だまし討ちだぜ、DR (樹生かなめ)

だまし討ちだぜ、DR (二見シャレード文庫)だまし討ちだぜ、DR (二見シャレード文庫)
(2001/01)
樹生 かなめ硝音 あや

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「龍&Dr.」シリーズが有名になりすぎて、今やサイドストーリーっぽい印象がありますが、実はこちらの「だまし討ちだぜ、DR」シリーズが本家です。全3巻の1作目です。
変人の整形外科医に惚れられた、苦労症の医療事務員・薫が主人公。期待以上に面白かったです。

小説 ★★★★☆  挿絵 ★★★☆☆

【あらすじ】
可愛い君も好きだけど、淫らな君も好きです。
明和病院総合受付で、やっかいな患者さんとタカビーなお医者サマとの応対に日夜追われている、薫・・・。小柄で童顔ゆえに職場の女性たちから「男」扱いされていない、そんな不幸な薫をさらに脱力&疲労させるのは、美形新入り整形外科医、芝先生からの妖しくゴーインなアプローチだった・・・!? 怜悧なその口元で、”誘ったのは君のほう・・・”だなんて、勘違いもいいところ。センセイ!お医者さんごっこは病院でやってくれよーっ! 七転八倒ハイテンションえっちな院内コメディ❤❤


整形外科医(27)×医療事務員(27)

「だまし討ちだぜ、DR」+「返り討ちだぜ、DR」+「追い討ちだぜ、DR」の3部構成。

だまし討ちだぜ、DR
明和病院の医事課事務職員の薫と、明和病院に新しく赴任してきた整形外科医・芝の馴れ初め編。
薫は、毎日、厄介なモンスター(?)患者や横暴なドクターに振り回され、その上連日の残業で心身共に疲弊していました。そんな薫を更に不幸が襲います。女性にどれだけモテなくても、ホモではなかったのに、薫は、一方的に芝に惚れられ、疲労から寝込んだところを襲われてしまうのです。童貞のままロストバージンしてしまった薫は、必死の抵抗も空しく、芝の勢いに押し流されるように、強引に同居にまで持ち込まれてしまいます。

返り討ちだぜ、DR
薫と芝のドタバタ同居編。
美形でクールで、病院内の女性達の絶大な人気を誇る芝。けれども、薫にとってはただのエロ魔人です。
医師の芝と事務職員の薫では、生活サイクルは合わず、同居しても、顔を合わさない日も珍しくありません。でも、少しでも時間があれば、薫は疲れていようが、寝ていようが、関係なく芝に襲われます。仕事とエッチの疲労で、ストレスはたまるばかり。でも、ヒドいことをされてるのに、何故か芝を嫌いになれなくて・・・。
薫への強い独占欲も見せ始めた芝。そして、変態だけど優しい芝にどんどん惹かれていく薫です。

追い討ちだぜ、DR
深津医師とのホモ疑惑浮上編。
恐怖のレセプト週間の直前に新人が突然辞めてしまい、医事課はいつも以上の修羅場と化していました。
薫達、医療事務員は毎晩深夜タクシーで帰宅の日々。他の職員と相乗りのため、芝のマンションには帰れない薫は、カモフラージュ用に借りたままにしてる元のハイツに帰宅。そのため、芝とも会えない寂しい毎日でした。
そんなとき、薫は、芝の家族の痛ましい過去を知り、改めて芝という男に惚れ直します。
ところが、芝との仲をひた隠している薫に、芝と院内女性人気を二分する深津医師とのホモ疑惑が浮上して・・・。

恋愛部分よりも、むしろ、大規模病院の医療事務員残酷物語の部分が面白かったです。
樹生さんの実体験に基づいてるらしく、実話にかなり近いのか、それなりにデフォルメしてるのか、そのあたりはわかりませんが、妙なリアリティがありました。3話構成ですが、どの話にも、医療事務員の涙ぐましい苦労話で一杯です。樹生さんの怨念を感じるようでした(笑)

芝は、樹生作品の攻らしい、人の話をきかない、超ゴーマン・ゴーインなゴーイングマイウェイ男です。
長身でモデル張りのルックス。有名医大を卒業した将来ある整形外科医で実家は資産家。おまけに、父親は銀行頭取という、非の打ちどころのない高スペック男。性格は表向きは普通なんだけど、実はかなりヘン。おまけに無駄に精力絶倫。

薫は、小柄な身体と可愛い顔のため、女性には男扱いしてもらえず、決定的にモテません。
田舎育ちで、常識人で、真面目なことが取り柄の薫は、苦労症ながら、ずっと普通に暮らしていたのに、芝に惚れられ、そのままマイノリティの道へ、無理矢理引き摺りこまれます。
おまけに、弄られやすい薫は、深津にまで「上司からの縁談を断るためのカモフラージュ」に使われる始末。

エッチ描写は、樹生さんにしては結構あります。芝がヘンタイでスキモノなので。
でも、いやらしいことをいっぱいしてても、樹生さんの描写はあっさりめなので、それほどエロくは感じません。
とはいえ、最近はすっかり「朝チュン」路線になってる「龍&Dr.」に比べると、ちゃんとBLしてます。

芝だけでなく、深津にまで弄られまくる薫の悲喜劇がなんとも可笑しくて笑えます。
でも、、最初はとんでもない始まりだったのに、二人の間にちゃんとラブが育っていってます。
芝は、初エッチから、バスルームの鏡の前で、薫にM字開脚させるようなヘンタイだけど、薫好き好きオーラが出まくりなので、なんとなく許せちゃいます。この芝の二面性も、ギャップ萌えする私には高ポイント。

期待以上に面白かったです。
「龍&Dr.」シリーズにチラチラでてくる薫ですが、そちらを読んでなくても全然問題なし。
大病院内情暴露話も興味深く、軽快なラブコメディで、楽しく読めました。

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2010/09/04 09:25 | 樹生かなめ:龍&Dr.以外COMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

hi○○○○さんへ

hi○○○○さん、こんにちは♪

>懐かしいシリーズ
もう10年も前のシリーズなんですよね。
でも10年前でも、樹生さんのテイストは変わらないですね(笑)
芝よりも、深津先生と薫のやりとりの方が面白いくらいですね。
ちょっとくらい気があるのか、カモフラージュ込でからかってるだけなのか、
スレスレの綱引きが面白いな~と思いました。

確かに、奈良さんにレーターチェンジしたから、あれほど売れたというのはあると、私も思います(笑) 
同じ作家さんでもレーターさんとのコンビで売れ行きがかなり違うみたいですしね。
レーターさんの力は本当に大きいですよね。

>イラスト買いされる方でしょうか
私は、どんなに好きなレーターさんでも、イラストオンリー買いはできるだけしないことにしてるんです。
やっぱり失敗が多いので・・・(笑)
でも、買うかどうか迷ってるときは、やはり好きなレーターさんだと背中を押されます。
私も、高階佑さんは、今一番好きなレーターさんです!
高階さんだというだけでは買わないけど、あらすじとかで迷ってるときは、
高階さんの挿絵だと絶対買っちゃいます(笑)
あと、高階さん以外だと、最近は小山田あみさんとかも好きです。

コメント、ありがとうございました♪

No:777 2010/09/04 22:00 | みずほ #- URL編集 ]

みずほさん、こんにちは。「だまし討ちだぜ」シリーズ、面白そうですね!樹生さんの作品はけっこう好きで、ちょこちょこ読んでいるのですが、こちらのシリーズは未読でした。キャラ設定もストーリー展開も樹生さんお得意のパターンというか、「色男」シリーズや「限りなく」シリーズと重なるみたいですね。薫くんって、「龍&Dr.」シリーズで変なものばかり拾ってしまうあの事務員さんでしょうか? 樹生さんの作品を読むようになってから、病院やお医者さんに対する見方がいくらか変わりました(笑)。樹生さんの現実認識って実はかなり苦くて、だからこそラブの甘さが際立つのかなと思います。けっこう無理やりなラブですけど(笑)。こちらのシリーズも是非読んでみようと思います。紹介してくださってありがとうございました!

No:778 2010/09/04 22:07 | カミツレ #- URL [ 編集 ]

カミツレさんへ

カミツレさん、こんにちは♪

>「色男」シリーズや「限りなく」シリーズと重なるみたいですね
「限りなく」は未読でわからないんですが、「色男」の攻とは重なりますね! 
芝は、人の話をきかない、典型的な樹生作品の攻です(笑)
薫は、「龍&Dr.」シリーズにでてくる、あの事務員です。氷川とも結構親しいですよね。

>樹生さんの作品を読むようになってから、病院やお医者さんに対する見方がいくらか変わりました
あとがきを読むと、樹生さんの実体験によるものらしいので、病院の裏側暴露小説ですね。
でも、過去の苦労というか、恨み節を、小説に生かすところが、逞しいというか、作家根性だな~と思います!(笑)

>樹生さんの現実認識って実はかなり苦くて
コメディでコーティングしてるけど、私も、樹生さんの視点はシビアだと思います。
アクが強い作家さんだけど、なぜかクセになるんですよね(笑)

>こちらのシリーズも是非読んでみようと思います
樹生さんのテイストが好きなら、楽しめると思いますよ♪
残念ながら、今は絶版ですが、古本なら入手可能かと。(私も古本で入手しました)
これも講談社さんが新装版でだしてもいいんじゃないかな~と思うんですけどね。

コメント、ありがとうございました♪

No:779 2010/09/04 23:10 | みずほ #- URL編集 ]

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