羽生結弦選手 世界選手権関連で気になった記事
世選関連の情報が洪水のごとくあふれていますが、その中で気になったものをいくつか。
古いのもありますが、まだ読んでない方で、興味のある方はどうぞ。
自分用の覚え書きもかねています。文字ばかりですみません・・・。
米メディアが羽生の世界選手権の逆転勝利と、その裏にあった葛藤を報道(2017.4.2 THE PAGE)
ヘルシンキで開催されたフィギュアスケート世界選手権で羽生結弦(22、ANA)が、フリーで自らが持つ世界記録を更新する高得点をマークして、3大会ぶり2度目となる逆転優勝を決めたが、世界のメディアもさっそく反応。ニューヨークタイムズが、羽生に焦点を合わせた記事を掲載、「目もくらむような眩惑的なフリースケートが羽生を優勝へと引き上げた」という見出しで報じた。
「ピーク時から2年以上がたっている羽生だが、若く、しなやかな日本のスターは、土曜日のフリープログラムの始めから終わりまで、彼であった」
同紙のクラレ記者は「羽生は時に舞い上がり、時にはとどまり、最初の4回転ループを決めた。そして、彼のスタイルでもって、彼の多くのシリアスで難しいプログラムをうまく操縦した」と表現した。
そして、ブライアン・オーサー氏とともに羽生をコーチしているトレイシー・ウィルソン氏の「今日のユズは、別のレベルにあった。そこは到達しようと思ってできるものではない。トレーニングをして、あとはそこに到達できるように希望を持つことだけ」と、いうようなコメントを掲載した。
記事では、今季途中で羽生が4回転ループに挑戦し、その4回転ループも含めた4つの4回転を組みこむフリーの難しいプログラムに当初、ウィルソンコーチが反対していたという事実を明らかにした。
「何かが取られそうになったとき、それがモチベーションとなる。彼は19歳でオリンピックのチャンピオンになり、そこから落ちないようにすることを学ばなければいけなかった。彼は注目に値すべく、素晴らしくそのことを学んできた。4回転ループと4度の4回転を加えるとき、我々は彼に聞きました。“あなたには本当にこれが必要なのか”と。4回転ループと3度の4回転ではいけないのか?と」
ウィルソンコーチはが、そう投げかけると、羽生は拒絶したという。
「彼の答えはこうでした。“このスポーツを押し進めたい。自分自身をもっと高めたい”と」
コーチ陣からすれば、やはりミスを冒すリスクを減らしたい、しかし、羽生にそういうネガティブな発想はなかった。今季のシーズンの最後を逆転優勝で飾った裏には、こんなチーム内の葛藤があったのだ。
その背景には、アメリカのネイサン・チェンや宇野昌磨らの若いスケーターが台頭がある。
「ソチ五輪で金メダルを獲ったときには19歳だった羽生は、22歳で再びトップに戻ってきた。来年は韓国平昌でのオリンピックを控えている。羽生は、過去の2大会においてフェルナンデスに破れた後、若いスケーターによる新しい波が来ており、技術のレベルが上がってきているのを見た。羽生は、今シーズン、喜んで新しい挑戦をすることを決意した。4回転ループを成功させた初めてのスケーターになったのだ」
ニューヨークタイムズの記事は、羽生自身が自分を高めているのであれ、若いライバルが羽生を押してきているのであれ、彼らの争いによってフィギュアスケートのこれまでの限界を広げていると見ている。
また記事では、羽生が試合後に「科学的なことでいえば、人間は5回転まで飛べるらしいです」と、5回転ジャンプについて話したことも取り上げた。
世界を驚愕させる羽生の挑戦は、まだまだ止まることはなさそうである。
羽生はなぜ4回転を4本跳んだのか コーチが明かす舞台裏、絶対王者の「矜持」(2017.4.2 THE ANSWER)
リスク高い4回転を4本成功で逆転V、羽生が挑戦をやめない理由
フィギュアスケート世界選手権(ヘルシンキ)は羽生結弦(ANA)がショートプログラム(SP)5位から劇的な逆転Vで幕を閉じた。フリーでマークした223.20点は自身が持つ記録を更新する歴代世界最高得点。その要因となったのが、4本の4回転ジャンプを成功させたことだ。
難易度の高いジャンプは当然、リスクが伴う。それでも、なぜ日本の22歳は挑戦をやめなかったのか。その舞台裏を、米有力誌「ニューヨークタイムズ」が言及している。
4人が合計300点超をマークし、史上類を見ないハイレベルな戦い。羽生が制することができたのは、4本の4回転をすべて成功させたからにほかならない。冒頭のループ、続くサルコー、後半のサルコー、トーループ、いずれもノーミスで決めた。圧巻の演技の後、歴史を塗り替える「223.20点」がアナウンスされた。
2連覇中だったハビエル・フェルナンデス(スペイン)を破り、3年ぶりに世界王者に返り咲いた羽生。記事では「羽生は過去2度の世界選手権でフェルナンデスに敗れ、若き新星スケーターたちが技術面を押し上げるのを目の当たりにしてきた。しかし、彼は新しい挑戦とリスクに挑み、スケート史上初めて4回転ループを着氷させたスケーターとなった」と称賛している。
舞台裏ではコーチとの間で、勝利に結び付いた羽生の決断があったという。ブライアン・オーサー氏とともにコーチを務めるトレイシー・ウィルソン氏は「ユヅは今日さらなる境地に達した。並大抵のことではない。トレーニングを重ねて、そこに到達することができればと願うだけだ」とのコメントを伝え、羽生とのやりとりを紹介している。
「4回転は本当に4本必要?」…そう問われた羽生の答えとは
「4回転ループと、4本の4回転が本当に必要か尋ねたんだ。『本当に必要? 4回転ループと4回転は3本でもいいんじゃない?』と」
「彼の答えは『これこそが、なぜ自分が(この競技に)取り組むか、ということなんだ。この競技をさらに押し広げたいし、自分自身も高めたい』だった」
見る者を魅了した「4回転4本」には、一人の絶対王者として、一人のスケーターとして、譲れない覚悟と矜持があったようだ。さらに、かつてない「4回転時代」に突入していることを証明するように今大会、多くの選手が4回転に挑み、成功させた。記事では、その理由について羽生が見解を明かしている。
「なぜ今日、さまざまな4回転が披露されたのかと言うと、それはボーヤンによるところが大きいです。間違いなく彼が僕達をそのレベルに押し上げた。彼は4回転ルッツとクラシックなパフォーマンスを披露し、僕たちに4回転ルッツが可能だと気が付かせてくれた」
そう言って、3位のボーヤン・ジン(中国)を称えたという。「科学的には、5回転も可能だという話を聞きました」とも語ったという羽生。300点超のフェルナンデスですら4位でメダルを逃し、あと1年を切った平昌五輪では史上最高レベルの争いが予想されている。
それでも、どんな状況であっても挑戦をやめることがない羽生結弦なら、再び表彰台の真ん中に立っていても決して驚くべきことではない。
羽生、平昌五輪へ「いい流れ来てる」66年ぶり五輪連覇へ当時の逸話熱弁(2017.4.3 スポーチ報知)
【ヘルシンキ(フィンランド)2日=高木恵】フィギュアスケートの世界選手権で、5位からの大逆転で3季ぶりに王座を奪回した羽生結弦(22)=ANA=が2日、会場で一夜明け取材に応じた。来季の平昌五輪ではディック・バトン(米国)以来66年ぶりの五輪連覇がかかる。バトンが連覇を果たした52年オスロ五輪前年の世界選手権を制しているデータを自ら披露。「いい流れが自分に来ている」と口にした。
自身の記録を更新する223・20点のフリー世界最高得点で大逆転優勝を果たした羽生の視線は、すでに来季の平昌五輪へ向かっていた。
「66年前のディック・バトンさんは、ディフェンディングチャンピオンとして、そしてワールドチャンピオンとして臨んで連覇をしている。すごくいい験担ぎになる。ループ成功者もいい験担ぎ。いい流れが自分に来ているなと、勝手に思い込んでいます」
過去のデータは調査済み。笑顔で自ら切り出した。
バトンは48年のサンモリッツ大会で金メダルを獲得。48年から5連覇を果たした世界選手権を52年のオスロ大会前年にも制し、五輪連覇を達成した。さらに、世界で初めて3回転ループを成功させている。羽生は今季のオータム・クラシックで世界初の4回転ループを成功させているという“縁”もある。
「五輪で金メダルを取りたいと、今季ずっと思っていた。今季五輪があるわけではないのにそう思って練習を続けてきた。来季へ、どんな隙も作らないスケートを作っていきたい」
66年ぶりの偉業へ、闘志をみなぎらせた。
「本当に苦しいシーズンだった」と振り返った一年。ロックバンド・ONE OK ROCK(ワンオクロック)の「未完成交響曲」に支えられることもあった。最近の勝負曲で、お気に入りの歌詞は「100点じゃないこの僕に100点つけるのは 他でもない僕自身だ」。「ショートプログラムで100点を超えない時に聴いて、勇気づけられていた」
SP、フリー、合計で世界最高得点を記録した昨季の自分を超えられずに苦しんだ。今回の世界最高得点が、また羽生を苦しめることになるのかもしれない。「きっとまた捕らわれると思う。でも、この捕らわれがあるから、こんなにもノーミスへの渇望が生まれる。ノーミスできない自分に強くいらだって練習していくと思う」。王者の孤独な戦いは続いていく。
羽生結弦の逆転V、オーサーコーチが舞台裏明かす 決戦前にかけた言葉とは(2017.4.7 THE ANSWER)
フィギュアスケート世界選手権(フィンランド・ヘルシンキ)の男子フリーで歴代最高点をマークし、ショートプログラム(SP)5位からの逆転優勝を遂げた羽生結弦(ANA)。世界に衝撃を与えた逆転劇の裏側を、コーチのブライアン・オーサー氏が明かしている。米テレビ局「NBC」電子版が報じている。
羽生の世界選手権V、オーサーコーチが明かした逆転劇の舞台裏
フィギュアスケート世界選手権(フィンランド・ヘルシンキ)の男子フリーで歴代最高点をマークし、ショートプログラム(SP)5位からの逆転優勝を遂げた羽生結弦(ANA)。世界に衝撃を与えた逆転劇の裏側を、コーチのブライアン・オーサー氏が明かしている。米テレビ局「NBC」電子版が報じている。
現役時代、カナダ代表として1984年と88年五輪で銀メダルを獲得し、現在、羽生やハビエル・フェルナンデス(スペイン)らを指導しているているオーサー氏。同メディアのインタビューの中で「フリー演技の前に羽生に特別な言葉をかけたのか。フリー前夜はどんな様子だったのか」などの質問を受け、SPから逆転優勝までの軌跡を明かしている。
羽生はヘルシンキのハートウォールアリーナで行われたSPで4回転サルコーの着氷の乱れや演技スタートの遅れなどもあり、98.39点の5位と出遅れた。
同コーチはインタビューの中で「ショートの後、彼が落胆していたのは分かっていた。だから、あの夜は彼にあえて失望させておく必要があったんだ。そして、翌日に我々の練習がやってくると、彼は実力を証明しようと使命感にみなぎっていた。私のすべきことは彼を抑えることだった。そして、こう言ったんだ。『練習は1回だけ。全力でやっては駄目だ』とね」と当時の様子を明かしている。
SP終了時点で首位に立ったフェルナンデスには10.66点差を離されていた。コーチはフリーでの逆転に燃える羽生を逆に落ち着かせようとしたようだ。記事の中で、オーサー氏はこう続けている。
逆転劇の秘話、戦略は「正解だった」
「彼は『本当?』という感じだった。『そうだ。これに関してはただ私を信頼しなさい。君には明日に向けてフレッシュな状態でいてほしいんだ。そうすれば大丈夫』と言ったんだ。正直、今まで彼がこのような状況になることはなかった。だから、『自分の積み上げてきた練習を信じなさい。君はリンクに少し気楽な状況で臨む必要がある。集中しすぎない程度にね』、と」
逆転Vへの舞台裏を明かしたオーサー氏は試合当日の羽生の印象についても語っている。
「彼は張り詰めた様子だったね。集中と緊張がそこにはあったよ。ウオーミングアップを始めた時に彼のチームリーダーを見つけるとこう言ったんだ。『今日はいい顔になっている。顔を見れば分かる』。彼はいつもより少し魅力的だった。そして、(戦略は)正解だったと感じたね」
迎えた大一番で素晴らしい演技を披露し、見事に巻き返した羽生。自身が持つ世界記録を塗り替え、223.20点の高得点で頂点に立った。「これまでの練習を信じろ」というオーサー氏の一言も大逆転劇を後押ししたのかもしれない。
恩師が明かす羽生結弦の語学力 意思疎通に進化「彼は英語を習得している」(2017.4.8 THE ANSWER)
オーサー氏が明かす羽生の英語力「自分の感情や回答を説明してくれる」
フィギュアスケートの世界選手権(フィンランド・ヘルシンキ)でフリー歴代最高得点を叩き出し、圧巻の逆転Vを飾った羽生結弦(ANA)。コーチのブライアン・オーサー氏は研ぎ澄まされる演技の影で、羽生が取り組んでいる英会話について証言している。米テレビ局「NBC」電子版のインタビューで語った。
現役時代1984年と88年五輪でカナダ代表として銀メダルを獲得しているオーサー氏は、今回のヘルシンキ大会で羽生に加え、前回王者のハビエル・フェルナンデス(スペイン)ら指導している5選手が参加した。
インタビューでは羽生の英語力の習得について質問が及んでいる。
「あなたたちのコミュニケーションは進化したのでしょうか?」
「知っていると思うけれど、彼は英語の勉強を続けている。英語を習得しているよ。時々、彼は質問内容を理解せずに、イエスとノーを言ってきたこともある。でも、今、彼は時間をかけて質問を考え、自分の感情や求めらている回答を説明してくれるよ」
羽生にある特徴、「ハイ、ハイ、ハイ」と返す時は理解してない?
羽生とのやり取りの中には、特徴的な出来事もあるという。
「彼の意思伝達はこんな感じなんだ。彼が『ハイ、ハイ、ハイ』と返す時は、彼は質問を理解してないなとこちらは分かっているので、そういう時にはもう一度言い換えて伝えるんだ」
記事によれば、オーサー氏の教え子は日本、スペイン、カナダ、カザフスタン、スウェーデンと多国籍だという。
「今は2017年だよ。子供はみんな英語を話すよ。でも、何人かは到着直後、話せない子もいるね。エリザヴェート・トゥルシンバエワ(カザフスタンの女子スケーター)が来た時は、英語を全く話せなかったよ」とオーサー氏は語っている。
さまざまな国の教え子を持つ恩師のもとで英語を使ってコミュニケーションを取っている羽生。語学力の向上によって、意思疎通に進化が見られることが、飛躍の原動力の一つになっているのかもしれない。
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