フィギペディア2014 『高橋大輔 栄光の軌跡』 (テレ朝チャンネル)

2014年版のフィギペディアに新作が2本登場しました。そのうちの1本は、前回感想をあげた「羽生結弦 王者への道」、そしてもう1本は、「高橋大輔 栄光の軌跡」です。二人の生い立ちから現在に至るまでをテレビ朝日の取材映像や演技映像を中心に足跡を振り返る・・・という、それぞれ約1時間の特集番組です。

私は、結弦くんの大ファンですが、高橋選手のファンではありません。2012年のニースワールドで、結弦くんのファンになるまで、フィギュアスケートは女子シングルしか観ないライトファンだったので、ニースワールドまで、高橋選手の演技は、バンクーバー五輪のものくらいしか、まともに観てはいませんでした。なので、こんな私が高橋選手の特集番組の感想を書くべきかどうか迷ったのですが、高橋選手・・・というより、一人のフィギュアスケーターの”競技者”の歴史として、興味深く観ることができた番組だったので、あえてあげることにしました。


<演技映像一覧>  ※ 編集なしで、すべてフルバージョンで流されています。

2005年(19歳)  GPファイナル(開催地/東京)  → 3位 
SP : ムーラン・ルージュ  /  FS : ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番

2007年(21歳)  GPファイナル(開催地/トリノ)   
SP : 白鳥の湖 HIPHOPバージョン


2008年11月 右膝靭帯と半月板の手術 シーズン全休 

2009年(23歳)  GPファイナル(開催地/東京)   
SP : EYE  /  FS : 映画「道」より


2010年2月  バンクーバー五輪銅メダル    3月 世界選手権金メダル

2010年(24歳)  GPファイナル(開催地/北京)   
SP : エル・マンボ ある恋の物語

2012年(26歳)  国別対抗戦(開催地/東京)  → 団体優勝 
SP : イン・ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ  /  FS : ブルース・フォー・クリック

2012年(26歳)  GPファイナル(開催地/ソチ)  → 優勝 
FS : 道化師  /  EX : ブエノスアイレスの四季

2013年(27歳)  GPS アメリカ大会 
FS : ビートルズメドレー



ゆづファンにとっての「王者への道」同様、この「栄光の軌跡」も、大輔ファンにとっては永久保存版でしょう。
ただ、番組の作り方はかなり違うと感じました。この「栄光の軌跡」は、特別に思い入れがない目線でみると、誤解を恐れずにいえば、一人のアスリートの盛衰の記録に見えるからです。

もし、高橋選手が、2010年の五輪銅、ワールド金を勝ち取ったときに引退していたら・・・おそらく、結弦くんの「王者への道」と同じような作りになっていたでしょう。19歳のときから、選手生命をも脅かす大けがを克服して、オリンピックで表彰台にあがり、ワールドチャンピオンにまで上りつめる・・・そこまでを追った番組だったなら。

彼の”戦績のピーク”は、五輪シーズンの2009-2010年です。でも、番組を観る限り、彼の”心技体そろった競技者としてのピーク”は、2011-2012年シーズンではないかと思います。技術と表現のバランスが一番いいのです。しかしその後・・・2012-2013年シーズン、2013-2014年シーズンと、ジャンプが衰え、競技者としては下り坂になっていくのがよくわかるのです。見方によっては、とても残酷な作り方になっているなと思いました。

とはいえ・・・それはあくまでも技術的なものであり、表現者として円熟期であることに変わりはありません。
ただ、ベテランの表現力をもってしても、技術が維持しきれなくなれば、この競技は戦えなくなっていく。
最後のビートルズメドレーの演技は、ファンではない私でも、ちょっとしんみりしてしまいました。
個人的な感想ですが、テレ朝、大輔ファンを泣かそう、泣かそうとしてるようにしか思えませんでした(笑)

結弦くんは平昌オリンピックで引退、その後プロスケーターになりたいと言っています。
彼は、自身のピークの時に、現役から身を引きたいと思っているのでしょう。
いかにも彼らしい美学だし、平昌での結果がどうあれ、そこで彼が引退する確率は高いと思います。
でも、万が一・・・彼が平昌以降も現役続行をしたら・・・天才の彼でも衰えを覚えるときはいつか、くる。
今の彼からは想像もできないけれど、それは避けて通ることのできないアスリートとしての宿命。
しんみりしてしまった理由のひとつは、結弦くんに重ね合わせてみてしまったからかもしれません。

結弦くんがいつか競技者としてリンクを去るとき・・・そこにどんな風景が待っているのでしょう。
もちろん、オリンピック二連覇・・・という輝かしい夢を、彼ならきっと見せてくれると信じています。
でもそんな先のことよりも、今、彼の演技の一分一秒をしっかり目に焼き付けていきたい。
”一人のスケーターの歴史”を描いた番組をみて、あらためてそんなことを感じさせられました。


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2014/10/30 14:20 | 2014-2015 seasonCOMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

こんばんは♪

私は、妹が高橋ファンだったので、白鳥の湖ヒップホップバージョンとか、オペラ座の衣装が個性的とか(怪人の顔が衣装に取り込まれてた)断片的に覚えてます。
この頃はモロゾフもトレンドのリーダーだったような?私はモロゾフの衣装の趣味が嫌だな~しか覚えてないですが。。(笑)

バンクーバーは、EYEもよかったし、道は神プロだと思いました。衣装もすごく可愛かった♪道はカメレンゴさん振り付けでしたね。それで、結弦くんもカメレンゴさんの振り付けで見てみたいと思ったのでした。カメレンゴさんも結弦くんの振り付けをしたいと言ってたし。。
ナムくんの「道」を見てなんか昔を懐かしく思い出しました。
バンクーバーとその直後のワールドの頃は、ファンまではいかないけど、真剣に応援してました。最近は一部のオタさんのせいで苦手になっちゃいましたが。。

でも演技もその頃の方が好きでした。
私の個人的な趣味で顔も演技も、濃すぎるのが苦手なので💦
最後の方は顔の表情とか、色気が過剰でちょっと引き気味でした💦

ただ引退のシーズンが、ゴーストライター事件や、ケガや聖子事件など、これでもかという程押し寄せてきたので、本人も引退に迷いがあったのかな?いや性格かも(笑)張本さんに引退するのかしないのかどっちやねんみたいに突っ込まれてた(笑)

ジャンルは違いますが、高橋尚子さんのように、すっぱり辞める人もいれば、水泳の北島選手やイチロー選手のように、ピークを過ぎても競技を続ける(北島選手は辞め時を失ったそうですが)人もいますし、引退は人それぞれですね・・・
すっぱりやめる方が美しくみえますが、自分の納得いくまでやり続けるのも、ありでしょうね・・体操の内村選手は次のオリンピックでやめそうかな?
結弦くんは、潔く区切りでやめそうですね。スケ連にも浅田選手のように引き留められないよう、今から予防線を張ってるような・・

プルシェンコ選手のように、27才で銀取る人や織田選手のように最後まで4回転跳べる人は、まれなんでしょうね?


そういえばアボット選手、引退するって言ってなかったでしたっけ?

No:3572 2014/10/30 21:30 | リラ #- URL [ 編集 ]

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No:3574 2014/10/30 23:07 | # [ 編集 ]

リラ 様

リラさん、こんにちは。

>道はカメレンゴさん振り付けでしたね。
>それで、結弦くんもカメレンゴさんの振り付けで見てみたいと思ったのでした

個人的には、カメさんは、EXならいいけど、競技プロではあまり組んでほしくないかな・・・。点数が出方に不安があるので(笑) ボーンにとって結弦くんがミューズになったように、カメさんもすごい作品を作ってくれるかもしれませんが。
ちなみに、高橋選手のカメさんのプロでは、ブルースが一番好きです。

>高橋尚子さんのように、すっぱり辞める人もいれば、水泳の北島選手やイチロー選手のように、ピークを過ぎても競技を続ける(北島選手は辞め時を失ったそうですが)人もいますし

高橋尚子選手が五輪金をとったのは2000年。これをピークとすると、引退は36歳の2008年なので、ピークでスッパリと辞めたという印象は、私にはないです。むしろ限界までやったという印象です。
イチロー選手に関しては、一応今でもメジャーで野球をしてるのに、ピークを過ぎてもやってるといったら可哀相だと思います(笑)
というか、プロのスポーツ選手で、ピークでやめる人はまずいないのでは? 生活がかかってますから(笑) アマチュアスポーツでも、ピークで辞める人の方が少ないと思います。

フィギュアスケートの選手で五輪の金メダルをとった後、引退する人が多いのは、ショーという興行と結びついてる特殊なスポーツだからでは? そのときが、プロスケーターとして、自分が一番高く売れる時期ですから。たとえば、タラ・リピンスキーが15歳か16歳で五輪金をとった後、サッサと引退したのは、そういうことです。だから、結弦くんのように、五輪金をとっても引退も休養もせず、GPシリーズからフル出場する選手はむしろかなり特殊だと思います。

>プルシェンコ選手のように、27才で銀取る人や織田選手のように最後まで4回転跳べる人は、まれなんでしょうね?

オーサーも27歳くらいで銀とってるし、コストナーも27歳で初メダル(銅)とってるし、いないわけじゃないです。ただ、金メダルを20代後半でとってる人はほとんどいませんね。

織田選手は・・・練習では四回転飛べるけど、試合で決まらないのが問題なんですよね(笑) メンショフさんは31歳で四回転飛んでますよ。ランビも引退してるけど飛べるらしいし。結弦くんも、大きな怪我さえしなければ、27歳でも30歳でも四回転飛んでるでしょうね。飛べるのは飛べるとしても、ある一定の年齢になったとき、競技に入れても精度を保てるかどうかだと思います。

>そういえばアボット選手、引退するって言ってなかったでしたっけ?

引退すると言ってたけど、撤回しました。

コメント、どうもありがとう♪

No:3575 2014/10/31 10:57 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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