2016年ヨーロッパフィギュアスケート選手権 雑感

2016年のヨーロッパフィギュアスケート選手権が終わりました。こちらも、Jスポーツで生放送されました。
時差の関係で、放送がけっこう厳しい時間帯のが多かったので、男子は録画したものを視聴。女子のSPは全部ライブで、FSは、頑張って朝5時起きして、なんとか最終グループのライブに間に合いました。(笑)

では、まず男子の結果です。順当に・・・というか、圧倒的点差で、ハビくんユーロ4連覇です。

<男子シングル結果>
1 ハビエル・フェルナンデス(スペイン) : 302.77(SP:102.54/FS:200.23)
2 オレクシイ・ビチェンコ(イスラエル) : 242.56(SP:84.09/FS:158.47)
3 マキシム・コフトゥン(ロシア) : 242.21(SP:88.09/FS:154.12)


フェルナンデス
総合得点で2位と60点差・・・!! ソチ五輪前、「3回コケてもチャンが勝つ」なんて言われた時代がありましたが、ユーロに限定すれば、フリーで5回コケても、ハビくん楽勝で優勝だね、これは(笑)

ハビくん、ファイナルからジャンプ構成をあげてきました。まず、ショートで四回転をひとつからふたつへ変更。これで当然基礎点はUPします。さらに、フリーは、ファイナルまでは、4Sと3Tを2回ずつの構成だったのを、4Sと3Aを2回ずつに変えてきました。ファイナルでは74.75だったフリーのジャンプの基礎点が80.96にUP。これは、ファイナルの結弦くんのフリーの基礎点を超えるものです。

で、演技内容ですが、ショートは神プロですね。スペイン人がマラゲーニャ。結弦くんは和プロだし、クリケットは今シーズンはこういう路線なのでしょうか(笑) スペイン国立バレエ団の芸術監督であるアントニオ・ナハーロフ振付ということで、リキが入ってます。4S-3Tがステップアウト。それ以外は良かったのではないでしょうか。

そしてフリー。ジャンプに3つのミス。まず、冒頭の単独4Tお手付き、3Aが転倒、3Loが着氷乱れ。
ハビくん、転倒ありで、PCSで10.00をだしたジャッジが4人いたそう。本当に最近、点数がインフレしてますね。

ピチェンコ
私、この選手知りませんでした。クワドがSPで1本、FSで2本の構成。2位といっても、1位と総合で60点差。他の選手がフリーでけっこう自爆してたので(笑)、一応クワドが入って、そこそこまとめたピチェンコが2位ゲット!という感じでした。格式はユーロが上だけど、全体的な選手のレベルは四大陸の方が上ですね、今は。

コフトン
SPは、クワドコンボと単独クワドの2種入りましたが、3A転倒でした。で、フリーはステップアウト、転倒、抜けと、3本のクワドに全部ミスがでて、後半なんとか立て直したものの、SP2位から順位を落としました。コフトンも、かなり前から2種クワドもちなのだけど、なかなか安定しません。解説の岡部さんが「ジャンプの踏切り前に身体が前傾しすぎている。」「(ステップシークエンスで)よく動いているが、感情が入っていない。観てる側に今一つ伝わるものがない。」とシビアに指摘。そういえば、全米でも、杉田さんが、某選手に対して「こんなレベルの男子選手が、全米に出場できるんですね~」なんて、けっこうキツイこと仰ってました。ジャッジ目線での辛口解説はJスポーツならではで、地上波にはない解説者の本音が聞けるとこが面白いです。

男子でトップグループに入ろうとすれば、ショートでクワド2本必要、クワド2種類なければ戦えない・・・みたいな雰囲気になっています。クワド2種もちが有利なのは確か。でも、2種もちのアドバンテージって、やはり他のジャンプがちゃんと跳べてこそ。今季のワールドの表彰台争いしそうなメンバーをみても、2種もちスケーターは、結弦くん、ハビくん、あとはせいぜいボーヤン(3種もち)くらい? イスラエルのサモヒンは、フリーでクワド3本着氷しましたが、TES73点で、クワドレスのイタリアのレギーニのTES77点におよびませんでした。やはり総合力がなければ意味がない。まあ、フィギュアがただのクワド大会になったら、それはそれで困りますが(笑)


<女子シングル結果>
1 エフゲニア・メドベージェワ(ロシア)  215.45(SP:72.55/FS:142.90)
2 エレーナ・ラジオノワ(ロシア) 209.99(SP:70.96/FS:139.03)
3 アンナ・ポゴリラヤ(ロシア) 187.05(SP:63.81/FS:123.24)


メドベージェワ
SPは2Aをステップアウトしました。 FSでも2A転倒です。それでも、SPもFSも、TES・PCS、すべてトップです。転倒があったにも関わらず、インタープリテーションで10.00を出したジャッジがいました。解説の岡部さんが、「転倒で10.00だすのはいかがなものか」みたいなことを仰ってましたが、ハビくんも、転倒で10.00だすジャッジが4人もいたので、まあ不思議ではないですね。ジャッジの高評価が固まると、転倒してもあまりPCSに影響しなくなるのは、これまでもありましたが、それでも10.00の安売りはやめてほしいかなとは思います(笑)

ジャンプの質がタクタミのようにいいわけではありません。そのかわりタノを多用してますが、いつもメドベを誉めてる岡部さんでさえ、以前「彼女のタノは美しくない」と仰っていたことがあります。私も、彼女のタノは、おそ松くんの「シェ~」にしか見えませんが(笑)、美しかろうがなかろうが、加点要素にはなります。繋ぎが多く、ジャンプは、1.1倍のボーナスがつく後半に固める。現在のルールの枠組みの中で、効率的に点がとれる戦略的なプログラムで、それをちゃんとこなしています。ただ、今のバンビのような体型だからこそ跳べてる感じは否めないので、ロシアンタイマーが作動したらどうなるんだろう・・・と思ってしまいますが。

ラジオノワ
ジャンプはすべて着氷。根性おりっぽいジャンプが多かったけど、一応ノーミスでした。でも、ミスのあったメドベに及びませんでした。メドベとの直接対決は、今季4度目かと思いますが、ロシア大会で勝ったものの、それ以降、ファイナル、ロシアナショナル、ユーロと3連敗で、1勝3敗。待機室、表彰式での、ラジのやさぐれ感がすごかった(汗) メドベの点がでた後、ブスっとした顔でひたすらスマホをいじっていたラジ。ボゴとメドベが待機室でなごなごしてる横で、メドベをガン無視。表彰台でも、ほとんど笑顔がありませんでした。昨季、タクタミに負けても、待機室でタクタミとなごなごしてたことを思うと、ラジ的に、メドベとの点差が納得いかないんでしょう。

今季のメドベのように、シニア1年目の選手にシニアトップクラスのPCSがでるのは異例なこと。今やPCS上も、完全にメドベより格下扱い。そりゃ、ラジとしてはおもしろくないですよね。メドベと同じように繋ぎは多いけど、メドベ比べるとラジの方がバタバタしてる印象は残ります。メドベの方が緩急のつけ方がうまいかなと。でも、ソトニコワ、タクタミ、リプと、ロシアの主力選手が続々と沈んでいく中、ラジはよく踏ん張ってると思います。

ボゴリラヤ
SPでジャンプミスあり、FSでも2転倒。ボゴの転倒はダイナミックなので心身ともにダメージが大きいんでしょう。転倒した後、崩れることが多いのですが、今回はなんとかまとめて、3位に。ただ、メドベとラジはワールド出場が決定してますが、3枠目はまだ未定です。ボゴははたしてワールドに出場できるのか。表彰台にはのったけど、SPとFS合わせてジャンプを3つミスしたのが痛い。おそらく、タクタミのテストスケート待ち?


2016 ユーロ選手権


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2016/01/31 10:40 | 2015-2016 seasonCOMMENT(7)TRACKBACK(0)  TOP

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