昨年の2月頃にUPされた古い動画ですが、クリケットの母・トレイシーが、結弦くんについて語っています。まだ知らない方のために紹介します。以前から紹介したいと思いつつ、のびのびになっていましたが、今年の世界選手権を迎える前に・・・と思いました。
Tracy Wilson Talks to TSL about Working with Yuzuru Hanyu & Yuna Kim
動画サイトのコメント欄で、翻訳をしてくださっています。
結弦くんに関する部分だけお借りしました。注目ポイントを太字にします。
翻訳の全部を読みたい方はこちらまで。
D=デイヴィッド T=トレイシー・ウィルソン J=ジェニー
D: 氷上とオフアイスの羽生選手について語って下さい。
T: 熟練した選手ですが、学ぶ姿勢を崩さない謙虚な心の持主。若くて面白く、よく笑い、真っ先に他の選手を祝福し応援します。ストロークのクラスでは自分を極限に追い込んで練習。リンクから上がる際、氷に触れ一礼し感謝を表し、他のスケーターには敬意を払います。何年前か、進路の邪魔をした選手がいました。その選手は確か音楽をかけていました。二人とも足を止め、その選手が怒鳴り始めたので止めに入りましたが、なぜか先に謝ったのはユヅ。「すみません、すみません」と頭を下げて。相手は歳下でした。国の異なるスケーター達にとって良いお手本です。ユヅとハビエルはトレーニング仲間ですが、二人ともとても紳士。他のスケーターに親切で模範的。皆の心が温まり、力になります。弱肉強食ではなく、お互いを見守り学び合っています。ユヅが氷に乗ると、あっと言う間にリンクを周りバーンと3Aを跳び、お早うみんな!そんな風に素晴らしい。可能性というものに気付かせてくれます。
J: 今季は超越した凄さでフィギュアスケート界のレベルをひとつ上げましたね。一つ気付いたことですが、内反足気味なのかラインが伸び切っていません。つま先を伸ばすよう練習中に助言したりなさることは?
T: 勿論あります。ユヅはラインやエッジワークの美しいスケーターです。より大事なのは、プログラムに何を入れたいか。4回転を一つだけ、3Aを二つ、あとは3回転の構成なら、もっと身体のラインを見せられるでしょう。でも何もかも入れるとなると、肉体的、感情的、精神的疲労が激しい。体をリラックスさせるパートが必要になります。世選にまでにラインを改善したいと思っています。元々ラインは美しいし、ジャンプを全て飛んだ上でそれを付け加える能力もあるので。今の所、後半に備えて合間合間に体をリラックスさせていますが。4回転がもう一つと3A二つがありますからね。
J: 今季は3回転のミスが少なくなり、プログラム終盤でさほど息切れをしていませんね。以前は最後に失神しそうなほどでしたが。この二点について今季、どんなトレーニングを?
T: トレーニングは質が重要。完璧なトレーニングが選手を作ります。何も考えずに練習するのはだめ。その意味や要点に注意することです。プログラム中にジャンプ以外の事を考える暇はありません。プログラム外の練習を確立すべき。3回転の準備運動も、ただのウォームアップではなく、フリーレッグ、頭や身体の位置、ストロークなど、細かい部分を意識すること。その上でプログラムに組込む。リンクで下を向いて練習しているスケーターは、競技になると急に頭を上げますが、それって違いますね。ウォーミングアップとFSで突然パターンが変わるようではだめ。トレーニングの質とはこういうことです。
結弦に何をしろと言う必要はあまり無いですね。自発的に来ます。スケートカナダの後、こう言って来ました。3Lz+3Tと4回転は良くないと思う。FSで冒頭に4回転を二つ跳ぶのは慣れているので、それを[SPで]やりたい、と。驚いたけどOKしました。こんな具合です。ユヅは自分自身を知り抜いています。
D: ジョシュア・ファリスやガブリエラ・パパダキスの件で今季は脳震盪が話題です。昨季は中国杯で羽生が未曾有の衝突事故で脳震盪を起こしましたね。脳震盪について学ぶことが多いですが、あの時、出場したのは今振り返ると正しかったと思いますか?
T: 出場許可を受けたと聞いています。ブライアン(オーサー)は無理しないよう言い渡していました。でもアスリートはやはりアスリートですから。バックステージでテストを受けた後、滑走許可が下りました。ブライアンが少しでも疑問を感じていれば結弦が氷上に立つことはありませんでした。話し合いがあり検討され、筋が通っていた。日本語を話し通訳できるトレーナーもいたので、ブライアンはよしと判断したのでしょう。ブライアンをよく知っている私の答えはイエスです。出場して正解でした。
J: 自己最高の演技を二度続けた後、全日本で少し調子が落ちましたね。どのスケーターにもどうしても体の調子が少し落ちる時があります。コーチとして、どのように調子を上げますか?昨季の世選の悔しさは、どれほど今季の力になっていますか?
T: あの悔しさが今季の原動力になっています。それとスケートカナダで味わった悔しさですね。悔しさをエネルギーにする、それがチャンピオンです。「あー僕はダメだ…」とはならない。ユヅは私を見て「悔やしい」と言いました。「何ですって?」と聞き返すと「悔やしいです。どうやったら…」。そんな時、ブライアンはやり手ですよ。歴戦のスケーターとしてコーチとして、選手にかけるべき言葉を見つける才能があります。スケーターはそれぞれ違うのでバランスの良いトレーニングプランを立て、その選手に合った大まかなプランを紙に書き出します。基本的にこれに従いますが、選手が疲れている場合は休ませます。結弦の場合、身体の管理が肝心。健康を保つよう彼も我々も心がけています。怪我のリスクを最小限にするため。世選に向け安定したトレーニングができるよう最低5週間は欲しいですね。基本的に完全を目指すことなく取りかかります。これは世選でも競争でもなく単なるトレーニングであり、消化することが目的、標準的にこなせばいい、とね。
D: 羽生はエキシビションで素晴らしい4Loを見せています。プログラムに入れる所まで行っていますか?世選で見られますか?
T: わかりません。結弦次第ですね。今、日本にいますが、来週、こちらへ戻ると思います。彼次第ですが、今年、競技に入れるかは疑問ですね。でも彼の4Loは美しいですよ。入れるならプログラム冒頭ですね。世選に入れることになれば、教えますよ。連絡しますね。
太字で書いたところが、今回注目してほしいところです。練習中、他の選手に進路を邪魔されても、先に謝ったのは結弦くんの方だったと。謙虚な心の持ち主で、とても紳士だといっています。これは、世界選手権前の2016年2月にUPされたインタなので、テン選手との練習妨害トラブルについて、トレイシーに何らかの他意はありません。あの事件を意識して、弁護してるわけでもない。そのまま、トレイシーが感じたままの『羽生結弦評』だと思います。
2016年の世界選手権、私はいまだに見返すことができません。
いろいろな意味で辛いワールドでした。
たぶん、そういうゆづファンは私だけではないと思います。
テン選手とのトラブル。アンチが鬼の首をとったように結弦くんを叩くのは予想範囲内だけど。
一番ショックだったのは、自称ゆづファンにすら、結弦くんに味方する声が意外に少なかったこと。
(当時、『羽生結弦選手 テン選手との練習妨害トラブル まとめ(検証動画あり)』という記事にしました。興味のある方は、記事タイトルから飛んでください)
ショートで10点以上の点差をつけてトップに立ちながら、フリーで逆転されてしまったこと。
その原因が重篤な怪我であることが判明したこと。
2ヶ月も氷上練習ができず、アイスショーすら全休という非常事態。
焦る気持ちの中、なにかと支えてくれたのは、トレイシーだったとか。
多くの弟子を抱え細かい部分まではフォローしきれないだろうオーサー。
その隙間を、トレイシーが埋めてくれてるのかもしれません。
こんなツイを見かけました。
『羽生結弦』という存在の重さ、世界のどこでもなく、日本のフィギュアスケート界に生まれてきてくれたことの意味の重大さを、日本のスケート界やメディアはあまりわかっていないようですが、ちゃんと理解してくれる人はいます。
彼が日本人でなくてもファンになっていただろうし、日本以外の他の国の選手だったら、もっと敬意を払った扱いをしてもらえたのではないかと思いますが(笑)、それでも、日本に生まれてきてくれてありがとうと・・・それはファンの総意だと思います。
昨年の辛いワールドを、今年のワールドは素晴らしい結果で上書きしてくれると信じています。
日本だけじゃない、世界中のファンがあなたの優勝を願っています。
ファンの応援が、あなたの力になりますように・・・心から祈っています。

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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ
2017/03/23 12:10 |
クリケット・プログラム・CS(2016-2017)
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