羽生結弦選手 NHK杯関連ニュース 続報 その2 

結弦くんの、今日の公式練習に関するニュースです。

羽生は午後から練習に参加…28日SPは最終11番滑走/フィギュア(2014.11.27 サンスポ)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯の公式練習が27日、大阪・なみはやドームで行われた。閻涵(18)=中国=と激突して頭部や左太ももを負傷した第3戦の中国杯以来の試合となる、ソチ五輪男子金メダルの羽生結弦(19)=ANA=は午前練習を休んだが、午後練習には参加。心肺機能を高めるためマスクをつけて臨んだ羽生は、フリーで演じる『オペラ座の怪人』を流し感触を確かめた。

28日に行われるショートプログラム(SP)の滑走順が決まり、男子は12月のGPファイナル(バルセロナ)進出を狙う第2戦のスケートカナダ覇者の無良崇人(23)=HIROTA=が10番、羽生は最終11番滑走となった。女子は村上佳菜子(20)=中京大=が10番、宮原知子(16)=大阪・関大高=は11番となった。


今日のエブリのニュース、リンクしときます。Dailymotionより。公式練習の動画あり。 → 141127えぶり


次に、7時から始まった会見の内容です。

【羽生、大会前日の一問一答】自分の限界に挑んでいる。死と隣り合わせ (2014.11.14 サンスポ)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯が28日、大阪・なみはやドームで開幕する。第3戦の中国杯で中国選手と激突して負傷したソチ五輪男子金メダルの羽生結弦(19)=ANA=が27日、大阪市内で会見した。

--大会の抱負は

「抱負を言う前に、中国杯でご心配をおかけしたことを深くおわび申し上げます。深刻に心配なさらずに。万全の調子ではない。レベルを落とす構成にしているが、がんばって一生懸命滑る」

--なぜ出場する

「中国杯は普通なら棄権する大きなけが。みなさんが心配してくれた。診断していただいて、滑らせていただいた。ファイナルにいきたい意思を尊重してくれた。その意思を無駄にしたくない。歩くのも大変な時期もあった。最終的に現地で滑って、感覚的に普通に近いと判断した」

--体の状態は

「実際万全の状態じゃない。体力はしっかり落ちている。構成を下げてまで出て申し訳ない。ファイナルに出たい思いがある。いまできる自分の最高の演技がしたい」

--中国杯の激突は

「自分の限界に挑んでいる。ある意味、死と隣り合わせ。(激突は)1秒に満たない時間の差があったら、いなくなっていたかもしれない。当たりどころがよかった。顔をそらすことができて、なんとか衝撃を避けられた。国境を越えて、米国のドクターが駆け寄って見て判断してくれた。脳しんとうの危険はないとブライアン(オーサー)も理解した。リスクはあったけど、ドクターを信じて滑りたいと思った。ここ(会見場)にいること自体、奇跡に近い。たくさんの方に無謀だったといわれたが意思を尊重してくれた連盟、ブライアン、自分の体に感謝している」



ケガから復帰の過程では「痛くて眠れない時もあったし、歩くのも大変だった時期もある」そうです。
それでも・・・ファイナルに行きたいという、その執念だけで、ここまで回復させたのでしょう。
自分の限界に挑んでいる。ある意味、死と隣り合わせ」という、結弦くんの言葉が重いです。心配をかけた謝罪の言葉は口にしても、「命を削る」覚悟でスケートと向き合う姿勢は、あの事故の後も、全く揺るぎない。でも、だからこそ、人々の心を揺さぶる演技を生み出せるのでしょう。ファンとして、結弦くんの魂の滑りを、これからも、しっかり目に焼き付けていこう・・・そんな気持ちを新たにした会見でした。

        NHK杯2014 会見1

        NHK杯2014 会見2


<追記>  2014.11.28 更新
NHK会見全文と、結弦くんがNHK杯出場に踏み切った理由についてのコラムがありました。
リンク先は以下のとおり

羽生結弦が語った事故の詳細とNHK杯出場への意志・NHK杯会見全文(2014.11.28)
羽生はなぜNHK杯出場にこだわったか。(2014.11.28  PAGE)

一応、全文を転記しておきます。長いので、そちらは畳みます。興味のある方は、続きからどうぞ。


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羽生結弦が語った事故の詳細とNHK杯出場への意志・NHK杯会見全文

11月28日に大阪で開幕するフィギュアスケートのGPシリーズ第6戦NHK杯に出場する日本選手が27日、記者会見を開き、第3戦の中国杯で頭部、左大腿など計5カ所を負傷した羽生結弦(ANA)が、事故時の詳細やNHK杯での抱負を語った。

●会見での羽生一問一答全文

―NHK杯の抱負を。

「まず、抱負を述べる前に、中国杯でのけがについて、皆さんに心配をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。けがについては、現地でしっかりと診断を受けた上で出場したので、皆さんあまり深刻にならないように、よろしくお願いします。NHK杯の抱負は、万全な調子ではないために、レベルを少し落とす構成にしています。ただ、僕自身一生懸命頑張って滑りたいと思っています」

―今季のGPはNHK杯で2戦目。1戦目を踏まえて、どういう試合にしたいか。

「僕はショートプログラム(SP)、フリー(FP)ともに第1戦から構成を変えています。SPでは今シーズンから挑戦している後半の4回転トゥループを、昨シーズンと同じように変えました。なので4回転トゥループを前半に、そして後半にトリプルアクセルと3回転+3回転のコンビネーションを入れる予定です。

フリーに関しては、中国杯のFPでやったのと同じ構成にしたいと思っています。後半の4回転トゥループ+2回転トゥループのところを3回転ルッツ+2回転トゥループにしています。

中国杯を終わってからは、安静にしていた期間が多かったので、戻すという作業にしか手をつけられなかったのですが、構成を変えたり、ジャンプのタイミングが変わったりするなどがあったので、自分のジャンプに近づけることを意識してきました」

―なぜ、NHK杯に出ようという判断に至ったのか。

「中国杯で、普通だったら棄権するような大きなケガをしてしまっていたので、皆さんが本当に心配してくれていたのですが、その中でもしっかりと診断していただいて、滑らせていただいた。ファイナルに出たいという自分の意志を尊重して、滑らせていただけたので、そのときの演技を無駄にしたくないという思いがまずありました。

安静にしているころは、痛くて眠れなかったりとか、歩くのも大変だった時期もありました。足の痛みが徐々におちついてきて、氷に乗ったときは、少し辞めるという考えもありました。

ただ、徐々にやっていくにあたって、少しづつ感覚も戻ってきましたし、最終的には現地(なみはやドーム)で昨日(26日)滑ってみて、ほぼ感覚的には普通の状態に近いという判断をし、(ブライアン・オーサー)コーチと、(日本スケート)連盟のドクターと話をして、出場するということになりました」

―GPファイナル進出への意欲は?

「万全な調子ではないですし、体力の方も落ちてしまっています。構成を下げてまで出るのかと言われたら(問われたら)、皆さんに本当に申し訳ないと思っていますが、自分自身、ファイナルに出たいという思いが凄く強いので、しっかりこの大会で今の自分ができる最高の演技をしたいと思います」

―オーストラリアのクリケットの選手がボールに当たって27日に亡くなった。中国では脳しんとうの心配があったわけだが、リスクを取らなくて良かったという思いはあるか?

「そのニュースは知りませんでしたが、実際にスポーツは自分の限界に挑んでいるわけで、ある意味では死と隣り合わせ。はっきり言って僕が衝突した事故というのは、1秒にも満たないくらいの前後の時間の差があったとしたら、僕はいなくなっていたかもしれない。あのケースでは当たり所がまだ良くて、僕たちが振り向いた瞬間にぶつかっていたので、何とか互いに顔をそらすことができた。また、僕は腕を出すことができたので、何とか衝撃を避けることができました。

顎は氷に打ちつけて、側頭部はハンヤン(閻涵=えんかん)選手の肩か顎にぶつかったと理解しているんですが、ここに関してはそんなに出血が多くなかったですし、衝撃(の度合い)的にも頭が揺れたという感覚があまりなかったので、自分自身大丈夫かなと思っていました。

また、幸いなことに、現地にいたアメリカのドクターがすぐに僕のほうに駆け寄ってくれて、しっかりと診断してくれました。問診も受けました。見て判断していただいた部分もたくさんあったのですが、その中で脳しんとうの危険はないとブライアン(・オーサー)コーチも理解して、僕も理解しました。

リスクはあったと思うのですが、僕らはそのドクターを信じたいと言う気持ちがあって滑りました。

もちろんリスクはあったと思います。ここにいること自体が奇跡に近い状態だと思います。たくさんの人が、あれは無謀だったとか、あれは危険すぎた、セカンドインパクトの恐れがあったから、あれはやめるべきだったとコーチを批判したり、連盟の方々を批判したりすることもあると思うのですが、僕自身はあのときに僕の意志を尊重してくれたブライアンと連盟にとても感謝しているし、中国杯で滑れて、またここにいることができています。自分の体に感謝したいと思っています」

―5カ所のケガ(頭部挫創、下顎挫創、腹部挫傷、左大腿(だいたい)挫傷、右足関節捻挫)の現状は?

「足首は中国杯に行く前から捻挫していたので、演技の影響で捻挫したということではないと僕は思っています。頭部の傷に関しては、接触したときにかすって擦り傷になって、そこが少し出血していました。顎に関しては、ぶつかった後に足を抜かれていたので、そのままお腹から顎にかけて氷に強打したことで裂傷になりました。腹部も(顎と)同様に、氷に打ち付けたときに、息ができないほど苦しくなるくらい打ち付けたので、筋肉にダメージが残っています。

一番重かった左太腿に関しては、いわゆるモモカンというやつで、バスケットボール選手などがよくなると聞きました。ハンヤン選手のヒザがあのスピードの中で自分の太腿の筋肉の部分に思い切り当たりました。打撲といったら軽い印象になってしまうかもしれないですが、筋肉の打撲で歩くのも辛いような状態でした。

今日と昨日の練習では左太腿には少し違和感はありますが、滑れると自分とドクターとトレーナーと判断して決めました」

(文責・矢内由美子/サッカーとオリンピックを中心に取材するスポーツライター)


羽生はなぜNHK杯出場にこだわったか。

11月28日に大阪で開幕するフィギュアスケートGPシリーズ第6戦・NHK杯に向け、27日、日本勢が公式会見を行い、GPシリーズ第3戦・中国杯で頭部や左大腿など5カ所を負傷したソチ五輪金メダリストの羽生結弦(ANA)が、NHK杯強行出場を決意するに至った経緯について語った。

中国杯でのアクシデント以降、初めて公の場で口を開いた羽生は、会見の冒頭でまず深々と頭を下げ、「中国杯でのけがについて、みなさんに心配をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます」と第一声を発した。
そしてNHK杯に向けては、「今回は万全な調子ではないために、ショートプログラムもフリーもレベルを少し落とす構成にしている」と、今シーズンに備えて予定していたプログラムよりも難度を落として臨むことを説明した。
NHK杯は公式戦であるとはいえ、五輪や世界選手権と比べれば規模も権威もそこまで大きくはない。ISUランキングを決めるためのポイント付与も少ない。しかも羽生は、五輪でも世界選手権でもすでに金メダルを獲得している王者であり、会見では、「構成を下げてまで出るのかと言われたら、皆さんに本当に申し訳ないと思っている」と複雑な思いも口にした。完璧とは言えない姿をさらけ出すことを覚悟してまでなぜNHK杯出場にこだわるのか。

理由は、連覇の懸かったGPファイナルへの出場を強く欲しているからだった。羽生はNHK杯に出場するに至った心境の流れについてこう説明した。
「まず、中国杯では、普通だったら棄権するような大きなケガをしてしまったが、現地でしっかりと診断していただき、そのうえで僕自身の意志を尊重して滑らせていただけた。だから、(ブライアン・オーサー)コーチや(日本スケート)連盟には感謝しているし、中国杯でのあの演技を無駄にしたくないという思いがあった」

羽生によると、「側頭部のケガは ハンヤン(閻涵=えんかん)選手の肩か顎にぶつかったと思うが、この箇所に関してはそんなに出血が多くなかったし、衝撃(の度合い)も頭が揺れたという感覚があまりなかった」と、当時の状況を説明した。
合計5カ所のケガの中で重かったのは、腹部と左太腿の打撲。「痛くて眠れなかったりとか、歩くのも大変だった時期もあった」と言い、練習を再開した当初は「(出場を)辞めるという考えもあった」と吐露した。
けれども、NHK杯に出場したいとの意欲は日に日に増した。そもそも中国杯でケガをした時点でもNHK杯を欠場しようというつもりは本人にはなかった。
最終的には11月26日の非公開トレーニングを終えた時点で「感覚的にはほぼ普通の状態に近いという判断をして、(オーサー)コーチと、(日本スケート)連盟のドクターと話をして出場するということになった」という。

NHKで3位以内に入れば、自力でGPファイナル切符を獲得できる。ソチ五輪金メダリストとしての責任感と日本男子初となるGPファイナル連覇への意欲が大きいのは間違いないが、羽生にはおそらくもう一つ上の、トップアスリートだからこその哲学がある。

日本人として初めてフィギュアスケート界に金メダルをもたらしたソチ五輪。最高の栄誉を手にした19歳は、喜びを100%爆発させるには至らなかった。ショートプログラムでは史上初の100点超えを記録したが、首位で迎えたフリープログラムではミスを連発し、「フリーの演技ではオリンピックの本当の怖さ、オリンピックの魔物というものを感じた。金メダルを勝ち取ることはできたが、自分の能力、自分の実力を大きな舞台で発揮できなかった」と悔しさを隠さなかった。

五輪後は、「フィギュアは自分自身との戦い。どれくらい精いっぱいのことができるか、全力を出し切れるかというのが一番大事だ。自分のスケートをもっと高みに持っていきたい」という思いを口にした。さまざまなアクシデントを乗り切ることでこそ本当の強さをつかむことができるというアスリートの本能が羽生にはあるのではないか。

会見では、オーストラリアのシドニーで行われたクリケットの試合中に、ボールがヘルメット下の首の部分に当たって緊急搬送された選手が27日に死亡したという衝撃的なニュースを引き合いに、スポーツとケガのリスクについて見解を求められる場面もあった。
羽生は、「そのニュースは知らなかった」と言って慎重に言葉を選びながら、「スポーツでは自分の限界に挑んでいる。ある意味では死と隣り合わせだ」と持論を展開。自身が閻涵選手と衝突したときの状況については、「あのケースでは当たり所が良かった。振り向いた瞬間にぶつかったので、何とか僕たちは顔をそらすことができたし、僕に関しては腕を出すことができたので、何とか衝撃を避けることができた。でも、(衝突が)1秒でも前後していたら僕はいなくなっていたかもしれない。ここにいることが奇跡に近い」と神妙な面持ちで話した。

NHK杯出場にこだわること、GPファイナル出場にこだわること。そこには羽生の理想や人生観も隠されているのだろう。

(文責・矢内由美子/スポーツライター)

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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2014/11/27 21:05 | 2014-2015 seasonCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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