羽生結弦選手についての萌え語り Part.28 ~GPS2014中国杯を終えて~
羽生 アクシデント乗り越え2位(2014.11.8 NHK)
フィギュアスケートグランプリシリーズの第3戦、中国大会で、ソチオリンピック金メダリストの羽生結弦選手は、直前の練習でほかの選手と衝突してけがをするアクシデントに見舞われましたが、2位に入りました。
大会は上海で行われ、羽生選手は前半のショートプログラム2位で、8日、後半のフリーに臨みました。
羽生選手は演技直前の公式練習で、リンクの反対側から滑ってきた中国の閻涵選手と衝突してあごなどから血を流して倒れましたが、頭にテーピングを巻き、あごにばんそうこうを貼って再び練習をして、およそ30分後に演技に臨みました。
羽生選手はジャンプで5回転倒しましたが、大技の4回転ジャンプに2回挑戦するなど強い精神力を感じさせ、およそ4分半のプログラムを最後まで滑りきりました。得点はショートプログラムとの合計で237.55で、羽生選手は1人を残してトップに立ち、得点を見て涙を流していました。このあと、ロシアのマキシム・コフトゥン選手が合計243.34をマークして優勝し、羽生選手は2位でした。グランプリシリーズ初出場の田中刑事選手は8位でした。
あの6分間練習でのハンヤン選手との衝突事件。結弦くんは、かなり長い間、立ち上がれなかった。
テレビ画面から、頭と顎から血が流れているのがはっきり見えたとき、息が止まりそうになりました。
これは棄権するしかないだろうと思いました。いや、絶対棄権すべきだと。明らかに頭を打っているのだから。
オーサーも棄権を進めていました。「健康の方が大事だ」と説得していたようです。
あの状態ではどんなコーチでも止めるでしょう。でも・・・彼は、自ら出場を強く希望した。
おそらく、私も含め、世界中のゆづファンが「お願い! 棄権して!」と願っていた・・・それでも。
一時は中断していた6分間練習にでてきたとき、もう誰も彼を止められないのだな・・・と思いました。
結弦くんは「五輪チャンピオンに相応しい演技をしたい」といつも言っていた。そう思うならなおさら・・・普通の五輪チャンピオンは棄権するでしょう。あの状態で、「五輪チャンピオンに相応しい演技」などできるわけがないのだから。ほとんどの五輪チャンピオンが、自分の金メダルの価値を下げないために、直後のワールドさえ棄権して、そのまま引退してしまう。そんな中、彼は休養すらせずに、五輪チャンピオンの看板を背負って、シーズンフル出場をしようとしているのです。でも、それは、五輪二連覇を十分狙えるポテンシャルと、19歳という年齢を考えれば、十分理解できることではありました。ただ、それと今回の強行出場とはわけが違う。
ボロボロの演技になる可能性が高い・・・おそらく、本人もそれがわかっていながら、フリーを回避しなかった。
「五輪チャンピオン」としての現役続行は、常に横綱相撲を要求される。プレッシャーはハンパではありません。
でも、三冠王のブランドを守るよりも、彼には優先すべきプライドの持ち方・美学があるのだと今回知りました。
常人とはかけ離れたメンタルの持ち主だとはわかっていたけれど。だからこそ三冠もとれたのだろうけど。
出場を決めた彼は、あのとき何と戦っていたのでしょう。不幸なアクシデントに負けそうになる自分自身なのか。
結弦くん、はっきり言います。あれは正気の沙汰ではない決断です。けれど、あのとき・・・リンクに立ったあなたには、はっきりファントムの姿が見えました。あなたの狂気とファントムの狂気がシンクロして、鬼気迫るものがあった。あの身体の状態で、滑りながら「オペラ座の怪人」を、ボーカルに合わせて口ずさんでいる姿には畏怖すら感じました。演技自体は誉められた出来ではなかったけれど、壮絶に美しかった。そしてふと気づきました。あなたはまた人々の心に残る”ドラマの主役”になってしまったことに。そうやって、これからも、あなたはいくつもの伝説を作っていくのでしょう。いいことも悪いこともひっくるめて、あなたがそれを望む望まないにかかわらず・・・それが”羽生結弦がもってうまれた星”なのだなと・・・またあらためて理解させられました。
あなたに、どんな逆境にも負けない強さがあったからこそ、今の”羽生結弦”があるのだということはわかってる。でも、なぜでしょう。あなたの”強さ”を、ときにとても痛々しく感じてしまうのは。でも、そんな部分も含めて、ファンはあなたを愛しているのです。もう少しだけでいい。どうか・・・自分の身体を労わってほしい。あなたは、「五輪金メダルが終点でなく、ひとつの通過点にすぎない」といっていますね。それなら、これから先のアスリート生命を危険にさらすようなことは避けてほしい。無理をして、万が一取り返しのつかないことになったら、そこであなたのアスリート人生は終わってしまうのだから。あなたの勇気とアスリート魂にあらためて感動させられた。誇りに思う。それでも・・・あなたの健康より優先するものなどないのです。どうか・・・どうか生き急がないで。
SP・FSともに、失敗したのに点数が高すぎる・・・という声が一部にあるようです。
今回の彼の演技は、アンチの絶好のネタでしょうし、フィギュアに詳しくない人もそう思うかもしれない。
でも、彼の過去のプロトコルと照らしあわせれば、決して不当に高い点数ではないとわかるはずです。
まずショート。昨季の彼のジャンプ基礎点は30.76.。今季は30.94です。上積みはわずか0.18。
ですが、今回のショート、最初のイーグルサンドの3Aには、GOEが満点の3.00がついています。昨季までのカウンターからの3Aでも、満点のGOEはでたことがなかったはず。それほど、すごい技を取り入れている。
ノーミスならば、SP100点超する技術をもっている選手。昨季の101.45を超えるプログラムになるはずです。そこからマイナス20点のスコア。満点からミスした分をマイナスしていけば、納得できる点数なのです。
次にフリー。昨季と今季のジャンプ基礎点を比べてみます。今季の方が約5点ほど高くなってます。
昨季 : 4S(10.5) 4T(10.3) 3F(5.3) / 3A-3T(13.86) 3A-2T(10.78) 3Lo(5.61) 3Lz-1Lo-3S(11.77) 3Lz(6.6) 合計 74.72点
今季 : 4S(10.5) 4T(10.3) 3F(5.3) / 4T-2T(12.76) 3A-3T(13.86) 3A-1Lo-3S(14.52) 3Lo(5.61) 3Lz(6.6) 合計 79.45点
昨季のロミジュリ、一番髙かったTESは、ファイナルの102.03です。このとき、彼はノーミスではありません。4Sの転倒、最後のスピンのぐらつき・・・2ミスでも100点を超えたのです。TES番長といわれる所以です。
一番高いときと比較してもわかりずらいので、一番出来の悪かったときのTESと比較してみます。
2012-2013 スケートアメリカ TES 72.11 PCS 79.56 減点 -3.00 合計148.67 フリー3位
2014-2015 中国杯 TES 75.58 PCS 84.02 減点 -5.00 合計154.60 フリー2位
2012年のスケアメの結弦くんのノートルダムドパリは散々なものでした。転倒は3回で、今回より少ないものの、見ていられないほどのグダグダっぷりで、シニアに上がってからの羽生結弦史上最悪のフリー演技だったと思います。しかし、ここで恐ろしいことに気づきました。このときのTESが72.11。このときのフリー2位が町田選手。1転倒はあったものの、それほど悪い出来ではなかった。にも関わらず、町田選手のTESは75.03。結弦くんと3点ほどしか違わない。どんなにグダグダな演技をしても、一定のTESを稼げる・・・これが羽生結弦の底知れなさなのだと思います。
ただ、2012年スケアメの自爆演技は、彼が自分に負けてしまったのが理由でした。でも、今回の演技は、彼が自分に打ち勝とうとして立ち向かった末のもの。だから、スケアメと違って、見る人の心を打つのです。
今回も、プロトコルを見れば、3ループのみ回転不足をとられていますが、それ以外のジャンプはすべて回りきっています。二つの4回転も転倒はしても認定されている。今のルール上では、転倒しても回りきれば基礎点はもらえます。よく「抜けはコケより痛い」と言われますが、それが今のルール。おそらく・・・パーフェクトに演じれば、TESが110点にも届くかもしれないお化けプログラムです。自分のジャンプの状態をみて、後半の4T-2Tは無理をせず、3Lz-2Tに変えてきました。あの極限状態で、そういう冷静な判断ができる、そして意地でも回りきる・・・それが彼がここまで上りつめることができた要因でしょう。
よくお邪魔するフィギュアスケートに大変詳しいスケオタブログ゙の管理人さんが、「羽生が5回コケてこれだけの点数を出したことは議論の的になると思います。TESはこの構成でパーフェクトにいった場合の105点ぐらいから逆算していけばこんなものだと思います。転倒の-GOEで13点、コンボの3T後半でで4.5、レベルの取りこぼしで4点、他のGOEでなんやかんやでこんなもん」と言ってくださっていて、嬉しかった。フィギュアスケートのルールはわかりにくいので、見た目の印象だけでとやかく言われがち。「ジャンプを着氷しても、抜けたり、回転不足でDGとられるより、回りきって転倒した方が点数が高い」なんて、一般の人は普通知らない。でも、プロトコルを細かく見れば、納得いく点数のはずです。ちなみに、このブロガーさんは結弦くんのファンというわけではありません。第三者的な立場からの言葉だっただけに、よけいありがたかったです。
彼はエキシビションを欠場。日本に帰って精密検査を受けるようです。異常がなければNHK杯には出場すると。
足も痛めたようなので、休んでNHK杯は欠場してほしい・・・が本音です。でも・・・よほどのことがない限り、彼を止めることはできないことはもう理解しています。今は、ただ、検査の結果に大事がないことを祈るばかりです。
心が動揺していて、かなりとりとめのない文章になっていると思います。でも、他のことも手につかないので、せめて今の気持ちを書きとめておこうと思いました。長い上に乱文ですが、ご容赦ください。
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2014/11/09 11:35 | 2014-2015 season | COMMENT(19) | TRACKBACK(0) TOP