羽生結弦テレ東単独インタビュー第3回目配信をみて思うこと & テレ東インタ第1~3回動画と全文記事まとめ

昨日のテレ東の独占インタビュー3回目をもうご覧になったでしょうか。
北京五輪の公式練習のときに、過去のプログラムを滑った理由を問われた、彼の回答が印象的でした。

あの時に真っ先に過去のプログラムを全部やりたいと思ったのは、あそこにいて下さるメディアの方々へという思いがすごく大きくて。僕の練習を選んで報道して下さることにあまりにも自分の中で感動してしまって、「こんなにも自分を必要として下さるんだ」って。「結果を取れなかった自分が、夢を叶えきれなかった自分がこんなにも皆さんに必要とされるんだ」と思った時に、全部を見せて皆さんに恩返ししたいなと思ってやらせて頂きました。

彼は自分が北京五輪で勝てなかったら、今まで積み上げてきたものをすべて失くしてしまうのではないか、もう応援してもらえなくなるのではないか…と恐れていました。そう…確かに、2017年のヘルシンキワールドのショートの後のメディアの彼への対応は冷ややかでした。以下は「フィギュアスケートマガジン 2016-2017シーズンファイナル」から。山口さんの記事の抜粋です。ショート5位と出遅れた後、彼の囲み会見が終わった直後の様子です。

羽生の囲み会見と入れ替わるように、この時点でのトップ、自己新をマークした宇野が登場。記者たちはさっと宇野を取り囲み、羽生は海外プレスの質問に対応する。羽生の姿を追い続けている日本の報道は本誌だけだった。他の記者の名誉のために付け加えるが、それは羽生の存在を軽んじているわけではなく、締め切り時間を考えれば(フィンランドと日本では6時間の時差があり、この時点で日本は夜11時を過ぎていた)、速報性が求められる新聞、放送関連の記者なら、宇野の取材を優先するのはむしろ当然。とはいえ、勝負の世界の厳しさというか、羽生を追う日本人記者が他に1人もいないというのは、ちょっと記憶にない。

自分の優勝が難しくなれば、自分の周囲からメディアがいなくなり、優勝候補の方に集まる…そんな経験を彼は過去にしているのです。宇野選手が姿を現しても、結弦くんの傍に残ったのは、山口さんだけでした。スポニチさんや報知さんですら、そのときは宇野選手の方に集まったのです。

山口さんが擁護するように、新聞や放送系は速報性が命なので、締め切りに間に合うように自国の優勝候補を取材するのは当たり前でしょう。でも、常にメディアに囲まれるのが当たり前だった結弦くんは、そのときのメディアの対応に「勝負の厳しさ」を感じたと思います。やはり勝たなければ駄目なのだ…と。しかも2017年の頃は「羽生越え」報道が真っ盛りの頃でした。

結果に関わらず、メディアが「羽生結弦」に寄り添うようになったのは平昌五輪以降、特に2019年あたりからではないかと思います。それは、「羽生結弦」というアスリートが、真摯な競技への姿勢とメディアへの神対応で、年月をかけてメディアとの信頼関係を築いていったからです。

勝者の練習より、台から落ちた自分の練習を選んでくれた…そのことに感動して、感謝の印に報道陣に、傷の癒えない身体をおしても過去のプログラムたちを披露する…そんなアスリートが過去にいたでしょうか。記者さんやカメラマンさんに、商売っ気抜きでも、羽生沼に落ちる人が続出している理由がよくわかります。

羽生結弦は、初めてのソチ五輪で金メダリストとなり、次の平昌五輪で2連覇を達成したアスリートです。つまり、羽生結弦は五輪で無敗の男でした。そんな彼が五輪で負けることを恐れても当然です。しかも、もう何年も肩たたきのような採点をされ続けていたのですから。

おそらく…ですが、ISUもJSFも、結弦くんと同じことを考えていたのだと思います。羽生結弦が北京五輪で金メダルを逃せば…あわよくば台落ちして、そのかわりに推し選手達が表彰台に乗れば、今の世間の羽生結弦への注目や人気はそれらの選手達に移るだろう、あのヘルシンキのショートの後のように、メディアは推し選手達の方に集まるだろう…と。結果は…特にJSFの期待は思いっきり外れました。結弦くんの北京五輪での単独会見には各国のメディアが殺到し、反対にギンドーコンビの会見は寒々としたものでした。

アンチがよく「潮目が変わった。羽生はオワコン」と中傷していましたが、確かに「潮目は変わった」のです。ただし真逆の意味で。私の感覚では「潮目が変わった」決定打はあの2019年のトリノファイナル。ダメ押しがその後の全日本(結弦くんがフリーで逆転されたとわかったとき、記者室はお通夜になったらしい)。

羽生ファンダムに目をむけると、北京五輪のグリーンルームでの某選手のガッツポは、お花畑すらも枯らしてしまう強力な除草剤だったと言われています(それでも枯れない強いお花畑も中にはいますが)。そして、日本人アベック優勝でも、全く盛り上がらなかったモンペリエワールド。

世界中に巨大なファンダムを築いていても、どれだけ注目を浴びていても、彼の本質は謙虚です。むしろ自己評価は低いといっていい。自分のスケートには絶対的な自信をもっているけれど、他人の自分に対する評価への自信は決して高くはない。メディアにとっても、ファンにとっても、そして一般人にとっても、「羽生結弦は五輪の結果などでは微動だにしない絶対的な存在に既になっている」のだということを、彼が認識できたことが本当によかったなと思います。


では、テレビ東京独占インタビュー、動画と全文記事、1~3回までのまとめです。

【独占インタビュー#1】羽生結弦を救った恩師の言葉とは?プロ転向表明直後に取材【ほぼノーカット】






【独占インタビュー#2】羽生結弦「早く引退しろって言われてるのかな」プロ転向表明直後に取材【ほぼノーカット】






【独占インタビュー#3】羽生結弦 過去最大の決断とは?プロ転向表明直後に取材【ほぼノーカット】






やはりインタビュアーの力って大きいですね。






テレビ東京スポーツ公式サイトの羽生結弦関連の記事・動画のまとめです。



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テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2022/09/10 11:46 | 問題提起COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

17年は病室でスマホをこっそり観ていました。ショートの後のメディアの様子を後から知り、泣きました。優勝しましたが点数が低くて。でも、あの時に山口さんへの信頼は不動のものになりました。
その直前の四大陸もリカバリーを見て優勝を確信したのに2位。その時もプロトコル見て呆然としました。ゴエゴエ報道がすごかったですね。
スケート連盟の思惑通り動いていたメディアが変わりましたね。これからも応援して欲しいです。

No:18711 2022/09/10 12:10 | monaka #wLMIWoss URL [ 編集 ]

monaka 様

monakaさん、こんにちは、

>スケート連盟の思惑通り動いていたメディアが変わりましたね

潮目が変わったのは2019年トリノファイナル。その後の全日本で決定的になりました。

後輩が大学中退したのが話題になりましたが、メディア関係には早稲田卒がとても多い。田中さんも小海途さんも早稲田卒。プロ転向したら早稲田の学閥は役にたつと思います。大卒の資格は絶対ではないけどあるに越したことはない。現役を退いた後は特に。

コメント、どうもありがとう♪

No:18947 2022/10/15 22:31 | みずほ #o/PXu/q6 URL [ 編集 ]

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