AERA「羽生結弦 公開練習で見せた4回転の完成度」 

AERAの最新号に、結弦くんの記事が掲載されています。



AERA (アエラ) 2017年 8/28 号 [雑誌]


羽生結弦 五輪シーズン開幕直前! 充実の夏
結果は必ずついてくる


 フィギュアスケートの羽生結弦(ゆづる)が、カナダ・トロントで練習を公開した。リラックスした笑顔と自信に満ちた言葉があふれ、冗談を交える余裕があった。

*  *  *
 いつも通り礼儀正しく何度も頭を下げながら、羽生結弦(22)は報道陣の前に姿を現した。8月8、9の両日、拠点としているカナダ・トロントのクリケット・クラブで練習を公開。夏の明るい日差しが窓から差し込むリンクで、充実した夏を過ごす様子を取材した。

 来年の平昌(ピョンチャン)五輪(韓国)で、男子シングル66年ぶりとなる連覇を狙う羽生。リンクに降りて少し滑るとすぐに4回転ジャンプを跳び、回りきって着氷。4回転トーループ─3回転トーループのコンビネーションでは3回転で両手を上げた。4回転ループでは着氷がやや乱れ1歩踏み出すこともあったが、それ以上に多く成功ジャンプをみせた。

●4回転の8割は成功

 公開練習を通じて、4回転ジャンプの成功率はおおよそ8割といったところか。体が温まり切っていない段階でも跳んだことを踏まえると、かなりの成功率だ。状態の良さを感じさせる内容だった。

 2日間で公開した練習は計3セッション。最初のセッションでは、4回転トーループ─1回転ループ─3回転サルコウの3連続ジャンプで転倒があったが、その後はしっかり修正。プログラムを通して滑りながら、美しくスムーズに決めた。

 今季のフリースケーティング(FS)も初披露した。平安時代の陰陽師・安倍晴明をテーマにした映画「陰陽師」の音楽を使った「SEIMEI」。世界歴代最高得点を2度塗り替えた2015~16年シーズンに使用した曲だ。今季はショートプログラム(SP)も、過去に演じたショパン作曲の「バラード第1番」だと明らかにしている。

●世界最高を超えないと

 プログラムはアレンジされているのか。羽生の答えは、
「ショパンもSEIMEIも何もいじっていない状況です」

 SP、FSで共に過去のプログラムを再演することは珍しいが、羽生は、
「また(同じ曲か)と思わせないような演技にしたい。プレッシャーはない。むしろ大丈夫っていう自信と、このプログラムに関しては、呼吸の仕方とか、何より自分でいられる。滑っていてすごく心地いい。同じプログラムだけど、違うこと、一歩先のことをやっている」
と、選択の理由を説明し、自信をみせた。

15年12月のグランプリ(GP)ファイナルで出した合計330.43点という世界最高点を超えられるかと聞かれると、
「はい。はい。はい。超えないと」

 白い歯もよくみせた。報道陣との会話にも積極的で、2日目の練習前には、「何がいいですか?」とSPとFSのどちらが見たいかを尋ねてきた。FSのリクエストが多いと「じゃあSPやります」と言って記者らの笑いを誘い、実際にはFSの曲を通して演じた。

 フォトセッションでは求めに応じて次々とポーズを取ったが、親しいカメラマンにレンズを向けられると、リクエストとは違う野球のバットを振るしぐさ。撮影時間が短いこともあって「違う違う」とカメラマンは苦笑い。そんなやりとりで、周囲を和ませた。

●自分の理想が見えた

 特に印象的だったのは、自信あふれる言葉を数多く口にしたことだ。例えば、
「代表に選ばれたら金メダルを狙ってしっかりやっていきたい」

「(自分の強みは)全部です。スピンがもともと得意で、小さいときはスケーティングを重視して練習した。何もかも、得意と胸を張れる。どこを切り取っても羽生結弦ってうまいなと思ってもらえるスケーターを目指しているし、全部が自分の武器と自負しています」

「クリーンに滑り切れるようになれば、必然的に結果はついてくる。そこは自信を持ってやらなきゃいけない」

 去年はけがもあって滑り込みが足りず、シーズン開幕直前にも焦っているという話が漏れ伝わってきた。この夏の羽生に、焦りはみじんも感じられない。

「質のいい練習、質のいいケア、質のいいジャンプを跳び続ければ、必然的にけがは少なくなる」
「どんな状況でもリカバリーとして何でも跳べるように、常に高いレベルの練習をしています」
と話し、プログラム後半に4回転を3回入れることも、
「すごく手応えをつかんでいる。自信がある」

 現在のコンディションがいいだけではない。
「この3年間でいろんなことを練習し、多種多様な部分を磨いていけるようにしているし、自分のスケートの理想的なものが見えてきている」
と話すなど、ソチ五輪後、あらゆることに妥協なく取り組んできた積み重ねこそが、その自信の最大の裏付けだ。

 コーチとも、
「1+1が3になったり4になったり、そういう作業がうまくできるようになった」
と話すほどいい関係。

現在までの自分自身については、
「金メダルという結果があり、その上で成長できる伸びしろをすごく多く感じてこられた、(自分は)すごく贅沢な選手だと思っています」
と振り返った。

●追われる立場じゃない

 昨季の羽生はFSで、風や自然や風景を表現するという難しい挑戦をした。苦しみながらも、最後の最後に世界選手権で歴代世界最高得点を更新したことが、自信を揺るぎないものにしたようだ。この経験を生かし、今季はフリー「SEIMEI」で陰陽師のキャラクターを際立たせて演じつつ、情景まで表現したいという。

「目線、手の振り、足の振り、上半身の動き、そういうものでキャラクターを演じつつ、どういう情景でどんな状況かを出せるようになればと思います」

 ブライアン・オーサーと共に、羽生を支えるコーチのトレーシー・ウィルソンは、
「彼は自分自身を高めようとし続け、チャレンジをやめようとしなかった。真のチャンピオンだ。重圧ともうまく付き合うことができている」
と称賛した。

 自信を持つ一方で、羽生は自分と他選手との距離感を冷静に受け止めている。

 報道陣からは、追われる立場であることについて問う声も上がったが、
「追われる立場とは思わない。ソチの時よりもメダル争いはすごく熾烈(しれつ)になっている」

 ソチ五輪の金メダル最有力候補はパトリック・チャン(26、カナダ)。羽生は2番手で、他の選手は当時の状態も考慮すると、この2人とは少し差が開いていた。
 しかし、平昌五輪では、羽生、ハビエル・フェルナンデス(26、スペイン)はもちろん、ネーサン・チェン(18、米国)、宇野昌磨(しょうま、19)、金博洋(ジンボーヤン)(19、中国)らも状況次第で金メダルに手が届く。

 少年時代に、ロシアのエフゲニー・プルシェンコやアレクセイ・ヤグディンが激しくトップを争った様子を見て、このスポーツにのめり込んでいった羽生。そんな激しい争いは望むところだ。その上で勝つことにこそ、価値を見いだしている。

「みんないろんな個性を持っていて、個性同士がぶつかる。すごく楽しいし、僕の個性っていうのはオールラウンダーであり、すべての質が高いこと。そういう武器を生かして戦いたい」

(朝日新聞スポーツ部・後藤太輔)



本文以外に、写真が何枚か。その写真には、こんなコメントが添えられていました。

公開練習が始まるとすぐに、ループやサルコウなどの四回転ジャンプを軽々と決めた。
その完成度も、飛躍的に高まっている。

詰めかけたメディアはCM撮影チームも含めて95人。分刻みで取材に応じたが、疲れた顔は見せず、笑顔を絶やさなかった。

盟友のハビエル・フェルナンデスやコーチと談笑したかと思えば、次に瞬間には集中状態に。そんな切り替えのうまさも見て取れた。



95人! その全員に対応って・・・大変だな。そういえば、能登さんは「結弦くんは、一度でも取材などで一緒に仕事した人の顔と名前は、全員覚えている」と言っていたけど、95人全員覚えてるのだろうか(汗) すごい記憶力なんですけど! 「天は二物を与えず」なんて嘘! この人は何物もってるんだ(笑)  ところで、CM撮影チームって、なんのCM? 

親しいカメラマンにレンズを向けられると、リクエストとは違う野球のバッドを振るしぐさ。撮影時間が短いこともあって、「違う違う」とカメラマンは苦笑い」・・・この親しいカメラマンって、能登さんかな(笑) 講演会でも、「ふざけるんですよね、あの子」と、能登さん言ってたものね。能登さん、また結弦くんに遊ばれていたのね。持ち時間5分なのよね。能登さんの焦る顔が目に浮かぶ(笑) でも、結弦くんも親しみを感じてるカメラマンにしかしない態度。ふざけるのは、心を許している証拠。能登さんの特権です(笑)


クリケットファミリー
なごやかなクリケットファミリー(この号のアエラの写真ではありません)


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2017/08/25 07:46 | テレビ番組・コラム(2017-2018)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

雑誌

こんばんは

AERAは薄くて嵩張らないし、安いので、ついつい買ってしまいます。
朝日の後藤さんの記事は(ツイとかも)引っ掛かる時もありますが、今回は良かったのでは?
私もふざけた相手は能登さんだと思っていたのですが、みずほさん、フィギュアスケートマガジンは読まれましたか?フォトセッションの時に、山口さんの手を握ったり変顔を作り続けていた、と書かれてますよ~「かまってちゃん」とまで評されているし。
公開練習がうまくいったので、ハイテンションになっていたのかしら。

No:7242 2017/08/25 20:50 | あお #9rJvOvOM URL [ 編集 ]

あお 様

あおさん、こんにちは。

>フィギュアスケートマガジンは読まれましたか?

今日届いたので、まだ読んでないです。

能登さんは講演会で、「ここに立ってこんな風に」と言っても、「え、どこどこ?」ととぼけて、全然違うポーズするとか言ってたので、能登さんともふざけてのじゃないかな。今年だけマトモに対応するとは思えないので。

山口さんはあれだけ結弦くんに入れこんでくれてるライターさんだし(ワールドのSPの後、他の記者さん達が宇野選手等のところに行ってしまったときも、山口さんだけは結弦くんに最後までくっついてたらしいし)、結弦くんがなついても不思議はないですね。

コメント、どうもありがとう♪

No:7243 2017/08/25 23:55 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

猫ですね

おはようございます。
アエラの記事をありがとうございます。
取材陣が95人ってほぼ100人!8日はクリケ人口が凄かったでしょう。

BBマガジンでは山口さんとのやり取りが面白いです。
羽生くんって懐いている人にはいたずらやオフザケが好きですよね。
信頼している証拠かな。(ノブくんや能登さんも)

本当に羽生くんって猫のような人ですね~♪

No:7244 2017/08/26 09:40 | piano #- URL編集 ]

piano 様

pianoさん、こんにちは。

>羽生くんって懐いている人にはいたずらやオフザケが好きですよね

パンダライオンさんが、結弦くんのことを「いつもしっかりしてる子が甘えてくると、男でも可愛いと思いますよ」と言ってました。羽生結弦の「落しのテクニック」かと(笑) 他の人には丁寧に接してるのに、「自分にだけふざけた態度をしてくる」と、「自分は特別なんだ」って嬉しいですよね。山口さんもどんどん羽生沼にはまっていってるような(笑)

>本当に羽生くんって猫のような人ですね~♪

誰かが「基本フレンドリーで、居間くらいはすぐ入れてくれるけど、寝室まではなかなか入れてくれないタイプ」だと、結弦くんを評していて、すごく同感したことがあります。山口さんやノブさんは、寝室とまでいかなくても、寝室の「前室」くらいまでは入れてもらってるのかな(笑)

コメント、どうもありがとう♪

No:7245 2017/08/26 13:03 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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