羽生結弦選手出演「殿、利息でござる!」の感想
結弦くんの初出演映画「殿、利息でござる!」を、レディースデイに見てきました。
レディースデイということで、女性の姿が多かったですが、年配の男性の姿もチラホラ。
この映画はいいポジションの座席で観たかったので、ネットで予約していきました。
あらかじめ、原作の小説や雑誌「シナリオ」で台本も読み予習はバッチリだったので、面白い映画だというのはわかっていましたが、実際に映画という形で肉付けされ、映像で見ると、予想以上に面白い出来上りになっていました。
宣伝などを見ると、コメディ一色かな?という印象を受けますが、もちろん「クスッ」と笑えるコミカルな部分はあります。けれども、それだけでなく、吉岡という宿場の人々の、清廉な精神や温かい人情にホロリとさせられる部分の方が多いのですね。その両者のバランスが絶妙でした。テンポもよく2時間飽きさせません。
特に・・・先代浅野屋甚内から受け継がれた吉岡再生の宿願を、妻のきよと息子の甚内が打明ける場面には目頭が熱くなりました。泣かせます!
もちろん、最初から村の心がひとつだったわけではありません。でも、お上からの負担によって吉岡が疲弊していく姿を心から憂いていた穀田屋十三郎。そして、吝嗇だと村中が誤解していた浅野屋甚内一家。彼らの無私の心が、徐々に村全体に伝染していくのです。善意がまた新たな善意を生み出していく様は、心洗われるような気持ちにさせられます。そして最後はお上の心も動かすのです。
日本は「恥の文化」というけれど、「廉恥」(心が清らかで恥を知る心が強いこと)が庶民の隅々にまで行き渡っていた古き良き時代。支配階級目線ではなく、被支配階級目線で描かれているのも興味深かったです。お役人の保身とか事なかれ主義は今も昔も変わらないけれど、何度も壁にぶち当たりながら「一念岩をも通す」で不可能を可能にしていく人々の姿に胸を打たれました。
穀田屋十三郎役の阿部サダヲさんが主役ですが、弟の浅野屋甚内役の妻夫木聡さんがかなり美味しい役どころだったなあと思います。しっかり演技のできる俳優さんばかりで、安心してみることができました。強いていえば・・・千葉雄大さんが、いくつもの村をとりまとめる大肝煎役としては少し若すぎるのでは?と、見てるときは、そこが少し気になりました。周囲がベテラン俳優ばかりですからね。でも、あとで調べたら、彼は、宮城出身で仙台の高校に通っていたようで、それゆえの抜擢だったのだなと、納得しました。
で・・・われらが結弦くんです! 映画の終盤で、浅野屋で8人の出資者が集まっているときに、誰かが店に入って来た様子・・・「来た!来た!来た!」と心の中で叫んでしまいました(笑) 演技は・・・はい、バッチリです!!
アスリートの初出演映画とは思えない出来でした。やっぱり彼は勘がいいんですね。若々しくて、爽やかで、凛とした殿さまを、見事に演じていたと思います。監督さんのいうとおり、「役を身体に沁み込ませて」臨んだんですね。
映画を観た動機は結弦くんだったけれど、それを別にしても、とてもいい映画です。映画をみて、目頭が熱くなるなんて、久々の経験でした。日本人の美意識、美徳のすばらしさを再認識できる映画です。昨今の政治家に見てもらいたい。特に、最近では、税金をネコバンバしてた某都知事とか!(笑)
ということで・・・この映画、超おススメです!! DVDでたら、買いたいと思いました(笑)
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2016/05/19 12:10 | 2015-2016 season | COMMENT(11) | TRACKBACK(0) TOP