羽生結弦とデヴィッド・ウィルソン その2 ~ウィルソン 羽生結弦を語る~

「羽生結弦とデヴィッド・ウィルソン その1 ~再タッグの可能性は?~」の続きです。気になりつつも、アイスショーをはじめ、タイムリーな話題が次から次へと途切れず、「その2」を2ヶ月近く放置してしまいました(汗) 

前回は、五輪シーズンの結弦くんとウィルソンの再タッグの可能性について触れました。
前回の記事はこちら → 羽生結弦とデヴィッド・ウィルソン その1 ~再タッグの可能性は?~

2回目は「ウィルソン、羽生結弦を語る」です。もう1年以上も前の動画になりますが、TSLインタビューで、ウィルソンが結弦くん、ハビくん、チャンの3人について語っていました。

David Wilson Talks to TSL about Hanyu, Fernandez and Chan



こちらのサイトのコメント欄で、その内容を翻訳してくださっていたので、結弦くんについて語っている部分だけ抜粋させていただきます。翻訳をお借りします。ありがとうございます。

 
W=ウィルソンJ=ジェニーD=デビッド

冒頭、羽生が武士に扮し映画出演をしていると聞き、驚くウィルソン氏。

D: 羽生とキム・ヨナをどう比較しますか?
W: 二人ともかなり負けず嫌いで積極的。前に組んだ時、ユヅはヨナに心酔していると言っていた。スケートだけじゃなく、あの4年間をいかに律したか。あの強さが欲しい、と。五輪のプログラムを選曲していた時、ユヅから感動的な手紙をもらった。使い古された曲なので僕は乗り気じゃなかったが、彼は『ロミオとジュリエット』に決めていた。手紙にはこう書いてあった。「手助けして下さい。覚悟はできています。オリンピックチャンピオンになるためなら、死ぬ気で何でもやります。2018年まで待てません。今なりたいんです。」激しい子だよ。
D: オフアイスでも?
W: オフアイスでは優しい子。挨拶するし、よく笑う。練習中は周囲に感じよく接してる。激しくはないね。そうなることがあるのかもしれないけど、どうかな。組んだのは2シーズンほどで一年半だから、良く知っている訳じゃない。ヨナほど親しくなってないからね。
D: ユヅと組みシェイ=リーン・ボーンともコラボしてますね?
W: そう。彼女は僕の憧れ。大大大好き。
D: ユヅはジェフリー・バトルとも組んでますね。
W: そう。ジェフも大好き。僕の子供同然。
D: 毎日ユヅにレッスンをつけていますか?
W: 五輪後は、もうユヅとは組んでいない。翌年ユヅはジェフと組み素晴らしいエレキギター曲のSP『パリの散歩道』を、シェイとは『オペラ座の怪人』をやった。それからショパンのSPをジェフと、『陰陽師』をシェイとやった。ユヅがジェフやシェイと続いているのは良いこと。最高の作品を生み出すには、プロセスとして選手を知る必要がある。一週間じゃできない。
J: 今年は特に攻めのモードに入っているようですが、練習でも変化が?
W: あるね。組んでいた時、ユヅにスタミナがなくて大変だった。なぜ僕がユヅのSPを振付けられないんだ、ってジェフに文句を言ったことがある。うらやましくてね。で、その理由はユヅが当時スタミナ不足で壮大なSPが滑れないからだった。僕が振り付けた二つのLPでユヅは死にそうになっていた。僕の振り付けがシェイやジェフより難しい訳じゃないけど。
パトリックが戻り、スケートカナダで四回転ひとつ、アクセルひとつだけ入れていた。ボーヤンは既に3回転や4回転、4回転、4回転…を跳んでいた。その大会から戻ったユヅは燃えに燃えていて、ジェフにSPに4回転を二つ入れる、シェイにLPの4回転を増やすと電話を入れた。どうなることかとジェフと話したのを覚えてるよ。でもユヅを褒めるべきだね。やり遂げたんだから。今ではLPを滑りこなすスタミナをつけた。嬉しいけど、ちょっと嫉妬する(笑)。

D: ユヅは終盤でヘトヘトになると以前僕たちは話してました。
W: その通り。倒れ込んでた。でも強い意志でスタミナ不足に取り組み、克服した。ユヅは望みを意志の力で実現する人だと思う。
D: 『ロミオとジュリエット』『ノートルダム・ド・パリ』など有名なスケート曲を滑っていますが、そのシーズンの人気曲でしたね。
W: 『オペラ座の怪人』もね(笑)。始めにユヅに何をやりたい?と聞くと、『オペラ座の怪人』。パトリックが演じたばかりだからダメだと言った。当時、僕はパトリックと組んでたっけ?いずれにせよパトリックのファントムを振り付けたのは僕じゃなくローリー。君はできるし、色んな曲があるんだから自分らしいのを選べば?とユヅに言って『ノートルダム・ド・パリ』で妥協した。僕がジョニー・ウィアに振り付けた曲だからね。ジョニーの代表作じゃないけど。ジョニーが演じたということで、ユヅは気に入っていたよ。
今はパトリックやハビーと組んでいるので、ライバル関係にあるユヅとは僕は適度な距離を置いている。それでも分かることはあるよ。

J: ハビエル、パトリック、ユヅをどう比較しますか?
W: オリンピックの年は、この3人と組み、自慢じゃないけど表彰台をほぼ独占した。ハビーが3Tを跳びすぎなきゃね(笑)。おかげで4位だった。でなきゃ、独占してた。世界の男子トップ3に振付けるのは、怖気づいたし苦労したよ。 それぞれ全く異なる振付け、しかも彼らにふさわしい優れたものでなくちゃいけない。でもパトリックとハビーのタイプが全然違っていたから、そこはやりやすかった。性格、体格、スケーティングスタイル、ジャンプ技術も違った。あの3人は、それぞれがユニーク。史上最高の3人。


「手助けして下さい。覚悟はできています。オリンピックチャンピオンになるためなら、死ぬ気で何でもやります。2018年まで待てません。今なりたいんです。」激しい子だよ。

これぞ羽生結弦・・・ですね。これぐらいの覚悟がなくては、19歳という若さでオリンピックチャンピオンにはなれないということでしょう。結弦くんは、「命を削って」スケートをしているといっていました。彼のファンになったのは2012年ですが、その言葉が決して大げさでも、言葉の綾でもないことを、この5年間、ことあるごとに、見せつけられてきたように思います。


なぜ僕がユヅのSPを振付けられないんだ、ってジェフに文句を言ったことがある。うらやましくてね。
今ではLPを滑りこなすスタミナをつけた。嬉しいけど、ちょっと嫉妬する(笑)。


私、ウィルソンの気持ちはすごくよくわかります(笑) ウィルソンが結弦くんのフリーの振付をしていた当時、結弦くんはパトリックに追いつくために、当時の結弦くんのスタミナでは、かなりキツいジャンプ構成を組んでいました。特に、故障を押して出場した2013年の世界選手権、万全の体調ではなかった結弦くんは、ジャンプの成功を優先して、”つなぎ”を犠牲にしました。ウィルソンが、「つなぎがまったくなくて、骨だけだった」と嘆いていたのを覚えています。この頃は、苦しくなるとつなぎを省いたり、後半はバテてスピードが落ちたりすることも多かった。今にして思えば、当時、PCSがなかなか伸びなかったのは、そのせいだったのでしょう。


僕が振り付けた二つのLPでユヅは死にそうになっていた。僕の振り付けがシェイやジェフより難しい訳じゃないけど。

結弦くんが、シェイリーンの振付を、「こんな難しい振付は初めて」だといっていたので、ウィルソンの振付が特別に難しかったわけではないと思います。でも、ウィルソンが振り付けた2シーズン、結弦くんは、ウィルソンのプログラムを一度もノーミスすることはできませんでした。まだ十代で、そこまで身体ができていなかったということもあるでしょう。ソチ五輪後、フリープログラムの振付担当は、ウィルソンからシェイリーンにバトンタッチされました。そのあたりから、結弦くんのスタミナが向上し、ジャンプ構成が上がっても、プログラムを演じきれるようになり、世界最高得点。そりゃ、ウィルソンも「ちょっと嫉妬する」とすねたくなりますよね。私も、ウィルソンの立場だったら、シェイリーンにトンビに油揚げさらわれたみたいな、「いいとこどり」されたような気持ちになると思う(笑)

だから、先シーズンの「白鳥」は、エキシビションとはいえ、ウィルソンも楽しんで振付できたんじゃないでしょうか。今は自分の手を離れたとはいえ、大きく成長したかつての教え子を再び振り付ける機会が巡ってきたのですから。ウィルソン振付の「白鳥」がとても評判がよかったことも、ウィルソンとの再タッグが一部で噂されている理由なのかもしれません。

さて・・・8月上旬にクリケットの公開練習。その頃に、新プロが発表されるでしょう。シェイリーンの可能性が高いと思いますが、ウィルソンという線も捨てきれません。さて、どうなるか・・・プログラムの発表が本当に楽しみですね♪


4CC2017EX


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2017/07/17 08:00 | クリケット・プログラム・CS(2017-2018)COMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

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No:7035 2017/07/17 14:50 | # [ 編集 ]

お久しぶりです。記事をありがとうございます。

ウィルソンと羽生くんの相性ってどうなのでしょう?
羽生くんはセルフプロデュースが上手いので、本人が直接関わった
プログラムの方が成功しやすいような。
シェイリーンやバトルは一緒に作り上げてゆく感じがするので、
彼自身とても演じやすい感じがします。

ノッテ・ステラータは初戦のカナダが一番良かった気がします。
今季ハビはウィルソンで、パトリックはどうなりますか・・・
パトリックも一緒だったら羽生くんのウィルソン確率は低くなるのかな?
あと少しのお楽しみですね!

No:7036 2017/07/17 16:52 | piano #- URL編集 ]

こんにちは、みずほさん

待ち遠しいですね~こんなに「曲は」「振り付けは」「衣装は」と待ち焦がれられる男子って、かつて存在しなかったのでは…

ええ、ぶっちゃけ羽生結弦ファンは「なんだっていいんです!」なのは分かってます。どんなに違和感を感じようと、シーズン終わりには必ず納得させられて来たんですから!

分かっていてもドキドキ…もう、しゃあないっすね(^^;

No:7037 2017/07/17 20:27 | なすか #- URL [ 編集 ]

みずほさん今晩は!
毎日お邪魔してます♪

私もフリープロが気になってドキドキしてます。

ソチからファンなので今度の平昌では正気で応援する自身がありません↓
去年の世界選手権の後は2ヶ月近く食欲もなく根暗になってしまいました。
今期ばら1を選んだ時、そうかそんな手があったか…と正直驚き以上に彼の柔軟さに改めて凄さを再認識させられました。

ソチの時にやはり緊張と疲れから、薄れゆく意識の中で本能のままに体が自然に動くままに…とインタビューで答えてました。それ位自分のものになっていないとちょっとのミスで崩れてしまう、オリンピックの怖さを語っていたのを思い出します。

それならいろんなしがらみを消していって、だったらフリーはseimeiでいいんじゃない…と言う願望が湧いてきました。何故ならseimeiは彼そのものでした!

皆新プロを楽しみにしているのにこんな事を言ったら引かれちゃいますよね(汗)

本当は何でも良いんです、ただただ勝って欲しい・・それにつきます‼

前の記事の33の事ですが、不思議と羽生君縁があるんですよね?seimeiも33曲絡んでいるとか、町田君にも0・33の差で逆転勝ち、今の最高点330.43とか、まあチョットこじ付けですけど!

又みずほさんの情報楽しみに待っていますね♪

No:7038 2017/07/17 23:54 | amakko #- URL [ 編集 ]

e〇〇 様

e〇〇さん、こんにちは。

>もう一度ウィルソン振付のプログラムも見たいなあと思います

結弦くんは「オペラ座」をやりたいという希望をだしたけれど、そのときはウィルソンは「まだ早い」と却下しました。それで、シェイリーンの振付で希望がかなったわけですが、幻になったウィルソン振付の「オペラ座」を見たいなあと前から思っています。結弦くんも「オペラ座はまたやりたい」と言っていたこともあるので、もし再演するならぜひ今度はウィルソンで。

>Dオタと呼ばれるアンチがずっと前からゆづ君を貶める記事や動画をたくさんあげているようですね。

もうかなり前からですよ。おそらく、2011年の四大陸で銀メダルとったあたりから、目をつけられていたと思います。そのときは銀でしたけど、フリーのTESではすでに、そのとき優勝した先輩を抜いてましたからね。

>ねつ造動画や記事に悔しい思いを持っていた韓国ファンが上げたようですが、改めてデーオタ、アンチに対して腹が立ちました。

テン選手との事件のときもかなりアンチ工作してたようですし、「羽生選手は脱税しているから調べろ」と税務署に電話をかけたとかあきれるような話もあり、あの人たちのアンチ活動は枚挙にいとまがないです。あと、マオタという人達も、本当に結弦くんのこと嫌いですよねえ(笑) そういう人たちが、今、後輩選手に乗っかってることを考えると、「両方応援する~」と言ってる羽生ファンは本当に頭の中お花畑だなと思います(笑)

コメント、どうもありがとう♪

No:7039 2017/07/18 09:00 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

piano 様

pianoさん、こんにちは。

>ウィルソンと羽生くんの相性ってどうなのでしょう?

やりやすいのはもう3年もタッグを組んでますし、シェイリーンの方が相性もいいと思います。
ウィルソンが「最近、日本人の依頼がこないだよね~」と愚痴っていましたが、確かに、最近は日本人スケーターには、シェイリーンの方が人気があります。でも、「五輪シーズンはウィルソンの振付が多くなる」という人もいるように、今シーズンは、本田さんや三原さんなど、ウィルソンに依頼する日本人が増えています。やはり、五輪メダリストを多く輩出してきた実績がウィルソンにはありますから。シェイリーンの場合は、ワールドチャンピオンも、たぶんホプレガが初めて。五輪チャンピオンどころか、五輪メダリストもまだいませんよね。

>パトリックも一緒だったら羽生くんのウィルソン確率は低くなるのかな?

パトリックも最近はずっとウィルソンだったから、たぶん今回もウィルソンじゃないでしょうか。でも、結弦くんがシェイリーンを選んだとしても、同じになるから避けたということではないと思います。現に、ソチ五輪では3人ともウィルソンで、その中で結弦くんが優勝してるわけですから。

コメント、どうもありがとう♪

No:7040 2017/07/18 09:28 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

なすか 様

なすかさん、こんにちは。

>ぶっちゃけ羽生結弦ファンは「なんだっていいんです!」なのは分かってます

ショートがバラ一と発表されたとき、「もうバラ一は飽きた~。羽生は守りに入ったのか!」と罵倒してた自称羽生ファンのブロガーさんがいました(本当に、羽生ファンかと目を疑いましたが)。まあ、分母が多いのでいろんな羽生ファンがいらっしゃいますが(笑)、私としては「勝てるプログラム」でさえあれば、もうどんなものでもいいと思っています。

>分かっていてもドキドキ

たぶん、あと2週間もすればわかるのでしょうけど、本当にドキドキしますね(笑)

コメント、どうもありがとう♪

No:7041 2017/07/18 09:41 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

amakko 様

amakkoさん、こんにちは。

>ソチからファンなので今度の平昌では正気で応援する自身がありません

私は2012年のニースワールドからのファンなので、ソチ五輪での演技を固唾をのんで見守った経験をしましたが、優勝をしたときの喜びは筆舌に尽くしがたいものでした。もう一度あの喜びを味わいたい・・・いえ、きっと味わえると信じています。

>だったらフリーはseimeiでいいんじゃない…と言う願望が湧いてきました

1ヶ月ほど前に「今季フリー」の予想記事を書いたのですが、そのときSEIMEIを40%と予想しました。でも、これだけ発表が遅くなると、だんだん自信がなくなってきましたが(笑)

>皆新プロを楽しみにしているのにこんな事を言ったら引かれちゃいますよね(汗)

私も40%で予想していたくらいなので、全然引きませんよ。新プロが見たいというのは、あくまでもファンのわがまま。結弦くんがそれに付き合う必要はないです。恐ろしいほどのプレッシャーの中で、これから戦わなければならないのは結弦くん自身です。私は「勝てるプログラム」ならなんでもいいと思っています。

コメント、どうもありがとう♪

No:7042 2017/07/18 10:35 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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