「日本の国宝」羽生結弦 ~野心的な運動能力×独自の芸術性
「THE ANSWER」でこんな記事がありました。
今日は、フィギュアスケートとバレエのもつ表現力について少し語ります。
羽生結弦、海外で“天才バレエダンサー”に例えられた「日本の国宝」の魅力とは(20180129 THE ANSWER)
アジア紙特集「氷人来る、ユヅの肖像」、伝説のバレエダンサー級の魅力とは
平昌五輪で66年ぶりの連覇がかかるフィギュアスケートの羽生結弦(ANA)。右足首の故障でグランプリ(GP)ファイナル、全日本選手権を欠場し、復活を目指す絶対王者を海外メディアも「史上最も偉大な王者」と注目。「ニジンスキーの再来」と呼ばれた天才バレエダンサーと伝説のヘビー級ボクシング王者との「融合」と表現し、「日本の国宝」と称賛している。
「氷人来る、ユヅの肖像」と特集したのは、アジア紙「アジアタイムズ」電子版だった。
1952年のオスロ五輪で成し遂げたアメリカの伝説的スケーター、ディック・バトン氏以来となる五輪連覇の偉業に挑む羽生について、記事では漂わせるオーラを紹介している。
「彼は無数に存在するファンの間ではシンプルに“ユヅ”と呼ばれる。彼はおそらく、史上最も偉大な男子フィギュアスケートのチャンピオンだろう。わずか23歳にして、ユヅル・ハニュウはルドルフ・ヌレエフの優雅さと魅力に、ロッキー・マルシアノの鋼鉄さと本質性を融合させたのだ」
ヌレエフは旧ソ連出身のバレエダンサー。英国ロイヤル・バレエで活躍し、「ニジンスキーの再来」とも呼ばれた天才だ。マルシアノはボクシングヘビー級で史上唯一全勝で引退した伝説の王者。バレエ界とボクシング界のレジェンドの優雅さと強靭さを同時に備えているのが、羽生であると分析されている。
野心的な運動能力×独自の芸術性=「日本の国宝」羽生結弦
「野心的な運動能力と、バレエ的ですらある独自の芸術性を誇るスタイルこそが、彼を日本の国宝たらしめている。そして、冬季五輪で2連覇を果たす強力な本命としている」
記事ではアスリート、そして、アーティストとして非凡な輝きを放つ23歳は平昌五輪の優勝候補だと分析。一方で、羽生は現在、苦境に立たされていることも紹介している。
「ミッション・インポッシブルをユヅルが達成したとすれば、これは氷上の歴史になるだろう。彼は右足首の靭帯と腱と骨を負傷し、1か月以上リンクに立てなかったという困難を覆してのことになる」
こう伝えられている。羽生にとっては故障という本来はネガティブな出来事でさえも、すべては感動のクライマックスにつなげるための序章にすら思わせる。
果たして、バトン氏以来の偉業は達成されるのか。ネイサン・チェン(米国)、宇野昌磨(トヨタ自動車)ら実力者ひしめく平昌で、羽生の戴冠の瞬間に、海外メディアも熱い視線を注いでいる。
こちらはロシアのバレエ団で活躍されている寺田翠さんのツイです。
一般の方からの質問に、寺田さんが答える形のツイですが、結弦くんに関する質問がありました。
私ごときが言うのも何ですが、全然必要無いと思います 笑!バレエやってたら表現力が…なんて言われますがそんなに簡単には言えない気がします。そういう部分はもともと持っている人っていうのが大きい気がします。 #peing #質問箱 https://t.co/PWuwZPULsF pic.twitter.com/RH8MNWkla6
— 寺田翠 (@midoriktu) 2018年1月25日
ソチ五輪で金メダルをとった後、結弦くんが、インタビューで「バレエを習いたい」と言っていたことがありました。でも、その後、習ってるという話は聞かない。そんな暇がないのか?と思ったりしたけど、その必要性がないと気付いたのではないかな・・・と、寺田さんのツイを読んで思いました。
もともと所作が雑な人であれば、”欠点を改善する”という意味で、バレエを習うことも必要かもしれませんが、「どんな瞬間を写真で切り取られても”美しく”見えることを常に意識している」という結弦くんには必要ないものでしょう。ネイサンがバレエをしていたことは有名ですが、ネイサン自身が「自分に足りないものは表現面」(2016年のファイナルだったか?のプレカンで言っていました)と言ってることを思えば、確かにバレエの素養はフィギュアにはそれほど必要ないような気がします。寺田さんのいうように、「そういう部分はもともと持っている人っていうのが大きい」のではないでしょうか。
バレエはスポーツじゃなくて芸術と位置づけられるけど、そのバレエの芸術性も、実際は高度な技術の上に成り立っているもの(もっとも、”芸術”であるがゆえに、”一応スポーツ”のフィギュアより容姿が重視されますが)。
そういう意味では、織田さんの「羽生選手の美しさは、確固たる技術の上に成り立っている」という言葉は、フィギュア解説史上にずっと残したいくらいの名言だと思います。技術は表現を際立たせる武器になるけど、表現力だけでは技術をカバーしきれないのです。
フィギュアの表現力といえば、こんな番組がありますね。
2月4日 21:00~21:50 NHKBS1 スポーツ酒場 語り亭
「平昌五輪直前SP フィギュアスケート 表現力ってなんだ」
一応録画予約はしてるけど、あんまり期待できないだろうなあ(笑)

よろしければポチっとお願いします♪

人気ブログランキングへ
- 関連記事
-
- 羽生結弦「嫌われたくない」の真意は?
- 2/7放送Nスぺ感想&AERAのゆづ表紙の破壊力が凄まじすぎる
- 「日本の国宝」羽生結弦 ~野心的な運動能力×独自の芸術性
- 羽生選手、WS1位で平昌五輪へ&「S☆1」鈴木さんのゆづ技術解説
- 日テレ「絶対に勝ってやる!」の感想
2018/01/29 12:05 | テレビ番組・コラム(2017-2018) | COMMENT(4) | TRACKBACK(0) TOP