羽生結弦が語った「4回転ルッツを跳ぶ理由」&2日目公式練習の様子

山口さんに続き、折山さんのコラムもきてます。

羽生結弦が語ったグランプリシリーズ 初戦で「4回転ルッツを跳ぶ理由」(20171020 Web Sportiva)

 グランプリ(GP)シリーズの初戦、ロシア大会のロステレコム杯が始まる前日の10月19日、羽生結弦は、午前10時半からの公式練習でフリーの『SEIMEI』を演じた。

 冒頭のジャンプには、その直前に両足着氷になっていた4回転ルッツを持ってきたが、それはパンクして1回転。それでも続く4回転ループと3回転フリップを決めると、後半には最初の4回転サルコウを3連続ジャンプにして決める。4回転トーループは着氷を少し乱れたために2本とも単独ジャンプにし、トリプルアクセルは連続ジャンプと単独ジャンプの両方をしっかり決めて曲かけ練習を終えた。

 最初のルッツを4回転にするのは、この演技構成を明らかにした時から予定していたものだ。その構成にGPシリーズ初戦から挑戦する理由を、羽生はこう説明した。

「今まで練習をやってきて、『ルッツを入れられるな』と思ったのが、今回(4回転ルッツを)入れることにした理由のひとつですね。五輪へ向けてこれからどんどん試合を重ねていくわけですけど、実際には試合数も限られていますから。本番へ向けて、試みた回数というのも一つひとつ大事になっていくと思うので、その意味でも、できるだけやりたいと考えました」

 今季初戦のオータムクラシックで学んだのは、「全力でできないことが、自分の集中力を途切らせることにつながる」ということだった。右膝に不安を抱え、4回転ループを封印したことで、フリーでは後半のジャンプへの意識が過剰になってしまった。現状をしっかり分析して冷静にやっていたつもりではあったが、それが程よい集中力につながったとはいえなかったからだ。

 この構成に挑戦してみて、もしうまくいかなかったらまた構成を変えるという選択もできる。それを早めにハッキリさせるためにも、まずは挑戦しておかなければと考えたのだろう。
「オータムクラシックのように集中力が途切れることを避けるためにも、今自分が一番実力を発揮させる構成で、自分が一番本気を出せるプログラムでやりたいと思っています」
その言葉どおり、挑戦こそは自分の信条ということだろう。

「グランプリシリーズが始まるなという感覚もあります。それに、自分が目標にしてきた構成にやっと体がついてきたので、そういった意味でも『やっと始まるな』と。ただ、今は五輪シーズンが始まったなというよりも、ひとつの試合として考えなければいけないと思います。この試合では、(4回転)ルッツも注目されると思いますし、もちろんショートも注目されると思いますけど、まずは今日のフリーの曲かけ練習でできたこと、できなかったことを反省して調整し、明日に向けてしっかりとやっていかなければと思います」

 こう話す羽生は、この大会の会場である”メガスポルト”を、「シニアに上がってからの2年間はここでのグランプリシリーズに出ていたので思い出深いですし、自分の中では『帰って来たな』という感じもある会場です。実際、モスクワで合宿したこともあったので、その意味ではすごく懐かしい感じもして、落ち着いて試合に臨めるのではないかなと思います」と話す。そんな思い入れのある場所であることも、彼が4回転ルッツという新たな挑戦を選択したひとつの理由かもしれない。

 曲かけ練習のあと、ブライアン・オーサーコーチのアドバイスを聞きながら挑んだ4回転ルッツでは何度かパンクを繰り返していた羽生だが、自分の気持ちを盛り上げるように両手をクルクルと回す仕種をしたあと、イーグルからの4回転ループに挑戦して4回目にはきれいに決めた。そして、もう一度4回転ルッツでパンクしたあとに、4回転ルッツをきれいに決めて観客席の歓声を誘った。

「ルッツのパンクが多かった理由には、フリーの曲かけを頑張ったあとということもあったし、それはそれでしょうがないと思っています。ただ、最終的にはああやって、練習中に体力を回復させながら最後にはルッツもしっかりと軸の取れたものを跳べているので、それはよかったなと思っています。それに、本番はこんなに疲れた状態でやるわけではないので、いい感じで調整しながらできています」

 攻める心をなくさないのが羽生の持ち味であり、それが自身をさらに進化させる源でもあると自分でも理解をしているはず。羽生結弦は、平昌五輪シーズンのGPシリーズ初戦を攻めの姿勢でスタートした。(折山淑美●取材・文)



今日(2日目)の公式練習に関する記事です。

羽生、GPシリーズ初戦の公式練習で4回転ルッツ着氷(20171020 スポーツ報知)

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、ロシア杯(モスクワ)は20日に男女ショートプログラム(SP)が行われる。羽生結弦(22)=ANA=が午前の公式練習に参加。フリーで初めて構成に組み込む4回転ルッツを成功させた。

 SPの曲かけ練習では冒頭の4回転ループは転倒、続く3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)は成功、最後の連続ジャンプは最初の4回転トウループで軸が傾き着氷が乱れた。その後の練習でトウループの修正を済ませた。全体的に好調な仕上がりで、午後のSPを迎える。



四回転ルッツ、今日は3回目で成功させたそうです。
そして、今日のショートの滑走順は、以下のとおり。

2017ロシア杯男子SP


最終滑走です。つまり、私たちは最後までドキドキしないといけないわけです(笑) 
日本時間では、第2グループ開始は、20時46分頃。
結弦くんは、21時26分頃の滑走予定とのことです。


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2017/10/20 18:15 | グランプリシリーズCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

山口真一コラム 「羽生結弦、モスクワで四回転ルッツに挑む」

お待ちかね、山口さんのコラム、きましたね!

モントリオールでの経験を生かしてーー。羽生結弦、モスクワで四回転ルッツに挑む。(20171020 山口真一)

 弊社・毛受亮介カメラマンとともに、冬の到来を思わせるロシア・モスクワに滞在している。モスクワに到着した10月17日、入国審査で「ロシア訪問の目的は(羽生)ストーキングと(文字)テロ、ならびに(写真)爆弾投下です」という言葉を飲み込み、「フィギュアスケートの取材です」という面白くもなんともないやり取りを経て、さてホテルに向かおうかという折、記者仲間から「このあと羽生が到着しますよ」という情報を得て、720ルーブルのハンバーガーセットを食べながら2時間待機。本誌初の空港取材となった。立ち話…というか1分にも満たない歩き話だったので情報のボリュームはそれほどでもなかったが、懸念されていた右ひざの状態は心配不要のようで、何より羽生の明るい表情が印象的だった。

 一夜明けた18日は、会場のメガスポルトで非公式の貸切練習。上階スタンドから見る限り氷はかなり固そうで、ジャンプの着氷時に衝撃が吸収されず、しりもち、転倒することが多かった。そんな中、羽生にとって4種類目となるルッツを着氷。同じくスタンドから見ていた新聞社、通信社の記者が慌ててカタカタカタとパソコンのキーをたたいていたので、すでに日本でも大きく報じられているはずだ。リンクを去る際、記者の「4回転ルッツ、やるんですか?」の問いに羽生は笑顔で3回うなずき、肯定も否定もしなかったが、開幕を翌日に控えた19日の公式練習後の会見で、正式に4回転ルッツをフリーに組み込むことを明かした。

「目標の構成に体がついてきた」「自分が一番、実力を発揮できる構成で」と羽生。GPシリーズ初戦は例年、あまり成績が良くありませんが…という問いには、「毎年、(スケート)カナダで悪いっていうのは洗礼のように起きていて、それをいい感じにオータムクラシックで済ますことができました。実際、課題もたくさんあったし、悔しい思いってものも、もうつかんで、このグランプリ初戦に当たっている」と一笑した。

 9月下旬、カナダ・モントリオールで行われたオータムクラシックで、羽生はSPの世界最高を更新しながらフリーではジャンプミスが続いた。そのフリー後の会見で、羽生は目を潤ませ、じっと斜め上を見つめながらこう語っている。「オリンピックで優勝するぞっていう…印象としてはものすごく強いものがあったと思うので、またその、自分の………自分の……なんだろう、ものすごく強いイメージ、自分がすごい強いんだっていうイメージにまた……なんだろう、追いつこうとしながら、追いかけながら、強い自分を追いかけながら、また…あの…さらに難しい構成で追い抜いてやろうって思ってます」

 羽生にとって大きかったのは、失意の演技後に報道陣の一問一答に応じながら、これからやるべきことを頭の中で整理し、決意を新たにできたことだと思えてならない。自分1人で考えるのではなく、対話形式で自らの思いを言葉にすることによって、進むべき道を再認識できたように感じられるのだ。そのやり取りの中で出た「さらに難しい構成で」という言葉が、今回の4回転ルッツ導入につながっている。

 19日の練習の羽生の目つき、体から発する空気は、前日の18日のものとは明らかに違っていた。五輪シーズンのグランプリシリーズ初戦が、オリンピックで金メダルを獲ったロシアというのも運命か。果たして明日から彼がどんな演技を見せ、どんな言葉を口にするのか。ファンの人とともにワクワクしながら開幕を待ちたい。



20171019ロシア杯02
グランプリシリーズ初戦の開幕を翌日に控え、良い意味の緊張感があった公式練習。
やはりこの男は、戦いの中に身を置くことで光を発する



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2017/10/20 09:20 | グランプリシリーズCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

羽生選手 ロステレ公式練習1日目ニュースまとめ

昨日の公式練習の、めぼしい記事をまとめておきます。

ロシア杯で4回転ルッツ挑戦 羽生が明かす(20171019 毎日新聞)

 【モスクワ福田智沙】フィギュアスケート男子で来年の平昌五輪で連覇を狙う羽生結弦(ANA)は、20日に開幕するグランプリ(GP)シリーズ第1戦のロシア杯で、大技の4回転ルッツに挑むことを明かした。もし成功すれば自身にとってトーループ、サルコウ、ループに続く4種類目のジャンプとなる。羽生は「(試合で)入るなという感触がある。自分が一番実力を発揮できる構成で、一番本気をだせるプログラムでやりたい」と説明した。

 19日の公式練習の最後。スピードに乗って左足の外側エッジで踏み切ると、高く上がり、きれいに回って着氷してみせた。この日、前日と何度もトライしながら、1回転になったり、着氷が大きく乱れたりと、きれいに決められなかった大技を最後の最後で決めた。

 羽生はこの時期の大技の挑戦について、「オリンピックまでの試合は限られている。一つ一つ大事になるので、できるだけやりたい」とし、こうも言う。「守ることも、捨てることも、いつでもできる」。ライバルがジャンプの構成を上げ、技術点を稼いで自らに迫ろうとしているなか、五輪へ向け、使える武器は一つでも多く持っておきたいという思いがにじむ。

 ルッツの成功率について羽生は「その日によるが、いい時は失敗しないので」と語る。公式練習では他の4回転ジャンプの着氷がこらえ気味だったり、乱れたりすることもあったが、気力は満ちている様子。男子ショートプログラム(SP)は20日に行われ、4回転ルッツは21日のフリーでお披露目される。



羽生結弦ロシア杯で4回転ルッツ挑戦「守ることも捨てることもいつでも出来るので」(20171019スポーツ報知)

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、ロシア杯が20日にモスクワで開幕する。羽生結弦(22)=ANA=が19日、公式練習後に取材に応じ、今大会のフリー「SEIMEI」に4種類目の4回転となるルッツを投入することを明言した。

 「これまで練習をやってきて『ルッツ入るな』という感覚があったので。あとは、やっぱりオリンピックに向かってこれからどんどん試合を重ねるわけですけど、実際(試合の)数は限られていますし、本番での回数っていうのもやっぱりすごく一つ一つ大事になってくるので、できるだけやりたい」

 アクセルに次ぐ高難度の大技を組み込むに至った理由を口にし、続けた。

 「あのお、守ることも捨てることもいつでもできるので。オータムクラッシクで、全力でできないことが集中を途切れさせると言うこともあったので。自分が一番実力を発揮できる構成で、自分が本気を出せるプログラムでやりたいなと思っていました」

 4回転は5本。ジャンプ8本中、3回転は3本目のフリップのみ。冒頭から4回転ルッツ、4回転ループを跳び、後半はサルコー、トウループの2種類3本の4回転とトリプルアウセル2本という超高難度の構成になる。

 この日の練習では完璧な4回転ルッツを降りてみせた。男子ショートプログラム(SP)は20日、フリーは21日に行われる。



羽生、ジャンプの感覚問われ「一段上がった感覚はしている」(20171019 サンケイスポーツ)

 フィギュアスケートで平昌冬季五輪シーズンの本格開幕を告げるグランプリ(GP)シリーズは、第1戦のロシア杯が20日にモスクワで始まる。19日は本番会場で公式練習が行われ、昨季の世界選手権王者、羽生結弦(ANA)は「一番、自分が本気を出せるプログラムでやりたい」と4種類目の4回転ジャンプとなるルッツをフリーの演目に初めて組み込む意向を示した。

 羽生はGP初戦前に、充実した表情で記者の質問に応じた。(共同)

 ――ロシアに入ってからのジャンプの感覚は。
 「きのうよりもきょう一段上がった感覚はしている。朝の練習だったので動ききらないところや体力不足なところ、課題などいろいろあったが、だいぶ調整しきれている感じはする」

 ――五輪が行われる今季のピーキングについて。
 「(状態の)ピークに関してはブライアン(・オーサー・コーチ)が考えていると思うので、自分ができることをやりたい。特にこの試合だから抑えるという感覚は全くないし、ピークが合うところは合うと思う。合おうが合わなかろうが、地力をしっかり上げていければいい」

 ――GP初戦からチェンと顔を合わせる。
 「今回の課題、目標はショートプログラム、フリーとも自分に集中しきるということ。周りがどうのこうのではなく、自分が何をできるかを詰めながらやりたい」



羽生 GPシリーズ開幕へ「やっと始まった」 過去の初戦は鬼門?(20171019 デイリースポーツ)

 「フィギュアスケート・ロシア杯」(20日開幕、モスクワ)
 66年ぶりの五輪連覇を狙うソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22)=ANA=が20日にグランプリ(GP)シリーズ初戦となるロシア杯を迎える。GPシリーズは全6戦行われ、1人最大2試合に出場可能。順位ポイントの上位6選手がGPファイナル(12月7~10日、名古屋)に進出でき、羽生は前人未到のGPファイナル5連覇が懸かっている。

 羽生は19日、公式練習に参加し、昨季の四大陸選手権(江陵)で敗れたネーサン・チェン(米国)らとともに本番リンクで調整した。また自身4種類目の4回転ジャンプで、アクセルを除く4回転で最も基礎点が高い4回転ルッツの実戦導入を明言した。平昌五輪シーズンのGPシリーズ初戦で、どんな滑り出しを見せるのか。「やっと始まったなという感覚は、やっぱりある」と話した羽生は「きょうできたこと、できなかったことを反省して、調整して、しっかりやりたい」と意気込んだ。

 これまで羽生は、シニア参戦後7シーズンで一度もGPシリーズ初戦を制していない。ただ、その悔しさを練習にぶつけ、GPファイナルで結果を残すという流れが続いているのも事実だ。羽生自身は「悔しい思いはもうオータムクラシック(9月、モントリオール)でつかんでこのGP初戦に臨んでいる。そういう意味では万全で来ていると思う」と前向きに話している。



ロシア杯に向け練習 羽生選手を見るために約2000人が集まる(20171019 SPUTNIK)

20日金曜からモスクワで開幕のISUグランプリシリーズのロシア国際競技会「ロステルコム杯」では全チケットが完売した。最初のウォーミングアップが開始された19日、最大の注目を集めている羽生結弦選手の他、米国のナタン・チェン選手などが氷上で練習を行っている。その様子を見ようと詰め掛けたおよそ2千人のファンたちの大多数が日本人だ。

練習で羽生選手は4回転ルッツに取り組んだものの、うまく着氷できない場面が数回続いた。逆にきれいに決まった場面では会場から割れるような拍手がわき起った。練習を終えてリンクから上がり、会場から姿を消すまで拍手は鳴りやむことはなかった。

羽生選手の練習が終わると、今度はロシア勢の3人、ミハイル・コリヤダ、ドミトリー・アリエフ、アンドレイ・ラズキン選手らがリンクへ出たが、羽生選手の退場とともに声援を送っていた観客の多くも姿を消してしまった。



20171019ロシア杯01


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2017/10/20 06:47 | グランプリシリーズCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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