羽生結弦選手 GPF2014を終えて ~パラ一&オペラ座 3試合比較動画~

グランプリファイナルが終わって、すでに1週間たちましたが、遅ればせながら二連覇祭です(笑)

中国杯、NHK杯、そしてファイナル・・・三試合のSP、FS、それぞれの比較動画がありました。
youtubeからお借りします。動画主様、ありがとうございます♪

  


<SP 「バラード一番」の予定ジャンプ構成>
中国杯 : (イーグル)3A(イーグル)/4T、3Lz-3T → 得点 82.95 
NHK杯 : 4T/(カウンター)3A(イーグル)、3Lz-3T → 得点 78.01
ファイナル : 4T/(カウンター)3A(イーグル)、3Lz-3T → 得点 94.08


ショートのノーミスは今シーズン、まだありません。一番いい出来は、もちろんファイナルで、ミスはコンビネーションの3Tの転倒だけでした。あとは完璧でしたね。特に、4Tが成功したのが大きかったです。

注目すべきは衣装。中国杯の衣装は、アイスショーで着ていたものと同じだと思いますが、NHK杯、ファイナルは、ブラウスの下半分と袖口が水色からブルーに変わっています。NHK杯とファイナルも比べると、NHK杯よりファイナルの方が微妙にブルーが濃い・・・ですよね? 私は、ファイナルの衣装が一番好き。中国杯の衣装は、アイスショーの暗い照明下では映えたのですが、競技用の明るい照明だと、少しボケた感じに見えるなと思っていました。ファイナルの衣装は、濃い目のブルーがいい感じのアクセントになってるなと。


  


<FS 「オペラ座の怪人」の予定ジャンプ構成>
中国杯 : 4S、4T、3F/4T-2T、3A-3T、3A-1Lo-3S、3Lo、3Lz → 得点 154.60 
NHK杯 : 4S、4T、3F/3Lz-2T、3A-3T、3A-1Lo-3S、3Lo、3Lz → 得点 151.79
ファイナル : 4S、4T、3F/3Lz-2T、3A-3T、3A-1Lo-3S、3Lo、3Lz → 得点 194.08


NHK杯とファイナルは予定構成を落としましたが、そうはいっても、後半の4T-2Tを3Lz-2Tに変えただけ。
当初の予定より4.73ほど基礎点が下がりますが、それでも基礎点は74.72点で昨シーズンと同じです。
怪我のため、中国杯とNHK杯はビールマンスピンを入れていません。ファイナルからビールマン復活。
ステップは3試合ともレベル3なので、そこは改善の余地がありそうですね。

「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」のボーカルが入るスローパートのところで、仮面を外すようなしぐさがあります。
クリスティーヌを誘惑するファントムの姿と同時に、自分の素顔をさらした、ファントムの嘆きも垣間見えます。
そして、最後のスピンに入る直前に、ファイナルでは、再び仮面をつける振付がありました。
けれども、中国杯とNHK杯ではこのしぐさがありません。その違いは大きいと思います。

結弦くんは、「ファントムのピュアな部分を表現したい」と言っていました。
自分の運命を呪い、歪んだ愛をクリスティーヌにぶつけていたファントムが、最後の最後に、真実の愛とは何かを理解するのです。自分より、愛する人の幸せを願い、自らラウルの元に彼女を返したファントム・・・だからこそ、演技が終わったときの、結弦くん演じるファントムの表情は、あれほど穏やかなのではないでしょうか。
仮面はファントムの孤独と苦悩の象徴。とすると、あの何気ないしぐさには大きな意味があることになる。
ファントムはクリスティーヌを解放し、再び仮面をつけて、永遠の孤独の世界に閉じこもるのです。
もし、元々その振付はなくて、結弦くんが自分なりの解釈で加えたんだったら・・・結弦くん、すげー(笑)
たぶん、中国杯とNHK杯では、その余裕がなくて、そこを端折ってしまっただけかなとは思いますが。

中国杯の鬼気迫るファントムの狂気は、手負いの状態から生まれたものなので、今の「元気にスケートができる幸せ」オーラに輝いてる結弦くんには、もう一度あの狂気を再現することはできないでしょう。あれは、スケーターの狂気とファントムの狂気がシンクロして生まれた・・・奇跡の演技でした。でも、今度は、ファントムのクリスティーヌへの純愛と、結弦くんのスケートへのピュアな愛情がシンクロして、また違ったファントムの世界が生み出されるはず。その一端を見せてくれたのが、あのファイナルだったと思います。


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2014/12/22 00:06 | 2014-2015 seasonCOMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

狂気のファントム

みずほさま
GPファイナルで初めて見せた、最後に仮面をつけるシーン
切なくって、何回見てもあそこで涙が出ます。
「オペラ座の怪人」見れば見るほど、いい編曲、いい振付ですね。
ファイナルでは、ほんとうに音楽と一体化して、
ジャンプが、振りが音にぴたっと合って決まる度にゾクッとしました。
大変な才能だと改めて感心しました。

各国解説陣、メディアが(日本も含め)大絶賛なのも
当然! って感じがします。
でも
みずほさんも書かれている、中国杯で見たファントムの狂気
は、感じられなかった。
あれは、あの事故の後だからこそ、だったのでしょうか。
そうかもしれません、というかきっとそうですね。
あの時しかできなかった奇跡の演技、そうですね。

でも、わたしはもう一度見たいなぁ。
今度は宇宙人認定された完璧な技術に裏打ちされた
狂気のファントムを。
妖しい囁きでクリスチーヌを誘惑し、怒り、狂い、苦悩し
そして最後は真実の愛に目覚めて
去っていくクリスチーヌを見送る
ピュアな故に、狂気に走る羽生結弦のファントムを。

きっと見せてくれる、と思っています!

(実は今年DOIで初めて結弦くんを生で、間近で見たのですが、その時の強烈な印象が忘れられません。ショーなのに、他のスケーターたちとまるで違う空気感をまとっていました。一人戦闘状態というか、わたしには「狂気」に見えました。(ライトが当たっている時は楽しそうなのに、ライトの当らない所ではギラギラ!)今シーズンのフリーが「オペラ座の怪人」と聞いたとき、あの時の暗闇の顔が思い出されました。)

No:3739 2014/12/22 23:26 | レモンパイ #- URL編集 ]

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No:3740 2014/12/23 08:18 | # [ 編集 ]

レモンパイ 様

レモンパイさん、こんにちは。

>GPファイナルで初めて見せた、最後に仮面をつけるシーン
切なくって、何回見てもあそこで涙が出ます。

あの仮面をつけるシーンは、「オペラ座」の振付の中でも、特に秀逸な部分だと思いました。結弦くんの切なげな表情も素晴らしい。フィギュアに主演男優賞があるなら、今年度は間違いなくゆづファントムです(笑)

>「オペラ座の怪人」見れば見るほど、いい編曲、いい振付ですね。

最初、ウィルソンからボーンに振付師が変わると知ったときは、不安を感じましたけど、謝りたい気分です(笑) これほど素晴らしい作品を作ってくれるとは思いませんでした。本当に編曲も素晴らしいですね。

>ジャンプが、振りが音にぴたっと合って決まる度にゾクッとしました。

元々音ハメの才能は抜群だったけど、今シーズンはSPもFSもハマりすぎです(笑) それも、sの高難度構成で。恐ろしく難しいことをしてるはずなのに、いかにも簡単にみせてしまう才能は、まさに異次元ですね。

>でも、わたしはもう一度見たいなぁ。
>今度は宇宙人認定された完璧な技術に裏打ちされた
>狂気のファントムを。

あのときの、顔面蒼白な、何かに憑りつかれた目をしたファントム、傷ついてボロボロになったファントムは、あの痛々しい転倒すら振付の一部に見えるほどでした。ファイナルのオペラ座は素晴らしかったけれど、さらにブラッシュアップして、ワールドで、ぜひファントムの、クリスティーヌへの狂気と純情が融合した完成品を見せてほしいです。

>他のスケーターたちとまるで違う空気感をまとっていました

私も何度か生で見たけど、彼は他のスケーターとまとう空気感が違いますよね。生身の人間っぽくないというか、うまく言えないけど、なにか違うんです。

>ライトの当らない所ではギラギラ

アイスショーといっても、彼は「課題」をもって臨んでいますから、ある意味「戦場」なんではないかな。

コメント、どうもありがとう♪

No:3741 2014/12/23 21:21 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

ひ○ 様

ひ○さん、こんにちは。

>今回は国内で作ったようですから、衣装屋さんにちょこちょこ頼むのかしら

今回は、アメリカの衣装屋さんじゃなかったんですか。でも、ジョニーのデザインですよね? まあ、今年は忙しかったし、わざわざざアメリカに仮縫いとか大変でしょうね。それに、ちょっとした手直しは、日本の方が融通がきくでしょうし。

>仮面をつける仕草はファントムの心情を表して感動的ですね

最後に、再び仮面をつけなければ、あの物語は完結しないとすら思います。それほど、あのシーンは感動的ですね。

>中国杯では、仮面を取る仕草でにたっと笑う、あれがたまらなく不敵で素敵だったのでまた復活しないかな~。

NHK杯、ファイナルは、中国杯に比べると、毒気の抜けたファントムでした(笑) もう少し「悪いファントムの魅力」も見せてくれたら、もっと素敵でしょうね。欲張りすぎだろうけど(笑)

>何かほっとしましたけど。逆にファイナルで神演技はもったいないし

最後のルッツを転倒しなかったら、たぶん200点越えしてたので、もったいなかったとは思いますが、病み上がり(笑)と考えれば、あれ以上を望むのは酷ですよね。それに、まだ四大陸、ワールドと200点越えのチャンスはありますし。初の200点越えは、できれば彼自身が特に思い入れのある「オペラ座」で達成させてあげたいです。

>ファイナルではまだ細かい振り付けを省略したり控えめにして体力温存をはかっていらっしゃるようなので

そうでしょうね。それでも、昨年とほぼ同じジャンプ構成で、最後まで息切れすることなく、しゃがみこむこともなく、体力もったのがすごいと思いましたよ。昨年より体力も確実についてるんだなと。体調万全になったときのオペラ座が本当に楽しみですね。

>純愛という言葉がこんなにも似合うファントムは他にいません。

これまで数限りないスケーターが演じてきた演目ですが、こういうアプローチからファントムを演じたスケーターは他にいなかったんじゃないかしら。全く新しいファントム像だと思いました。彼にしか演じられないファントムですね。

>海外解説いいですね~・・
>日本の解説と実況、うるさっっ。

できれば、中国解説みたいに、演じてるときはマイクを切ってほしいです。「すごいですね~」「なんて男なんでしょう」って・・・それ、解説じゃなくて、ただの感想じゃん!って突っ込みたくなりましたよ(笑) 

コメント、どうもありがとう♪

No:3742 2014/12/23 22:43 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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