羽生選手 今後のジャンプ構成は? その4

皆さんもうご存知だと思いますが、結弦くんの近況報告がありました。

五輪連覇懸かる羽生結弦の現状は?小林芳子強化部長が説明「辛い」【一問一答】(20171210 デイリースポーツ)

 フィギュアスケートのソチ五輪金メダリストで、11月のNHK杯の公式練習中に右足関節外側じん帯を損傷した羽生結弦(23)=ANA=について、日本スケート連盟が10日、現状を発表した。小林芳子フィギュア強化部長が、羽生のコメントを代読し、まだ氷上練習を再開できていないことを明かした。平昌五輪代表最終選考会となる全日本選手権(21日開幕・東京)出場は微妙な状況となった。

 小林強化部長との羽生関連の一問一答は次のとおり。

 -羽生選手の状況は

 「2日前に本人サイドと連絡を取り合い、今から発表させてもらいます。本人の言葉です。『だいぶん、よくなりましたが、まだ痛みがあるため、氷上練習はできていません。治療とリハビリを頑張っています』と、いうことです。本人からこのようにコメントしてほしいということで、読ませていただきました」。

 -状況を聞いて

 「辛いです。特に、たぶんファイナルを見ていなくても、情報は入ると思う。彼にとってファイナルは成績よりも、ここが一番大切な場所だと思う。そこにきて優勝しなかったとかではなく、この場に入れないというのは苦しいだろうなと思う。これは私の感想です」

 -全日本に向けては

 「彼も全日本に向けて、リハビリと治療に励んでいるんだと思いますが、私はもちろん、全日本に出てくれると嬉しいですが、それがその後にどう影響するかというのは、もっともっと今から連絡を密にとってやりとりしていきたいと思います。まだ2週間ある。今、出て欲しいとか、どうして欲しいというのは、私の口からはいえない」

 -今の段階で氷に乗っていないというのをどうとらえる?

 「私もNHKの転んだところを見ていますから、大変な痛みがあるのはよく分かる。全日本はもちろん日本の最高峰の大会ですし、大切な選考のための大会です。しかし、今季はオリンピックという大きな目標がありますので、それを踏まえて全日本を考えていきたい」

 羽生は11月9日のNHK杯の公式練習中に4回転ルッツを跳んだ際に転倒し、右足関節外側じん帯を損傷。「10日間の絶対安静と、その後(氷上にのり)、3~4週間で元に戻る」と、完全復帰まで4~5週間の見通しを示し、全日本出場に意欲を見せていた。負傷からこの日で、約1カ月が経過。当初の見通しより、回復が遅れていることになる。

 現在は拠点のカナダ、トロントに戻り、治療とリハビリに専念している状況。全日本まで、あと約10日。選考要項には負傷し、全日本に出場できなかった場合の“救済条項”もあり、羽生は出場しない場合でも、代表入りは濃厚。ただ、その場合、約4カ月実戦から離れ、“ぶっつけ”での五輪出場となる可能性もある。



私も捻挫による靭帯損傷の経験があります。そのとき、3週間ほど足首を固定していました。
結弦くんは、負傷直後のNHKのインタビューで松葉杖を使っていました。
私は、松葉杖が必要なほどではなかったので、結弦くんの方が重症という印象でした。

結弦くんは若いし、アスリートなので一般人より回復は早いとしても、10日間の絶対安静後も、ある程度の固定期間は必要なはずで、早期の練習再開が難しい可能性はあると思っていました。ただ、城田さんもスケート誌のコラムで「(羽生は)わりと緩いんですよ。ちょっとすると(捻挫を)やっちゃう」と書いていたくらい、捻挫はこれまでもちょいちょいあったこと。なので、今回も間に合うことを祈っていたのですが・・・。

たとえば、今日から氷に乗れたとしても、スケーティングから徐々に始めて、ジャンプ練習、さらに通し練習ができるまで戻さないと、試合を戦うことはできません。そう考えると、全日本は難しいでしょう。無理せず回復に努め、平昌に照準を合わせてほしいです。

こうなると、邪魔だと思ってた団体戦だけど、あってよかったかも。個人戦の実戦練習になるから。もっとも、団体戦がなかったら、四大陸に出れたかもしれませんが。四大陸と団体戦の間隔が2週間しかないんですよね。


【佐野稔の目】羽生、無理せず治療に専念を(20171211 サンスポ)

 まだ氷上練習ができていないとは。羽生の全日本選手権出場は厳しいだろう。それでも、日本スケート連盟の五輪選考基準からすれば、羽生は平昌五輪代表選考会である全日本選手権を欠場しても選ばれる。ここは無理をせず、治療に専念すべきだ。
 けがの状態が、はっきりとは分からないが、五輪まで約2カ月。調整を含め、ぎりぎり間に合わせることはできるだろう。

 五輪2連覇の鍵は4回転ジャンプ。高難度のルッツに挑戦する選手は増えているが、現時点で完成度の高い選手はいない。GPファイナルは優勝者(ネーサン・チェン)でも合計286・51点と低く、世界歴代最高得点(合計330・43点)の記録を持つ羽生はホッとしたのではないか。

 羽生のジャンプの完成度なら、無理にルッツを跳ばなくてもトーループ、ループ、サルコーの3種類だけで点は伸びる。3種類のジャンプでプログラムを構成する方向になるだろう。



これは、負傷から数日後の城田さんのコラムです。

【冬の華フィギュア】四回転、種類より質を(20171117 読売夕刊)

 五輪シーズンは波乱の展開になった。世界王者の羽生結弦(ANA)が、四回転ルッツの練習中に右脚を負傷してグランプリシリーズのNHK杯を欠場し、4連覇中のGPファイナル進出も逃したのだ。

 ここ数年、ジャンプの技術が飛躍的に進歩し、男子は4回転の種類と数を競い合う流れが続いてきた。しかし、4回転ジャンプはケガを負うリスクと隣り合わせだ。華やかな衣装や音楽に彩られた芸術性で私たちを魅了するフィギュアスケートだが、過酷なスポーツだと改めて痛感させられた。

 ジャッジを長年務めた経験から、声を大にして言いたい。

 羽生がトップに君臨する理由は、難しいジャンプを跳ぶからだけではない。他の若手のように4回転の種類を追い掛ける必要はないし、個々のジャンプの質を高める方が重要だ。

 強調したいのは、一つひとつのジャンプの完成度が抜きんでている点だ。ジャンプは全部で6種類あり、それぞれ踏み切りでエッジ使い方が違うが、正しく跳び分けられる選手は意外と少ない。選手によっては、どのジャンプも踏み切りや空中姿勢が同じに見え、区別がつかないケースも目につく。非常に気になる点だ。その点羽生は、6種類のジャンプを正しく、美しく跳べる数少ない選手なのだ。

 しかも、跳躍の前後に複雑なステップを組み込み、演技の中にジャンプを溶け込ませている。ただ跳ぶだけではない、この完成度こそが最大の強み。スピンもステップも独創的で隙がない。こうした技術に裏付けられた演技力も特筆に値する。これまで多くの選手を見てきたが、彼ほど曲想を表現できる、役者になりきって曲を演じきれる選手はいなかったと思う。滑りにフィギュアの醍醐味が詰まっている。

 難しいジャンプへの挑戦が彼のやる気を引き出してきたのは事実だが、彼にとってケガが最大の敵だ。今までとは少し意識を変えた方がいい。

 いい体調でリンクに上がれるかどうかで、勝負は決まると言っても過言ではない。万全の状態で持てる力を出し切れば、他の追随を許さないはず。

 男子で66年ぶりの五輪連覇を目指す「主役」の不在が、その存在の大きさを際立たせている。(城田憲子)



この城田さんのコラムは、私たち羽生ファンの気持ちをすべて代弁してくれてると思います。
ただ、この11月17日時点ですでに、ANAフィギュアスケート部総監督の城田さんが、「難しいジャンプへの挑戦が彼のやる気を引き出してきたのは事実だが、彼にとってケガが最大の敵だ。今までとは少し意識を変えた方がいい」と、ジャンプ構成の見直しを示唆されています(結弦くんがそれを受け入れるかどうかは別として)。

佐野さんの言うことなので、あまりアテにはなりませんが、佐野さんも「3種類のジャンプでプログラムを構成する方向になるだろう」と見ています。

結弦くんにとっては、不本意だと思いますが、なにせ時間がありません。
ジャンプ構成は、彼の思い描く「最高難度」からは落ささざるえないのではないでしょうか。
正直、シーズンが始まってから、「ルッツ」に少しとらわれすぎなのではないか・・・と思うことがありました。他のジャンプにまで影響がでていたからです。
ここで少し冷静になれる時間を得られた・・・と考えれば、マイナスばかりではないと思いたい。

結弦くんは、2014年、中国杯の事故、全日本後の手術と様々な試練を乗り越えて、翌年2015年の世界選手権に臨みました。
私は、2015年の2月に癌が発見され、4月初めに手術を受けて、世界選手権は自宅で見ました。
自分が病気をして、あらためて、彼の心の強さに尊敬の念を抱いたものです。

今年は10月25日に肩の骨折をし、まだ完治はしてませんが、今のところ回復は順調で、リハビリ中。
私のように何も背負ってない人間でも、リハビリはしんどいし、「本当に元通りになるのか?」という不安はあります。
結弦くんも今リハビリ中だそうですが、五輪連覇を期待されながら、まだ練習を再開できない彼の不安はいかばかりかと胸が痛くなります。
でも、2015年のときと同様、自分も同じような状況にいるからこそ、これまで幾多の怪我を乗り越えてきた彼のすごさを実感します。彼は生まれながらの天才だけど、努力の天才でもある。そして、あの心の強さも、彼の最大の才能なんですよね。

オーサーも言っていた。「ユヅルの心の強さこそが、彼の原動力だ」と。

大丈夫。戻ってくるときは、さらに強い「羽生結弦」なっている。
だって、これまでもそうだったから。私はそう信じています。


20171021COR
こんな”皇帝”のオーラまとえるのは結弦くんだけ。何気にオーサーが召使に見える(笑)


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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2017/12/11 11:20 | クリケット・プログラム・CS(2017-2018)COMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

みずほさん こんばんは。

正直言うと怪我後、10日間の安静、完治に3,4週間というニュースを聞いたとき、全日本は厳しいのではないかと思っていました。完治するだろう時期と試合が同じ時でしたし。
それでも まだ痛みがあり、氷に乗れていないというニュースはやはりショックでした。
OPまで2か月を切った今 ゆづ君の気持ちを考えると、本当に胸が痛いです。

団体戦は、怪我明けでも出なくてはだめなんですかね?
ソチでは怪我明けのD選手は応援席にもいませんでした。四大陸に出場して、オリンピックは個人戦のみなら、少し間はありますね。

それができないなら、みずほさんがおっしゃるように、団体戦のSPにでて、個人戦ですか?

とにかく早く痛みがなくなり、練習を再開できることを祈ります。
みずほさんもまだリハビリ中なんですね。お大事にしてください。

No:7799 2017/12/11 18:22 | eno #- URL [ 編集 ]

eno 様

enoさん、こんにちは。

>全日本は厳しいのではないかと思っていました

10日間は絶対安静で、痛みがなければ氷に乗れるということでしたね。でも全治は1ヶ月という報道もありました。ただ、メドベも宮原さんも2016年の結弦くんもそうですが、普通完治する前に氷に乗って、ジャンプ以外のスケーティングやスピンは練習しますね。今はそれもできないということで、本人が一番辛いでしょう。

彼は五輪シーズン、かなり気負いすぎていたように思います。ここまできたら、いい意味での開き直ってほしいです。

>団体戦は、怪我明けでも出なくてはだめなんですかね

団体戦は何か規定なかったですか? WSの上位選手が出るとかいう。先輩は当時のWSがどうだったか忘れたけど、町田さんより上だったのなら、怪我明けを考慮されたのかもしれません。ただ、4CCでたのに「怪我明けだから」という理由で団体戦スキップできるのかな。

>みずほさんもまだリハビリ中なんですね

私のリハビリは五輪以降も続く可能性が高いので、結弦くんの方が先にリハビリ終わってるはずです。結弦くんが今すぐに氷に乗れるのなら、結弦くんの残りのリハビリ期間くらい、私が引き受けるんですけどね(笑)

コメント、どうもありがとう♪

No:7800 2017/12/11 20:47 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

みずほさん、こんばんは

「ゆづ情報」が欲しかったのに、聞いたら浮き足だってしまうやるせなさ…どうにか気持ちを沈めて生活していても出てしまうタメ息。
やっと、こんなんで落ち込んでたら羽生ファンやってられっか!と前向きなテンションになってきました。

今年も羽生くんがいない全日本になりそうですね。
競演を夢見ていたであろう草太くんや須本くんも盛大なタメ息ついたかもしれないけど、堪えてがんばれ!と、エールを送りながら早い時間の放映を見ることにします。

最後の写真いいですね‼羽生くんの「皇帝」感、オーサーの「有能な家令」(恐ろしく高給なのに引く手あまたの凄腕使用人でしょうね♪)感、絵画的な一枚ですね。

こんな光輝く師弟が、怪我ごときでしおたれるわけがないし、綿密な戦略を練っていないはずがない!
そしてファンとしては信じる以外の選択肢はない!
…個人的にはマガジンの山口さんの生存確認が延期されてしまったのが気になりますが(^^;

みずほさんもしっかり療養しつつお体お大事に。

No:7801 2017/12/11 20:50 | なすか #- URL [ 編集 ]

なすか 様

なすかさん、こんにちは。

>こんなんで落ち込んでたら羽生ファンやってられっか!

おそらく、すべてのスケーターの中で、「ファンに心配かけまくるスケーター」第一位だと思います(笑) 今回の件は、メドベや宮原さんの怪我と違って、少し注意していれば、避けられた怪我です。怪我前日の高熱やオーサーが帯同していなかったことなど不運はありましたが、結弦くんが少し冷静になる時間をもてたのだと、プラスに考えたいです。

>今年も羽生くんがいない全日本になりそうですね

そうですね。ボーヤンやハンヤンも、ナショナルはWDだそうだし、本来五輪代表確定選手なら無理に出なくてもいい競技会です。スケ連も、とっとと内定だせばいいのに。

>ファンとしては信じる以外の選択肢はない!

BLは新刊でるのが遅くて、「BL読みは待つのが仕事」なんて言葉がありましたが、羽生ファンは「信じて待つのが仕事」です。はい、これで何度目でしょうか(笑) まあ、耐性できてるといいつつ、五輪シーズンだけに、ショックは大きいですが。

>山口さんの生存確認

山口さんの冬眠期間が延びましたね。冬眠期間にたくさんエネルギーを溜めていただきたいです。出版社もNHK杯からファイナル、全日本と、特集号の発売中止続きで泣いていることでしょう。

>みずほさんもしっかり療養しつつお体お大事に

ありがとうございます。

コメント、どうもありがとう♪

No:7802 2017/12/12 11:06 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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