羽生結弦選手 「The Final Time Traveler」 二つの震災への想い

ニコニコ動画で、「The Final Time Traveler」の英語の詞と、その日本語訳をつけて、ファイナルのエキシビション動画をあげてくださった方がいました。動画主様、ありがとうございます。

「サラさんの歌声綺麗だな~」とか「結弦くんの演技が素敵~♪」とか、ウットリと見てはいましたが、これまで、その歌詞の意味まではあまり気にしてしませんでした(そんなアホな子は私だけかもしれませんが)。

で・・・こういう素敵な動画を発見したのもいい機会なので、今更ですが歌詞をちゃんと見てみることにしました。
英語の詞と、その日本語訳を、以下に書きとめておきます。日本語訳は動画からお借りしています(汗)
なお、右下にある吹き出しマークをクリックすると流れるコメントが消え、字幕や演技が見やすくなります。

      


What if this world could become a lie  もし この世界が偽りだとして
and everything we knew would vanish in a sigh  全てのものが 一息で吹き消されてしまっても
Still I would close my eyes  私は目を閉じればいい
your voice travels wherever I go.  あなたの声は どこにいても伝わってくるから

What if this world could become a lie.  もし この世界が偽りだとして
If any moment you could fade out of sight.  一瞬であなたが 目の前から消えてしまっても  
Drifting through the abyss of itme  永劫の時を彷徨う
yet all your memories breathe inside me.  あなたの記憶は全て生き続ける 私の中で

Look around beauty here abounds  ここに溢れている 美しさを見つめながら
Lying in the dark waits a treasure to be found.  暗闇の中で 大切なものが見つかるまで待ってる

So I'll try to defend this lie  だから 私はこの偽りを守るの
I silently surrender  静かに 身をゆだねて
and leave this world behind  この世界が 過ぎ去っていくままに

ah
When life is but a dream  それは ただ見ていた夢

Still I try and remember why  でも 忘れない
Chasing after memories from a time gone by.  あの日の記憶を 追いかける

There we were speaking the unheard  私たちが描いていた
Visions of a future that one day may be lost.  未来の地図を 失ってしまったとしても

ah
And life begins to dream  そこに生まれたのは 夢


この「The Final Time Traveler」は、時を超える力を持つ人々が主人公のアドベンチャーゲーム「タイムトラベラーズ」のエンディングテーマです。英語の詞は、サラさんが、登場人物の”みこと”の視点を中心にしつつ、“守るべき人のため”という、登場人物全員に共通するテーマをもとに詞を書かれたそうです。
そして、「タイムトラベラーズ」のディレクターであるイシイジロウさんが、阪神大震災の20周年にあたる1月17日に、ツィッターでこんなことをつぶやかれていました。 (https://twitter.com/jiro_ishii

忘却されていく阪神淡路大震災をテーマに『タイムトラベラーズ』を作ろうと思った。シナリオが完成した翌日、東日本大震災が起きた。どうすべきか本気で悩んだ。企画を、シナリオを全て捨ててしまおうかとも思った。十数年間見続けてきた阪神淡路に対して、今起きた東日本大震災はまったく消化できていなかった。しかし最終的に、自分自身が持つ”忘却されていく阪神淡路大震災”に対する思いは間違っていないと信じて作品を完成するに至った。今回、羽生結弦選手がGPファイナル・エキシビションにタイムトラベラーズを選んでくれた事。あの時に悩んでいた自分に伝えられるのなら伝えたい。   イシイジロウ (@jiro_ishii)   2015, 1月 17日

阪神淡路大震災から20年。結弦くんも20歳。阪神大震災をテーマに作られた「タイムトラベラーズ」のテーマ曲を、東日本大震災の被災者であり、阪神大震災とほぼ同時期に生まれた結弦くんがプログラムとして選んだことは、なるべくしてなった運命のように感じます。結弦くんにしか演じることができないプログラムですよね。そして、それを前提に、この歌詞を見なおすと、さらに深い意味を見いだせるかと思います。

全てのものが一瞬に吹き消され、大切な人が目の前から消えてしまっても・・・私の記憶の中で生き続ける
あの日、思い描いていた未来図をすべて失ってしまったけれども・・・それでも夢は失わない


多くのものを失ったけれど、希望を失わずに生きようとする・・・切なさと同時に強さを感じる美しい歌詞です。
この歌の歌詞や背景を知って、結弦くんの演技を見ると、彼の想いがさらに伝わってくるように感じました。


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2015/01/23 08:20 | 2014-2015 seasonCOMMENT(12)TRACKBACK(0)  TOP

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