メダル・ウィナーズ・オープン 2016 鑑賞記 男子シングル編

「メダル・ウィナーズ・オープン 2016」の感想、男子シングル編です。

男子のプロトコルはこちら → http://www.jsfresults.com/InterNational/2015-2016/mwo/data0105.pdf

では、簡単に感想など。

ジェレミー・アボット  プログラム : ミュージカル「レ・ミゼラブル」より
着氷こらえたジャンプはありましたけど、無難にまとめました。プロトコルみると、技術点は1位。スピンはすべてレベル4というあたりが、やっぱりまだ現役に近い選手の強みでしょうか。スケ―ティングも美しいですし、優勝は順当かなとは思います。

ジョニー・ウィアー  プログラム : 仮面舞踏会
たっぷりとした袖のヒラヒラブラウス、黒いベスト、膝までのパンツに黒いタイツ。宮廷の舞踏会服っぽい衣装でした。仮面を小道具に使うとか、もう、この際メイクをもっと派手にするとかしてくれてもよかったのに(笑) ジャンプは3AがDGの上に転倒で、技術点は伸びませんでしたけど、演技自体はよかったと思います。観客からバラの冠と花束をプレゼントされてました。

イリヤ・クーリック  プログラム : 「ラベンダーの咲く庭」より 
最後のルッツにお手付きはありましたが、ジャンプの要素は全部決めて、そんなに悪いデキには見えませんでしたが、総合で最下位だったクーリック。ジャンプは決まっても、スピンのレベルがとれてなかったりと、旧採点時代の選手に新採点で評価されるとやはり厳しいのかもしれません。まあ、PCSが一番低いのも何気にわからないでもありませんでした。ジャンプ飛べればよかった旧採点と違って、男子であっても大味な演技ではPCSがかせげない時代になりましたから。クーリックは、NYOIの初日も、変な日本語の楽曲に、やっつけ仕事の振付で演技させられたりと、レジェンドスケーターなのに、なんかいろいろ気の毒でした(笑)

ジェフリー・バトル  プログラム : Cry Me A River
ジャンプの調子がイマイチで、技術点最下位にもかからわず、PCSはトップだったバトル。でも、PCS1位は当然というか、そうでなかったら、逆におかしいと思いました。そういう点では、男子版コストナー(笑) 男の色香が漂うバトルの世界観に引き込まれました。今回の男子演技者中、唯一「魅了された」演技でした。電光掲示板をみたら、振付師はウィルソンになっていて、「あら? 自分で振付したんじゃないのね」と思いましたが・・・現役時代、ウィルソンの”ミューズ”はバトルだと言われていたようですが、このバトルの演技を見ると、なんとなく納得です(笑) とすると、今のバトルの”ミューズ”は結弦くんなのかしら?(笑)

織田信成  プログラム : 愛の夢
ジャンプはすべて綺麗に決めたけれど、なんでもないステップで尻もちをついてしまい2位でした。四回転を回避したのは、右ひざの手術で練習が十分ではなかったからでしょう。でも、今の彼のできる力を十分に発揮してくれたと思います。

で、結果は以下のとおり。アボット、初優勝です。

1位 ジェレミー・アボット  85.44(TES:40.14/PCS:45.30)  賞金45000US$
2位 織田信成  83.82(TES:39.72/PCS:45.10)  賞金40000US$
3位 ジェフリー・バトル  72.76(TES:27.71/PCS:46.05)  賞金35000US$



かなり以前(2010年8月31日)、日経新聞朝刊に掲載された、荒川静香さんのコラムです。

【競技者か 芸術家か】
フィギュアスケート選手には大きく分けて2つタイプがあると、プロになって気づいた。勝負事、試合の緊張感が好きな"アスリート"タイプと、自分のスケートに没頭し表現することが好きな"アーティスト"だ。

私見だが、両方の性質をバランスよく備えた高橋大輔選手はまれな存在。浅田真央、安藤美姫ら日本の選手は試合が好きな"アスリート"が多い。「競技は好きではない」というステファン・ランビエール(スイス)や、私は"アーティスト"、金妍兒(キム・ヨナ、韓国)も同じで表現力を生かすために合理的な試合戦略をとるのだろう。

"アーティスト"にとって試合は時に窮屈だ。試合のプログラムは点がとれるように要素を入れることが最優先。ジャンプ、スピンなどが曲とあっていなくても、いれざるをえない。順位への重圧で表現に没頭できない時もある。その点、ショーでは曲に合わせて技を選ぶことができ、自分の表現したいようにできる。私は一つ一つ音を聞いて演技するようになった。

競うプレッシャーから開放されると、自分の限界に挑戦というか、純粋にスケートに打ち込める。プロになったランビエルが4回転ジャンプを跳ぶのはそれが理由だろうし、私も3回転-3回転の連続ジャンプなども楽しく練習できている。

「なんで試合にでないの。こんなにできるのに試合で使わなきゃもったいないよ」。今夏、ショーで共演することが多かったトリノ五輪金、バンクーバー五輪銀メダリストのエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)に言われた。彼はエンターテイナーだが、"アスリート"気質が強い。私が「ショーの世界が好きなの」と言うと不思議そうな顔をしていた。(以下略)



この荒川さんのコラムは、具体的な選手名をあげているため、いろいろ物議を醸しだしたようですが・・・(笑)
まあ、引退してから、こういう競技会にでてくるスケーター(中には、出稼ぎ目的で仕方なく・・・という海外スケーターもいるかもしれませんが)は、アスリート気質が強いタイプなんだろうなとは思います。このコラムで、”アスリートタイプ”として名前があがってる安藤さんが出場してるのも、そういう意味では納得ですし、織田くんや、バトル、ロシェットなどが毎回出場してるのも、引退後の技術レベルの維持にすごく努力してるスケーターだからだと思います。浅田さんが復帰した理由も、「試合が恋しくなった」でしたよね。プルシェンコも典型的なアスリートタイプでしょう。身体さえ若くて健康なままなら、一生現役でいたいタイプじゃなかろうか(笑) 

このコラムを書かれた当時(2010年8月)はまだ結弦くんがシニア1年目なので、当然名前はあがっていませんが、「アスリートとアーティスト、両方の性質をバランスよく備えた」スケーター・・・もし、今、荒川さんが名前を一番にあげるとしたら、間違いなく結弦くんではないでしょうか。

では、結弦くん、引退したらWMOに出場するのかしら?・・・と、想像してみました。まあ、30代半ばくらいになったらでてもいいと思う。少なくとも、20代の間は出ちゃダメ! 他のスケーターに不公平すぎるから(笑)


  NYOI2016-2 NYOI2016-1

  MWOとNYOIのパンフレットは共通です。赤表紙と白表紙がありました(中身は同じ)。赤表紙の方を購入。
  結弦くんのページは5ページ。一番ページ数が多く、やはりメイン扱いでした。
  宮原さんと宇野選手の対談ページが2ページありました。これはなかなかレアですね(笑)


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2016/01/20 13:30 | 2015-2016 seasonCOMMENT(9)TRACKBACK(0)  TOP

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