば、わざわざ引っ越さずとも練習ができるようになる。それを実現するために、選手が跳んだり回っている動きを、モーションキャプチャを使ってデータにして、コーチと共有すればいいのではないか。

羽生さんは、自分のことだけでなく、いろんな人のことを考えてこの研究テーマを選んだんです」

■「1番の成績」と指導教授も太鼓判

さらに発展して羽生が考えていたのが、モーションキャプチャ技術をフィギュアスケートのAIによる自動採点に生かすこと。

「たとえば、フィギュアスケーターのなかには、回転が足りないのに、4回転に見せかけるような、ごまかしがうまい人もいるようで。高度な技だと、審判が完全に正確なジャッジをできていないときもあるみたいなんです。羽生さんは“見えないところでごまかして跳ぶといったことも行われているけれども、それはよくない”と言っていました」

ルール違反でも審判がOKといえばセーフ、と考えるスポーツ選手もいるものだが……。

「“それじゃいけない。ちゃんと規定があるんだから、それを順守して試合に臨んでほしい”と」

史上初の4回転アクセルを目指す羽生としては、“ずるジャンプは許せない!”という気持ちは誰よりも強いのだろう。

こうした“正義の魂”が込められた研究は、卒業論文として7月に書き上げられた。

「羽生さんが卒論を本格的に書き始めたのは3月ごろでした。幸か不幸か、コロナの影響で5?6月のアイスショーが中止になって、卒論に集中できたのでしょうね。出来も非常によく、私の受け持ちのなかでは1番の成績をつけました。文章もうまいんです。

私自身、彼の卒論で新しい発見もありました。曖昧な部分もあるフィギュアの採点をAIを使ってクリアにする。この研究を続けていけば大がかりな装置も必要なく、普通のテレビカメラでもなんとかなるという可能性を示してくれました。これは本当にフィギュアスケートの歴史を変えるような研究になるのではないかと思います」

研究段階とはいえAIによる採点は本当に実現可能なのだろうか。

「あとはもうデータさえとれれば技術的には実現できます。羽生さんだけでなく何十人かの選手を集めて、モーションキャプチャと映像でいろんな技のデータをAIに学習させるんです。それをスケート連盟とオフィシャルデータとして共有すれば、どこでも使えるようになるでしょう」

■「先生に褒められたのがうれしかった」

研究のために定期的に連絡を取り合っていたとはいえ、主なやり取りはスカイプなどネット上だった羽生と西村教授。それだけに、実際に顔を合わせたときの思い出は強く心に刻まれているそう。

「羽生さんと直接、会ったのは4~5回ほどですね。アイスショーの後に研究の打ち合わせを兼ねて会ったときのことが印象に残っています。彼はショーが終わったのにずっとスケート靴を履いたままで、靴を脱ぐ間も惜しんでファンと写真を撮ったりして触れ合っているんです。本当にファンを大切にしていて、自分は最後にするんだなと思いました。

私のところにも『先生、一緒に写真を撮りましょう』と言って来てくれて。そのときの写真はいまでも大切にしてあります」

羽生の両親とも会ったことがあるという。

「お母さんは羽生さんの体調をすごく心配されていました。お父さんもケガやプレッシャーに悩む息子さんを見ていてつらかったと思います。お2人とも奥ゆかしいというか、それでもお子さんへの愛情が感じられて、やっぱり羽生さんのご両親だなと感じました」

卒業直前、西村教授は羽生にこんなことを言われていたという。

「日ごろ、論文のやり取りで彼からは感謝の言葉をたくさんもらいましたが、“先生に褒められたのがうれしかった”と言ってくれたのが、いちばんうれしかったですね」

最後に、多忙の合間を縫って卒業した羽生へ激励のエールを送る。

「少し休む時間があったので、まずはコンディションをしっかり元に戻して、焦らずにゆっくり再始動していただければと思いますね」

羽生の研究が、フィギュアスケート界を変える日も近いかもしれない――。

「女性自身」2020年12月1日・8日合併号 掲載



昨年のスケカナで「それも個性」と擁護しながらも、結弦くんは、氷上で回るジャンプを「下で回る」と表現しました。暗に「下で回る4Lz」は誰でも跳べる…という言い方もしていたと思います。下で回るだけでなく、エッジまでも怪しい「プレロテフルブレ」の問題ジャンプでも高いGOEがつくフィギュア界。ジャッジは「技術」ではなく、「選手」をみて採点しているのが現状です。採点のごまかしは、ジャンプだけでなくスピンなど他のエレメンツにまで及んでいる。「正直者がバカをみる」競技では、衰退は免れない。結弦くんにも、フィギュアがこのままではいけない。フィギュアの将来のために、現状を変えなければいけない…という気持ちが強いのだと思います。AI導入の署名運動のことも知っているでしょう。

結弦くんをアイスリンク仙台までストーキングして隠し撮りしたことで、バッシングされた女性自身ですが、これは良記事といえるでしょう。ただし、「彼はショーが終わったのにずっとスケート靴を履いたままで、靴を脱ぐ間も惜しんでファンと写真を撮ったりして触れ合っているんです」という部分は、もし教授が本当にそういったのであれば、教授の勘違いではないでしょうか。

彼はファンとは写真を撮りません。今はファンからもらったプレゼントですら、公では身につけないようにしている。「ファンには平等に接する」というのが彼の主義だからです。会場で写真を一緒に撮るのは、同じ大会やショーで共演したスケーターだけ。この記事の中で、ここだけがちょっとひっかかりました。ファンなら皆知ってることだけど、知らない人が読んだら誤解を招くからね。


過去にも、将来について問われ、そのときどきで色々な夢を語っていました。

こちらは2015年8月の公開練習のときの言葉。



こちらは平昌五輪メダリスト会見。



共通するのは、特定の生徒をもってコーチとしてキスクラに座る…という将来像はあまり描いていなさそうなこと。正直、私はそれは羽生結弦の無駄遣いというか、もったいなさすぎると思います。もっと広い視野にたった仕事ができる人だから。

平昌五輪での金メダルを当てた陰陽師の橋本京明さんが、平昌五輪前に、こんなことを言ってました。

オリンピック後に一度休養することはあっても、また引退はしないと鑑定結果ではでています。非常に頭がよく分析力が高いので、いかに高得点を狙えるかを考え、5回転ジャンプなどの新しい技も構想にあるかもしれません。

将来は教育関係の仕事が非常に向いています。フィギュアスケートのコーチもいいですが、それよりも学校の先生の方が向いています。人一倍責任感が強く、人に伝える能力が高いので、教える側でも力を発揮できると思います


私も、結弦くんは研究や教職の方が向いていると思う。教えるのがうまいのは教職一家の血でしょうか。

5回転ジャンプなどの新しい技も構想にあるかもしれません(5回転じゃなく4Aだけど)」「オリンピック後に一度休養することはあっても、また引退はしない」…これも当たってますね。「一度休養」というのは、今シーズンのことかな?(笑)  ワールドもたぶん開催は無理でしょうしね。


橋本さんのインタビューはこちらの本に掲載されています。

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2020/11/17 10:15 | コラム・雑誌記事COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

「羽生結弦の漫画は終わらない」③、ゆづ「スケートではすべての言語を話せる」 、ほか

「羽生結弦:僕の漫画はまだ終わらない」の完結編、UPしてくださっています。



「羽生結弦の漫画は終わらない」①
http://bltraveler.blog63.fc2.com/blog-entry-3938.html

「羽生結弦の漫画は終わらない」②
http://bltraveler.blog63.fc2.com/blog-entry-3940.html


競技成績から言えば、これまでの功績の上に胡座をかく資格が彼には十分ある。10回以上世界記録を破り、フィギュアスケートの歴史上初めてオリンピック、世界選手権、グランプリファイナル、四大陸選手権、そしてジュニア世界選手権、ジュニアグランプリファイナル等の国際大会を制覇してスーパースラムを達成した選手がどれだけ褒め称えられようとも行き過ぎではないだろう。

しかし羽生結弦がこの氷上の芸術にもたらしたものは競技の金メダルだけではない。CCTVの解説者、陳滢はかつて語った。「彼は私たちに証明してくれた。フィギュアスケートの力は氷上に客観的な世界を描くことではなく、人間の心の内なる世界を描くことだということを。この種目の魅力と吸引力は観客の共感を呼び起こす力にこそあるということを。」



彼は私たちに証明してくれた。フィギュアスケートの力は氷上に客観的な世界を描くことではなく、人間の心の内なる世界を描くことだということを。この種目の魅力と吸引力は観客の共感を呼び起こす力にこそあるということを。


陳滢さんの言葉は、結弦くんのこの発言に通じると思います。
陳滢さんは、日本のアナウンサーの誰よりも、結弦くんを深く理解している。




結弦くんにとって、フィギュアスケートは言葉。フィギュアスケートを通して、彼の心を、想いを伝えている。だから、私達は、彼の演技をみるたびに、ストレートに彼の想いを受け取って、感動したり、泣いたりできるのだ。ただエレメンツを淡々と消化するだけの演技に、人の心を揺さぶることなどできようはずがない。


往年の大女優、高峰秀子さんの言葉。
結弦くんに通じるものがけっこうあるので、いくつか紹介します。



羽生ファンの心情を代弁してくれているかのような言葉。同時代に生まれ、彼と同じ空の下で、同じ空気を吸っているだけで、心の支えになっている人は世界中にごまんといる。そうか、彼は天使だと思ってたけど、アラヒトガミでもあるのか(笑)




フィギュアスケートの世界も同じ。5分も見れば、フィギュアスケートに対するその選手の精神のありかた、鍛錬の有無、才能や人柄までがわかる。羽生結弦の3~5分ほどの、たったひとつの演技で沼落ちする人が多いのは、そういうことです。




これもそのまんま「羽生結弦」。ソチ五輪で金とったときも、スタジオで「今何したい?」と聞かれて「4回転サルコウの練習がしたいです!」といってたのを覚えている。押しも押されぬリビングレジェンドになった今も、彼は数々の偉業は「過去の栄光」として、前進することしか考えていない。




この点については、結弦くんはとてもラッキーだったと思う。山田先生、都築先生、なな美先生、オーサー、ジスラン、トレイシー、そして城田さん。もし、これらの素晴らしい指導者たちとの出会いがなかったら…と想像するとゾッとする。どんな「先生」と出会うかがスケーターにとってかなり重要なのは、他のスケーターをみてるとよくわかるから。




最近「経年美化」という言葉を知りました。結弦くんは年々美しく、良い顔になっていってる。「当人の心がけ次第」…まさにそうだと思う。

「男の顔は履歴書、女の顔は請求書」という言葉がありますね。

男性は顔に今までの経験(苦労など)が出る
女性は顔に投資したお金(美容使う費用など)が出る

ということらしいですが…結弦くんのお顔の透明感・美しさは、元々の造形美だけでなく、彼のこれまでの生きざまが滲みでているからでしょう。しかも、美容にたくさん投資してる(請求書の)女性より美しいなんて、本当に罪な男ですよね(笑)


オフィシャル本。能登さんからもお墨付き。

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2020/10/11 11:50 | コラム・雑誌記事COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

「羽生結弦の漫画は終わらない」②~中国記事より、ゆづのメッセージが創作バレエに、ほか

「羽生結弦の漫画は終わらない」のブログ記事の2回目がUPされました。



羽生結弦はその力で、私たちに誰も到達したことのない遠くを見せてくれる。そしてフィギュアスケートを新たな高みへと導いてゆく。しかしその人生の起伏は激しく、信じられないような乱高下が繰り返されている。熱血漫画でさえこんな物語は有り得ないかも知れない。

熱血漫画でもありえないから、編集からプロットを突き返されるような人生をリアルで送っているのが羽生結弦。信じられないような乱高下が続くジェットコースター人生。私達ファンは振り落とされないように必死でしがみついている。そして、どんなに怖くても、不思議と脱落者がほとんどいないのだ。私は羽生ジェットコースターに8年半も振り回されてフラフラなのだが(笑)、それでも自ら降りたいと思ったことは一度もない。


最近、色々お騒がせのプルさん節。



マッシさんが「いいね」してます。



結弦くんのメッセージに触発された創作バレエを発表されています。


結弦のメッセージにインスパイアされたクレッシェンドの新しいダンス〜光〜。
「真っ暗なトンネルの中で希望の光を見出すことはとても難しいと思います。でも、3月11日の夜空のように、真っ暗だからこそ見える光があると信じています」



フィギュアベマは、出演者が忖度なく自由に発言してるから好き。


こういう地上波にはない視点で放送してくれるのも好き。



結弦くんが怪我をしながらも選手として長寿なのは、若いときから量より質の練習をしているからかも。



こちらは白壁通信の動画版。ありがとうございます。



10/26発売の「羽生結弦の言葉」.

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2020/09/23 17:05 | コラム・雑誌記事COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

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