羽生結弦を撮るフォトグラファーたち <田中宣明> その1
今日は、「羽生結弦シーズンフォトブック2017-2018」の発売日です。 ← アマゾンサイトへ
今日は、このフォトブックのフォトグラファーである田中宣明さんをとりあげます。
過去にとりあげたフォトグラファーは下記のとおり。
過去分に興味がおありな方は、記事名のリンクからお読みください。
羽生結弦を撮るフォトグラファーたち <坂本清>
羽生結弦を撮るフォトグラファーたち <田口有史>
羽生結弦を撮るフォトグラファーたち <伊藤彰紀>
羽生結弦を撮るフォトグラファーたち <高須力>
2月の記事なので、もう読まれた方も多いと思いますが、興味深いインタなので、あげておきます
羽生結弦選手をずっと近くで見つめてきたカメラマンが語る本当の魅力 vol.1(20180208 ELLE)
平昌オリンピックを目前にして、世界中がもっとも注目しているスポーツ選手のひとりであり、フィギュアスケート界の王者、羽生結弦選手。フィギュアスケートたちを20年近く追い続け、選手たちからの信頼も厚いスポーツカメラマン、田中宣明氏が秘蔵写真とともに語る彼の本当の魅力とは?
一瞬たりとも目が離せない存在
「一瞬も目を離せないんですよ。次に何をするか、どんな表情をするかというこちらの予想を越えてくるので、ずっとファインダーを覗きっぱなしですね」。これまで多くのスポーツ選手、たくさんのフィギュアスケーターを撮影してきた田中さんにこう言わしめる存在。リンクの上で絶えず動き、さまざまな表現を見せる羽生選手を撮るには、表情を見てからシャッターを押す余裕はなく、ある意味、ぶつかり合うような気持ちで撮っていると言う。それはかつて、浅田真央さんに対してもそうだった、と。
シーズンを通して狙うベストショット
「毎シーズン、最初の試合では演技全体を見て、だいたいの撮影ポジションを決めます。この場面、この振り付けではここから狙いたい、というものを見つけたら、試合では確実に撮らないといけない。他にもたくさん撮りたいアングルがあるので、失敗したから次もこの場所で、というわけにもいかないんですね。その分、狙った通りの写真が撮れるとうれしいです」
練習からも見えるカリスマ性
羽生選手を見て思うことは、そのカリスマ性だという。「彼がリンクにいるだけで、雰囲気が違うんですよ。たとえば、アイスショーの練習でも振り付けから必死でやっている。すると、他の出演メンバー、たとえばジュニアの子たちはそれを見てハッとして頑張る。トップ選手が汗を流して一生懸命にやる姿が多くの影響を与えてる。決して偉そうにはしない。努力するカリスマなんです」。
撮っていて疲れるスケーター
「疲れます!撮っていて本当に疲れるスケーター」そう言って笑う田中さんの本意は「闘っているように撮っているから」。「表情を見てから撮るのでは間に合わない。気持ちがのっていないと連写をしていてもダメなんです。だから、自分も心を整えて挑むようにシャッターを切っています。闘わないと納得の1枚が撮れないスケーターです。(他にはたとえば)ステファン・ランビエールともいまだに闘ってますね」。
同じプログラムでも毎回変わる表情
とはいえ、羽生選手は同じプログラムでも同じ演技はしないそうで、「細かい手の振りや表情までも、毎回ちょっと違うんですよ。あれ? ここでこんな顔したっけ、こんな手の動き? と驚かされるのもしょっちゅう。演技に入り込んでいるから、その時の感情で表現が変わるのかもしれません。だからこそ一瞬も見逃せないし、面白い。どんどん撮りたくなるんです」。
撮られる側の気持ちを考える
「撮影したものを精査するとき、選手の立場になって選ぶことにしています。どんなに美しいポーズや構図でも、表情がイマイチだったらあまりいい気持ちにならないと思うんです。一度、掲載された写真を見て、珍しく具体的に『この写真、いいね!』と彼が言ったことがあって。それは伏し目がちの写真だったのですが、とてもうれしかったですね」。
最強の世界王者にして、最強の被写体
「僕はスポーツカメラマンですが、アスリートを撮る、というよりも、人間を撮りたいとつねに思っています。表情、仕草、目つきなどに注目して、その人ならではの魅力を引き出して撮っているつもりです。だから、表情が豊かで、予想もできないものを見せてくれる人には、惹き付けられます。羽生選手は僕にとってまさにそういう存在。どうしようもなく撮りたくなるし、自分ももっと頑張らなくては、と思わせてくれる特別なアスリートなんです」。
羽生結弦選手をずっと近くで見つめてきたカメラマンが語る魅力 vol.2(20180217 ELLE)
ついに開幕した平昌冬季五輪。現地入りした前回覇者、羽生結弦選手には世界中のマスコミから注目が集まっている。同じく、連日会場で撮影に入っているフォトグラファーの田中宣明さん。彼が見た羽生選手の魅力とは? インタビュー後半をお届け。
豊かな表情が大きな魅力
「羽生選手を撮っていて面白いと思うのは、まずその表情の豊かさ。感情の起伏が激しいのではなく、むしろ落ち着きを感じる選手なのですが、いろいろな表情を見せてくれて、『こんな顔もするんだ』と毎回新しい発見をすることが多いです。だから、記者会見でもずっとファインダーを覗き込んで、一瞬を見逃さないようにしています」。
同じ曲でも変わる表情
「試合になると、もっとさまざまな表情が現れます。使用する曲調でガラリと変わるんです。だから、『この曲ではこういう表情が撮れる』と期待して臨みます。もちろん、同じ曲でも目の表情が違ったりするので、まったく気が抜けないのですが(笑)。その世界に入り込んで、主人公になっているのだと思います。だからそのとき演技に臨む感情で、表情にも違いが出るのだと思います」。
本当に優しくて強い人
「その強さから天才と呼ばれていますが、プログラムの構成や演技について、相当自分なりに考えて作っていると思います。彼は、誰に対しても本当に礼儀正しくて、優しい。それでも最後には自分で決断して進んでいる。あの年齢でそこは凄いなと思います。撮影でも、カメラマンが撮らせてほしいカットを理解してちゃんと応えてくれる。だから皆、撮りたくなるんです。長い間仕事で撮り続けてきたからというのもあるでしょうが、僕が呼びかけたときもいつも応えてくれます」
少年から青年への変化を目撃
ロシアのプルシェンコ選手のトレードマーク、マッシュルームヘアをしていた羽生選手。そんなノービス時代から彼を見て来た田中さん。男の子から少年、そして、青年へ。階段を駆け上がって行った羽生選手の変化についてこう表現。「記者会見では、光の回り具合なども考えつつ、真正面より少しずれた場所から狙うことが多いのですが、横顔がグッと大人の顔に変化したような気がします。笑顔とはまた違う表情に惹き付けられます」。
自分を俯瞰的に見ている人
「体操の内村選手は、演技中、自分の姿が俯瞰で見えていると言っていたそう。指先からフリーレッグまで神経が行き届いた繊細な羽生選手の演技を見ると、彼もそうなんじゃないかなと思うときがあります。また研ぎ澄まされた美意識も独特なものがあります。彼の場合はそれにプラスして、もしかしたら(どう表現したら美しく見えるのか)緻密に計算できるのではと感じます」。
人間力が垣間見えるとき
リンクに入る時、出る時、氷に挨拶するようにタッチすることで知られている羽生選手。練習時、誰も見ていないようなところでも一礼して”ありがとうございました”と挨拶を。羽生選手の人となりが垣間見える瞬間。「演技ではキツくなってくる後半にこそ、彼の人間力が見えてきます。辛いときこそそれを吹き飛ばすかのように力強い表情を見せることが多いので、どれか1枚選べと言われたら、まず演技後半のショットから探します」。
五輪は撮る側にとっても大舞台
ついに始まった平昌冬季五輪。選手たちにとってはもちろん、その人生を賭けた勝負を記録するフォトグラファーたちにとっても特別な大舞台。カメラマンも通常のパフォーマンスができるかどうかが重要になるのだとか。「気合いが入りすぎると失敗するので、”落ち着こう”と自分に言い聞かせます。いつものルーティンなんて気にしても意味がないほど、五輪は特別な雰囲気なんです。その分、期待も大きい。五輪の氷上で羽生選手がどんな表情を見せてくれるのか、どんな演技を披露してくれるのかが本当に楽しみです」。
vol.1のリンク先はこちら
https://www.elle.com/jp/culture/g240885/cfe-photographer-nobuaki-tanaka-on-yuzuru-hanyu18-0207/
vol.2のリンク先はこちら
https://www.elle.com/jp/culture/g240876/cfe-photographer-nobuaki-tanaka-on-yuzuru-hanyu18-0216/
長くなるので、田中さんが出演していた日テレプラスの「写真で描くフィギュアスケート ~スポーツカメラマン田中宣明の世界」の感想もあわせて、次回に。
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2018/07/14 18:00 | アーチスト・裏方・メディア | COMMENT(0) | TRACKBACK(0) TOP
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