「羽生は五輪三連覇は十分可能。だが4Aは…」~ロシア記事より

昨日のオーサーの話について、ネットニュースもきてますね。

羽生結弦、3月世界選手権出場へ…氷上練習再開をオーサー・コーチ明かす(20190128 スポーツ報知)

 フィギュアスケート男子で冬季五輪2連覇の羽生結弦(ANA)を指導するブライアン・オーサー・コーチが26日、欧州選手権を開催したミンスクで取材に応じ、右足首故障からの回復に努める日本のエースについて「世界選手権(3月20~23日・さいたまスーパーアリーナ)に、もちろん出場する計画だ」と見通しを語った。

 同コーチは羽生が氷上練習を再開しているとし「昨年の平昌五輪でも(同じ右足首を)負傷していても結果を出し、強いことは知っている」と語った。4回転ジャンプを跳び始めたかどうかは「(今は)分からない」とし、練習拠点のトロントに戻った際に状態を確認するという。



さて・・・四回転アクセルに挑戦中のアルトゥール・ドミートリエフ選手のお父上(ペアスケートで2度のチャンピオン実績)が、結弦くんの4Aについて、言及しています。

ソースはこちら https://rsport.ria.ru/20190125/1549883464.html

翻訳ブログはこちら。ありがとうございます。
http://kurkuma.blog.fc2.com/blog-entry-2644.html

ご自分の息子さんについて色々話をしておられますが、結弦くんについての部分だけ抜粋させていただきます。

—質問したのは、少し前にこのテーマでカナダのパトリック・チャンと話をしたからで、彼の意見では、羽生結弦が最初の選手になるだろうと言っていました。

「羽生は非常に良いトリプルアクセルを持っているし、彼は本当に四回転を跳ぶ能力がある。しかし、跳ぶとは思わない」。

ー何故?

「どのような難易度の高いジャンプを学ぶ時にも、アスリートは不安的な着氷が続く期間を通らなければならない。他の選択肢は無い。そのためには、強く、健康な足を持っている必要がある。ところが羽生の足は怪我をしている。彼は四回転ルッツで最初の怪我をして、四回転ループで二回目の怪我を負った。私は、双方とも目にした。

日本で彼の膝が裏返しになったのを見た。彼は疲れていた。もし私なら、アルトゥールがこのような状態で四回転ルッツに向かって行くのを許さないだろう。ところが羽生は向かって行き、自分の足を痛めた。四回転ループでも全く同じことが起こった。四回転アクセルはもっと難しいのだ。

このようなリスクを冒す価値があるだろうか? 特に重要なことは — 何のために? もし結弦がこのジャンプを跳ぶ最初の選手になりたいのなら、そしてそこで選手生活を引退するのなら、多分、価値があるだろう。しかしもし、もう一回オリンピックで勝利したいのなら、私が彼の立場ならリスクを冒さないだろう」。

—彼が三度のオリンピックチャンピオンになることが出来ると考えているのですか?

「十分可能だ。今後三年間で男子シングルスケートに、羽生よりも良い滑りをして、確実に四回転を跳ぶアスリートが現れることはまず無いだろう」。

—5種類の四回転を持つネイサン・チェンはどうですか?

「今四回転の価値は下がっている。この面で規則は、結弦に非常に有利に作用する。ジャンプによって作り出す作品が中途半端で未完成だとしても、コンポーネンツによって負けを取り返すことが不可能だとしたら、(現行規則では)それは極めて問題なのだ」。



息子さんのアルトゥール選手がフィギュアスケート史に名前を刻むことができるとすれば、4Aを世界で初めて成功させることしかありません。そういう息子さんと違って、すでに数多の栄誉を手にしている結弦くんが、怪我のリスクを冒してまで4Aに挑戦する意義があるのか?と疑問を呈しておられるのでしょう。北京オリンピックに出場するのであればなおさら・・・と。「世界初の4A成功者」の栄誉くらい息子に譲ってやってくれよ・・・という親心も多少はあるのかもしれませんが。

結弦くんは少年の頃の夢を実現させるために4Aに挑戦したいと言っています。五輪二連覇という夢はもう実現させた。そして、次の夢が4Aを世界で初めて成功させること。確かに五輪三連覇達成に4Aは必要ないでしょう。けれども、結弦くんの中では「五輪三連覇<4A」なのだと思います。結弦くんは、20歳を過ぎても夢を追う少年の心を持ち続けられる稀有な人ですが、同時にリアリストでもあります。

アルトゥール選手のお父上の言っておられることはわかるのですが、4Aを諦めたからといって、この先4年間まったく怪我無く競技生活を送れるとは、結弦くんはたぶん思っていない。それを心から願っているけれど、はっきり言うとファンですら思っていない。構成を落とせばそれも可能かもしれない。でも、そんな無難な構成で満足できるような人ではない。五輪2連覇した今も「怪我のリスク」と隣合わせのギリギリの高難度構成で勝負してる。だからこそ、4年先のことなんて考えられないのではないでしょうか。


紹介しきれなかったのですが、昨年11月19日の「めざましテレビ」で、佐野さんは、ロステレで怪我をしたとき、フリーの直前の演技構成の変更したことのすごさを、「五輪チャンピオンだからできたこと」と解説してくれていました(やはり、めざましはフジ唯一の良心)。

20181119めざまし佐野コメント


また、11月19日の、「羽鳥慎一モーニングショー」にスタジオ出演していたときの、佐野さんのコメントです。

20181119モーニングショー佐野コメント

怪我が多いのは、常に自分の限界に挑戦し続けていることの証。それでも、ここ一番の大きな舞台では常に結果をだしてきました。佐野さんの発言は、OBOGの中でも、それを理解してくれている数少ないコメントだったと思います。

結弦くんの怪我を「不注意」を切り捨てた小塚さんは、最新号の「anan」のコラムの記事が不評で、またゆづファンの株を下げてますが(実際、あのコラムはいらんと思った)、反対に、CWW出演以来、佐野さんの株が上がっていますね。

結弦くんのシニア生活も9シーズン目に入っています。4回転に挑戦し続け、酷使を重ねてきた右足首は悲鳴をあげています。4年も先の「五輪三連覇」より「4A」の方が、結弦くんにとっては射程圏内にある挑戦・目標なのだと思います。「五輪三連覇」は、「4A」を成功させた後に、自分のモチベーションと身体と相談して、初めて考えられることなのではないかと。結弦くんは、常に優先順位を決めて行動している人です。そこに迷いはない。徹底している人です。


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2019/01/28 10:40 | その他(2018-2019)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

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