宮原知子選手 NHK杯優勝、GPF2位 躍進の秘密
NHK杯優勝、GPF銀メダルなのに、宮原さんの記事がなかなかあげれずにいました(汗)
遅ればせながらですが、宮原さんとコーチとの関わりから、今の快進撃の理由を探ってみたいと思います。
昨年の全日本女王で、ワールド銀メダリスト・・・彼女の躍進は昨シーズンから始まっていましたが、その勢いは今シーズンも衰えることがありません。いや、むしろパワーアップしています。体型変化に苦しむことが多い十代女子シングル選手で、好調をキープし続けるのは至難の技。大きい体型変化のない強みがあるとはいえ、彼女自身の努力と、周囲の万全のサポートが実を結んでいるのだと思います。
昨日のサタデースポーツで、宮原さん特集がありました。動画をあげておきます。
Satoko Miyahara_さたすぽ 2015.12.19
NHKは、他の民放と比べ、以前から宮原さんに好意的です。ソチシーズンは、「アスリートの魂」で宮原さん特集をしてくれてました。NHKの価値観的に、典型的文武両道、努力家の宮原さんは、ポイント高い選手なのかなと思ったりします。逆に、この生真面目さ、イジリにくさ、人一倍シャイなところが、民放的には、「面白みがない」とうつるのかもしれませんが。
ソチシーズンは惜しくも全日本選手権4位で、オリンピック代表を逃してしまいましたが、ソチシーズンの四大陸選手権で2位に入ったときから、宮原さんの快進撃が始まりました。そこから、彼女は一度も表彰台を逃していないのです。
4CC2014 2位 → CSロンバルディアトロフィー 1位 → カナダ杯2014 3位 → NHK杯2014 3位
→ 全日本2014 1位 → 4CC2015 2位 → ワールド2015 2位 → CSUSクラシック 1位
→ アメリカ杯2015 3位 → NHK杯2015 1位 → GPF2015 2位(世界ランキング1位)
アナウンサーが指摘してましたが、今シーズン5大会で飛んだジャンプ47のうち、転倒したのは1回だけ。
この脅威の安定感は、宮原さんの最大の武器。今や、「安心と信頼の宮原ブランド」ともいわれる所以ですね。
今、濱田さんは、日本人コーチとしては一番結果をだしているコーチだと思います。
一部海外のスケオタからは、「日本のエテリ」(笑)とも呼ばれているそうで、確かに男性コーチをサブに据えてるのも共通しています。昨年からの宮原さんの快進撃に加え、今シーズン、GPFに宮原さん、JGPFに本田選手と白岩選手を送り込んだ手腕は確かに素晴らしい。宮原さんの活躍が、ジュニアたちにもとてもいい影響を与えていると、田村コーチも言っていました。とても良い回転をしていますね。
荒川静香さんの日テレプラスの番組「フレンズプラス」に、田村コーチが出演していて、宮原さんについてこんなことを言っていました。
指導者として最近泣いたのは、世界選手権で知子が銀メダルをとったとき。知子が名前を呼ばれて、表彰台にたったのをリンクサイドでみていたのだけど、そのときですかね。彼女が全日本で優勝して。そのまま世界選手権で銀メダルをとってくれたことが、コーチになってから・・・というより、僕のスケート人生の中で、一番嬉しかった出来事です。
知子は辛抱強い。運動能力とか、本当にトロくさいんだけど、あれだけ粘ると、本当にやってしまうんじゃないかなって。現にいま、世界選手権でメダルをとれるまでいったし。
習得は一番遅い。でも、言われたことは絶対やるし、誰でも「言われたからやろう」とやってるフリしたりするものだけど、彼女は本気でやる。絶対できるまでやる。3年かかっても4年かかってもやる。でも、それをすごいことだと思っていない。それを当たり前だと思っているから。彼女にとっては、それは苦ではないんじゃないかな。
彼女自身は、世界選手権後も、変わっていないし、驕りがあるわけでもなく、いつも通りに一生懸命練習するけど、世界選手権以降、彼女の周りが変わったと思う。批判とかも当然あるだろうし。そういうのに惑わされないで、そういうのを力に変えていくことが大事。だから、今までより、むしろこれからが僕が必要になる。これまでは、彼女の結果には僕はほとんど貢献していないと思う。今シーズン来シーズンで、知子は「あ、こいつけっこう使えるじゃん」って思うようになると思うし、そうでないといけない。
技術はもちろんだけど、彼女の心が壊れないように、サポートしていけたらと思う。これから五輪まで、悪いときもあるだろうけど、彼女が傷つかないように守ってあげるというのが、僕の役割かなと。
田村さんのようなイケメンコーチに「守ってあげたい」とか言われたら、女子選手としては嬉しいですよね(笑)
濱田コーチにとっては、宮原さんは初めての成功例だと思いますが、ひとつ結果をだすと、組織というのは上手く回転していくものなのかもしれません。チームブライアンで、結弦くんとハビくんが刺激しあって、よい結果に結びついているように。
ミヤケンさんのトーク番組「賢二の部屋」に、宮原さんが出演していたのですが、そのときも田村コーチが飛び入り参加していました。そのときの、田村コーチの話も面白かったです。
全日本チャンピオンになって、関大のリンクに帰って、普通だったら、ちょっと周りが気をつかって、席とかスッとあけたりとかするんだろうけど、チャンピオンになって最初に行った練習で、(知子は)空いてる細いとこにチョコンとすわって、チビたちに押しのけられていた、お尻で(笑) 貫録が・・・(笑) (宮原さんに向かって)もうちょっとオーラだせ!(笑)
ミヤケンさんが、「そんなとこでださんでも、氷の上だけで十分だよね」とフォローしてました(笑)
世界選手権のメダルは目標だったけど、いざ本当に獲ってしまうと、本人より僕らの方が喜んで。
俺も獲った瞬間に、この子に下手くそって言うのはもうやめようって思ったんだけど。日本帰って一週間も経たないうちに、俺には下手くそ言われるし、ボスには初級から出なおせって言われるし(笑)
濱田コーチ、厳しいですよね。以前、宮原さんが濱田コーチにものすごく怒鳴られている練習映像を見たことがあるのですが、「こわー・・・」と思ったものでした(笑) けれども、厳しさの中に愛情があるから、生徒もついていくのでしょう。
田村コーチがブログの中でこんなことを言っていました。
宮原は、関わってくれた人になんとかしなければという思いを起こさせる魅力があります。
スケートに対する真摯な姿勢で、人を惹きつけて、自然にチームとして出来上がっていきました。
グランプリファイナルでは、「最低でも表彰台」という目標を掲げ、それをクリアした宮原さん。
ファイナル後のインタビューで感想を聞かれ、こう答えていました。
嬉しいですけど、まだ二位なので・・・今度は一位になれるように頑張ります。
世界選手権の銀メダルのときに、「表彰台に乗れるとは思っていなかったので、嬉しいです」と答えていた人とは同じ人とは思えませんね(笑) 彼女の自覚の中でも、「表彰台に乗る」というところから、一段ステージがあがったのだなと感じました。
オフリンクではジュニアに押しのけられてる宮原さんですが、氷の上にたつと人格が変わるのです。
思い出すのは今年の世界選手権だったかの6分間練習。「ロシアン女子は気が強くて、6分間練習のときに軌道が重なったとき、絶対道を譲らない」と言われてますが、そのロシアン女子であるトゥクタミシェワに対して、道を譲らず、反対にトゥクタミシェワに道を譲らしたのを、私は見てしまいました(笑) ハンドルを握ると人格が変わるドライバーがいますが、リンクにあがると、彼女は人格が変わるのだなとそのとき思ったものです。
普段の自分の性格は変えられなくても、スケート本番になったときには、違う人にならなくてはならない
彼女に女優魂が確かに芽生えているのを感じます。この調子を維持して、全日本でいい結果をだしてください。
チーム宮原。右から二番目の男性はトレーナーさん。
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2015/12/20 14:00 | 2015-2016 season | COMMENT(6) | TRACKBACK(0) TOP
コメント
ううさっとん記事嬉しいです。
「なんとかしなければという思いを起こさせる魅力があります」そ~なんです。わたしもそこに嵌ってしまった一人です(いえ特に何もできないんですが;)がんばって!がんばって!って声援を送りたくなるというか、ほんとに不思議な魅力がありますね。
昨日のサタスポも見ました。何ですかね..羽生くんのような華やかなオーラとは多分真逆で、いぶし銀?のようなオーラですかね。地味な佇まいなのに闘魂をしっかり持っていて、勝つことにきちんと向かっているアスリート・・うーん上手く表現できません(笑)。 濱田コーチと田村コーチとの関係も温かさがあっていいですね。特に田村コーチのさっとんがメダルをとったことが一番嬉しいという言葉は本物ですね。NHKに好かれるのも彼女の魅力の一つですネ☆
No:4879 2015/12/20 22:54 | アラン #- URL [ 編集 ]
Re:
待ってました!
「民放よりNHK向き」
そう!まさにそれですね!!ひたむきな努力、自ら英語を駆使しての前向きな受け答え、とどめに「ほんとの初恋はまだ…」って朝ドラのヒロイン要素まんまですやん♪
今日はわけあって音声無しで動画を見るしかなかったのですが、音楽がなくても「恋する少女の喜び・切なさ」が伝わってきました…は格段に表現力増したなぁ~とあらためて感心しました)^o^( 宝塚に学んで大正解でしたね。
去年の全日本でこそ優勝してますが、シルバーメダル多いな…という印象は拭えないので、試練はこれからも続くのかな~と思いますが…彼女もまた求道者の香りがしますしね。田村先生、本当に守ってあげて!と祈りたくなります。
全日本がたのしみですね♪
素敵なブログありがとうございましたm(__)m
No:4880 2015/12/21 00:07 | なすか #- URL [ 編集 ]
アラン 様
アランさん、こんにちは。
もうお読みになったことがあるかもしれませんが、佐野稔さんの四回転トークで、宮原さんがワールド銀をとったことについて書かれている部分があります。抜粋すると・・・
●薄皮を積み重ねるように手にした銀メダル
初出場の世界選手権で銀メダルを獲得。先月の四大陸選手権では負傷の影響もあってフリーでミスをくり返した宮原知子ですが、しっかりと立て直して、いまの自分にできることを全力でやり切りってみせました。
彼女の表現する世界は、けっして派手ではありません。たとえば、金メダルを獲得したエリザヴェータ・トゥクタミシェワ(ロシア)のような「妖艶さ」とは、真逆のタイプです。それでも、薄皮を一枚一枚積み重ねるように、コツコツと精一杯努力を続けてきた。常に自分の持てる力を、すべて出し切ってきた。そして、それがいま報われている。そこが日本人の琴線に触れると言うのか。なんとも「いじらしい」じゃないですか(笑)。
とかく華やかさにばかり注目されがちなフィギュア界にあって「宮原のようなやり方もあるんだな」と、参考にして見習うべき選手です。似たような課題に突き当たっている後輩のスケーターたちに、希望を与えてくれる存在です。
●その安定感は、真似のできない武器に
この大会でも、ミスらしいミスはフリー後半の3回転ルッツだけ。そのほかの滑りは、ひじょうに安定していました。それと同時に、いまの自分が持っている技術を最大限に活かして得点をアップするために、彼女は身体も頭もフル回転させています。初優勝した去年の全日本選手権のときにも話題になりましたが、演技前半のコンビネーションを「3回転ルッツ+2回転トゥ・ループ+2回転ループ」に変更する代わりに、基礎点が1.1倍になる後半に「ダブル・アクセル+3回転トゥ・ループ」を2度入れる構成変更などは、その象徴だと思います。
ともすれば、これまでは地味で面白みに欠ける印象がありました。濱田美栄コーチのコメントなどからも、そこは課題として自覚しているようです。が、その一方で地道な努力で身に付けた宮原知子の「安定感」はここに来て、誰にも真似のできない個性と武器になってきました。17歳になったばかり、まだまだ成長の余地もあるでしょう。今回はロシア勢の表彰台独占を阻止してみせましたが、これからは世界の頂点を目指して、これまで通りにひたむきに取り組んでいって欲しいと思います。
・・・以上なのですが、佐野さんにしては(笑)わりといいコメントだと思いました。特に、「薄皮を一枚一枚積み重ねるように、コツコツと精一杯努力を続けてきた。常に自分の持てる力を、すべて出し切ってきた。そして、それがいま報われている。そこが日本人の琴線に触れると言うのか。なんとも「いじらしい」じゃないですか(笑)。」という部分。ここだと思うんです。「なんとかしなければという思いを起こさせる」のは。彼女の控えめだけれど、誰よりも芯の強いところに「日本人の琴線に触れる」美しさを感じます。
まあ、でも汚れきった民放に彼女の良さがわかるわけないと思います(笑)
コメント、どうもありがとう♪
No:4881 2015/12/21 14:20 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]
なすか 様
なすかさん、こんにちは。
>「民放よりNHK向き」 そう!まさにそれですね!!
田村コーチも「世界選手権でメダルをとれるようになるとは思っていなかった」と言ってましたし、宮原さんのお母さんも銀メダルとったときは「奇跡です!」と言っていたそうです(笑)
そんな、親やコーチでさえ期待していなかったことを、努力に努力を重ねやってのけた。地味で端っこにいたような控えめな少女が、いつのまにか世界のトップグループで争うまでに成長するなんて(そして、どんどん可愛くなってるし)、本当に少女漫画か朝ドラのヒロインみたいですよね(笑)
>格段に表現力増したなぁ~とあらためて感心しました
先日たまたま3年前の宮原さんの演技見たのですけど、全く別人でした。すごい速度で進歩してると思います。
>シルバーメダル多いな…という印象は拭えないので
やはり世界の大舞台ではそんなに簡単に優勝はできませんよね。昨年はタクタミ、今年はメドベ、ロシアは次から次へ強い子でてきますから(賞味期限は短いけど)。来年はワールドはアメリカなので、GG&ワグナー上げあるだろうし、試練は続きますが、頑張ってほしいです。
コメント、どうもありがとう♪
No:4882 2015/12/21 14:37 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]
かしこ可愛いさっとんがんばれ
今シーズンのさっとんのショート、あの曲調変わる所。さっとんの清純な色気あって、バルセロナの観衆沸かせてましたね!さっとんの演技まるで京懐石みたいに丁寧で心配りが感じられました。賢いのに慎ましやかでこれぞ日本女子、という感じ。派手なスター性なんて要らない、バブルのあとにくる虚しさを知っているから。
小柄なせいもあるのでしょうか、滅多に転倒しないので安心して観ることができます。あと若さに似合わぬ品の良さ。羽生選手、さっとん、家庭環境にも恵まれてるみたいで、好ましい。
さっとんについて書かれた記事があまりなくって、我が意を得たり、と嬉しくなって内気な私もお邪魔してみました。
いつも読ませる記事ありがとうございます。
No:4883 2015/12/21 16:43 | ぱすた #- URL [ 編集 ]
ぱすた 様
ぱすたさん、こんにちは。はじめまして。
今シーズンのディクソンのSP、またまたいいですね。妖艶な感じが素敵です。彼女の演技は本当に繊細で、精巧な工芸品のようです。レイバックスピンでクルクル回っているところなんて、オルゴール人形のように愛らしくて美しい。
>賢いのに慎ましやかでこれぞ日本女子、という感じ。
パッパラパーな女の子が増えてる中、絶滅危惧種ですよ、彼女のようなタイプは(笑)
>派手なスター性なんて要らない、バブルのあとにくる虚しさを知っているから。
スケ連とマスコミがスターを作ろう作ろうとしてるところが嫌だなと思います。本当にスター性があれば、ごり押ししなくても自然に人気はでてきます。結弦くんだって、作ろうとして出現したスターではありません。
スター性がないとか言われますが、ファイナルの女子シングルの瞬間最高視聴率は、宮原さんだったそうですよ。
>羽生選手、さっとん、家庭環境にも恵まれてるみたいで、好ましい。
両親に愛されて育ったんだな、素晴らしいご両親なんだなというのが、よくわかる二人ですよね。「育ちの良さ」というのは、一生の財産だなと、あの二人を見ていると思います。どんなに富を得たとしても、こればかりは後から買うことのできないものですから。
>いつも読ませる記事ありがとうございます。
そう言っていただけると嬉しいです(^^)
コメント、ありがとうございました♪
No:4884 2015/12/22 00:51 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]
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