世界選手権2019観戦記 ~雑感 その2
今日は、世界選手権2019観戦記 雑感その2です。
その1は、21日と22日の観戦記でした。その2は23日の感想です。
〇 3月23日 アイスダンス フリーダンス
フリーダンスは第一グループの2~3人目くらいから見ていました。ダンスはわりと好きだし、世界選手権を見る機会はもうないかもしれないので。といっても、ダンスでも見ごたえがあるのは、やはり最終と最終前くらいかなと思いました。
フリーダンスで印象に残ったのは、最終では4位だったステパノワ&ブキン組。すごくよかったんですけどね。表彰台は逃したのは残念でした。まあ、でもやはり圧巻はパパシゼ。他のカップルとはやはり違う。
よく「羽生結弦はすごく難しいことをやってるのに、いとも簡単そうに見える」とか言われますが、パパシゼもそんな感じ。アイスダンスのことはよくわからないけど、おそらくすごく難しいことをしてるんだと思うんです。でも、そう見えない。すごく簡単に自然にやってるから。とにかく氷の上をすべるタッチが柔らかくて、彼らも結弦くんと同じで、羽根が生えてるかのようでした。そして、エレメンツとエレメンツがすごく自然につながっているので、エレメンツのぶつ切り感がまったくない。さすがに最終グループの組になると、ぶつ切り感はほとんどなくなるけど、それでもパパシゼの技術の高さと芸術性が抜けているのは、素人目にもわかりました。ケガでもない限り、この二人は北京まで無双しそう。
〇 3月23日 男子シングル フリー
はっきり覚えていないのですが(汗)、第1グループの途中か、第2グループくらいからは見たように思います。正直いって、あまり記憶がないんですよね、男子のフリーに関しては。
フィギュアの男子シングルをちゃんと見るようになったのは、結弦くんのファンになった2012年からですが、結弦くんがチャンやハビと切磋琢磨して戦っていたときは、男子シングルはもっと面白かったように思います。でも、今は本当につまらなくなりました(あくまでも個人的な感想です)。
演技時間が4分半から4分に短縮されたことで、エレメンツとエレメンツの間の繋ぎが減り、ジャンプのペナルティが大きくなったので、転倒しないように長い助走をとる選手ばかりになりました。結果、「長い助走→ジャンプ→長い助走→ジャンプ、ときどきスピン、繋ぎナッシング、音楽はBGM」といった演技ばかりになり、4分半から4分に短縮されたのにも関わらず、退屈のあまり、かえって長く感じるようになりました。
「まだやってんの? 長いな~。もうそろそろ終わりかな?」と電光掲示板の時間を見たら、「あれ、まだ3分しかたってないの? え~っ、まだ1分もあるの?」と愕然としたり。こんなこと言ったら、スケオタさん(特に男子オタさん)に怒られそうですが、あまりにもつまらなすぎて、マジで寝そうになりました。女子が短い助走でジャンプを跳ぶことが評価され、濃い繋ぎが重視されているのと全く正反対の方向に男子は進んでいます。特に男子の場合、以前から下位グループほどそういう傾向はありましたが、前の選手の曲を流してもわからないんじゃない?と思うほど、音楽もさらにBGM化してるように感じました。
その意味では、ショートの方がルール変更が少なかったのでまだマシかもしれません。ショートより長いフリーのつまらない演技を大量に見るのは正直苦行でした。ISUが今になって、男子シングルがさらにジャンプ大会になってることに危惧を感じてるともいわれていますが、この方向性でこれからも進むのなら、男子シングルに未来があるとは思えませんでした。昨シーズンよりも、ジャンプ構成を落としている選手が多いのにも関わらず、昨シーズン以上に「ジャンプ大会」味が増しているという印象でした。
結弦くんの演技だけは、ファンのひいき目を抜きにしても、4分が短く感じます。本田さんが「アッという間でした」とおっしゃっていたとおり、本当にアッという間でした。そして、さいたまアリーナの天井が吹っ飛ぶかと思うような大歓声。会場が揺れていました。テレビでは会場音を絞っているので、あの轟音のような歓声や熱気や興奮は十分には伝わりません。本当にすごかったです。平昌五輪は現地ではありませんでしたが、きっと平昌会場はこんな感じだったのかなと思いました。
そしてリンクに投げ入れられたぷーさんの雨。投げ込みはアリーナからのみと制限されていましたが、たくさんのプーさんがスタンド席の観客からアリーナ席の観客に委託されました。中国ファンが600個のプーさんを用意していたともいわれています。バナーの禁止も解せないものがありました。会場のどこをどう見ても、どうして「会場の構造上の都合により全面禁止」なのかまったくわかりません。バナーが禁止されていなかった5年前の世界選手権と同じ会場ですし、5年の間に構造が変わったとも思えません。
会場ナウ。やはりどこをどう見ても何が構造上の問題でバナーがダメなのかわからん🤔 pic.twitter.com/sG3dyOrVom
— みずほ (@traveler_mizuho) 2019年3月21日
「バナー禁止」「投げ込み禁止」は、「羽生人気」を世間の目から隠したいというスケ連の意図からでしょうが、それがあからさますぎて、かえって羽生ファンのファン魂に火をつけてしまったような気がします。羽生ファンを甘くみて、フラワーガールを十分に用意していなかった結果、プーさんを片付けるのが大変なことになっていました。スケ連がつまんない規則を作ったおかげで、花を買う人が減って、会場の花屋さんは暇そうでしたし、結局どうなったかというと、結弦くんの投げ込みは減りませんでしたが、他の選手への投げ込みは少なくなりました。規制のターゲットは結弦くんだったのでしょうが、むしろ他の選手に気の毒なことになってしまいましたね。
で、ネイサンですが・・・ジャンプの助走は相変わらず長いし、つなぎも薄いなと思いました。ジャンプの安定はすごいですが、おそらくつなぎを増やしたら、あのジャンプの安定性は保てないのではないかなと思います。それがわかっているから、コーチのラファは、つなぎを無視した指導をしているのです。なのに、結弦くんとほとんど同じようなPCSが出てるのが謎ですが。
結弦くんの演技が人の心を打つのは、彼が自らの命を削ってスケートに向き合っているからです。キャリアアップのために滑るのなら、もう十分すぎるほどで、普通ならもっと楽な道を選ぶでしょう。でも、彼はそうしない。自分の選手生命、いやスケーター生命をもかけて、競技を続けることを選んでいる。おそらく、自分の身体の限界がくるまで。
結弦くんの演技に人を惹きつけるまばゆいようなオーラがあるのは、生命の欠片を燃やす炎が発光しているからです。ここまでの覚悟でスケートと向き合っているスケーターは他にいない。だから、羽生結弦は唯一無二のカリスマなのです。
もう誰にも理解できないステージに結弦くんはいるのだと思います。理解できるとしたら、ほんとに一部のレジェンドと言われるアスリートだけではないでしょうか。
私達ファンも覚悟をもって彼とともに戦っていかなければならないのだという想いを、あらためて強くした世界選手権でした。
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2019/03/31 09:15 | 世界選手権 | COMMENT(11) | TRACKBACK(0) TOP