織田さんの「フィギュアほど泣けるスポーツはない!」の感想/2018年3月の読書メーター
昨日は、ANAの入社式があり、結弦くんのビデオメッセージが流されたそうです。
<羽生結弦選手のビデオメッセージ>
皆さん、こんにちは。ANA所属の羽生結弦です。この度は入社おめでとうございます。皆さんの笑顔の挑戦、応援しています。頑張って下さい。
ANAが、4年連続で就職先の人気ナンバーワンになるのがわかるような気がします(笑)
織田信成さんの「フィギュアほど泣けるスポーツはない!」を読み終えました。少し感想を。 ← アマゾンリンクへ
全部で5章からなり、1、2章が織田信成さんの子供時代から現在までが、ユーモラスにつづられています。「織田信成×松岡修造対談」を挟んで、3章が平昌五輪代表戦の展望、4章は羽生結弦について、5章は浅田真央について・・・という構成です。
平易な文章で、初心者でもわかりやすく書かれているので、フィギュア入門書としてもいいかと思います。
気になった点をあげるとすると、サラッと読んだ範囲でも、何か所か初歩的ミスがあったこと。
たとえば、P108の「(ロシアの)連盟内で話し合った結果、プルシェンコさんが個人戦・団体戦とも出場することになり、コフトゥン選手は団体戦のみの出場となりました」というくだり。コフトゥンはソチ五輪に出場してません。団体戦、SPもFSも、プルシェンコ一人で滑りました。
また、P113のネイサンについての記述で「現行ルールの申し子のような彼は、4種類の4回転ジャンプを高い精度で跳ぶ」というところ。一応、5種類跳べますよね。全種類、同時に入れるかどうかは別として。
他のタレント本と同様、織田さんの話を聞きとって、ゴーストライターが書いてるとしても、織田さんのチェックも入ると思うのですが・・・。チェックが厳しいアマゾンレビューで誰も指摘してないのも不思議。
結弦くんとは、「何よりもスケートが好き!」という部分で気があうみたいです。オフアイスではスケートの話をしたがらないスケーターが多い中で、オフでもスケートの話が大好きな者同士・・・という共通点で。
そういえば、2015年9月頃、Jスポーツの「KENJIの部屋」のゲストとして、5回にわたって結弦くんが出演したんですが、そのときこんなこと言ってました。
結弦:スケートに対するこだわりというのは、人よりも強いと思う。表現やステップ、ジャンプ、スピン、そういう個々ではなくてすべてにおいて。全部こだわります。
賢二:二人で(スケートの)こだわりについて話始めたら、何時間でも話せるね
結弦:だいぶ話せると思います。そうすると、たぶん、ウォームアップの話から始まると思う(笑)
好きなこと(スケート)の話は何時間でも喋ってられるという結弦くんのオタク気質は、私もオタクなのでよくわかります。たぶん、オタク気質だから8年半もブログ続けられてるんだと思うのよね(笑)
織田さんは、引退された現在「指導する」側にいるわけですが、その立場から、修造さんとの対談でこんなことを言ってます。
今のフィギュアの強化って、全員をうまくしようという方針なんです。そうでなくて、「この子だ!」と一人に絞って、その子を全力で全神経を注いで強化するのも一つの方法なんじゃないかと考えることがあります。それこそ、伊藤みどりさんがそうだったのかなと思うんです。
私も、以前、「80点の秀才が10人いるより、200点の天才が1人いた方が、その業界は盛り上がる」と書いたことがあるのですが、それに通じる考え方かなと思いました。織田さんも、スター選手の存在がいないと、日本のフィギュアのレベルを保っていくのは難しいと考えているようで、次の修造さんとのやりとりが面白かったです。
織田:羽生選手以上、浅田選手以上のフィギュアスケーターをこれから育てていくためのノウハウを僕なりに考えてみたりするんですけど・・・。
修造:冷静に言いますよ。そんなの無理! 真央さんや羽生選手のような選手が続々と出てくるようだったら、その国はおかしい!
織田:そうですよね(笑)
これは修造さんが正しいと思う。結弦くんや浅田さんの人気は、「成績がいいから」だけのものじゃない。スター性というのは、生まれもってのものが大きくて、スケ連が強化したから、ノウハウがあったから、メディアがごり押ししたからでてくるってものじゃない。でも、フィギュアスケーターの場合、成績とスター性の両方が備わってないと200点とはいえないわけで、そこが難しいとこですよね。フィギュアスケートのアイコンとして、浅田さんとバトンタッチするように、結弦くんが出てきたのは、日本のスケート界にとっては、とてもラッキーだったといえます。反対に、結弦くんが引退した後どうすんの・・・ともいえるわけですが・・・。
正直、結弦くんみたいに、圧倒的な実績と美しい容姿をもち、さらに主人公属性が服着て歩いてるようなスケーター、今後100年たっても現れないと思う。織田さん、そこは諦めるしかないと思います。
結弦くんについて書かれた第4章は、34ページほどあり、羽生ファンには読んでほしいところです。
羽生結弦はただの現役でトップのフィギュアスケーター、というだけの存在ではありません。僕の個人的な意見を言うならば、「こんな選手はフィギュアスケート史に存在しない。そして金輪際出てこない」、そう思ってしまうほど傑出したスケーターなのです。
海外では誰もが言ってくれてることですが(笑)、織田さんは、日本でこの”正論”を言ってくれる数少ないフィギュア関係者の一人ですね(笑)
では、3月の読書メーターをUPします。
3月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:1035
ナイス数:66Number(ナンバー)945号 最強のふたり。 平昌五輪直前総力特集 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))の感想
★★☆☆☆ 図書館本。羽生選手の部分と、野口さんの男子の展望と、ミッツ&本田&村上対談のみ読了。野口さんの展望はだいたい当たっていた感じ。4回転の本数や種類より質・・・という流れは来シーズンからのルール変更でより強まりそう。Numberの今回の表紙は、羽生ファンからはおおむね評判が悪い。私もいつものスタイリッシュな表紙が気に入っていたので、「なんじゃこりゃ」と思ったが、どうやら表紙のデザイナーさんがいつもと違うらしい。この表紙だけで買う気が失せ、図書館ですませた
読了日:03月08日 著者:ワールド・フィギュアスケート 81の感想
★☆☆☆☆ 図書館本。平昌五輪展望号。★ひとつなのは羽生ファンとしての満足度。羽生選手は6ページのみでそれだけ読了。テキスト文は悪くなかったし、ジャージ姿の見開きページもよかった。他、全体的に写真をザッと眺めた。どれも写真は綺麗だと思う。ただ、Lifeのような選手の単独インタも少なく、これで2000円近い価格は、羽生ファンならずとも、全選手応援型のスケオタでも高く感じるのではないかな。老舗のフィギュア誌だけど、これでは他誌との競争に負けるなあと思った。WFSも岐路に立ってる気がする
読了日:03月18日 著者:羽生結弦が生まれるまで 日本男子フィギュアスケート挑戦の歴史の感想
★★★☆☆ 図書館本。佐野稔、本田武史、高橋大輔、羽生結弦、宇野昌磨までの5人を取り上げている。羽生選手の第4章(155~211P)だけ読了。内容としてはNHK杯の怪我のあたりまで。P191、チャンについて「(クワド)2種類では苦しい。平昌ではおそらく勝負にならないだろう」と書かれている。以前から「羽生はクワド2種でも金をとれる」と言われ、実際2種で2位に11点差で優勝した。煽り好きのメディアならともかく、こんなフィギュア本だしてる宇都宮さんでさえそんなこと書くのかとちょっとガッカリ
読了日:03月18日 著者:宇都宮 直子フィギュアほど泣けるスポーツはない!の感想
★★★★☆ 図書館本。1,2章は織田信成史、織田×松岡対談、3章は平昌五輪代表戦展望、4章は羽生結弦、5章は浅田真央。大変読みやすく面白かったが、何か所か間違いがあったのが気になった(P108のソチ団体戦にコフトンが出てた→出てない、P113のネイサンが4種類の四回転持ち→5種類、など)。羽生選手とは、何よりもスケートが好き!という部分で気があうのだと納得。自分の好きなこと(スケート)は何時間でも喋ってられるという羽生選手のオタク気質は、私もオタクなので一層親近感が湧く。フィギュア入門書としてもいいかも
読了日:03月27日 著者:織田 信成羽生結弦は助走をしない 誰も書かなかったフィギュアの世界 (集英社新書)の感想
★★★★★ 平昌前に読み始め、五輪が始まってから途中で止まっていたが、ようやく読み終えた。専門はスポーツでないと言いながら、そのへんのフィギュアライターや解説者も叶わないような細かい分析と観察力に舌をまく。最初から最後まで通してフィギュア愛とスケーターへのリスペクトにあふれている。タイトル通り、羽生選手の演技について一番多くページが割かれている。「羽生結弦の名プログラム ここがすごい」を片手に彼の演技をじっくり見直したくなった。羽生選手の怪我の完治とともに、著者の病気も1日も早くよくなられますように
読了日:03月30日 著者:高山 真フィギュアスケートMemorial 平昌オリンピック特別号の感想
★★★★☆ 普段はB5判のmemorialだが、この号だけなぜかA4(笑) B5の通常版より頁数は少ないが、価格はリーズナブルになってる。他の平昌特集号と比べての特色は、他選手と一緒に写っているフラワーセレモニー、表彰式、記者会見の写真が多いこと。裏表紙合わせると16ページ。不満といえば実はこれが不満なのだが(笑) しかし、全98ページのうち、羽生選手以外の選手の単独ページは10ページしかなく、他の平昌特集に比べても羽生比率は高い。コスパはいいと思う。EX写真はないが、次号にEX特集があるのでそれに期待
読了日:03月31日 著者:Dancin' on The Edge〜平昌フィギュア報道写真集 の感想
★★★★★ ヤフーのスポニチショップでしか売っておらず、人気にも関わらず、重版は1回しかされなかった希少本。表紙の美しさは平昌五輪特集本の中でも1、2を争うのではないか。わずかなキャプションだけでテキストはなく完全な写真集。表紙を別にしても50ページ近くが羽生成分。中の写真のクオリティも高く、一般の書店で販売されていないのが実にもったいない。競技写真もだが、仁川空港に着いたときや、公開練習、EX用の練習のときの楽し気な写真、EXのホトレックさんのリフト写真は見開きでなど、とてもいい写真が多かった
読了日:03月31日 著者:スポーツニッポン新聞社フィギュア・スケーターズ9 FIGURE SKATERS Vol.9【表紙:羽生結弦選手】の感想
★★★★☆ 田中宣明氏は「ジャンプの写真は顔が綺麗じゃないので選手は嫌がる。だから撮っても表にださない」と言っていた。老舗のWFSはジャンプ写真を載せない。スケーターの心理を知ってるかどうか、スケーター愛があるかどうかの尺度のひとつ。この号は顔の歪んだジャンプ写真が何枚かあったのはいただけないので、☆をひとつ減らした。しかし、いい写真もあった。フラワーセレモニーとSEIMEIの折込ピンナップは美しい。羽生選手が載ってない貢は14ページほど。ハビが多めだったのがよかった。とりあえず大きいので迫力はある
読了日:03月31日 著者:AERA (アエラ) 2018年 3/5 号【表紙:羽生結弦】[雑誌]の感想
★★★★☆ とりあえずフィギュア記事のみ読了。羽生選手のページは、表紙以外で6ページ。写真が美しい。文章は野口さんでそれほど目新しい内容ではない。宇野選手が2ページ。モノクロで宮原さんと坂本さんの記事が1ページ。まだ読んでいないが、英語関連の記事も面白そう
読了日:03月31日 著者:羽生結弦 平昌オリンピック2018 フォトブック(Ice Jewels SPECIAL ISSUE) (KAZIムック)の感想
★★★★★ 平昌五輪関連では本書とAERA増刊が100%ゆづ成分。ストレスなく読めて最高。ホッチキス綴じなので一面見開きでもぶった切れ感がない。それでも、顔はもちろん、身体ですらできるだけ中心にかからないように配慮してるところがさすが田中さんである。「ジャンプ写真は載せない」主義の田中さんが1枚だけジャンプ載せているが、顔がほとんど見えないアングルのものを選んでいる。普通のB4より大きいサイズで迫力満点。アイスジュエルズさんに感謝。EX写真はないが、次のアイスジュエルズかシーズンフォトブックで見れるだろう
読了日:03月31日 著者:田中宣明
読書メーター
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2018/04/02 09:20 | 読書メーター | COMMENT(0) | TRACKBACK(0) TOP
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