眩暈 めまい (五百香ノエル)

眩暈(めまい) (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ)眩暈(めまい) (Holly NOVELS) (ホリーノベルズ)
(2012/03/24)
五百香 ノエル

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今市子さんの挿絵にも惹かれ購入。1998年初版の新装版。
唯一人の男を追い続ける執着攻のお話です。ノベルズで2段組で、読み応えがありました。

小説 ★★★☆☆  挿絵 ★★★★☆

【あらすじ】
幼馴染みの圦也と澄は小五の夏休み、戯れに口づけを交わした。圦也は意地悪で、綺麗で愚かな澄に惹かれていたが、噂をたてられるのを恐れた澄は圦也から離れていく。疎遠になったまま澄は女を、圦也は男を知り、圦也は曖昧な感情でしかなった同性である澄への欲情をはっきりと自覚する。高二の夏、久しぶりに家族旅行で澄と顔を合わせた圦也は、快楽に弱い澄を抱き、いったんは手に入れる。しかし圦也に囚われることを恐れた澄は圦也を裏切り―。大幅加筆訂正&大量書き下ろし付きの新装版。


脚本家×会社員。幼馴染み。同い年。

「眩暈」+「惑い」+「色紙の裏側」の3部構成。

顔以外には何の取り柄もない、浅はかで軟弱で愚かな受に、頭も顔もよく才能豊かな攻が惚れてしまいます。
受に散々裏切られても忘れられず、何度も遠回りした末に、受を捕まえて、幸せに暮らすというお話です。

澄の性格が、それこそ”眩暈”がする程悪くて(特に前半)、圦也って趣味悪すぎっ!と思いつつ読みました。
澄のどこがいいんだ? 顔か?(てか、それしかないぞ) それなら筑田でもいいじゃん!と何度思ったことか。

子供というものは、多かれ少なかれ、自分が世界の中心で、根拠のない自信をもったりするものです。
澄は、たまたま小学生時代に”神童”だったことも手伝い、その自尊心が肥大化してしまいました。
圦也を好きだという自覚もなく、圦也に対して、家来に対するように尊大に振る舞っていた澄。
圦也を傷つけ、結果的に、周囲の人間をも巻き込んでしまったのは、ただただ澄の愚かさ故でした。

圦也と澄は、小学生時代、高校時代、大学時代と、3度別れます。
最初の2回は、澄が手酷く圦也を裏切りました。3度目は、苦しむ澄を見かねて、圦也が身を引いたのです。
成長するにしたがって、現実を知った澄は、傲慢さは消えたものの、臆病で凡庸なだけの男になりました。
それでも、昔の身勝手な澄も、今の気の弱い澄も、圦也は、好きで好きでたまらないのです。
もちろん、澄を手にいれるまでは、圦也には、身体の関係がある男達は何人もいたわけですが・・・。
特に、中学時代からの仲の大鹿は、圦也の情人であり、パトロンであり、脚本の師でもあったのです。

シリアスなお話ですが、たまに身も蓋もないくらいズバリな表現があって、思わず吹き出しそうに(笑)
高校時代のハワイ旅行中に、初めて圦也に抱かれた澄。圦也と別れた後も、その感触が忘れらません。

大便をするたびに思い出している自分が情けなかった。

自分のウ○○で、攻のチ××を思い出す・・・!! 『私、ウ○○なんてしません! あれはヤオイ穴!』みたいな受が多いじゃないですか、BLって(笑) BLの受らしからぬこの一文にはちょっとビックリしました(笑)

大人になってからの澄は、圦也を傷つけた過去を後悔してるし、常識の通じる男になってはいます。
それでも自分の娘と圦也の間の子供を望む神経はよくわからんなあ(笑) 
澄の元妻、娘と、気の強い女性キャラが登場します。澄なんかより、はるかにたくましいです。
淡々とした語り口と、今さんの柔らかい挿絵で、内容のわりにドロドロした感じはなかったです。
紆余曲折はあるものの、最後はハッピーエンドなので、読後感も悪くなかったと思います。

しかしながら・・・圦也にとって、澄のどこが魅力なのか、私には最後までよくわかりませんでした。
恋は理屈ではないってことですね。なので、執着攻は好きですが、萌えは中くらいでした。
子持ちBLでもあります。TV界の子役ブームの影響か、BL界も子持ちブームですね。少し食傷気味かな(笑)
ちょっぴりJUNEっぽい雰囲気もあり、ベテラン作家さんらしい味わいの作品でした。

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テーマ : ボーイズラブ - ジャンル : 本・雑誌

2012/04/26 08:55 | その他のア行の作家COMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

おはようございますv-22

いやーこれ懐かしい・・
新装版で でたんんですね。
雑誌で読んでいたのですが
なんか ぐるぐるした記憶があります^^;

この人たちはどうなってるのーとか
思って・・^^;

No:1978 2012/04/26 09:05 | ザ・貴腐人 #- URL [ 編集 ]

ザ・貴腐人さんへ

こんにちは。

木原さんも性格の悪い受が多いですが、木原さんの性悪は、私はわりと大丈夫なんです。 
でも、五百香さんの描く性悪キャラは苦手なことが多いので、恐々でしたが、
後半は受が改心するので、なんとかOKでした(笑)

>ぐるぐるした記憶があります^^;
攻はまだわかりやすいけど、受がね・・・。
最近新装版の刊行が多いですね。絶版本を読みたかった人には嬉しいですね。

コメント、どうもありがとう♪

No:1979 2012/04/26 18:28 | みずほ #- URL編集 ]

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No:1982 2012/04/27 00:18 | # [ 編集 ]

pi○○○ 様

pi○○○さん、こんにちは。こちらこそ、いつもご訪問ありがとうございます。

「夏の塩」は、文庫の旧装版の方で読みました。榎田さんの代表作ですね。私も名作だと思います。

>初心者によい作品
初心者向けかどうかはわからないんですが、数年前にダ・ヴィンチという雑誌で、
「BL芥川賞」を選ぶという企画があったようです。
そこで「BL芥川賞」に選ばれたのが、木原音瀬さんの「箱の中」と「檻の外」の連作でした。
私は、これは「夏の塩」以上に好きです。

以前に、個人的な殿堂入りBL作品リストの記事 ↓ をあげたので、もしよろしければご参考までに。

http://bltraveler.blog63.fc2.com/blog-entry-869.html

歴史ものがお好きなら、松岡さんの「FLESH & BLOOD」シリーズは特におすすめです。
BLの枠を超えた素晴らしいエンターテイメント作品だと思います。
現在19巻(18巻+番外1巻)で、まだ完結してないので、追いかけるのが大変ですが(汗)

では、こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
コメント、どうもありがとうございました!

No:1983 2012/04/27 09:22 | みずほ #- URL編集 ]

加筆修正&書き下ろし!

・・・ですってえ!?

今市子さんのイラストも表紙&ピンナップが書き下ろしとか。

ムハー☆読みくらべたいィ・・・!><。



他の人にはわからない魅力?てか
「蓼食う虫」のお話だと思いました。
シュミの悪い攻めって超モエませんか?^^
(ああ、アテシったら本当にバッドテイストが好きで困る)

No:1984 2012/04/27 20:07 | 麗藤ちよこ #- URL [ 編集 ]

麗藤ちよこさんへ

今さんのイラストについては、旧装版を読んでないのでわからないんですが、
あとがきに、「初版時同様イラストを担当してくださった・・・」とあったので、描き下ろしなのかな?

>シュミの悪い攻めって超モエませんか?^^
シュミの悪い受よりは、まだいいですね。
「捨てる神あれば拾う神あり」というか「破れ鍋に綴じ蓋」というか、これはこれでお似合いなのかな~とも思いました(笑)

コメント、どうもありがとう♪

No:1986 2012/04/27 22:32 | みずほ #- URL編集 ]

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