羽生結弦を撮るフォトグラファーたち <田中宣明> その3

田中さんシリーズですが、しつこく3回目です(汗) これが最後となります。
「羽生結弦展」関連での、田中さんの記事です。3ヶ月ほど前のものですが、良記事なので。


「誰よりも表情豊か」スポーツフォトグラファーが語る羽生結弦の魅力 田中宣明さん(20180409 読売オンライン)

 フィギュアスケート男子で五輪連覇を達成した羽生結弦選手(23)(ANA)の輝かしい軌跡を振り返る「応援ありがとうございます! 羽生結弦展」(4月11~23日・日本橋高島屋=東京都中央区=など、全国7か所で。読売新聞社主催)に出品協力するスポーツフォトグラファーの田中宣明さん(47)が、ヨミウリ・オンライン(YOL)のインタビューに応じた。「誰よりも表情豊かな被写体」などと、ユヅ(羽生選手の愛称)の魅力を語った。(聞き手・込山駿=メディア局編集部。本文中は敬称略)

鋭い回し蹴り、顔の横で両手ピース

 2015年、国内でのアイスショー。全体練習の合間に、リンク脇で構えたカメラのすぐ近くまで、人懐こく滑り寄ってきた。いたずらっぽい表情を浮かべ、空手の「回し蹴り」のように、右足を鋭くしなやかに振り抜くポーズを披露。スケート靴の刃についた氷のかけらが飛び散ってくる中、ぼくは慌てて連写した。

 一昨年、フランスのマルセイユで開かれたグランプリ(GP)ファイナルでは、4連覇を達成した。エキシビションの練習の時、「4連覇だからね」と声を掛けると、顔の横に両手でピースサインを作ってくれた。それまでに見せたことのないポーズと表情だったから、思い切りアップで撮った。

 どちらも、小さい頃から見続けているカメラマンだからこそ、撮れるカットだ。そういう写真10枚を中心に、今回の展覧会に出品することになった。雑誌や写真集に載せるよりも、ずっと大きく引き伸ばしたサイズで、ファンのみなさんに披露できる。とてもいい機会だと感じている。

 初めてユヅを撮ったのは、10歳だった2005年、その世代の全国大会に出た時だった。しっかりした礼儀正しい受け答え、それでいてかわいらしくて明るい振る舞いは、今と全く変わらない。当時からずっと、トップ中のトップの成績を出し続けている選手はほかにいない。ぼくにとって、最も魅力的で思い入れの深いスケーターだ。

 もう長いこと追い続けてきた被写体にもかかわらず、撮影は今なお、新鮮な発見の連続になる。ぼくは「勝負を分けた一瞬」よりむしろ「選手の表情」を狙って撮るスポーツカメラマンなのだが、ユヅはほかの誰よりも表情豊かだ。同じ曲に乗せて同じ振り付けで滑っても、毎回のように見たことのない顔をして演技する。だから、現場ではこちらも一瞬たりとも気を抜けない。予測不可能な、厳しい撮影になる。

復活の五輪連覇、練習で予感

 そんなユヅが、右足首の故障が明けての「ぶっつけ本番」で、約4か月ぶりに出場した公式戦が2月の平昌オリンピックだった。こちらも久々の撮影だけに、かつてないほど緊張した。フリーの日は約1500枚と、いつもユヅを撮る時の1.5倍以上もシャッターを切った。

 あれほどひどいケガを乗り越え、男子では66年ぶりの五輪2連覇を飾った。平昌入りして最初の練習で軽く滑ってみせた時点で、ぼくは「これなら、やってくれるんじゃないか」と感じていた。とても落ち着いていて、穏やかな表情をしていたから。スポーツ界の常識からするとありえないような復活の金メダル獲得になったが、それもユヅにしかできない芸当だろう。

 まだまだ現役を続けてほしい。フィギュア競技のすそ野をもっと広げ、よりしっかりとした土台を作り上げるには、ユヅが後輩たちに模範を示し続けるのが一番いい。(談。4月5日、読売新聞東京本社で)



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ユヅが後輩たちに模範を示し続けるのが一番いい・・・これは、一昨日書いた記事にも、同じような田中さんの言葉があったし、今年の4月の田中さんの講演会のときも、同様のことを言っておられました。田中さんにとって、結弦くんは、才能だけでなく、容姿だけでなく、その精神性も含め、すべてにおいて理想的なフィギュアスケーター像なのでしょう。

4月の田中さんの講演会のレポについては、内容は極力書かないようにしてますが、「結弦くんは罪な男よの~」と思った面白いエピソードがあるので、ひとつだけご容赦を。

講演会では、田中さんはいろいろな写真をスライドで見せてくださいました。その中に、園遊会に出席したアスリートの集合写真がありました。皇居の緑あふれる庭園をバックに、振袖姿で目いっぱいおしゃれした女性メダリストと一緒に、結弦くんがスーツ姿で映っていました。その写真がスライドで映しだされたとき、会場がザワザワどよめきました。なんとなく、なぜどよめいたのか、私には場の空気でわかりました。たぶん「私が感じたのと同じ理由だ」と。

でも、田中さんはわからなかったようで、「え、皆さん、どうしたの?」と、一番近くにいた女性にお聞きになったのです。私の場所からは離れていたので、はっきりとは聞こえなかったけど、たぶん「羽生くんが一番綺麗」みたいなことを答えたのだと思う。田中さんが、ちょっとびくっとしたような反応を示して、「それは、言っちゃダメです!」(笑) 続けて「僕だって、一緒に並んで写真撮られるのいやなんですからね!」と、フォローにならないフォロー(笑) でも、そのあと、結弦くんのスライドの写真を見ながら、しみじみと「まあ、綺麗な人はいいですよね、女優さんとかね・・・。」と、つぶやいていました。田中さんにとって、結弦くんは、もう女優と同じカテゴリなのか(笑) 

キシリトールガムのCMでも、フルメイクしてる女優さんやモデルさんと共演して、全く負けしてない・・・というか、美貌もスタイルも勝ってるんじゃない?と思わせる結弦くんですので、一般人が結弦くんと並んで写真を撮られるのは、なかなか勇気がいることなだとあらためて思ったのでした。

田中さんの名誉のために、あらためて言っておきますが、あくまでも会場の反応であって、田中さんのせいではありません。でも、会場の人達が悪いのでもありません(正直すぎるけど)。結弦くんが美しすぎるからいけないんです(笑)

田中さんは、昨年のNHK杯の結弦くんの欠場が決まったとき、ものすごく落ち込んでいました。



羽生結弦というアスリートに限りなく魅せられたフォトグラファー・田中さんのご活躍を、これからも楽しみにしています。


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/07/16 15:40 | アーチスト・裏方・メディアCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

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