羽生選手 今後のジャンプ構成は? その2
結弦くんの今後のジャンプ構成についての各方面からの意見を紹介しています。
その2は、Number Webの折山さんのコラムです。だいぶ前の記事になりますが・・・。
負傷の羽生結弦。復帰時は限界マックスでなく「その時できる最高」で(20171112 Number Web)
NHK杯競技前日の11月9日午後の公式練習。午前中の公式練習を体調不良で休んでいた羽生結弦の動きにはキレがなかった。間を置きながらジャンプを跳び始めたが、トリプルアクセルを決めたあとに挑戦した4回転ループは2度続けて転倒。曲かけは最後の6番目ということもあったのか、いつもより気持ちが入りきっていないようにも見えた。
4回転サルコウで3度パンクを繰り返したあとに、やっと力みのないジャンプになって4回転サルコウ+3回転トーループを2回続けて決めたものの、あまり調子がよくないなかで演技をどうまとめられるかが、今年のNHK杯の注目点になると思わせる状態だった。
だが、そんなコンディションでも、羽生は4回転ルッツに挑み始めた。一度はパンクし、そのあとで跳んだジャンプは完全に軸が斜めになっていた。そして回転不足で着氷すると、ブレードが氷に突き刺さる形になって転倒。そのまま氷上に倒れ込んだ──。
羽生は、一度は練習に復帰したものの、しばらくしてリンクから上がると、そのまま練習を終えた。ケガの診断結果は、右足首外側の靱帯損傷。結局、NHK杯を棄権することになってしまった。
この結果、5連覇を狙っていたグランプリ(GP)ファイナル出場は消滅し、12月21日からの全日本選手権出場へ向けて、治療と調整をしていかなければいけなくなった。
平昌五輪代表に関しては、「世界選手権3位以内に入っている選手」という基準が適用されれば、仮に全日本を欠場しても選ばれる可能性はあるが、羽生自身がそれをよしとしないのではないか。
それでも、現実的には治療を優先させなければいけない状況で、追い込んだ練習ができるのがいつからになるか、まだ不透明だ。それを考慮すると、前戦ロシア大会のロステレコム杯から挑戦し始めた4回転ルッツを入れたフリープログラムを完成させることは、やや難しくなったといえる。
挑戦することを自らの命題と位置づける羽生が、そんな状況で自分の気持ちとどのように折り合いを付けていくのか──。これが、今後の大きな課題になってくるだろう。
ただ羽生には、4回転ルッツがなくても、勝つための選択肢を多く持つという大きな強みがあることも確かだ。事実、右膝を痛めて4回転ループを封印したシーズン初戦のオータムクラシックでは、ショートプログラム(SP)の冒頭に4回転サルコウを跳び、後半にトリプルアクセルと4回転トーループ+3回転トーループを入れるジャンプ構成で臨み、112.72点のSP世界歴代最高得点を出している。
また、その時のフリーは前半を3回転3本に抑えて、後半に3種類の連続ジャンプを含む4回転3本、トリプルアクセル2本を入れた構成。「後半ではマックスの構成」に挑戦していた。
そこでノーミスの演技こそできなかったが、プログラム自体は2015年のGPファイナルで当時の世界最高得点となる219・48点を出した時より技術基礎点は高くなっている。2年前は前半に入れていた単発の4回転サルコウと4回転トーループを後半に持ってきている分、難しい構成になっていることを考えれば、4回転2種類の構成でもトータル330点超えは可能なのだ。
羽生のこのあとのシーズンを考えると、12月の全日本選手権に出場できれば、2月上旬の平昌五輪前に、1月下旬の四大陸選手権(台北)を調整のための試合にできる可能性もある。真剣勝負の試合が五輪前に最大2試合となるため、そこでプログラムをどう仕上げていけるかもポイントになる。
挑戦し続けることを最大のモチベーションとしている羽生結弦というアスリートは、アクシデントを自分のエネルギーにできるキャラクターの持ち主だろう。だからこそ、復帰への期待は大きい。そして、ここから五輪まで、マイナスの状態から仕上げていかなければいけない状況にあることを考えれば、今回のように体調が不十分な場合、その時でき得る最適な技術構成にすることも検討すべきではないか。これは、羽生がすべての要素でGOE(出来ばえ点)を満点近くまで獲得できる能力を持っているからこそ、選択肢にできることでもある。
もちろん、羽生自身は「自分ができるマックスの構成にしないこと」を潔しとしないかもしれないが、彼は4回転ジャンプの種類がふたつ、または3つであっても、世界最高得点を更新できる力を持つスケーターであることは間違いない。自分ができ得る最大のことに挑戦し続けると同時に、冷静に、数多くある選択肢の中からその時点で最良のものを選ぶこともまた、トップアスリートのあるべき姿だろう。
フィギュアスケートというスポーツの先頭を走り続ける羽生結弦が、次にリンクに立つ時にどんな演技を見せてくれるのか。その復帰を心待ちにしたい。(折山淑美)
羽生GPファイナル5連覇消滅! 平昌は大丈夫か!?(20171111 東スポ)
10日に開幕したフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯(大阪市中央体育館)で、前日9日の公式練習で右足を負傷した羽生結弦(22=ANA)は無念の欠場となった。4連覇中のGPファイナル(12月7日~、名古屋)進出の可能性は消滅し、次戦は平昌五輪の代表選考を兼ねた全日本選手権(同21日~、東京)となる。絶対王者は残り約1か月半で復活できるのか。さらに五輪連覇の大偉業がかかる平昌への影響は? 緊急分析した。 【5面に関連記事】
10日午前に行われた公式練習に羽生の姿はなかった。前日の公式練習で4回転ルッツを跳んだ際に転倒。右足を痛め、しばらく立ち上がることができなかった。
同日夜の日本チームの会見は欠席。日本スケート連盟からは治療中とだけ説明され、痛めた部位や試合に出るのかどうかについての説明もなされなかった。10日午後になって、連盟の小林芳子強化部長(61)から「競技に出られるように治療しています」と説明があったが、数時間後には出場を断念。主催者からは負傷について「右足関節外側靱帯損傷」とのみ発表された。
羽生は連盟を通じて「皆様ご心配をおかけしました。NHK杯出場を目指し昨夜から先生方に懸命な治療を頂きましたが残念ながら医師の最終判断で欠場することになりました」とコメント。今後については「治療に専念し、全日本に向けて頑張ります」とした。
連覇のかかる平昌五輪出場は間違いないとはいえ、調整に狂いが生じる痛いアクシデント。本番に向けて大丈夫なのか。
男子フィギュアが4回転時代に突入するなか、以前から「トップ選手のケガが心配」と言い続けてきた元国際審判でフィギュア解説者の杉田秀男氏(82)は「残念だが、今回は大事を取ったということだと思う。無理をしなかったのは良かった」。直前まで出場の可能性を探った点からも「重症ではないと思いたい」と続けた。
羽生が今季から取り入れた4回転ルッツは現時点で最高難度の技。「助走時の体の向きとは逆に回転するので、ルッツは難度が高い。着氷ではアウトエッジに力がかかるのでバランスを崩せば、今回のように足をひねる可能性もある」(杉田氏)。4回転時代をリードし続けてきた羽生が、今回はその4回転によってケガに見舞われる結果となった。
気になるのは今後への影響だ。練習、特に4回転ジャンプの練習を再開するまでには時間がかかる可能性もある。ルッツへの恐怖心もゼロではないだろう。
杉田氏は「常にチャレンジしてきた羽生だけに今後、4回転ルッツを回避するというのは考えにくい」としたうえで「ルッツを跳ばなければ点が出ないという選手ではない」と指摘。高難度のジャンプに挑むと同時に、「総合力」で勝負してきた羽生の強みが今回のピンチでこそ生きてくる可能性もあるというのだ。
今大会では、GP第2戦のスケートカナダで4位と思うような結果が出なかった元世界王者のパトリック・チャン(26=カナダ)も「練習に専念したい」として欠場。杉田氏は「過去の例を見ても、GPシリーズに1試合しか出なかった、ファイナルに出なかったからといって、五輪や世界選手権などのシーズン後半で結果を出せないというわけではない。羽生やチャンのようなトップ選手は大一番にしっかり合わせてくる能力も持っている」と見ている。
日本フィギュア界としては、ソチ五輪の約2か月前のGPファイナルを練習中のケガ(右脛骨骨挫傷)で欠場した高橋大輔氏(31)に続くエースの負傷。早期復帰を目指す羽生を含め、各選手にこれ以上のアクシデントがないことを願うばかりだ。
朝日新聞の後藤さん、地元仙台の河北新報の佐藤さん、スポーツライターの折山さんの3人は、「ルッツ回避派」です。ルッツで負傷したこと、残された時間が少ないこと、なによりも、本人がルッツがなくても勝てる力をもっていること・・・などが理由です。杉爺は、「4回転ルッツを回避するというのは考えにくい」としながらも、ルッツなしでも「総合力」で十分勝負できる・・・という見方をしています。
実際のところ、外野にはわかりません。すべてクリケットのコーチ陣を含むチームハニュウと、なにより本人が決めることです。まあ、でもまだ全日本にはだいぶ間がありますので・・・いろいろな識者の見方をまとめてみるのもいいかなと思いました。
3回目は海外の記事を拾ってみます。
メドベはファイナル出れるのかな。大事ないといいのですが。
ジュニアの頃、田村岳斗さんから、「フィギュアより格闘技向きの性格」と評された(笑)結弦くんは別として、メドベといい宮原さんといい、フィギュア界は、男子より女子の方が男前な性格のスケーターが多いように感じるのは、私だけかしら?(笑)
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2017/11/29 15:25 | クリケット・プログラム・CS(2017-2018) | COMMENT(0) | TRACKBACK(0) TOP
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