結論:スターはつくれない ~「ポスト羽生結弦」不在のフィギュアスケート人気の危うさ

昨日付けの記事で、こんなのありましたね。突っ込み処はいろいろありますが・・・。


「ポスト羽生結弦」不在のフィギュアスケート人気の危うさ(20181112 VICTORY)

五輪連覇を果たした“絶対王者”羽生結弦がリンクに帰ってきた。11月3日から5日のグランプリシリーズ第3戦フィンランド大会で圧倒的な強さで優勝。次は11月16日からの第5戦ロシア大会に挑む。

羽生結弦が出るかどうかで視聴率は大きく変わる

「フィギュアはテレビ界においてはドル箱。ゴールデンタイムでも安定した数字が期待できます。浅田真央さんが現役だったころは、20%超えも珍しくありませんでしたし、それ以降は多少落ちたとはいえ平均15%は超えています。宇野昌磨選手らもがんばってはいますが、羽生選手が出るかどうかで視聴率は大きく変わる。いまでも羽生選手の演技の瞬間だけは20%を軽く超えるんです。日本での視聴率は、業界全体のスポンサー収入に直結する。今回、羽生選手の参戦したことで放送するテレビ朝日やスポンサーは大喜びしたことでしょう」(広告代理店関係者)

プロ野球の人気カードでも数字が取れず、ゴールデンタイムの地上波放送はほとんど実現しない現在のスポーツ界。フィギュアスケートの視聴率は、W杯前のサッカー日本代表戦にも匹敵する。当然、関係者の誰もが今の人気を維持したいと考えているのだが、フィギュアの取材を続けるあるスポーツ新聞の記者は、その最大のキーマンである羽生の様子が気にかかっているという。

「試合後のインタビューでは勝利にこだわる姿勢をアピールしていましたが、五輪を連覇したことで、モチベーションが下がっているのではないか、と思います。今大会でも勝つためだけなら必要ないレベルの難易度の高いプログラム。もはや彼の関心は、自分フィギュアを完成させること。今回はまだ未完成ということでやりませんでしたが、次の目標として公言している、公式戦で4回転アクセルを成功させたら、その先の目指すところはどこになるのか、プロに転向もあるのではないかと囁かれています」

羽生や高橋大輔が出場しないと完売にならない選手依存の弱点

浅田真央や高橋大輔、羽生結弦の活躍で大人気となったフィギュアスケートだが、日本では長年マイナースポーツとして扱われてきた。“数字をとれる”人気スポーツとなったのは、2006年トリノ五輪で荒川静香が金メダルをとって以降のことだ。

「もともとフィギュアはヨーロッパやアメリカで人気のスポーツ。シーズンオフに行われるアイスショーには大勢の観客が訪れます。ただ日本と異なるのは、ヨーロッパにおけるフィギュアのメインは男女で行うアイスダンスだということ。日本ではシングル競技がメインのように思われていますが、ヨーロッパでは氷上の華麗なダンスを楽しむファンのほうが多いんです」(前出・スポーツ紙記者)

実は、そこに日本フィギュアの問題点が隠されている。

「欧米にはフィギュアという競技そのものを楽しむ文化がありますが、日本の場合、選手個人のファンが多い。競技に復帰した高橋大輔も羽生結弦もメインのファンは、おばさま方で、はっきり言ってしまえば、ジャニーズや演歌歌手の追っかけと同じ(笑)。だから羽生や高橋が出るアイスショーはすぐに完売になりますが、それ以外の選手だとなかなかチケットがさばけない。浅田真央も引退後に自身でアイスショーをプロデュースしていますが、大きな会場を埋められるほどではない。彼女は視聴率は持っているけど、動員はそれほどでもない。テレビで応援したいタイプの選手なんです。華やかさでいえば、羽生以上の存在はなかなかいません。選手個人ではなく競技自体の人気がもっと上がらなければ、羽生の引退で一気に人気が落ちる可能性もあります」(テレビ局関係者)

羽生の次のスターが誕生しないと再びマイナースポーツに逆戻りも

スポーツがひとつの文化を形成していくために欠かせないのは、その競技の経験者だ。リトルリーグや野球部の出身者がプロ野球のファンになり、サッカー部の出身者がJリーグのファンになる。だが、フィギュアスケートの経験者は、それらに比べると悲しくなるほどに少ない。

「本格的にフィギュアを始めたいと思っても、練習場や教えられるコーチの数が限られているんです。常設のリンクは東京、横浜、名古屋、仙台、福岡などごくわずか。しかも競技を続けるには、莫大な金がかかる。練習場所を確保し、コーチや振付師を雇い、音楽や衣装を用意し、さらに海外への遠征費もかかる。最低でも年間1000万円は必要です。いまその資金をスポンサー契約料でまかなえるのは、男女あわせても羽生と平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨くらいでしょう。他の選手は、アイスショーなどのギャラでなんとか競技を続けている状態です」(前出・スポーツ紙記者)

競技自体の人気上昇が望めないとなると、やはり頼みは個人の人気。フィギュア人気を支え、維持するための“ポスト羽生結弦”の候補はあらわれるのか? 男子なら宇野、女子なら宮原知子や坂本花織、本田真凜など次の「北京五輪世代」も奮闘しているが……。

「浅田真央の物語性や羽生の圧倒的な華やかさ。若い選手たちには、まだそういうスターの要素が欠けている。演技や勝利だけではないドラマティックな要素が必要だと思います」(前出・テレビ局関係者)

荒川静香が火をつけ、浅田真央・高橋大輔が盛り上げ、羽生結弦が大きく育てたフィギュア人気。彼らに並ぶようなスターが早く出てこなければ、再びマイナースポーツへと逆戻りする可能性もある。



試合後のインタビューでは勝利にこだわる姿勢をアピールしていましたが、五輪を連覇したことで、モチベーションが下がっているのではないか、と思います・・・クワドアクセルがあるのでモチベは下がっていないでしょう。「勝ちにこだわる姿勢をアピール」という書き方には違和感あります。あれはただ真意を語っただけ。今更、ヤル気をアピールしなけらばならない存在ではありません。


欧米にはフィギュアという競技そのものを楽しむ文化がありますが、日本の場合、選手個人のファンが多い・・・これについては同意です。安藤美姫さんも、某雑誌のミヤケンさんとの対談でこんなことを言ってました。

私の一つの夢は、フィギュアスケートって、今は試合とかで現役の子の方が注目を浴びていて見る機会が多いから盛り上がったりとかするけど、目標はヨーロッパとかアメリカみたいにフィギュアスケートの本当の面白さ、エッジワークとか音楽との調和とかそういう方向を、4回転とかジャンプとか結果だけでなくて、それ以外にも面白い魅力があるスポーツというのを、もうちょっとたくさんの人に知ってもらって、アイスショーを見にきてもらいたいと思います。

この子が出るから来るとかだけじゃなく、ファンタジーオンアイスだったら、ファンタジーオンアイス、プリンスアイスワールドだったら、プリンスアイスワールドという風に。アイスショーを毎年楽しみに。そういう人もいるんですけど、そういう人が増えたらもっともっとフィギュアスケートの歴史も刻まれていくだろうし、もっともっと日本のフィギュアスケートの魅力が増していくんじゃないかなって思うので。


ヨーロッパでは、試合よりショーの方が人気ありますよね。ハビのスペインでのアイスショーも満員だったそうです。でも、日本は欧米ほど(フィギュアに限らず)ショー文化は根付いてないのだと思います。フィギュアも、もともとはヨーロッパ発祥のスポーツです。ルールもややこしすぎてスケオタ以外には理解されていないし、結弦くんほどのスーパースター以外は、「ジャンプ跳びましたー!」「日本人が勝ちましたー!」で煽らないと一般人は食いついてくれない。今年の女子のNHK杯は盛り上がったけど、わかりやすいトリプルアクセル跳ぶ新星がでてきたからです。

アイスショーの料金も高く、どうしても見たい「推し」がいないとなかなか払える金額ではありません。ファンタジーオンアイスは日本では一番レベルの高いショーですが、それでも結弦くん無しではチケットを完売させることはできません。CSでステファン座長の「アートオンアイス」見たことあるけど、ジャクソン5がアーチストとして出ていました。日本でそんなアイスショーを開催することは不可能でしょ? 安藤さんの「誰が出てるから足を運ぶのではなく、ショーそのものを楽しんでほしい」という気持ちはわかるけど、日本の現状ではなかなか難しいと思いました。ただ、結弦くんが引退したら・・・日本のショーの世界に変革を起こしてくれる可能性はあると思っています。


だから羽生や高橋が出るアイスショーはすぐに完売になりますが、それ以外の選手だとなかなかチケットがさばけない・・・これについては異論があります。高橋選手と結弦くんが満員にできる箱の大きさが全然違います。フレンズオンアイスの新横くらいの小さな箱であれば、高橋さんは今でも満員にできますが、大きな箱でしかも地方会場のエコパアリーナですら満員にできるのは、羽生結弦だけ。しかも5都市を回るツアーです。同列に語らないでいただきたい。私は、集客力が落ちてきたことも、彼の復帰の理由のひとつだと思っていますよ。


その資金をスポンサー契約料でまかなえるのは、男女あわせても羽生と平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨くらいでしょう・・・宮原さんは木下所属。三原さんや坂本さんにも地元のスポンサーがついてます。確か、樋口さんにもスポンサーいたと思います。男子でも島田選手が木下所属ですよね。なにより、本田真凛さん忘れていませんか? 真凛さんは宇野選手よりたくさんスポンサーついてますが(笑)


“ポスト羽生結弦”の候補はあらわれるのか?・・・あらわれません。たった一人のわずか数分の演技を見るためだけに、3600人の日本人を、地球を半周させてフィンランドまで民族大移動させられるスターは、世界中の会場をホームにできるスターは、もう絶対現れないと断言できます。


浅田真央の物語性や羽生の圧倒的な華やかさ。若い選手たちには、まだそういうスターの要素が欠けている・・・スターは作れないんですよ。スターはごり押ししなくても、自ら光(オーラ)を発します。周囲からたくさん無理矢理光を照射して、自ら光(オーラ)を発してるように見せかければ、それで大衆は騙されてくれるだろうと思っているのかもしれません。でも、世間はそこまでバカではない。

先日のNHK杯の視聴率でそれがはっきり証明されました。

女子シングル・フリー(後5・38~6・45)の平均視聴率 14・2%(関東地区)
男子シングル・フリー(後7・30~9・45)の平均視聴率 10・6%(関東地区)


夕方に放送された女子が、ゴールデンタイムに放送された男子に完勝です。これが逆の時間帯だったら、女子フリーはもっと視聴率が高かったでしょう。参考までに昨年のNHK杯の夕方放送された女子フリーの視聴率を。

女子シングル・フリー 平均視聴率 10.5%(関東地区)

今年と同じ時間帯の女子フリーより低いものの、今年のゴールデンタイムの男子とほとんど同じなのです。昨年は直前に結弦くんの欠場が決まったので仕方ないですが、昨年でも、もし女子がゴールデンタイムだったら、今年の男子よりは上だったんじゃないかな。来年、NHK杯に結弦くんが出るかどうかわかりませんが、もし出ないのなら、女子をゴールデンにした方がよさそうですよ、NHKさん(笑)


GPS2017ロシアSP
今年のロステレも、あの男の子はフラワーボーイするのかしら?


参加してます。よろしければ、ポチっと応援お願いします♪

フィギュアスケートランキング

関連記事

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/11/14 12:25 | テレビ番組・コラム(2018-2019)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

羽生結弦の調整力の凄さ & ウンザリする「お色気信仰」ふたたび

炎上商法かと疑いたくなるほどなにかと物議を醸す記事の多いAERA.dotですが、雑誌の「AERA」から抜粋したものは比較的マトモです。同じAERAでも、ネット担当と雑誌担当は違うのでしょう。AERA.dotがあまりヤラかすと、雑誌の「AERA」の売り行きにも影響するので、雑誌の方からなんとかしてくれないかと思ったりしますが、出版社はデスクの権限が大きいらしいので、難しいのかもしれません。雑誌の「AERA」が最近まだマシなのは、「AERA」の売上に大きく貢献した結弦くんに多少は恩義を感じているからかしら。

最新のAERA.dotの記事2本貼っておきます。
雑誌「AERA」からの抜粋記事なので、特に問題はありません。


羽生結弦「終わったから言うんですが…」 今季初戦の裏側告白(20181113 AERA.dot)

 フィギュアスケート男子の羽生結弦が、今季世界最高得点でGPシリーズ初戦優勝という、最高のスタートを切った。直後のインタビューでは、実はジャンプに苦戦していたことを明かした。

*  *  *
──終わってみて感想は。

 とりあえずやりきれたな、と。もちろん、ふらついているジャンプが多々あったり、スピンの出来も自分の中ではうまくいってないところもいっぱいあったり、そもそも集中しきれていなかったり。いろんな課題がありますけど、まずは全部(ジャンプを)立てたっていうのは大きなステップにはなったんじゃないかなって思います。

──勢いを抑えて丁寧に滑った印象だが。

 終わったから言うんですが、ここのリンク、なかなかエッジ系ジャンプが入らなくて、結構苦戦していたんですね。最終的に今日の朝の練習で、「スピードを出さなければ跳べるな」って思っちゃったんで、ちょっとスピードを落として。特にエッジ系ジャンプ、ループはスピードを落として慎重にいきました。

──史上初の4回転トーループ-3回転半を着氷した。

 一応成功という形にはなったと思うんですけど、自分の中では加点をしっかりもらえてこその成功。この試合で終わらせるつもりはないですし、しっかり良いジャンプができるように頑張ります。

──今季はルール改正があった。

(フリーが4分半から)4分になって、いろんなスケーターに聞いているのは、「大変になったよね」っていう話。ただ、大変だからこれを抜く、あれを抜くということをしたくないと自分は思っています。自分はルールの中で最高の演技ができるように頑張りたいと思います。

──(今季、挑戦を公言していた)4回転半ジャンプは。

 今季中にはやりたいと思っています。(9月の)オータム・クラシックの前までは結構練習はしていて。でも、オータムの結果を受けて、「今、こんなことを練習している場合じゃないな」って。今はとにかく、SPとフリーを完璧なクオリティーでやることが一番かな、と。もちろん(4回転半の)練習はしたいなって思うんですけど、やれても(12月の)全日本選手権後かなって思います。

──4回転半の練習を一時やめて、プログラムを磨いてきた。

 あきらめることにした時点で、かなりスイッチを入れていたんで。「あきらめるんだから、クリーンなプログラムを絶対しろよ」って、ある意味プレッシャーをかけて練習してきました。

──4回転半はどのくらいの完成度になったらゴーサイン?

 自分の中では、(今は)5%くらい。20 %くらいになったらいけるかなと。ただ、その5%の壁がすごくぶ厚くて、そのぶ厚い壁を破るほど(今は)時間を割くものではないと思っているので、全日本までは練習はできないと思います。(朝日新聞スポーツ部・吉永岳央)

※AERA 2018年11月19日号



羽生結弦が世界を驚かせた今季初戦 演技構成の裏の“狙い”(20181113 AERA.dot)

 フィギュアスケート男子の羽生結弦が、今季世界最高得点でGPシリーズ初戦優勝を飾った。五輪連覇の王者は、史上初となる大技も決め、世界を再びあっと言わせた。

*  *  *
 2位との差は、約40点。次元の違う圧倒的な実力を見せつけて、羽生結弦(23)はリンクを支配した。

 グランプリ(GP)シリーズ・フィンランド大会。自身にとってはGPシリーズ今季初戦だったが、ショートプログラム(SP)、フリーとも今季世界最高点をたたき出し、合計297.12点をマークした。

「やっぱり、勝たなきゃ自分じゃない」

 試合後、負けず嫌いの性格をそのまま言葉に乗せて、優勝をかみしめた。

 この一戦の羽生を語るには、開幕前を振り返っておく必要がある。

「『結果を取らなくては』っていうプレッシャーがすごくあったのが、今は外れていて。(今後は)自分のために滑ってもいいのかな」

 2月の平昌五輪で、連覇を達成。重圧と得点のしがらみから解放された心境を口にしたのは、新シーズンを目前にした8月のことだった。

「自分らしく」に力点を置く今季。だからこそ、プログラムの曲には、憧れのスケーターが使っていた曲を選んだ。SPは元全米王者ジョニー・ウィアーの「秋によせて」。フリーは、ロシアのエフゲニー・プルシェンコの代表プログラム「ニジンスキーに捧ぐ」のアレンジ版を演じる。いずれも小学生のころから憧れを抱いてきた伝説的な選手だ。

 ただ、9月下旬、カナダで挑んだ今季初戦オータム・クラシックで感じた悔しさが転機になった。

 合計263.65点で優勝はしたが、内容は低調なものに。「めちゃくちゃ悔しい」と漏らした通り、例えばSPの足を替えてのシットスピンは規定要素を満たせず、無得点に終わった。

「やっぱり勝たなきゃ意味がない」

 不満の残る演技が、王者のプライドを刺激した。

「五輪後、ある意味でちょっと抜けていた気持ちの部分が、また自分の中にともった」

 そこから約1カ月。羽生は攻めのプログラムを携え、フィンランドに乗り込んできた。

 カギは、ジャンプにあった。まずは11月3日にあったSPだ。ジャンプ要素は三つ。最後の一つを演技後半に跳べば、基礎点は1.1倍になる。ところが、オータム・クラシックでは全てを前半に跳んでいた。

「曲調に合わせて前半にジャンプを跳んで、その後、盛り上がるところでスピンとステップをやりたい」

 得点よりも流れを優先させる。そんな狙いからだった。

 だが、今回は最後の4回転-3回転の連続トーループを以前より約10秒後ろにずらし、「演技後半」と見なされる1分20秒過ぎにもってくるプログラムに変えた。ステップとスピンを全て後半に詰め込む構成は壊さないよう、振り付けと編曲を改めて練り直したという。

 本番。冒頭の4回転サルコーで4.30点の出来栄え点(GOE)を引き出す衝撃の滑り出し。後半に組み込んだ4回転-3回転も含め、三つのジャンプをほぼ完璧に降りると、スピンは当然のように全てが最高のレベル4と判定された。

 翌日のフリーで、世界はさらに驚くことになる。

 国際スケート連盟の公認大会で成功者のない史上初の大技「4回転トーループ-3回転半(トリプルアクセル)」を着氷したのだ。

 助走なしで3回転半を跳ぶのは、極めて難しい。ただ、着氷から3回転半へ向かう途中で、足を一度踏み替える必要があるため「連続ジャンプ」にはならない。結果、至難の業の割に基礎点は0.8倍に。それでも、羽生は「僕らしいジャンプ」と言う。

 実は、構成上2回転ジャンプを跳ぶ必要がなくなるため得点増が見込める。「自分のために」というポイントは保ちつつ、したたかに高得点を狙う戦略がにじむ構成だ。フリーも七つのジャンプ要素を全て着氷し、超高難度のプログラムを鮮やかに滑りきった。

 シニアデビュー9年目。数々の勝利を手にしてきた羽生だが、GPシリーズ初戦を制したのは意外なことに、今回が初めてだった。

「GP初戦としてはよかったと思います。(ジャンプを)全部立てたことは大きい」

 ただ、この程度で満足はしない。

 特にフリーは、勝負の4回転トーループ-3回転半で着氷が乱れ、GOEがマイナス評価。他にも二つのジャンプで回転不足の判定を受けた。

「試合っていうのはすごく自分を成長させてくれるんだなと改めて思う。課題も見つかって、心の灯に薪が入れられた状態。しっかりこれからまた練習して良い演技をします」

 GPシリーズ2戦目は11月16日から、ロシア・モスクワで。

「これ以上の演技をするっていうことは、挑戦しがいのあるところ。また楽しみたいなって思います」

 目指す場所はもっと先。得点を求めつつ、自分らしく──。頂点を極めてなお、羽生は攻める。(朝日新聞スポーツ部・吉永岳央)

※AERA 2018年11月19日号より抜粋



フィンランド大会は最高の盛り上がりで雰囲気の良さは文句のつけようがない大会でしたが、リンクの状態はあまりよくなかったようです。ザギトワですらあまり調子がよくなかったし、男子は転倒しなかったのは結弦くん一人だけでした。

最初の方の記事は、エッジ系のジャンプが難しいリンクとわかり、スピードを落とす判断をした結弦くんの調整力のすごさがよくわかるものですが、平昌五輪のときも、後藤さんが結弦くんの優れた調整力について言及した記事を書いていました。


ジャンプの「トレース」入念チェック 羽生結弦の調整力(20180216 朝日新聞)

 ジャンプのトレース(軌跡)チェック。16日の平昌五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)に出場する羽生結弦(ANA)は幼い頃からこれを行い、その技術を磨いてきた。

 16日午前の練習もそうだった。4回転サルコーの着氷が乱れると、すぐに跳んだ地点に戻る。腰に手を当て、踏み切ったときにエッジ(靴の刃)で氷に刻まれた軌跡を見つめた。練習中5度、SPのカギを握るその軌跡をチェックした。

 つま先をつくトーループ、フリップ、ルッツは「トー系」と呼ばれる。片足で滑りながら逆足のつま先をついて両足で踏み切る。一方で、羽生が得点を稼ぐジャンプ三つは、いずれもつま先を使わずに片足だけで跳ぶ「エッジ系」ジャンプ。トリプルアクセル(3回転半)、4回転サルコー、4回転ループだ。世界で初めて羽生が成功した4回転ループは、痛めた右足だけで踏み切る。

 日本スケート連盟名誉審判の杉田秀男さんは「エッジ系は氷の状態で踏み切り方が変わる」と話す。スピード、エッジを倒す角度、描く弧の半径、跳び上がる瞬間の方向、それらを自分の感覚通りにできなければ失敗する。同じリンクでも、場所や時間で違うので、調整力が必要だ。

 だから羽生は「スピードとの関係、タイミングを頭に入れ、書き留める」という。軌跡の深さ、形を見て、本番までに微調整する。少年時代の羽生を合宿で見ていた杉田さんは「練習でトレースをよく見ていた」と明かす。美しいジャンプは緻密(ちみつ)な計算の上に成り立っている。

 「(けがで滑れない間)陸上でイメージを固めてきた」と羽生はいう。痛めた右足首の感覚や氷の状態に左右される、培ったエッジ系ジャンプ。それが、17日のフリーもカギを握る。(後藤太輔)



この優れた調整力は、彼が多くの経験値があることはもちろんですが、同時に「考えるアスリート」だからかなと思います。いくら多くの経験を経ても、そこから考え、学び、吸収できなければ、それは血となり肉となりません。彼自身がすでにフィギュア界の至宝ですが、彼の頭の中は、おそらくフィギュア界の未来にとっても宝箱なのではないかなと想像しています。

オーサーは「あのときもし金メダルをとっていたら、果たして今の自分はあっただろうかと思うんです。なぜなのかわからないけど、オリンピック金メダリストで、その後コーチとして大成したスケーターは、私の思いつく限りではいませんから(文藝春秋 2018年11月号より)」と語っていますが、そういう「名選手、必ずしも名監督ならず」みたいなジンクスも、いつか結弦くんが覆してくれのではないでしょうか。

11月10日放送の「フィギュアスケートTV!」の中で、濱田チームのスイスでの合宿の光景が流されていました。ジリアンコーチも呼ばれて、紀平さんや中村優くんにジャンプ指導をしていました。そのときに教材として見せていたスマホの映像が、結弦くんの四回転ジャンプでした。ジリアンも、他所に呼ばれてコーチにいくときは、結弦くんのジャンプをお手本に指導しているんですね。そういえば、やはり「フィギュアスケートTV!」で放送されていたスケ連主催のシニア合宿。座学のときにお手本として流されていたのは結弦くんのトリプルアクセルでした。エテリのところもそうだし、いろんなところでお手本にされている結弦くんのジャンプ。それなのに、実戦になると、結弦くんのジャンプのGOEの付き方が渋いのはなぜなのでしょうか?


村上佳菜子さんが、某番組で、宇野選手について「色気がでてきた」と評したり、男の「色気」が演技構成点をあげる要件であるかのような発言をされていたようです。NHK杯に出場していた佐藤洸彬選手も、大会前に「(舘ひろしを手本に)男の色気を出したい」と発言されていました。某選手の復帰とともに、また「色気信仰」の波が一挙に押し寄せてきたようでウンザリします。佐藤くん、色気はいいから、とりあえず技術を向上させてくれ。話はそれからだ。技術の無さを色気で誤魔化そうとしているようにしか聞こえない。

村上さんも、最近アイスショーなどでは「お色気売り」されているようですが、私は日本人女子スケーターでお色気路線で様になるのは、安藤美姫さんくらいだと思ってます。なにより20代前半で2回転祭りでは洒落になりません。10歳も年上の鈴木さんの方がまだジャンプを維持してるくらいです。タレント活動が忙しくて練習できないのなら、ショーに出ず、タレント活動に専念されるべきです。織田さんがスケートファンに支持されてるのは、タレント活動や解説業やコーチ業がどれだけ忙しくても(おそらく村上さんより忙しいだろう)、プロスケーターとしても決して手抜きしないからです。現役時代より技術的にさらに進化しているのがわかるからですよ。

この方のツィートが的を得ていると思いました。



スイス合宿の映像を見て気づいたこと。ジュンファンくんやゴゴレフくんは、「期間限定のスマホの映像」じゃなくて、毎日、「”生”の羽生結弦」を教材にできるのだなと。これはすごいアドバンテージじゃない? 日本のフィギュア界には、海外拠点選手を冷遇し「純国産」にこだわる一派がいます。でも、それではいつか日本は取り残されてしまうと、武藤さん同様、私も思います。


GPS2018FINSP027.jpg


参加してます。よろしければ、ポチっと応援お願いします♪

フィギュアスケートランキング

関連記事

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/11/13 11:25 | テレビ番組・コラム(2018-2019)COMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

羽生選手 GPS2018フィンランド大会 海外実況動画(字幕付) オーストラリア・米NBC編

昨日夕方から突然発熱してダウンしてました。
薬を飲んで早めに寝たら、幸い今朝は熱が下がっていました。
風邪をひきやすい季節なので、皆さんも十分気をつけてくださいね。


さて・・・フィンランド大会海外実況、オーストラリア解説とNBCのお馴染みジョニタラ解説です。
翻訳神さま、ありがとうございます。


オーストラリアのチャンネルSBS解説。字幕付き。ニコニコ動画より。
解説:放送ジャーナリストのPaul Alster氏(2016年からESPN、SKY、SBS等の国際衛星放送でISUのGPシリーズやヨーロッパ・ワールド選手権の解説に携わっている)





「フィギュアスケート界の生きる伝説 」「偉大なるスター」「偉大なる羽生結弦」
「この衣装は僕の好みじゃないからともかくとして。正直言って、昨日彼がウォームアップのとき着てたシンプルな黒の上下の練習着、あれは最高だった」


ポールさんも練習着推しですか。趣味がなかなか上級者ですね(笑)





「おそらく史上最も偉大なる男子フィギュアスケーター」「世界で最も熱狂的なファンをもつスポーツマン」「 絶対的アイドル」 「伝説のスケーター」「これぞ羽生という、素晴らしい演技を彼が披露してくれた今日というこの日を忘れないだろう」

結弦くんのこと、すごい絶賛してるけど、これが海外実況ではスタンダード。日本の解説が一番誉めない。誰に忖度してるのでしょうね(誰かはわかってるけどさ)。だいたい五輪二連覇のレジェンドを誉めなくて誰を誉めるというのか。


では、お馴染みジョニタラ解説です。
今はSPしか字幕はついてません。FSもついたらまたUPします。

アメリカNBC解説。字幕付き。ニコニコ動画より。
解説:タラ・リピンスキー、ジョニー・ウィアー





参加してます。よろしければ、ポチっと応援お願いします♪

フィギュアスケートランキング

関連記事

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/11/12 11:05 | GPS(2018-2019)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

近日発売の羽生選手関連書籍詳細 & そしてますます深まったフィギュア界の闇

今日は、フィギュアスケート関連の書籍の情報を少し。


羽生結弦選手のグランプリシリーズ初戦を「AERA」が詳細リポート!安田純平さんにも単独90分インタビュー (20181109 朝日新聞社)

11月12日(月)発売の週刊誌「AERA」11月19日号は、男子フィギュアスケートの羽生結弦選手の今季グランプリシリーズ初戦となったフィンランド大会を取材。今季世界最高得点の演技の舞台裏を詳細リポートします。3年4カ月の拘束を経て帰国した安田純平さんへの単独90分インタビューも敢行。壮絶な体験や妻への思いを語っています。表紙は俳優の村上虹郎さんです。

羽生結弦選手は11月3日、4日のGPシリーズ・フィンランド大会で、ショート、フリーともに今季世界最高得点をたたき出し、優勝しました。大技「4回転と-ループ+トリプルアクセル」も成功させ、世界をあっと驚かせましたが、本人は「加点をしっかりもらえてこその成功」と話し、満足していません。今シーズン中の「4回転半」にも言及しています。

今季は、子どもの頃から憧れてきたというエフゲニー・プルシェンコとジョニー・ウィアーがかつて演じた曲を使用。プログラムは「自分らしさ」を大事に構成されていますが、取材した記者は、高得点を狙うしたたかな戦略も込められている、と分析。試合後の一問一答も収録しています。

・その他のフィギュア記事
フィギュア髙橋大輔が全日本選手権へ「自分に希望を持っている」


AERA (アエラ) 2018年 11月19日号
定価:390円(税込)
発売日:2018年11月12日(月)


AERA (アエラ) 2018年 11/19 号 [雑誌] ← アマゾンサイトへ

個人的には、この「AERA」は、結弦くんの表紙ではないので、図書館ですまそうと思います。


次号の「Number 966」は、フィギュアスケートと体操特集です。
アマゾンにはまだUPされていませんが、結弦くんの表紙くる可能性大。
結弦くんの表紙なら買う。結弦くんの表紙でなければ図書館。

美しく、強く。フィギュアスケート&体操 総力特集

第1特集
男子フィギュア2018-19
羽生結弦 インタビュー&GPシリーズ速報
ジョニー・ウィアー/都築章一郎「羽生結弦のオリジン」
宇野昌磨/高橋大輔/町田樹

第2特集
体操ニッポンの挑戦
内村航平
白井健三/田中佑典/谷川航/萱和磨
アテネ五輪メンバーが語る「2020年へ」
体操日本女子の現在地


966号は11月22日(木)発売です。


さて・・・「フィギュアスケーターズ vol.13」の詳細がわかってきました。

フィギュアスケーターズ13

フィギュア・スケーターズ13 FIGURE SKATERS Vol.13 ← アマゾンサイトへ

価格:1500円
出版社: インロック
発売日: 2018年12月7日


アマゾンに「規格外のサイズでおとどけするフィギュアスケート・アート・マガジン」とあるので、サイズはA3のままだと思います。


高橋本ではないかと言われていたインロックの「フィギュアスケーターズプラス」ですが、こちらも概要がでました。

フィギュアスケーターズプラス

こちらは、「フィギュアスケーターズ13」より2週間ほど早い11月22日に発売されます。高橋選手と宇野選手の2人本のようです。サイズは通常サイズのA4サイズ。価格は1300円。

キスクラと同じパターンですね。高橋選手と宇野選手の特化本を先にだすことが、結弦くん特化本をだせる条件だったんでしょうか。違う出版社で同じパターンが続けば、そう勘繰られても仕方ない。しかも、キスクラは、以前にも宇野選手や高橋選手の特化本を出した前例があるけれど、「フィギュアスケーターズ」にはそういう前例はないのですから。その上、羽生本の方にはピンナップつけないのに(以前はつけてた)、高橋宇野本には2枚もピンナップもつけるという気のつかいよう。

今週のNHK杯の宇野選手への謎の高得点。
世界中から疑問や批判の声がでています。まるで「フィギュア界の奈良判定」です。
そして、予想はしていたけど、ブロック大会での高橋選手への厚遇PCS。

フィンランド大会のショートで、結弦くんに一番低いPCSを出したのは日本人ジャッジでした。なんだかんだ言われているアメリカ人ジャッジより低いのだから驚きです。そして、NHK杯の宇野選手のグダグダショートに一番高いPCSを出したのも日本人ジャッジでした。なんと、フィンライド大会の日本人ジャッジがだした結弦くんのPCSと、NHK杯の日本人ジャッジがだした宇野選手のPCSは、46.75で同じです。ほぼノーミスとグダグダが同じPCS・・・信じられない。

結弦くんに対しては、日本人ジャッジは味方ではない・・・というのがわかる象徴的な出来事でした。結弦くんが五輪シーズンで語っていた「圧倒的に勝ちたい」という意味はこういうことだったのか。聡明な結弦くんが気づいてないわけがないものね。

そして、昨年から始まり、今年になってますます加速してる一連の出版業界の不可解な動き。
フィギュア界の闇の深さに悪寒すらします。
私がこれまで生きてきた経験上からいっても、不自然なことには必ず裏があるのです。

それにしても・・・結弦くんは、五輪二連覇しても国民栄誉賞をもらっても世界で尊敬されるレジェンドになっても・・・試練が続く運命の星の下に生まれているのだなあと。結弦くんに試練を与え続ける人達にはわからないのでしょう。試練を与えれば与えるほど、ますます彼のカリスマ性が高まり、輝きが増していくことに。そして・・・これまでそうだったように、神様は、必ず最後には結弦くんを守ってくれるはずです。


「チーム・ブライアン」の売れ行き好調です! オーサーにも「良い風」が吹いてますね!

 ← アマゾンサイトへ


羽生結弦らトップフィギュア選手のコーチ著書、初のTOP10入り 平昌五輪の裏側も(20181109 コンフィデンス)

 羽生結弦選手をはじめ、世界中のフィギュアスケートトップ選手のコーチを務めるブライアン・オーサー氏による著書、『チーム・ブライアン』シリーズの第3弾となる新刊『チーム・ブライアン 新たな旅』(講談社/11月1日発売)が、週間1.2万部を売り上げ最新11/12付オリコン週間BOOKランキング9位に初登場。昨年2月に発売された前作『チーム・ブライアン 300点伝説』での最高13位を更新し、シリーズ初のBOOKランキングTOP10入りを記録した。またジャンル別「スポーツ関連」ではシリーズ3作連続の1位となった。

 前作『チーム・ブライアン 300点伝説』を大幅に改訂した本作。今年2月の平昌オリンピックで羽生選手が男子シングル2連覇を達成するまでの知られざる苦闘のほか、エフゲニア・メドベージェワ、ジェイソン・ブラウン選手がチームに加わった経緯、羽生選手たち“チーム・ブライアン”の新シーズンとその後の夢についても語っている。



さて・・・こちらは出るんでしょうかね。フィンランド大会特集は中止になりました。
ロステレ大会特集はそのままアマゾンに残っていますが・・・さて?

フィギュアスケートMemorial グランプリシリーズ2018 in ロステレコム杯 ← アマゾンサイトへ

価格:1404円
単行本: 128ページ
出版社: カンゼン
発売日: 2018年12月3日



参加してます。よろしければ、ポチっと応援お願いします♪

フィギュアスケートランキング

関連記事

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/11/11 11:00 | CM・雑誌・商品情報(2018-2019)COMMENT(11)TRACKBACK(0)  TOP

羽生選手 GPS2018フィンランド大会 海外実況動画(字幕・翻訳付) 台湾・アメリカ編

フィンランド大会のショートプログラムの海外実況動画です。

台湾解説。字幕付き。ニコニコ動画より。




アメリカ実況。youtubeより。
解説・実況:アンドレア・ジョイス&チャーリー・ホワイト


2018 GPHelsinki SP "Otoñal" (OG Channel Commentary)


字幕付きの動画まだありませんが、翻訳は、Sienna様のブログにあります。ありがとうございます。
→ https://ameblo.jp/sienna12/entry-12417762761.html


GPS2018FINSP.jpg


参加してます。よろしければ、ポチっと応援お願いします♪

フィギュアスケートランキング

関連記事

テーマ : フィギュアスケート - ジャンル : スポーツ

2018/11/10 11:40 | GPS(2018-2019)COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP