羽生結弦選手にとってのパトリック・チャンとは

以前の記事でも書きましたが、結弦くんはGPSの初戦で優勝したことは一度もありません。
デイリーでも、GPSのスケカナ後に、こんな記事がありました。

羽生結弦は及ばず、2位 なぜか鬼門のGP初戦、7年連続V逸(2016.10.30 デイリースポーツ)
「フィギュアスケート・GPシリーズ・スケートカナダ」(29日・ミシソーガ)


 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)4位と出遅れたソチ五輪金メダリストの羽生結弦(21)=ANA=はフリートップの183・41点をマークし巻き返したが、総得点263・06点で2位に終わった。SP1位のパトリック・チャン(カナダ)が266・95点で連覇を達成した。

 もはやフィギュア界の大きな謎の一つといっていいかもしれない。SP4位から巻き返した羽生だったが、チャンには届かず2位。GPシリーズ初戦は、2012年から5年連続2位で、10年のシニアデビューから7年連続のV逸となった。

 羽生の2010年意向のGP初戦シリーズ初戦成績は次の通り。

 2010年 NHK杯 4位
 2011年 中国杯 4位
 2012年 スケートアメリカ 2位
 2013年 スケートカナダ 2位
 2014年 中国杯 2位
 2015年 スケートカナダ 2位
 2016年 スケートカナダ 2位


 シニアデビュー以降、出場大会では37戦17勝と、5割近い勝率を誇るが、なぜかGP初戦は鬼門となっている。ただ、初戦の悔しさをバネにしていくのもまた、羽生の真骨頂。昨年はGP2戦目のNHK杯、そしてGPファイナルと世界記録の得点を連発した。

 例年同様、次戦のNHK杯(11月・札幌)、そして4連覇の懸かるGPファイナル(12月・マルセイユ)で巻き返しを狙う。



ファイナルは6回出場、そのうち5回表彰台。現在4連覇中だというのに、予選のGPSは14回出場して優勝はたったの4回。しかも、そのうち3回はNHK杯で、アウェーでの優勝はロシア杯1度のみです。ソチでも金メダルとったし、そう考えると、結弦くんはロシアとは相性がいいのかもしれません。

スケカナはチャンに3連敗ですが、チャンが休養していたシーズンだけはスケカナではなく、第一戦は中国杯でした。カナダ拠点の結弦くんが中国杯をわざわざ希望するとは思えず、今から思うと、唯一生中継ができる中国杯に”羽生結弦”をだしたいという、テレ朝側の事情が大きかったのではないかなという気がします。あれが中国杯でなければ、あの衝突事故もなかったので、ちょっとテレ朝に怒りを感じてしまうのですが(笑)・・・まあ、それはさておき・・・2013年以降、GPS初戦は、4回中3回がスケカナです。

もちろん、一番の理由は、拠点がカナダだから・・・というのが大きいでしょう。特に昨年のスケカナの開催地は、クリケットととても近かったらしい。とはいえ・・・時差ならアメリカでもさほど変わらない気がするし、毎年カナダでなくてもいいような気がします。スケアメの方が、点数の出方が優しいですしね(スケカナは、男女問わず、わりと点数の出方がシビアです。地元選手以外は)。

ソチシーズンの2013年6月、結弦くんはこんなことを言っていました。

僕にとってパトリック選手というのは、まだまだ太陽のような存在

そしてそのシーズン、スケカナでチャンに敗れ2位になったとき、結弦くんはこう言っています。

太陽の光をもらったからこそ、その下に映る(自分の)影が見えて、
過信だとか、またはまだまだ足りないところだとか、
そういった影の部分が見えたからこそ、
自分自身が光っていけるようなスケートをしなくてはいけないなと


勝手な想像ですが、スケカナを選ぶのは、チャンがいるから・・・というのも一つの理由なのでは。
結弦くんにとっては、チャンは煌めく太陽の光。その光にに照らし出される自分の影の中に、自分に足りないところ、これから克服しなければならない課題を見つけてきた。それは、たぶん今も。

カナダでチャンに勝つことは難しいからこそ、あえて困難な道を選ぶ・・・それは、とても”羽生結弦”らしいなとも思うのですよね。楽に勝てる相手では、彼にとっては、たぶん勝利の意味がない。

カナダナショナルで、チャンが優勝、2位はケビン、3位がナムくんでした。
ケビンくんが復活、ナムくんも一時期よりは復調してるのはなによりですが、やはり国内大会ではチャンは強いですね。ソチ前と違って、若手の追い上げもきつく、昔のように「3回転んでもチャンが勝つ」ような時代ではなくなりました。昨年のファイナルで、あれだけの点数をショートでだしながら、フリーで失速して表彰台を逃したチャン。以前なら考えられないことですが、SPとFSをまとめれば、まだまだトップグループで戦える人です。昔はチャンのストーカー(笑)と言われたくらいチャン大好きな結弦くんのためにも、まだまだ健在でいてほしいなと思います。


skate canada 2016



人気ブログランキングへ

関連記事

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2017/01/25 12:40 | ゆづ語り(2016-2017)COMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

 | BLOG TOP |